<独自>脱税で刑事告発の中国人経営企業 日本の在留資格便宜うたい勧誘、人件費水増しか

多数の外国人を雇用しているように装い、8000万円超を脱税したとして、東京国税局から東京地検特捜部に刑事告発された中国人経営の企業が、SNSで「日本の在留資格取得の相談に乗る」などとして協力者を集めていた疑いがあることが9日、関係者への取材で分かった。捜査当局は、同社が応募してきた中国人らに銀行口座を作らせ、給与を支払ったように見せかける手口で人件費を不当に水増しし、脱税していたとみて調べている。
令和7年6月に法人税法違反などの罪で告発されたのは、情報システムソフト開発会社「シーテクホールディングス」(東京都中央区)と中国籍の宮沢大海こと倪大海社長(47)。
関係者によると、会社側は中国の通信アプリ「微信(ウィーチャット)」で、日本の在留資格取得の便宜を図ることをにおわせる内容を投稿。応募してきた延べ200人近くの中国人に銀行口座を開設させ、給与名目で一定額を入金した後、会社側で現金を引き出していたという。
同社はさらに、中国系の取引先と結託し、虚偽の請求書に基づく外注費を計上するなどして売り上げを圧縮した疑いがもたれている。
同社は5年3月期までの2年間で所得約1億4300万円を隠し、法人税約4000万円を脱税したほか、3年4月~5年3月、消費税約4200万円を免れたとされる。

大阪税関が見つけた中国向け「ニセiPhone」は消費税不正還付の道具だった〈背後に大がかりな偽造グループか〉

兵庫県・神戸市の宝石・貴金属輸出会社「清盛商事」ら3社が正規品を装った模造iPhoneを中国に輸出し、不正に消費税の還付を受けていたとして、大阪国税局が追徴課税(3社で約1億1000万円)したことが報じられた。事件をスクープした朝日新聞記者の市田隆氏が 月刊「文藝春秋」9月号 (8月10日発売)に寄稿し、消費税の不正還付の手口を明かした。
iPhone Pro Max15の模造品、約200台を押収
発端は2025年7月ごろ、関西空港の国際貨物地区で税関職員がX線検査をしていたところ、ある段ボール箱に違和感を抱いたことだった。市田氏は次のように述懐する。
「職員らが段ボール箱を開封して実際の中身を調べる開披検査を行ったところ、正規品とみられる外箱に入った、本物にしか見えないiPhoneだった。しかし、さらに調べると、職員の『違和感』の正体が明らかになる。すべてのiPhoneの中に電子機器類は入っておらず、本物と重量を合わせるための薄い鉄板などを入れた模造品であることが判明した」
押収されたのは、iPhone Pro Max15の模造品、約200台。当時20万円ほどで取引されていた高級機種だが、外箱、ホログラム、シリアルナンバーは正規品のものだったという。
大がかりな偽造グループが背後に関係している疑い
税関は輸出手続きを差し止め、大阪国税局に通報した。消費税の不正還付の疑いがあったからだ。消費税は業者が商品を販売したときに受け取った額から、仕入れ時に払った消費税額を差し引いて納税する。海外に輸出した場合、消費税がかからないため、仕入れで支払った消費税分の還付を受けることができる。この仕組みを業者が悪用したと国税局は判断したのだ。市田氏が続ける。
「消費税の調査に詳しい元国税職員に話を聞いたところ、『精巧な模造品の製作、関連する真正品の大量入手などから、大がかりな偽造グループが背後に関係している疑いがある』と語り、自分の経験でも『消費税の不正還付を生業としている組織が見え隠れすることがあった』と指摘した」
「真正品を輸出したつもり」業者らは騙されたと主張
業者らは、真正品を輸出したつもりであり、騙されたと主張している。だが、極めて疑わしいと言わざるを得ない。市田氏は次のように指摘する。
「取引の内情を知る関係者によると、3社とも真正品のiPhoneを仕入れた実績を示す根拠は乏しく、仕入れ業者も確認できない状態だった。仕入先とされる会社は、東京都内などを所在地とする複数のペーパーカンパニーが介在していた。さらにさかのぼっても、実態のない会社にしか行き着かない」
偽iPhoneの件は朝日新聞が8月5日の総合面でスクープしたが、市田氏による詳しいインサイドレポート「 iPhone、近鉄百貨店…消費税不正を追え 」は「文藝春秋」9月号(8月10日発売)及び、電子版「文藝春秋PLUS」(8月9日公開)に掲載されている。
ペットボトルの水を大手メーカーの高級化粧品と偽って輸出して不正に消費税の還付を受けた事例や、転売目的の中国人による免税品の大量購入で近鉄百貨店など大手百貨店が申告漏れを指摘された事例も紹介されている。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年9月号)

