「ランサムハウス」と呼ばれるロシア系のハッカー集団が、サイバー攻撃で盗んだとするニチレイのデータを、匿名性の高いダークウェブ上で公開したことが10日、セキュリティー関係者への取材で分かった。従業員や取引先の個人情報、法人用の業務システムのアカウントとみられるデータが含まれるという。
セキュリティー会社S&Jの三輪信雄社長が10日午前に確認した。データ数や量はウェブ上に記載されていないが、盗んだデータのほぼ全量とみられる。ニチレイは7月13日、不正アクセスを受けシステム障害が発生したと発表。物流が滞り、約10日後に通常稼働に戻った。
ニチレイはこれまで、個人情報が漏えいした可能性があると説明しており、詳細は明らかにしていない。「本件について把握しているが、コメントは差し控える」と取材に答えた。
ランサムハウスは身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」を常用することで知られる。ニチレイへのサイバー攻撃の犯行声明を出している。
投稿者「F.Krueger」のアーカイブ
特捜検事が取り調べで「検察庁を敵視するってことは反社や」、映像を法廷で再生…損害賠償求める社長の訴訟
東京地検特捜部に詐欺容疑などで逮捕・起訴された会社社長が、違法な取り調べで精神的苦痛を受けたとして国に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が10日、東京地裁(大須賀寛之裁判長)であり、検事による取り調べの映像が法廷で再生された。映像には、検事が会社社長に対し「反社(反社会的勢力)」と述べる様子が映っていた。
原告は、2021年に逮捕・起訴された太陽光発電関連会社「テクノシステム」(東京)社長の生田尚之被告(52)(1審で懲役11年の実刑判決、控訴中)。特捜部に所属していた堀木博司検事(58)(現大阪高検)から、取り調べの言動で黙秘権や人格権を侵害されたと訴え、法廷で映像を再生するよう求めた。
この日の法廷で再生された映像は、逮捕直後の同年5月から7月までに行われた取り調べの一部。映像には、黙秘する生田被告に対し、堀木検事が「検察庁を敵視するってことは、反社や」「敵視する以上は、こっちだって敵視する」と述べる様子が映っていた。
特捜部が逮捕した容疑者の取り調べは録音・録画が義務付けられており、原告側の求めに応じて国側が録画データを証拠提出していた。
この取り調べを巡っては、堀木検事が生田被告をどなるなどした言動が「陵虐」にあたるとして、東京地裁が今年6月、堀木検事を特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判にかける付審判決定を出している。
山形新幹線がクマと衝突、安全確認して運転再開…乗客130人にけがなし・クマは見つからず
JR東日本によると、山形新幹線の山形発東京行きの「つばさ124号」が10日午前7時31分頃、奥羽本線上の中川-赤湯駅間を走行中にクマと衝突し停車した。車両点検を実施したうえで赤湯駅まで徐行、再度点検して安全確認がとれたことから同56分に運転を再開した。約130人が乗車していたが、けが人などはいなかったという。
同区間については普通列車も徐行運転して安全確認を実施、奥羽本線としても午前8時20分に全面再開したが、クマ発見の連絡は入っていないという。
台風15号 あす11日(火)に東北南部~関東に接近・上陸おそれ 横殴りの雨やうねりを伴った高波など警戒を
10日(月)午前9時現在、日本の周辺には13号、15号、16号と3つの台風が存在しています。このうち、台風15号は、あす11日(火)午後、東北南部~関東に接近・上陸のおそれがあり、交通への影響などに注意が必要です。
10日(月)午前9時現在、日本の周辺には3つの台風が存在しています。先週後半に沖縄や奄美に接近した台風13号は、現在華中にあって、西よりに進んでいます。大陸を進んでいるため、次第に勢力は弱まり、11日(火)朝までには熱帯低気圧に変わる見込みです。
また、きのう9日(日)に発生した台風16号は、小笠原近海を東へ進んでいます。台風16号は今後もあまり発達することなく東へ進み、13日(木)までに温帯低気圧に変わる見込みです。
