紀子さま、小室夫妻に送った『成年式招待状』に秘めた“複雑”な思いと願う“和解の道”

9月6日に行われた悠仁さまの成年式。新たな成年皇族の誕生という節目の儀式に、実の姉である、小室眞子さんの姿はなかった─。
紀子さまが抱く複雑な思い
「秋篠宮家の長女の眞子さんは、2021年に小室圭さんと結婚。同年にアメリカへと渡って以降、一度も帰国していません。今年は夫婦の間に第1子が誕生したということもあり、ご両親らと子どもを面会させるために、悠仁さまの成年式に合わせて帰国するのではと囁かれていました」(皇室ジャーナリスト、以下同)
しかし、成年式を目前に控えた8月28日、宮内庁から異例の発表があった。
「小室夫妻の出席辞退が報じられました。秋篠宮ご夫妻は招待状を送っていたそうですが、遠方に住んでいることや、子どもがまだ小さいことを理由に出席を見送るとの返答があったそうです」
結婚で皇室を離れた内親王でも、成年式などの皇室の行事には出席している。しかし、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、前々から「小室夫妻の出席はあり得ない」と断言していた。というのも、
「小室夫妻が帰国した場合、マスコミや国民の関心が2人のことに集中し、成年式という悠仁さまの晴れ舞台への関心が薄れてしまいます。それだけでなく、小室夫妻の結婚騒動が蒸し返され、秋篠宮家への風当たりがさらに強まることは目に見えています。
ひいては、悠仁さまの成年式の価値すら低下させる可能性もあり、こうした事態は秋篠宮ご夫妻も宮内庁も予想したはずです」(小田部名誉教授)
とはいえ、紀子さまの胸中は複雑だったようだ。
「宮内庁は小室夫妻の出席辞退を公表した際、“別の機会に家族でゆっくり過ごす時間を持てたら”という秋篠宮さまと紀子さまのお気持ちも併せて発表しました。眞子さんは渡米して以降、ご両親と連絡を取っていないようですが、第1子はご夫妻の初孫にあたります。できるだけ早く顔を見たいとのお考えは当然でしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
招待状に秘めた思い
ご夫妻が招待状を送ったのは、こうした親心ゆえだと前出の小田部名誉教授は言う。
「今回、招待状を送らなければ、それが前例となり、今後も何らかの行事がある際に小室一家を招くことが困難となります。結婚騒動以降、ひずみが生じている秋篠宮家と小室家が和解する道も閉ざされることになりかねません。
“招待状を送ったものの、辞退”ということにすれば、今後も招待状を送ることはできるので、状況が好転したときに小室夫妻が皇室の行事に参列するという可能性も残しておけるわけです」
それでも、「今回の招待状は辞退することを前提に送った」と小田部名誉教授は続ける。
「おそらく、辞退することを事前に把握していたはずです。それは眞子さんと仲のいい次女の佳子さまからの情報だったのかもしれません。もし、小室夫妻が出席する可能性を意識したうえで招待状を送っていたとしたら、配慮に欠けています」
水面下でのやりとりを経て決まった小室夫妻の欠席。それを事前に公表したのにも“狙い”があったそうで、
「昨年ごろから、成年式に合わせて小室夫妻が帰国するのではと噂されていました。式が近づくにつれてその話題は注目度を増し、式そのものよりも関心が高かったように思います。
事前に夫妻の不参加を発表したのは“小室夫妻が出席するかどうか”に向いていた世間の注目を“悠仁さまの晴れ舞台そのもの”に戻したいというご両親の考えもあったのかもしれません」(前出・皇室ジャーナリスト)
愛娘に会いたい気持ち半分、今ではないという気持ち半分。招待状には紀子さまの複雑な胸中が秘められていた─。

〈日本初の女性総理目指すも〉参政党との“距離感”が懸念される高市氏では「有事勃発のリスクが高まる」仲間はウラ金問題で失職者続出、カギを握るキングメーカーの存在は?

