海上自衛隊の艦船、10か月ぶり台湾海峡通過…中国の「世論戦」に利用されぬよう慎重に時期検討

海上自衛隊の護衛艦「いかづち」が17日、台湾海峡を通過した。台湾有事を巡る昨年11月の高市首相の国会答弁に中国が反発して以降、海自艦が台湾海峡を通過するのは初めて。日中関係の改善に向けて中国との対話を模索しつつ、国際法上の「航行の自由」を重視する立場に揺るぎがないことを示す狙いがある。
複数の政府関係者が明らかにした。海自艦艇による台湾海峡通過は、2024年9月、25年2月、同年6月に続いて通算4回目。いかづちは海峡通過後、南シナ海に向かい、米比両国の合同軍事演習に参加する。
過去3回の通過は数か月おきだったが、今回は約10か月ぶり。台湾有事が日本の「存立危機事態」になり得るとした首相答弁を巡り、台湾への武力介入を示唆した発言だと批判する中国の「世論戦」に利用されないよう、通過時期を慎重に検討してきたためだ。
首相はこの間、主要国首脳に日中関係の現状や日本の立場を説明してきており、通過再開の環境が整ったと判断した模様だ。米国も、国際水域である台湾海峡には航行の自由があるとの立場で、自国軍艦の通過を続けている。
中国外務省報道官は17日の記者会見で、「中日関係の政治的基礎を損ない、中国の主権と安全保障を脅かした」と主張し、日本側に抗議したと明らかにした。