皇室典範改正は「だまし討ち」…五摂家筆頭・近衛家の血を引く元首相・細川護熙氏が見た高市首相の「皇室への信じがたい態度」

7月の報道各社の世論調査で、内閣支持率の急落に直面した高市早苗首相(65)。支持率低下の原因とされたのが、7月に閉会した特別国会で成立した改正皇室典範や強引な国会運営だ。
こうした高市首相の政権運営について、細川護熙元首相(88)が8月10日発売の 月刊「文藝春秋」9月号 に寄稿し、厳しく批判した。
「高市氏の皇室に対する態度は信じがたい」
細川氏は摂政・関白を輩出する五摂家の筆頭・近衛家の血を引き、昭和天皇に仕えた近衛文麿を祖父に、昭和天皇の弟宮である高松宮宣仁親王の御用掛を務めた細川護貞を父にもつ。その細川氏から見ると、「高市氏の皇室に対する態度は信じがたい」という。
象徴的な例として細川氏が挙げるのが、4月に行われた政府主催の昭和100年記念式典での高市氏の振る舞いだ。この式典では天皇のおことばが無かったことや、天皇皇后の入場にあたって先導役を務めたのが首相ではなく木原稔官房長官だったことが物議を醸した。細川氏はこう綴る。
「記念式典はまるで昭和の音楽祭とも言われたが、高市氏がガッツポーズや合いの手を入れるなどノリノリな様子だったのは周知の通りだ。恐らく天皇陛下の前で、高市氏は今この場での最高権力者は自分だと思っていたのではないか。それは危険なことである」
麻生太郎自民党副総裁が推進役だった皇室典範改正についても、国民の支持も乏しい中で「だまし討ちの様な形で成立した」と指摘する。今回の皇室典範改正については、あくまで皇族数確保が目的であり皇位継承の問題については扱わないとされていたにもかかわらず、政府作成の法案では養子皇族の男子子孫に皇位継承資格があるとされたことや、女性皇族が住民基本台帳に記載されるとされたことについて、細川氏は「背後の政治的意思の存在を思わせる」として、こう警鐘を鳴らす。
過去に否定された案が、いつの間にか息を吹き返している
「私が危惧するのは、そのような政治的意思が存在して、2005年の有識者会議の報告書で『国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、 採用することは極めて困難である』として否定された案が、いつの間にか息を吹き返し、衆参3時間ずつの審議だけで、多くの国民が危惧するなか、野党も同調して可決されたという事実である。この先、一旦過去に否定されたものでも、甦って時の権力の手で実現されることもあり得るかと思うと、正直暗澹とならざるを得ない」
細川氏は現在の天皇について「象徴天皇制の最大の擁護者で、かつ実践者である」と指摘。皇室と皇位継承の問題は「この国のかたち」の重要な要素だとしたうえで、こう綴った。
「現代国家との共生も考えず、女性差別の甚だしいやり方で、三十何親等も離れた赤の他人に皇位を移して、『男系継承は守られた』と言ったところで、国民が喜ぶわけでも、世界が称賛するわけでもない。『日本はいつまで時代遅れのことをやっているのか』と言われるのが落ちだろう」
8月10日発売の「文藝春秋」9月号では、「 高市総理よ、日本を壊すな 」と題した細川氏の寄稿を10ページにわたり掲載。改正皇室典範をめぐる問題点や、「数の力」で法案を押し通す高市氏の国会運営における懸念、高市早苗首相への疑問や、今の日本が目指すべき「この国のかたち」などについて綴っている(「文藝春秋」の電子版「 文藝春秋PLUS 」にも全文掲載中)。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年9月号)

