新型コロナで「何らかの不安」63.9% 厚労省調査 運動量減りゲーム時間増

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、緊急事態宣言中の4~5月に「何らかの不安を感じた」とした人は63・9%に達していたことが25日、厚生労働省の調査で分かった。感染拡大前後での日常生活の変化について尋ねたところ、運動量が減る一方、ゲームをする時間が増えた、との傾向も明らかになった。
調査は9月に、15歳以上を対象にインターネットを通じて実施。約1万1000人から回答を得た。
感染拡大に伴い何らかの不安を感じた人は、2~3月で55・1%▽4~5月=63・9%▽6~7月=55・9%▽8月~9月中旬=45%。不安を抱いた対象については、「自分や家族の感染」「自粛等による生活の変化」「自分や家族の仕事や収入」などだった。
日常生活の変化を尋ねたところ、「運動量」(減少=39・1%、増加=7・1%)と「ゲーム時間」(増加=18・6%、減少=2・7%)の項目で増減が目立った。厚労省は自宅で過ごす時間が増えたことが原因とみている。食事の量や睡眠時間は、「変わらない」がいずれも8割程度で大きな変動はなかった。
不安やストレスの解消方法は「手洗いやマスク着用などの予防行動」が73・5%で最も多かった。生活スタイルの変化に伴う良い影響は「家族と過ごす時間が増えた」が29・2%で、「特にない」は50・7%だった。【村田拓也】
テレワークも心身の不調に影響
埼玉県の会社員女性(39)は、治療中だったパニック障害を悪化させた。新型コロナの流行期に不安感が高まったためだ。
女性は、電車内や美容院で髪を切る間など、自由に身動きができない場面で動悸(どうき)が激しくなる症状に悩まされ、2012年にパニック障害と診断。投薬などの治療を続け、昨年にはほとんど症状がなくなるまで改善した。
しかし、今年に入り新型コロナが流行すると、再び症状が悪化。「感染するかもしれない」という恐怖感に加え、長期化する自粛生活で友人らと外食すらできないストレスで、気分が落ち込みがちになった。
5月の緊急事態宣言の解除後に出社する機会が増えると、マスクを着用しない同僚への陰口が聞こえるなど社内の雰囲気が悪化。通勤ラッシュを避けるための早起きによる睡眠不足も重なり、「会社にたどり着くのがやっと」となった。服用する薬の種類を増やし、治療を続けている。
コロナ対応に伴う働き方の変化は精神面にどう影響したのか。代表的なのがテレワークだが、毎日新聞が国内の主要企業126社を対象にアンケートしたところ、回答した114社のうち11%にあたる13社が「メンタル面での不調を訴える社員が増えた」と答えた。
心療内科医の姫野友美医師によると、感染への不安だけでなく、テレワークで好きな時間に食事ができることによる食生活の乱れなど生活習慣の悪化も、心身の不調に影響するという。姫野医師は「何事も完璧にこなそうとすると新型コロナによる環境の変化に耐えられない。先のことを考えすぎると不安が募るので、『今日1日を無事に過ごそう』という気楽な心構えが重要だ」と助言する。【小川祐希、石田奈津子、矢澤秀範】