【急展開】3万人反対で巨大風力発電が中止に…完成1年で外壁めくれた147億円「札幌新庁舎」も波乱の修繕へ 報道の裏にあった現場のリアル

放送から急展開 動き出した現場
放送から1か月足らずで急展開。3万人超の反対で事業中止が決まった北海道函館市の風力発電計画と、完成わずか1年で外壁に異常が生じ修繕工事へ向かう札幌市中央区の新庁舎。市民の声をきっかけに動き出した現場を追いました。
函館 水源地の風力発電計画:市民の不安と議会の全会一致で「見送り」へ
7月、HBCの「もんすけ調査隊」が調査した「函館の水源地に持ち上がった、風力発電所の建設計画」で、大きな動きがあったので追跡調査をした。
函館市大泉潤市長(7月) 「当該事業は問題が多すぎると思っています」
市民の水道水を支える水源地に、高さ195メートルの風車を最大11基建てるプロジェクト。
貴重な自然や100万ドルの夜景への影響に不安の声が上がり、住民たちが立ち上がった。
漁師 熊木祥哲さん 「手を加えて破壊したものは元に戻らない」
反対署名は3万筆超え。函館市議会も、全会一致で反対決議を可決したのだ。
放送から1か月…事態が大きく動いた。
事業者発表文 「事業性を総合的に考慮し判断した結果、本事業の実施を見送ることを決定いたしました」
7月23日、事業者が突然、建設計画の見送りを発表した。
大泉潤市長が指摘した「コミュニケーション不足」と残る課題
函館市のトップは…
函館市 大泉潤市長(7月) 「市民の不安や懸念を重く受け止めた結果だと思っている」
大泉市長は、事業者の市民に対するコミュニケーション不足を指摘。
今後の市の課題とし、再生可能エネルギーに関する、独自の条例を制定することにも言及した。
函館市 大泉潤市長 「必要な対応は検討しなければならない」
3万筆の署名を集めた市民団体は…
函館の水源と生態系を守る会 富樫共同代表 「同じ場所で別の事業者が風況調査をやっている。ひと安心ではない」
市民の声が巨大プロジェクトを止めた。しかし自然保護と再生可能エネルギーが引き起こす摩擦は解決していない。
函館の水源と生態系を守る会 富樫共同代表 「身近にある自然や生態系を壊してまで、自然エネルギーを作ることは違うんじゃないかなと」
札幌 147億円の新庁舎で異常発生:わずか1年で木材シートが剥離
さらにもうひとつ、大きな動きを見せた調査がある。
調査員 「あちらのガラス面の内側にある木のシートが剥がれてしまっています」
147億円をかけ、去年完成したばかりの札幌市中央区の複合庁舎。
わずか1年で、外壁の天然木シートが全面でめくれあがるという異様な光景になった。
札幌市民 「完全に不良品だ」
原因は、ガラス張りの密閉空間による「熱伸縮」。窓に合わせるため、2枚の木材シートを貼り合わせた結果、剥がれてしまったのだ。
さらに問題視されたのは、去年4月に異常を把握していながら、1年3カ月も公表を控えていた行政の対応だった。
札幌市区役所整備担当課 小原靖訓課長 「原因究明と修繕計画を優先させた」
コンセプト「木の温もり」は喪失…異例の修繕方法と行政の説明責任
放送から4か月…事態が動いた。
札幌市のホームページ 「中央区複合庁舎にて、改善工事を行うこととなりましたので、お知らせいたします」
先月、札幌市はようやく複合庁舎の改善工事の計画を発表したのだ。調査員は、再び担当者を直撃した。一体、どう直すというのか?
札幌市区役所整備担当課 小原靖訓課長 「めくれている部分だけをカットして、アルミの複合板を設置し、押し縁で固定する」
元の木材シートは剥がさず、木目模様のアルミ板を上から覆いかぶせるというのだ。
庁舎のコンセプト「木の温もり」は失われることになる。
では、そもそも、なぜ建築のプロが、ガラス内側の過酷な熱を見抜けなかったのか?
札幌市区役所整備担当課 小原靖訓課長 「『大丈夫だろう』という判断で、想定以上の温度になった」
熱の影響は想定していたが、見通しが甘かったという。
1年以上も公表を控えていたことについては?
札幌市区役所整備担当課 小原靖訓課長 「『異変が異変が生じている』と公表の仕方もあったと今は考えている」
改善工事は、来週月曜日から始まり、来年8月末まで続くという。今回の事態を、札幌市のトップはどう受け止めているのか?
札幌市 秋元克広市長 「市民に大変ご迷惑をかけている状況。どういう点が不具合だったのか、今後の市有施設の整備などに活かせるか、しっかり検証をしていきたい」
全額事業者負担で改善される新庁舎だが、真に問われているのは費用ではない。
市民の財産を管理する行政の姿勢と説明責任が厳しく問われている。
調査結果:函館の風力発電は見送り 札幌中央区役所庁舎は修繕へ
森田絹子キャスター 調査結果です。函館の風力発電計画は、住民の反対などにより事業が中止となりました。そして札幌市の中央区複合庁舎の修繕工事は、来週月曜日から行われることになりました。
堀啓知キャスター 函館ですが、市民の声で巨大プロジェクトを止めるということになりました。
コメンテーターアンヌ遥香さん 貴重な水源地に建てるというのは、私も正直どうかなと思っていました。私は正直このニュースを聞いてちょっとホッとした一1人です。ただ今後、電力需要が下がるということがあり得ないわけですから、どこにこう言ったものを作っていくかっていう問題は、やっぱりずっと考えて、考えていかなきゃいけない問題ではありますよね。
堀キャスター そして、札幌市中央区の複合庁舎ですが、木のぬくもりがコンセプトということでありましたけども、今度はアルミの板を貼るということでした。
コメンテーター藪淳一さん 今日の午前中に、実は僕マイナンバーカードの手続きで中央区役所行ってきたばっかりなんですよ。
初めて生で見ましたけれども、確かにめくれてました(笑)。でもほぼ全てが同じようにめくれてるので、意外と違和感がなかったなという感じがしたのと、中央区民としては別にこの状態でも悪い影響はもらってないなというのもあったんですよね。あと結果的にこれは施工業者さんとか設計業者さんのミスだと思うので、札幌市の担当者の本音では「自分たちもむしろ被害を被った方なんだろうけどな」というような気持ちがあるんじゃないかなという風に察します。
堀キャスター そうですね。まあ見た目もね、おしゃれな雰囲気で、デザイン色々考えた末にこれを作ったと思うんですけども、やっぱり太陽の熱でめくれるところまではまだ想定できてなかったということですけれどね。
森田キャスター 修繕工事のスケジュールです。部分的に足場を設置して修繕するということで、来年4月からテラスの開放は休止になります。工事期間中も区役所は通常通り開庁しますけれども、ご利用の際はご注意ください。
堀キャスター この札幌・函館のいずれも放送後に大きく動いたわけですけれども、もちろんまだね、課題もあるということで、引き続き「もんすけ調査隊」では注目していきたいと思います。