靖国神社「コスプレ禁止」で終戦記念日〝混乱〟も 常連の参拝者どうなる

靖国神社が境内におけるコスプレ禁止を表明したことが話題だ。
靖国神社は7日、公式サイトで「境内における服装等に関するお願い」を発表。境内におけるコスプレ衣装着用の禁止と、境内における軍装(軍服・軍事装具等)の着用の禁止を呼びかけた。同サイトは「本方針は『英霊がお祀りされる神聖な境内における静謐と尊厳を維持すること』を目的としたものです」とし、参拝者に理解を求めている。
弁護士の紀藤正樹氏は9日にX(旧ツイッター)で、「靖國神社が8月7日付けで終戦記念日の恒例になっていた感のあるコスプレや軍服着用の禁止を打ち出しました。英断です。ただし混乱がなければ良いのですが」と投稿。コスプレ禁止を知らずに訪れる人もいるかもしれず、15日の終戦記念日を心配していた。
紀藤氏が指摘する通り、終戦記念日にいろいろな衣装を着て靖国神社に訪れる人はこれまでにたくさんいた。過去には取材に対し、「アメ横で1万9000円で買った」という軍服姿の男性や「日赤(日本赤十字社)から派遣された従軍看護婦」をイメージしたという看護師姿の女性もいた。なかにはチョンマゲを結った侍姿の男性も。
有名だったのが、栃木にある戦争博物館館長を務めていた栗林白岳氏だ。乃木希典将軍の格好をし、「みんな昭和の格好して来るだろうから俺は日露戦争時代の崇拝している乃木大将で来たんだよ」と話していた。毎年参拝に来る常連だったが、2019年に亡くなった。
靖国神社をめぐっては首相の参拝が取りざたされるが、木原稔官房長官は高市早苗首相の参拝について「首相が適切に判断されること」と回答。コスプレ禁止を受けて今年の終戦記念日はどんな変化があるのか。

自衛隊指揮に国産AI、情報収集や分析担わせ迅速な意思決定…「サカナAI」有力・中国製排除

政府は、自衛隊の部隊運用における中枢の指揮統制に、国産の人工知能(AI)を導入する方向で検討に入った。国産AIを中核に据えつつ、世界最先端の外国製AIなどと連携させ、迅速な意思決定の体制づくりを目指す。先端技術で戦争の形態が変化する中、AIの導入によって「新しい戦い方」への対応を急ぐ。
複数の政府関係者が明らかにした。自衛隊の指揮統制にAIが組み込まれるのは初めて。年末に改定する国家安全保障戦略など安保関連3文書に、指揮統制でのAIの活用方針を盛り込む。
指揮統制は、脅威の状況把握を踏まえ、自衛隊部隊の対処計画の策定から命令を下すまでのプロセスを指す。無人機や衛星、センサーなど先端技術の進展を受け、膨大なデータを短時間に処理してミサイル防衛などの意思決定を行う能力の向上が課題となっていた。
政府は、自衛隊指揮官の迅速な判断を後押しするため、情報の収集、分析、評価などをAIに担わせることを想定する。機密保持など経済安全保障の観点から、国産AIを中心に据える方向だ。米軍も指揮統制に米国のAI企業「パランティア・テクノロジーズ」が開発した「メイブン・スマート・システム」を採用し、対イラン軍事作戦などで実戦投入している。
国産AIとして最有力視されるのは新興企業「サカナAI」(東京)が開発する「Sakana Fugu(サカナ・フグ)」だ。サカナ・フグは、司令塔となるAIが複数のAIに処理を割り振り、低コストで高性能を出せる「オーケストレーション」機能が特徴だ。米軍が導入済みの最先端のAIなどを統制させれば、安全性と世界水準の性能の両立が期待できる。
同社はサカナ・フグの開発段階で中国のAIモデルも利用していたが、防衛分野への提供では中国モデルを排除する。開発チームも日本国籍者に限る。政府関係者は、「データやシステムを外国に頼らず、自国で自律的に管理する『AI主権』を重視する政府の方針にも合致する」と説明する。
防衛省は7日、安保関連3文書のうち国家防衛戦略など2文書に関して骨格を公表し、この中でAIの支援により意思決定の速度・精度を向上させる方針を明記した。自民党が6月にとりまとめた提言では、AIを自律的に選択・運用できるように「AI主権」の確立を求めており、安全保障分野で国産AIの利用を求める声が強まっている。