これら2つの台風は今後、列島に直接影響してくることはないとみられますが、一方で、台風15号はあす11日(火)午後に東北南部~関東に接近・上陸する見通しで、お盆休み中の交通機関などに影響してくる可能性があります。
10日午前9時現在、台風15号は日本の東にあって、1時間におよそ15キロの速さで北西に進んでいます。中心気圧は990ヘクトパスカル、中心付近の最大瞬間風速は30メートルとなっていて、暴風域はありません。台風は今後、やや発達しながら西よりに進み、あす11日(火)午後には東北南部から関東に接近し、上陸する可能性が高まっています。
台風の接近に伴い、あす11日(火)は東北から関東を中心に雨や風が強まり、太平洋側の地域を中心に警報級の大雨や暴風となるおそれがあります。予想される雨の量は、11日(火)午前6時~12日(水)午前6時までの24時間で東北太平洋側で150ミリ、東北日本海側で80ミリとなっています。最新の計算では関東にも活発な雨雲がかかる予想に変わってきていて、総雨量が多くなるおそれがあります。また11日(火)は、東北地方で30メートルの最大瞬間風速が予想されていて、海上では波の高さも6メートルと高まりそうです。関東でも茨城県や千葉県、東京湾周辺などを中心に風が強まる見込みで、状況によっては交通機関に影響が出る可能性があります。
特に雨や風が強まるのは、あす11日(月)夕方以降とみられますが、まだ予報円も大きく、進路や接近タイミングには幅がある状態ですので、今後の情報に十分な注意が必要です。
【台風情報】台風15号は11日新潟県へ接近の見込み 11日昼すぎから大雨や暴風に警戒《新潟》
台風15号は11日に新潟県へ接近する見込みです。新潟県では、11日昼過ぎから夜遅くにかけて低い土地の浸水や河川の増水、土砂災害に注意・警戒してください。また下越と佐渡の陸上では、11日夕方から夜遅くにかけて強風に注意・警戒してください。
新潟地方気象台によりますと台風15号は、10日午前3時には日本の東にあって、1時間におよそ15キロの速さで北北西へ進んでいます。中心の気圧は990ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートルで中心の北東側440キロ以内と南西側330キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
新潟県には11日に台風が接近し、大雨となる所がある見込みです。また、台風の接近に伴い、風の強く吹く所があり、しける所があるでしょう。台風が予想よりも発達した場合や台風の進路によっては、警報級の大雨や暴風となる可能性があります。
◆雨の予想
11日に予想される1時間降水量は多い所で、
下越 40ミリ
中越 40ミリ
上越 40ミリ
佐渡 30ミリ
11日午前6時から12日午前6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
下越 100ミリ
中越 100ミリ
上越 100ミリ
佐渡 60ミリ
◆風の予想
11日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
下越陸上 18メートル(25メートル)
下越海上 18メートル(25メートル)
中越陸上 10メートル(20メートル)
中越海上 15メートル(25メートル)
上越陸上 10メートル(20メートル)
上越海上 15メートル(25メートル)
佐渡陸上 18メートル(25メートル)
佐渡海上 18メートル(25メートル)
今後の気象情報にご注意ください。
※画像:気象庁HPより(10日午前9時発表)
熊本・氷川町 不明のペット ボランティアが捜索
震度7を観測した氷川町では、地震の後に行方が分からなくなったペットを見つけ出そうと、ボランティアによる捜索活動が続いています。
【映像】行方不明のペットを捜索する様子
千葉県から駆け付けたボランティアは8日、氷川町の住宅で飼いネコを探し出すための活動に当たっていました。
夜に活発に動くネコの動きをカメラで確認し、捕獲器による保護を目指します。すでに20件ほどの依頼を受けたということです。
動物レスキュー「チームうーにゃん」代表「うさ」さん(58)「その方が諦めてしまったら、頑張って生きておうちに帰りたいと思って迷子になっている子の帰る家がなくなってしまうので、とにかく諦めない気持ちが大事」