石破茂首相の辞任表明を受け、「ポスト石破」レースが激化している。動向が注目されるのが、前回の総裁選で首相の座に肉薄した高市早苗前経済安保相だ。安倍晋三元首相の後継者を自認する高市氏は、日銀と連携した「異次元の金融緩和」と大規模な財政出動によって株価を爆上げさせた「アベノミクス」を踏襲した政策を志向しており、財政規律を重視する財務省を敵視する「リフレ派」からの期待は強い。
【画像あり】高市氏がお礼参りをおざなりにしてしまった総裁選のカギを握る元首相
一方で「超」がつくほどの右派として知られる高市氏の台頭を警戒する向きも多く、自民党内には「高市だけは首相にしてはいけない」(党重鎮)との声も上がっているという。
「日本初の女性宰相」へ野心をのぞかせる高市氏
「それは、心にとっくに決めています」。9月2日に自民党本部で開かれた両院議員総会。終了後に報道陣に囲まれた高市氏は総裁選出馬の意向についてこうほのめかした。
この日の総会では、出席議員による、7月の参院選大敗後も驚異の粘り腰を見せていた石破首相への批判が殺到していたが、自民党史上初めてとなる「臨時総裁選」の開催も現実味を帯び始め、「石破包囲網」が狭まりつつあるなかでの高市氏の発言に「早くも次期総裁選出馬にフラグを立てた」(全国紙政治部記者)との見方が強まった。
9月2日時点で首相の座への居座りを続けていた石破首相に対しては、「トップとしての責任のあり方はご自身が考えること」と述べるにとどめたが、いまや「日本初の女性宰相」への野心は隠しようもなかった。
昨年9月に行なわれた自民党総裁選では、河野太郎氏ら9人が名乗りをあげるなか、高市氏が1回目の投票で国会議員、党員・党友票でトップを奪取。石破氏との決選投票となった2回目の投票で涙をのんだが、「総理総裁」の椅子は手の届くところまで近づいていた。
「このとき、高市氏を推して有力候補に押し上げたのが、麻生太郎最高顧問でした。麻生氏を高市氏の支援に向かせた背景には、石破首相への怨念の深さがあります。石破首相は、麻生氏が首相在任時に農水相のポストにありながら『麻生おろし』に荷担しました。
このとき以来、『石破だけは総理総裁にしてはいけない』が持論となっており、優勢が伝えられていた石破氏の総裁選出を防ぐべく、高市氏に懸けたのです」(全国紙政治部記者)
麻生氏は当時、総裁選の投票日直前に、党で唯一残存している自身の派閥「麻生派(志公会)」の所属議員に高市氏への投票を厳命。一部メディアに「高市支持」の情報をリークして党内で揺さぶりをかけた経緯もある。 「今回の『石破おろし』も流れを主導したのは麻生氏でした。参院選で敗北した後に早々と石破首相に退陣を促し、受け入れないとみるや、総裁選前倒しに向けた政局を仕掛けました。総裁選前倒しの可否を決める9月8日の総裁選管理委員会の会合の前には、永田町で麻生氏の周辺による票読みの数字も出回りました」(同)
「今回の総裁選では麻生氏は進次郎氏の支援に回るのでは」
今回の総裁選では、メディア各社が「高市氏と、党内に一定の影響力を持つ菅義偉元首相が後見役を務める小泉進次郎農水相が軸となる」と報じている。再び有力候補として総裁選に名乗りを上げるであろう高市氏にとっては、麻生氏のバックアップを得られるならこれほど頼りになることもないはずだが、前出の記者は「情勢は不透明だ」という。
「麻生氏は前回の総裁選でも高市氏を全面的に支援したわけではありませんでした。当初は麻生派の河野太郎氏の支援を模索しましたが、総裁選で勝利するめどが立たないことがわかり、高市氏の支援に回ったというのが実情でした。あくまで石破首相誕生を阻止するための『当て馬』だったわけです。
それに、高市氏は総裁選後に麻生氏へのお礼参りをおざなりにして麻生氏の不興を買ったとも言われています。今回の総裁選では麻生氏は進次郎氏の支援に回るのでは、との観測も出ており、情勢は不透明といえます」(同)
高市氏にとって痛手なのは、自身と近い議員の多くが昨年の衆院選、今夏の参院選で失職してしまったことだ。自民党凋落の一因ともなった「裏金問題」が、「旧安倍派(清和会)」が震源地となったことも影響している。
「五人衆」といわれた派閥幹部の1人、高木毅氏ら多くの所属議員が政治の表舞台から消えた。高市氏の夫である山本拓氏も衆院選で落選し、総裁選で推薦人となった杉田水脈氏も参院選で議席を得ることは叶わなかった。
「推薦人となることが期待される仲間も、『裏金問題』の当事者になった人や、沖縄戦の歴史認識を巡る『ひめゆり発言』で大炎上した西田昌司参院議員ら問題を抱える人が目立ちます。高市氏が首相になって、彼ら『すねに傷』を持つ人たちが前面に立つことを忌避する向きも党内にはあります。
高市氏は右派色の強いエキセントリックな言動も災いして党内での支持基盤が強いとは言えない。前回の総裁選以上に仲間集めには苦労するのではないでしょうか」(永田町関係者)
「『反高市』を公言する議員も少なくありません」
2度の国政選挙で少数与党に転落した自民にとっては、野党との連携が政権運営のために必要となってくる。高市氏のライバルと目される進次郎氏が総裁となった場合は、「日本維新の会」と近い菅義偉元首相を通じた維新との連携が期待されている。
一方の高市氏は、中国への強硬姿勢を貫く外交政策や積極財政を唱える経済政策で、「日本人ファースト」を掲げて先の参院選で急伸した参政党や、「手取りを増やす」として減税政策を前面に押し出した国民民主党との親和性の高さが指摘されている。
ただ、こうした新興勢力との「合体」を警戒する声も党内には根強い。
「霞が関では、高市氏が首相になった場合のリスクが懸念されています。彼女が主張する“減税”や大規模な“財政出動”を警戒する財務省はもちろん、防衛省内でも危機感が広がっている。
A級戦犯の合祀問題がくすぶる靖国参拝を断行するなど、特に中国に対して強気な姿勢を貫く高市氏ですが、省内では『高市氏が首相になって中国を刺激すれば本当に“台湾有事”が起きかねない』との危機感があります。台湾での有事を見据えて、米軍とともに敷く防衛体制『南西シフト』の最前線に立たされている制服組(自衛隊幹部)の中にも『あの人だけはダメだ』との声が根強くある。
ましてや主張が似通っている参政党なんかと接近すれば、有事勃発のリスクはより高まる。党内でもそうした官僚たちの声は共有されており、『反高市』を公言する議員も少なくありません」(前出記者)
高市氏は昨年の総裁選に破れて以降は、石破首相から提示された総務会長のポストを固辞し、無役を貫いていた。メディアに取り上げられるような表だった動きも見せず、非主流派として雌伏の時を過ごした。
「総裁選以降はメディア露出を控えていた一方で、地方行脚に精を出していた。各地の講演会はいつも盛況で、在野の支持者からは相変わらず人気のようでした」(同)
自民党は9月9日、次の総裁選について、議員票と都道府県連代表のみの「簡易型」ではなく、地方の党員からの投票も受け付ける「フルスペック型」で実施することを決めた。
地方人気の高い高市氏にとっては、有利な材料にもなり得るが、最大の課題は「党内での求心力をどこまで高められるか」にかかっていそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

