安倍政権「就職氷河期」支援策 予算規模は“ミサイル3発分”のケチケチ

安倍政権が打ち出す「就職氷河期世代」への支援策に批判が出ている。政府は先月30日、バブル崩壊後に就職難だった30代半ばから40代半ばの氷河期世代への支援策をまとめ、2020年度予算の概算要求として総額1344億円を計上したと公表。ところが、氷河期世代の就労支援に使う費用は全体の1割にも満たない129億円で、残りは氷河期世代以外の支援策に充てるというから、へそで茶を沸かすような話だ。

安倍政権は6月に公表した「骨太の方針」で、今後3年間で30万人の氷河期世代の正社員化を目指す方針を盛り込んでいる。だが、こんなショボイ予算でどうやって実現するのか。ネット上で〈解決する気ねえやろ〉〈救う気無しのパフォーマンス〉などと怒りの声が続出しているのも当然だ。

そもそも、骨太とか言いながら中身はスカスカ。〈ハローワークへの専門窓口の新設〉〈安定就労につながる資格を短期間で取得できる訓練講座創設〉などと、具体性に乏しい文言ばかり。ハナからヤル気がないのがアリアリだ。小泉政権時代の03年にも、氷河期世代の高失業率・高離職率の解決に向けた「若者自立・挑戦プラン」が公表されたが、全く成果が上がらなかった。

■中身もスカスカ

他方、安倍政権が爆買いしている防衛装備品の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は1発約40億円といわれる。就職支援策の予算が「ミサイル3発分」なんて、氷河期世代も随分とナメられたものだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏がこう言う。

「政府は、これまで何度も就労支援を行う団体や組織をつくってきましたが、教育や啓発を行うだけで終わっています。就労支援をした結果、実際に何件が就職に結びついたのか、ほとんど検証を行っていないのです。結局、『策は打った』という事実をつくりたいだけではないか。今回の支援策の中身もこれまでと同様で、著しい効果が出るとはとても思えません」

要するに「氷河期世代の就職支援」なんて言葉だけ。“やってる感”をアピールするのが目的なのだ。国民はダマされてはいけない。