ペットの保護などを支援するNPO法人によりますと、地震発生後、県内では迷子などの相談が100件以上寄せられているということです。(ANNニュース)
高市政権の経済政策はなぜ評判が悪いのか? 支持率急落を招いた“変節”…「高市トレード」が「高市ショック」に変わった背景
高市政権の支持率が急落している。報道各社の世論調査で内閣支持率は軒並み下落し、10ポイント以上も減少した調査も。首相本人は「原因がわからない」と強がるが、人心の離反は明らかだ。7月には高市内閣として初めて「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」を閣議決定したものの、直後に円売りが進む「骨太ショック」も見られた。なぜマーケットは株高に沸いた「高市トレード」から、「高市ショック」に180度転換したのか。そこには市場にもてあそばれる首相の姿が浮かび上がる。
【画像】「女性の出世も思い通りに」高市首相が若かりし頃に広告塔を務めたサブリミナル広告
国民の高市首相に対する評価が一変した理由
昨年10月の内閣発足から1年を待たず、国民の高市首相に対する評価が一変した。一時は支持率が7割超という高水準にあったものの、直近の各種調査を見ると厳しい視線が向けられていることがわかる。
読売新聞が7月24~26日に実施した世論調査によれば、内閣支持率は57%で6月調査時から12ポイント下落し、政権発足後最低だった。不支持率は13ポイント増の34%だ。
その他の世論調査でも同じような傾向が見られる。
朝日新聞の調査(7月18、19日)は支持率が前回調査時から7ポイント減の53%、不支持率は8ポイント増の35%。日経新聞の調査(7月24~26日)は支持率が10ポイント減の58%、不支持率が10ポイント増の37%。
共同通信の調査(7月25、26日)では支持率が2.1ポイント減の53.7%、不支持率は5.8ポイント増の33.7%だった。
高市首相の経済対策がここまで評判が悪い背景
支持率急落の要因については、様々な見方がある。最も下落幅が大きかった読売新聞は皇室典範改正などの重要法案や政策に関して首相の説明不足があったと指摘した上で、物価高への国民の不満が影響したとみられるとしている。
実際、読売の調査では皇室典範改正などについて首相の説明が十分だったと思うかについて質問し、「思わない」が62%を占めた。また、物価高に対する政府の対応を「評価しない」は71%に達し、前回調査から15ポイントも上昇したと報じている。
読売の調査をもとにした分析に異を唱える人は少ないだろう。だが、筆者には高市首相の経済対策がここまで評判が悪い背景には、プラスアルファの要因があるように映る。
その最大のものは、高市首相の言うことがころころと変わってきた点にあるのではないか。つまり、国民や市場からすれば「信頼性」の問題である。
ころころ変わる高市「減税論」のいい加減さ
まず首相が掲げてきた飲食料品の消費税ゼロ化について指摘したい。
高市氏は1月19日の記者会見で、物価高対策としての効果を見据え、2年間限定で税率を「ゼロ」にすることを自民党の衆院選公約とする意向を表明した。この時に首相は「ゼロ」が自らの悲願であったとまで言及している。
自民党は2月の衆院選で「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、今後『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します」と公約し、歴史的な大勝をつかんだ。
たしかに選挙後、野党にも呼び掛ける形で「国民会議」はスタートしたが、いつの間にかゴールは「税率1%」にすり替えられてしまったのだ。
レジシステム改修などに一定期間がかかるとする高市氏は「十分な負担軽減をいち早く的確な形で届けるため、実現に向けて強い思いをもって取り組んできた」と説明したが、来年4月からの「税率1%」化は首相の言動とは異なるものだ。
そもそも、首相は昨年10月に自民党総裁に選ばれた際の会見で、食料品の消費税率ゼロ化に関し「選択肢として放棄するものではないが、すぐに対応できることを優先したい」と慎重だった。
同12月23日の日経新聞インタビューでは「選択肢としては排除しないが、物価高対策としては即効性がないと判断をした」とも答えている。