今月末に閉園するノースサファリサッポロ、危険な動物まだ20頭が園内…「10月以降も移動続ける」

市街化調整区域内での無許可開発が発覚し、9月末までの閉園が決まった札幌市南区の民間動物園「ノースサファリサッポロ」を巡り、市は9日、園内では現在も319匹・頭の動物が飼育されていることを明らかにした。閉園後も相当数の動物が残る可能性があり、市は運営会社「サクセス観光」に速やかな動物の移動を指導した。
市によると、動物愛護法に基づく園への立ち入り調査を5日に実施し、哺乳類209、鳥類79、爬虫(はちゅう)類31の計319個体を確認したという。3月末の調査時点では計430個体で、同社側は「2025年度中にはさらに95個体を移動させる」との計画を示していた。
現在も残る319個体のうち、人に危害を与える危険があるライオンやトラなどの「特定動物」は約20個体。同園ではこれまでに約10個体の特定動物が別の動物園などに引き取られてきたが、市の担当者は「さらなる引き取り先を見つけるには時間がかかるのではないか」との見方を示す。
一方、市の担当者によると、サクセス観光の代表者は調査の際に「閉園予定は9月末で変わらない」と明言し、「残った動物たちは適切に飼育し、10月以降も移動を続ける」とも説明していたという。

