職員へのパワーハラスメント問題で辞職した横浜市の山中竹春前市長(54)が28日、10月の市長選に立候補すると表明した。市内で開かれた後援会の会合で「市長選に不退転の決意で臨みたい。身勝手な決断をお許しいただきたい」と述べた。29日に記者会見し、正式表明する。山中氏が名乗りを上げたことで、選挙戦の構図は市政継続の是非を問う「出直し選」に一変した。出馬表明は6人目。
参加者によると、山中氏は会合で15分ほどマイクを握り、「犯してしまった過ちを背負い続け、二度とハラスメントを起こさない組織をつくっていくことが私に課せられた責務だ」と強調。さらに「公約を道半ばで終わらせるわけにはいかない」とし、「ゼロから誠実に市民と向き合う」などと決意を語った。参加者から意見や質問はなく、拍手が送られたという。
山中氏は8月28日、自身のパワハラ問題にけじめをつけるとして辞意を表明。市会での全会一致の同意を受け、9月7日に辞職した。再出馬については「未定」と明言を避けてきたが、市内の各駅頭に立つなど「謝罪」を繰り返した。連休中は被災地でボランティア活動を続けたとし、「人に寄り添い、役に立つことを改めて見つめ直した」という。
これらを受け、支援してきた港湾関係団体や市民団体は「猛省が示された」などと再出馬を要請。会合での表明を受け、後援会幹部は「決断したからには謝罪から気持ちの切り替えが必要だ」と語った。
パワハラ問題は、市人事部長(当時)が1月に告発して発覚した。7月に第三者調査委員が報告書を公表し、人事を巡る「飛ばす」「粛清」といった発言など7項目をパワハラと認定。「圧倒的に優越的な地位にある市長が、多岐にわたる不適切な言動を日常的・継続的に行っていたことは極めて深刻」と総括した。
山中氏は埼玉県秩父市出身で、横浜市立大医学部教授などを歴任した。2021年の市長選でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致反対を訴えて初当選。25年の市長選で再選を果たした。
10月4日告示、18日投開票の市長選には、弁護士の原沢敦美(59)、会社経営の福山敦士(37)、元衆院議員の中谷一馬(43)、共産党県委員会副委員長の浅賀由香(46)、市民団体代表の藤川祥子(51)=表明順=の新人5氏が立候補を表明。浅賀氏は共産公認で、その他4人は無所属での出馬を予定している。