市場や事業者にも悪影響を与えかねない
首相や与党の最高責任者に就いた後、政治家が“変節”する例を挙げればキリがない。
だが、それならば高市氏はなぜ消費税ゼロ化に慎重姿勢だったインタビューの約1カ月後の記者会見で「悲願」とまで言ったのか。そして、物価高対策に即効性がないと言っておきながら、今さら「負担軽減」を持ち出したのか解せない。
時の最高権力者が決断を下したのであれば、来年4月から飲食料品の消費税率は「1%」に2年間限定で変更されるのだろう。だが、信頼性という観点から言えば「2年後」に本当に税率を元に戻すことはできるのか不安になる。
その時にインフレが加速していたらどうするつもりなのか。首相の言動がコロコロと変わることは市場や事業者にも悪影響を与えかねない。
骨太ショックについても触れよう。6月に公表された「骨太の方針」原案には何と書いてあったか。
金融政策の具体的手段に首相が言及する異例の会談
そこには、日本銀行について「『強い経済』の実現のためにも安定的な物価上昇の実現に資する適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要」「日銀法第4条及び政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携」と記載されていた。
だが、7月に閣議決定されたものは「日銀の独立性」に配慮し、「日銀法第3条に基づき、金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられる」との文言が付け加えられている。
さらなる円安進行や長期金利の上昇を招きかねないと事務方が加筆したのかもしれない。だが、時事通信は8月5日、首相が5月に植田和男・日銀総裁と会談した際、「長期金利の上昇を抑えるため、必要に応じて国債を買い入れるよう求めていたことが4日、分かった」と報道。金融政策の具体的手段に首相が言及する異例の会談だったと報じている。
政治には「表と裏」があるのだろう。たしかに日銀は6月の金融政策決定会合で政策金利を1%に引き上げるとともに、国債買い入れの減額措置停止を決定した。首相は利上げに難色を示していたとされ、両者にはすきま風が吹く。
多くは既存事業の焼き直し感が否めない「日本成長戦略」
歴史的な円安は28年ぶりの日米協調介入によって急激な円高に転じたが、円ドル相場が落ち着いていくのかといえば「否」だろう。背景にある日本と米国の金利差に加え、「責任ある積極財政」を掲げる高市政権への不安も国内外には存在する。
骨太の方針と同じく閣議決定された「日本成長戦略」は、首相が注力する経済安全保障の強化や危機管理投資、AI(人工知能)など先端技術に対する積極投資といった「高市カラー」が並ぶものの、多くは既存事業の焼き直し感が否めず、総花的で新味を欠く。
財源の裏打ちが怪しいものもあり、さらなる長期金利の上昇を招きかねないリスクを負っているとの見方は消えない。円安進行や金利上昇という“爆弾”は、高市政権に今後もつきまとい、常に市場の動向をにらみながらの政権運営を強いられることになるだろう。
皇室典範改正や経済安全保障の強化、スパイ防止法など高市首相が取り組む課題は国家にとって重要なテーマである。だが、その時々で国民に必要性を十分に説明してきたと言えるのか。
「高市トレード」から「高市ショック」へ
なぜ自らの言動が“変節”してきたのかについて市場や国民とコミュニケーションを図ってきたのか。そして、一向に止まない物価高騰に対して来年春からの「飲食料品の消費税率1%」化だけで対応できると本気で考えているのか。
自ら発信したい点はSNSなどで時間を割く首相だが、市場や国民との「対話」は限られているように映る。その姿勢が今後も「独りよがり」と見られれば、支持率下落の波はさらに高くなっていくのかもしれない。
「高市トレード」から「高市ショック」へ――。市場が首相に突きつけたのは、政策の中身以上に「言動の一貫性」への疑問符である。
消費税ゼロ化から一転しての「税率1%」化、骨太方針原案の書き換え、日銀への異例の関与。いずれの根底にも、掲げた旗をいつの間にか下ろす「信頼性」の揺らぎが横たわる。