「お客様の中にお医者様はいませんか」…NY行きANA機で乗客救命、ためらう医師の脳裏に「訴訟リスク」

羽田空港から米ニューヨークに向かう飛行機内で急患の命を救ったとして、札幌市中央区の医療法人社団「土田病院」理事長の医師・土田茂さん(56)が東京消防庁の「消防総監賞」を受賞した。同様の場面に居合わせても、十分な設備がない中での対応に二の足を踏む医師は少なくないというが、土田さんは「自分にやれるだけのことをやっただけ」と振り返る。(岡絃哉)
医療ドラマのワンシーンのような出来事が起きたのは6月12日。土田さんが搭乗していた全日本空輸(ANA)の国際線110便の機内に「お客様の中にお医者様はいませんでしょうか」という客室乗務員(CA)の放送が響いた。
「軽い頭痛くらいかな」。そう考えて名乗り出た土田さんだが、CAの案内で乗客男性(69)と向き合った瞬間に血の気が引いた。男性は呼吸ができず、心肺停止直前の状態だった。
男性は機内食を喉に詰まらせたという。土田さんは慌てることなく、自動体外式除細動器(AED)を使用しながら胸骨の圧迫を繰り返す。数分が過ぎて男性の呼吸が戻った瞬間、「何が起きてもいいように」と常に持ち歩いている医療用の手袋を装着し、喉を塞いでいた肉片を取り除いた。
10年前にも空港のボーディングブリッジで倒れた男性を救助した経験がある土田さんだが、これ以上の応援が期待できない機内で救命救急にあたる緊張感は並大抵のものではなかった。土田さんは「自分一人ではどうにもならなかった。複数のCAさんとの連携があったからこそ、命を救うことができた」と語る。
ただ、土田さんによると、こうした「ドクターコール」を聞いても即座に行動できる医師ばかりではないのが現実だ。理由の一つが「訴訟リスク」。救命できずに遺族などから民事訴訟を起こされた場合、よほどの過失がない限り損害賠償を命じられる可能性は低いとはいえ、「訴訟の対応に追われる負担を考えてしまう」。土田さんは過去2回とも「目の前の患者の命が懸かっているんだぞ!」と自分自身を鼓舞しながら救命に臨んだという。
私たち家族の命の恩人です――。ANA110便の男性の娘から届いたメッセージを見ながら、土田さんは「あの時、ためらわずに良かった」と感じている。

短期滞在で入国後に救急搬送、3倍の医療費請求は不当…外国人女性側「国籍理由の差別」と提訴へ

短期滞在で入国後、救急搬送されて治療を受けた中国人女性が無保険の日本人の3倍にあたる医療費を請求されたのは不当だとして、女性側が国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)に、日本人との差額分450万円の支払い免除を求め、10日にも大阪地裁に提訴する。滞在予定が短期間の外国人は自由診療となるため、各病院の裁量で医療費を請求できるが、女性側は「国籍を理由とした差別だ」と訴えている。(林信登)
厚生労働省によると、医療費(診療報酬)の算定は通常、1点10円。患者が公的医療保険に加入していれば1~3割負担となり、1点当たり1~3円を支払う。一方、無保険の場合、法令の定めがなく、各病院で請求額を決められ、日本人だと1点につき10円で算定されるのが一般的だ。
女性はすでに死亡しており、提訴するのは日本国籍で大阪府在住の60歳代の長女。
代理人弁護士によると、女性は2019年11月、長女に会うため、短期滞在(90日)の在留資格で来日。コロナ禍で帰国できず、国の特別措置として90日間の在留資格の更新を繰り返した。
22年1月、左半身に違和感を訴えて救急搬送され、センターで脳腫瘍や大腸がんの診断を受けて同3月上旬まで入院。いずれも保険適用内の医療行為だったが、無保険の外国人であることを理由に、診療報酬を1点30円で算定され、675万円を請求された。女性は同月中に帰国し、23年に86歳で死亡した。
公的医療保険は、外国人でも、在留資格の期間が90日を超えれば加入が義務付けられているが、女性の場合、特別措置も90日間だったため、加入できなかった。
センターは長女に「自由診療の外国人には一律で300%負担としている」と説明。長女は今年5月までに、日本人と同じ1点10円で算定した225万円を支払ったという。
長女側は「『法の下の平等』を保障する国連の自由権規約に反した不合理な差別だ」と主張している。
長女は読売新聞の取材に「本来負担すべき分は支払った。国籍を理由に3倍の医療費を請求されるのは納得できない」と語った。センターは取材に「個別の事案には答えられないが、価格設定は周辺の病院に合わせている」としている。
通訳や帰国リスクで「日本人より高額」14%

