ワクチン証明アプリ、運用開始 海外渡航手続きなどで利用想定

政府は20日、新型コロナウイルスワクチンの接種をスマートフォンで証明するアプリの提供を開始した。緊急事態宣言が出ても行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」での利用を想定しており、イベント会場や飲食店で活用する。政府による接種証明は、これまで紙の証明書しかなく、運用を担うデジタル庁は利用拡大を期待している。
アプリの正式名称は「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」。アプリを用いた接種証明書の交付件数は、20日午後2時半時点で約25万件に達した。
国際規格に基づいており、海外渡航手続きで提示すれば、76の国と地域(13日時点)との行き来で待機時間を短縮できるといった恩恵がある。アップルのiPhone(アイフォーン)と、アンドロイドを搭載したスマホに対応しており、いずれもアプリストアから無料でダウンロードできる。
アプリの利用を始めるには、本人確認のためマイナンバーカードをスマホにかざしたり、カード取得時に決めた4桁の暗証番号を入力したりする必要がある。海外でも利用する場合は、パスポートの情報も読み込む。
アプリを起動すると画面に接種回数、接種日、ワクチンの種類、製造番号などが表示される。活用する際は、この画面を提示したり、別に表示するQRコードを読み取ってもらったりする。画面に表示される氏名と生年月日は隠すこともできる。海外向けには旅券番号や国籍も表示される。
アプリに表示される情報は、政府が運用するワクチン接種記録システム(VRS)と連携している。一部の市区町村の居住者は、個人情報に関する条例の関係で議会手続きが必要となっており、利用開始が遅れる。デジタル庁は利用可能な市区町村の一覧をホームページで公開しており、随時更新している。
自治体が各住民のワクチン接種に関する情報をVRSに誤って入力したケースもあり、17日時点で約10万件に及ぶ。その場合は誤った情報が表示される恐れがあり、デジタル庁は自治体に修正を求めている。【松倉佑輔】