[社説]NHK性被害問題 人権意識の希薄さ露呈

放送業界の人権意識の低さが、再び浮き彫りになった。誤った対応の根底に、組織としての構造的な問題があるのではないか。
NHK職員が番組出演者から性被害を受け、休職に追い込まれた上、復職時の異動希望が認められなかった問題が明らかになった。
NHKの発表によると、職員は出演者らとの懇親会の後、意に沿わない性被害に遭った。その後、体調不良となり休職。被害から1年数カ月後、職場に被害を申告するとともに、フラッシュバックへの対処として別部局での復職を求めた。
しかし人事局は現所属での復帰が原則だとし元の職場に戻した。産業医も異動を提案するも、異動が受け入れられたのは被害から3年余り後のことである。
職員は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されている。訴え出るだけでも相当の覚悟を必要としただろうに、心身の安全を守る措置が長く講じられなかったことは、人権意識に欠ける重大な問題だ。
さらに深刻なのは、NHKの上層部やリスク対策担当部局が問題を把握したのは昨年4月のこと。職員が労働組合を通じ異動が認められない理由を確認したからだという。
翌5月に弁護士らによる調査検討委員会が設置され、このほど調査結果が公表された。検討委は被害の深刻さの認識や組織的な対応が欠落していたことを厳しく批判している。
性被害対策で最も重要なのは告発した人を守ることだ。被害者救済を優先した対応が取られなかったことは、残念というほかない。
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加害者の出演者は「飲酒していたため記憶がない。もしそうした事実があったのであれば申し訳ない」と話しているという。番組は既に終了しており、NHKは現在放送中の番組ではこの出演者を起用していない。
また当時対応した人事担当者ら5人については注意したとする。だが懲戒処分には踏み込まなかった。
NHKの井上樹彦会長は、被害の発生を「痛恨」とコメントし、対応をわびた。
調査検討委は「(被害者の)心情に配慮した処遇の実現に向け汗をかく職員はいなかった」と言い切っている。
経緯の説明が不十分なこともあり、責任の所在があいまいで、担当者の処分にも釈然としないものが残る。
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被害に遭った職員が労組に相談する直前の昨年3月、フジテレビ問題で第三者委員会が、元タレントによる元アナウンサーへの性暴力を認定している。
フジテレビの報告書にある「人権問題の認識欠如」「組織の強い同質性・閉鎖性・硬直性」などは共通する問題ではないか。
公共放送の社会的責任としてNHKにはより高い人権意識が求められている。
なぜ寄り添った対応が取れなかったのか。なぜこんなに時間がかかったのか。被害者のプライバシーに配慮しつつ、視聴者へ説明を尽くすべきだ。

台風15号、11日午後にも東北・関東に接近し上陸の恐れ…列島横断する可能性

台風15号は9日、強風域を伴って日本の東の海上を西に進んだ。11日午後にも東北や関東に接近して上陸する恐れがある。日本列島を横断する可能性があり、気象庁が強風や大雨に警戒を呼びかけている。
同庁によると、台風15号は9日午後9時現在、日本の東をゆっくりと北北東に進んでいる。中心気圧は990ヘクト・パスカル、中心付近の最大風速は20メートル。
11日は東北などで強風や大雨となる見込みで、高波や土砂災害に注意が必要という。

海水浴場で22歳男性が行方不明 水難か 「男性が沈んでいる」と通報 京都・京丹後市

9日午後、京都府京丹後市の琴引浜海水浴場で、男性が行方不明
になりました。消防などが捜索を行っていますが、男性は見つかっ
ておらず、9日の捜索は打ち切られています。
事故があったのは、京都府京丹後市にある琴引浜海水浴場で、9
日午後2時前「岸から約30~40メートルの沖合で男性が約10分程度
沈んでいる」と消防に通報がありました。
海上保安部などによりますと、行方が分からなくなっているのは、
兵庫県姫路市に住む男性(22)で、琴引浜海水浴場には家族や友人
と遊びに来ていたということです。岸から数十メートル離れた場所
で男性が沈んでいるのを別の遊泳客が見つけ、海上保安部や警察な
どが捜索を行いましたが、男性は見つかっていません。消防により
ますと、当時海は荒れていて、13時すぎには遊泳禁止のアナウンス
があったということです。
海上保安部などは、10日朝から捜索を再開する方針です。

「寝入ってしまうと思わなかった」市バスの30歳運転手が休憩中に寝過ごし発車が約50分遅れる 名古屋市営バスで今年3回目

名古屋市営バスの運転手が9日、休憩中に寝過ごし、発車がおよそ50分遅れました。運転手の寝過ごしで市バスが遅れるのは今年3回目です。 名古屋市交通局によりますと、9日正午過ぎ、金山駅の市バスの待機所で休憩していた猪高営業所の運転手(30)が車内で寝過ごし、駅を午前11時20分に出発する予定が、47分遅れたということです。 運転手は交通局の聞き取りに「普段使用しているアラームが壊れていたため腕時計で時間を管理していたが、寝入ってしまうと思わなかった」などと話しているということです。 市バスでは今年5月にも2回、運転手の寝過ごしで発車が遅れる事案が起きていて、交通局は「点呼等で待機時間中の自己管理を徹底する」としています。

長崎市長、一部読み飛ばし 平和宣言は原稿通り

長崎市の鈴木史朗市長は9日、平和祈念式典で平和宣言の一部を読み飛ばした。記者団の取材に「つい熱くなってしまった。文面を見ず、顔を上げたら先の文を読んでしまった」と釈明した。読み飛ばした部分も含めた原稿全体を、平和宣言として扱うと説明した。
読み飛ばしたのは「NPT(核拡散防止条約)の義務を履行し、核軍縮に向け着実に前進することを強く求めます」の1文。鈴木氏は「核軍縮に向け誠実に交渉することを念頭に置いた大切な1文だ」と話した。