外国人患者に対し、日本人より高額の医療費を請求する医療機関は少なくない。
患者は、入国後にけがをしたり、病気を発症したりしたほか、富裕層を中心に、日本の高度な医療を受ける目的で訪日しているケースも多いとみられる。
厚生労働省の2023年度の調査によると、短期滞在の外国人への自由診療について、5673の医療機関のうち、14%の794が1点10円を超えて請求していると回答。理由として、通訳を介するため診療に時間がかかることや、帰国されるなどして未払いとなるリスクが高いことを挙げた。
厚労省によると、1点20~30円で請求しているケースもあるという。担当者は読売新聞の取材に「無保険の外国人については、自由診療のため、国は病院側の算定に対し、指導する立場にない」と前置きした上で、「言葉の壁による負担など、必要経費を反映した算定を勧めている」と語った。
神馬征峰・東大名誉教授(国際保健学)は「日本国内で発症した際、医療費があまりに高額だと、『受診控え』につながり、重症化に加え、国内での感染症の拡大リスクがある。日本人との金額差をなくすための仕組みづくりが求められる」と指摘する。

小泉農相「説得したわけではなく首相の気持ちに向き合った」、退陣表明前夜の面会振り返る

小泉農相は9日の記者会見で、石破首相(自民党総裁)が退陣表明する前日の6日夜、菅義偉・元首相とともに首相公邸で首相と面会した場面について、「説得したわけではなく、首相の気持ちに向き合った約2時間だった」と振り返った。
続投を明言していた首相に対し、「まるで考えを変えさせる圧力をかけるみたいな報道もあるが、政界の大先輩である首相にそんな姿勢で向き合うわけはない」と強調。「党が割れてはならず、一致結束の環境を作らなければならない。それができるのは総裁以外ないとの思いで向き合い続けた」と述べた。
首相側近には、党内の退陣要求に衆院解散で対抗すべきだとの主戦論も根強かったが、「様々な声を届けることも支える側の務めだ」と語った。次期総裁に関しては、「組織の中の傷を癒やす、包摂する努力は間違いなく必要」と指摘した。

何度も被災する「多重災害」への支援 熊本大雨で求める声上がる

熊本県などを襲った8月の記録的大雨について、国は復旧事業の国庫補助率が上がる「激甚災害」に指定する方針だ。被災地のなかには、2016年の熊本地震や20年の九州豪雨で被災した地域もあり、被災して復興の最中に再び災害に遭う「多重災害」への支援拡充を求める声も上がる。
激甚災害には、ある災害で被害が基準を超えた際に地域を問わず支援が受けられる「激甚災害(本激)」と、市町村を限定して指定する「局地激甚災害(局激)」の2種類ある。
激甚災害制度が1962年に始まった際は本激しかなかったが、基準に達せずに本激から漏れるケースが出たため、68年に局激が導入された。今回の大雨では公共土木施設の被害や農業被害などが本激の基準を上回る見通しで、中小企業が被災した熊本県玉東町は局激への指定が見込まれる。
ただ、異常気象などで同じ場所が何度も被災するケースが増えるなか、支援の枠組みは不十分との声は根強い。熊本県の木村敬知事は「財政負担が蓄積し、財政基盤が脆弱(ぜいじゃく)な自治体にとっては危機的な状況に陥りかねない」と国に新たな制度構築を求める。
関西大の山崎栄一教授(災害法制)は「激甚災害制度は当該災害の被害額が基準になっているが、近年は同じ地域が繰り返し災害に見舞われている現状がある」と指摘。「災害が続けば自治体のレジリエンス(回復力)が落ちる。過去にどのような災害があったかも国庫補助制度の基準に含める時期が来ているのではないか」と語った。【中里顕】

