ハンセン病とされた男性が死刑となった「菊池事件」の再審を巡る国家賠償請求訴訟で、特別法廷での審理を憲法違反と認めた熊本地裁判決について、原告・弁護団は控訴期限の11日、控訴を見送ると発表した。原告の請求自体は棄却されたため国側は控訴できず、特別法廷を違憲とした判断が確定する。
原告はハンセン病国立療養所の入所者ら6人。2月26日の判決は、ハンセン病を理由に設置した特別法廷とその審理を「法の下の平等などを定めた憲法に違反する」と指摘。最高裁の報告書が1960年以降の特別法廷を違法としたのに対し、50年代の菊池事件での差別的な運用を認めた。一方で、男性の親族ではない原告の請求は退けた。
原告らは「最高裁より踏み込んだ初の違憲判断」と評価。今後、この判決の違憲判断を基に、検察に再審請求するように要請する。
原告団は「再審に向けた大きな足がかりになる。男性の無罪を勝ち取り、司法の責任を明らかにすることを諦めない」との声明を発表。最高裁広報課は「個別の判決へのコメントは控える」とした。