国民が求めているのは巧みなSNS発信ではなく、なぜ考えを変えたのかを正面から語る誠実な「対話」だ。物価高という難題にその場しのぎで臨む限り、市場も民意も首相から静かに離れていく。
人心の離反を「原因がわからない」で片付けているうちは、支持率下落の波がさらに高まることを、首相は覚悟すべきだろう。
文/竹橋大吉
<独自>脱税で刑事告発の中国人経営企業 日本の在留資格便宜うたい勧誘、人件費水増しか
多数の外国人を雇用しているように装い、8000万円超を脱税したとして、東京国税局から東京地検特捜部に刑事告発された中国人経営の企業が、SNSで「日本の在留資格取得の相談に乗る」などとして協力者を集めていた疑いがあることが9日、関係者への取材で分かった。捜査当局は、同社が応募してきた中国人らに銀行口座を作らせ、給与を支払ったように見せかける手口で人件費を不当に水増しし、脱税していたとみて調べている。
令和7年6月に法人税法違反などの罪で告発されたのは、情報システムソフト開発会社「シーテクホールディングス」(東京都中央区)と中国籍の宮沢大海こと倪大海社長(47)。
関係者によると、会社側は中国の通信アプリ「微信(ウィーチャット)」で、日本の在留資格取得の便宜を図ることをにおわせる内容を投稿。応募してきた延べ200人近くの中国人に銀行口座を開設させ、給与名目で一定額を入金した後、会社側で現金を引き出していたという。
同社はさらに、中国系の取引先と結託し、虚偽の請求書に基づく外注費を計上するなどして売り上げを圧縮した疑いがもたれている。
同社は5年3月期までの2年間で所得約1億4300万円を隠し、法人税約4000万円を脱税したほか、3年4月~5年3月、消費税約4200万円を免れたとされる。
大阪税関が見つけた中国向け「ニセiPhone」は消費税不正還付の道具だった〈背後に大がかりな偽造グループか〉
兵庫県・神戸市の宝石・貴金属輸出会社「清盛商事」ら3社が正規品を装った模造iPhoneを中国に輸出し、不正に消費税の還付を受けていたとして、大阪国税局が追徴課税(3社で約1億1000万円)したことが報じられた。事件をスクープした朝日新聞記者の市田隆氏が 月刊「文藝春秋」9月号 (8月10日発売)に寄稿し、消費税の不正還付の手口を明かした。
iPhone Pro Max15の模造品、約200台を押収
発端は2025年7月ごろ、関西空港の国際貨物地区で税関職員がX線検査をしていたところ、ある段ボール箱に違和感を抱いたことだった。市田氏は次のように述懐する。
「職員らが段ボール箱を開封して実際の中身を調べる開披検査を行ったところ、正規品とみられる外箱に入った、本物にしか見えないiPhoneだった。しかし、さらに調べると、職員の『違和感』の正体が明らかになる。すべてのiPhoneの中に電子機器類は入っておらず、本物と重量を合わせるための薄い鉄板などを入れた模造品であることが判明した」
押収されたのは、iPhone Pro Max15の模造品、約200台。当時20万円ほどで取引されていた高級機種だが、外箱、ホログラム、シリアルナンバーは正規品のものだったという。
大がかりな偽造グループが背後に関係している疑い
税関は輸出手続きを差し止め、大阪国税局に通報した。消費税の不正還付の疑いがあったからだ。消費税は業者が商品を販売したときに受け取った額から、仕入れ時に払った消費税額を差し引いて納税する。海外に輸出した場合、消費税がかからないため、仕入れで支払った消費税分の還付を受けることができる。この仕組みを業者が悪用したと国税局は判断したのだ。市田氏が続ける。
「消費税の調査に詳しい元国税職員に話を聞いたところ、『精巧な模造品の製作、関連する真正品の大量入手などから、大がかりな偽造グループが背後に関係している疑いがある』と語り、自分の経験でも『消費税の不正還付を生業としている組織が見え隠れすることがあった』と指摘した」
「真正品を輸出したつもり」業者らは騙されたと主張
業者らは、真正品を輸出したつもりであり、騙されたと主張している。だが、極めて疑わしいと言わざるを得ない。市田氏は次のように指摘する。
「取引の内情を知る関係者によると、3社とも真正品のiPhoneを仕入れた実績を示す根拠は乏しく、仕入れ業者も確認できない状態だった。仕入先とされる会社は、東京都内などを所在地とする複数のペーパーカンパニーが介在していた。さらにさかのぼっても、実態のない会社にしか行き着かない」