史上最大クラスの竜巻、静岡県で1466棟に被害・1人死亡…被災者「生活再建の費用が足りない」

台風15号に伴う「観測史上最大クラス」(気象庁)の竜巻に襲われた静岡県では9日までに、全半壊と一部損壊を含め計1466棟の住宅被害が確認された。住民らは復旧作業に追われる一方、避難生活の長期化や生活再建への不安を募らせている。
「寝食できる場所が見つからないことには避難所生活を続けるしかない」。同県牧之原市の南條秀雄さん(64)はそうこぼす。
5日の竜巻で2階建ての自宅は屋根の大部分が飛んで天井がはがれ、窓ガラスは全て割れた。倉庫も吹き飛ばされた。市内の避難所に身を寄せ、夜には薄いマットレスの上で横になるが、今後の生活を考えると眠れないという。
自宅の修復を業者に頼んだが、見積もりはこれから。JBN・全国工務店協会の関連団体によると、被害のあった牧之原市や吉田町に加え、近隣市の工務店にも修理依頼が殺到しているという。
県のまとめによると、竜巻や突風による住宅被害は全半壊が163棟、一部損壊が1303棟に上った。被害の大きかった牧之原市細江地区は茶畑が点在する住宅街で、多くの家の屋根が飛ばされたり電柱が住宅に倒れたりした。同市では8世帯20人が避難所に避難している。
気象庁は今回の竜巻について、6段階(5~0)で強さを示す「日本版改良藤田スケール」で上から3番目の「JEF3」にあたると判定。自宅2階の部屋にいたという同市の会社員山田智之さん(40)は、「窓ガラスが突然割れ、風で飛ばされてきたがれきや瓦が部屋中に飛び散った。本棚もなぎ倒された」と当時の恐怖を語った。
自宅が被害にあった住民にとって、生活再建は大きな課題だ。
2階建て住宅の屋根が吹き飛ばされた同市の会社員松下和馬さん(47)は千数百万円の住宅ローンがまだ残っているといい、「これからも同じ場所で生活を送りたいが、損壊度合いの判定によっては保険や補償が少なくなる。生活再建の費用が足りない」と不安を打ち明けた。
県は住宅の応急修理と借り上げの仮設住宅の確保などを急ぐ考えだ。

静岡県吉田町は9日、台風15号の影響で5日に発生した竜巻により、町内の商業施設駐車場で車が横転し、乗っていた男性1人が死亡したと発表した。町によると、亡くなったのは同県藤枝市の50歳代男性。男性は病院に搬送されたが、5日夜に死亡が確認された。
県のまとめ(9日午後2時現在)によると、死者は1人、重傷者8人、軽傷者75人となった。
過去にも甚大な被害、夏から秋に発生しやすく

竜巻被害は過去にも全国各地で確認されている。2006年11月には北海道佐呂間町で死者9人、負傷者31人を、12年5月には茨城県常総市で死者1人、負傷者37人をそれぞれ出すなど甚大な被害につながった。静岡県牧之原市では21年5月と22年9月にも竜巻など突風の被害があった。
竜巻は台風や寒冷前線、低気圧に伴う発達した積乱雲が原因で、夏から秋にかけて発生件数が多い。元気象庁予報官の饒村(にょうむら)曜さんは「海からの暖気が流れやすい太平洋に面した平野部で発生しやすい」と語る。
発生の確率が高まった際、気象庁は「竜巻注意情報」を地域ごとに発表する。対策として〈1〉屋外では頑丈な建物の物陰に入って身を小さくする〈2〉屋内では窓やカーテンを閉め、窓から離れて机やテーブルの下で頭を守る――などの行動をとるよう呼びかけている。
ただ、防衛大の小林文明教授(気象学)は静岡県で起きた今回の竜巻の強さについて「頑丈な鉄筋の家でも壊されるレベル」と指摘。逃げ場がない場合、浴槽の中で毛布などをかぶってくるまることが被害を減らすために有効だという。小林教授は「生死にかかわる竜巻に直面する恐れがあるということを、誰もが肝に銘じておく必要がある」と警鐘を鳴らしている。

【解説】自民党総裁選「フルスペック型」ポスト石破レースにどう影響?

自民党総裁選は党員も含めた、いわゆる「フルスペック型」で行うことが決まりました。ポスト石破レースには、どのような影響が出るのか。日本テレビ・政治部官邸キャップの平本典昭記者が、次の3つのギモンについて解説します。
1.党員票「サプライズ」再来?
2.高市氏…2つの不安材料も
3.なぜ動かない?小泉氏の悩み
◇
──まず、「党員票『サプライズ』再来?」とはどういうことでしょうか。
フルスペック型となったことで、党内からは早速「党員票では高市さんが優位では」という声が出ています。それはなぜか。去年の総裁選、1回目の投票で「党員票」を最も獲得したのが高市さんで109票だったからです。
去年の総裁選で、取材をしていても多くの議員が「最大のサプライズ」としてあげるのが1回目の投票での高市さんが獲得した、この党員票の数でした。票があいた瞬間、会場ではどよめきが起きました。
なぜサプライズと受け止められたのか、それは世論調査との比較で見えてきます。
去年の総裁選の直前の世論調査で、「誰が次の首相にふさわしいか」を聞くと、高市さんと答えた人が13%、これに対して小泉さんと答えた人が21%。世論の人気は、小泉さんが高市さんより高かったんです。
小泉さんと高市さんを比較すると、「世論調査」、一般世論の人気では小泉さんが高い一方で、「党員票」、総裁選で投票権を持つ自民党員に限定すると高市さんの人気が高いので、世論と逆転して「党員人気がこんなに高いのか」という「サプライズ」が去年起きたということなんです。
──その流れを今回も引き継ぐとなると、高市さん優位なのではという見方がありますが、その高市さんに2つの不安というのはなんでしょうか?
1つ目は、この1年の変化です。チーム高市のメンバーが減ってしまったということです。
具体的には、前回の総裁選で立候補に必要な推薦人が20人いましたが、そのうち9人がいまはいないんです。去年の衆院選、今年の参院選で落選するなどしてしまった結果です。
高市さんは去年、1回目の投票で1位になったのですが、実は、推薦人20人の確保には苦労していたようなんです。今回、陣営の中からは「推薦人になってくれた仲間が随分いなくなり、確保できるか難しい面もある」という声も出ています。
2つ目の不安は、今回の総裁選でカギを握るとみられる「石破票」がどこまで獲得できるか、という点です。
去年、石破さんに投票した議員は、今回は石破さんは出馬しないので誰を支援するか、悩む議員が多いと思います。その多くは、石破さんと考えが近い、政策を継承してくれる人に投票するとみられます。高市さんは、石破政権とは距離を置いていました。政権発足直後、石破さんが党役員を打診しましたが、高市さんが断ったこともありました。
石破陣営の幹部だった議員は「石破票は高市さんには流れない。内閣で一緒に仕事をした小泉さんや林さんの方が考えが近い」と述べています。カギを握る「石破票」獲得が見通せないのも、不安要素の1つです。
◇
──そしていま名前があがった小泉農水相ですが、現状、立候補表明はありません。動かないのにはどんな悩みがあるんでしょうか?
小泉さんは、立候補に向けて模索を続けています。陣営の幹部は「本人はやる気だ。準備も進めている」と話しています。
ただ、当の本人は9日も「一致結束するために何ができるか考えたい」と話しただけでした。茂木さんはいち早く立候補表明、林さんも意向を固め、高市さんも準備を加速させ、小林さんも検討を進める中、小泉さんの動きは「静か」に見えます。
ある陣営幹部に話を聞くと、2つ理由を話していました。1つは「農水相としての仕事がある。コメ対策の停滞が許されない中、動きづらい」というんです。もう1つは、石破首相の退陣の経緯と関係があります。退陣の決め手といわれるのは菅元首相と、小泉農水相による働きかけでした。陣営幹部は「石破首相に辞めることを促し、すぐに総裁選に出ると手をあげたら、党の分裂を避けるためでなく、周りからは、自分が首相になるためだったのかとみられてしまう」と話していました。
他の候補の動きが加速する中、チーム小泉はもう少し「考える」時間が続くかもしれません。
──小泉氏の周りでは「本人もやる気」という声もあったので、立候補しないということはさすがにない、とみられているのでしょうか?
いま立候補を模索していると思いますし、準備も始めている。もし出れば、多くの議員が「小泉さん、高市さんの2人が軸となる戦いになる」とみていますし、取材にも小泉さん自身が意欲をにじませていて、出るのではないかという見方が多く出ています。

田久保真紀・伊東市長の学歴疑惑、市議会議長らが告発状提出…「偽造」卒業証書を見せたと主張

静岡県伊東市の田久保真紀市長が「東洋大卒」と学歴を偽ったと指摘されている問題で、市議会の中島弘道議長と青木敬博副議長は9日、田久保市長に対する偽造有印私文書行使容疑の告発状を伊東署に提出した。
告発状では、田久保市長は大学を卒業していないことを認識していながら、今年6月4日、正副議長に対し、偽造した卒業証書を閲覧させ、大学を卒業していると誤認させたと主張している。
この問題を巡っては、同市議会の調査特別委員会(百条委員会)も地方自治法違反の容疑で田久保市長を刑事告発している。