偽iPhoneの件は朝日新聞が8月5日の総合面でスクープしたが、市田氏による詳しいインサイドレポート「 iPhone、近鉄百貨店…消費税不正を追え 」は「文藝春秋」9月号(8月10日発売)及び、電子版「文藝春秋PLUS」(8月9日公開)に掲載されている。
ペットボトルの水を大手メーカーの高級化粧品と偽って輸出して不正に消費税の還付を受けた事例や、転売目的の中国人による免税品の大量購入で近鉄百貨店など大手百貨店が申告漏れを指摘された事例も紹介されている。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年9月号)
皇室典範改正は「だまし討ち」…五摂家筆頭・近衛家の血を引く元首相・細川護熙氏が見た高市首相の「皇室への信じがたい態度」
7月の報道各社の世論調査で、内閣支持率の急落に直面した高市早苗首相(65)。支持率低下の原因とされたのが、7月に閉会した特別国会で成立した改正皇室典範や強引な国会運営だ。
こうした高市首相の政権運営について、細川護熙元首相(88)が8月10日発売の 月刊「文藝春秋」9月号 に寄稿し、厳しく批判した。
「高市氏の皇室に対する態度は信じがたい」
細川氏は摂政・関白を輩出する五摂家の筆頭・近衛家の血を引き、昭和天皇に仕えた近衛文麿を祖父に、昭和天皇の弟宮である高松宮宣仁親王の御用掛を務めた細川護貞を父にもつ。その細川氏から見ると、「高市氏の皇室に対する態度は信じがたい」という。
象徴的な例として細川氏が挙げるのが、4月に行われた政府主催の昭和100年記念式典での高市氏の振る舞いだ。この式典では天皇のおことばが無かったことや、天皇皇后の入場にあたって先導役を務めたのが首相ではなく木原稔官房長官だったことが物議を醸した。細川氏はこう綴る。
「記念式典はまるで昭和の音楽祭とも言われたが、高市氏がガッツポーズや合いの手を入れるなどノリノリな様子だったのは周知の通りだ。恐らく天皇陛下の前で、高市氏は今この場での最高権力者は自分だと思っていたのではないか。それは危険なことである」
麻生太郎自民党副総裁が推進役だった皇室典範改正についても、国民の支持も乏しい中で「だまし討ちの様な形で成立した」と指摘する。今回の皇室典範改正については、あくまで皇族数確保が目的であり皇位継承の問題については扱わないとされていたにもかかわらず、政府作成の法案では養子皇族の男子子孫に皇位継承資格があるとされたことや、女性皇族が住民基本台帳に記載されるとされたことについて、細川氏は「背後の政治的意思の存在を思わせる」として、こう警鐘を鳴らす。
過去に否定された案が、いつの間にか息を吹き返している
「私が危惧するのは、そのような政治的意思が存在して、2005年の有識者会議の報告書で『国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、 採用することは極めて困難である』として否定された案が、いつの間にか息を吹き返し、衆参3時間ずつの審議だけで、多くの国民が危惧するなか、野党も同調して可決されたという事実である。この先、一旦過去に否定されたものでも、甦って時の権力の手で実現されることもあり得るかと思うと、正直暗澹とならざるを得ない」
細川氏は現在の天皇について「象徴天皇制の最大の擁護者で、かつ実践者である」と指摘。皇室と皇位継承の問題は「この国のかたち」の重要な要素だとしたうえで、こう綴った。
「現代国家との共生も考えず、女性差別の甚だしいやり方で、三十何親等も離れた赤の他人に皇位を移して、『男系継承は守られた』と言ったところで、国民が喜ぶわけでも、世界が称賛するわけでもない。『日本はいつまで時代遅れのことをやっているのか』と言われるのが落ちだろう」
8月10日発売の「文藝春秋」9月号では、「 高市総理よ、日本を壊すな 」と題した細川氏の寄稿を10ページにわたり掲載。改正皇室典範をめぐる問題点や、「数の力」で法案を押し通す高市氏の国会運営における懸念、高市早苗首相への疑問や、今の日本が目指すべき「この国のかたち」などについて綴っている(「文藝春秋」の電子版「 文藝春秋PLUS 」にも全文掲載中)。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年9月号)