平井伸治知事が小池都知事に「すぐにやるおばさん」と女性軽視発言 “失言ワード”のアップデートが必須

鳥取県の平井伸治知事が18日、県議会での答弁において東京を引き合いに出すなかで「おばさん」と発言。一部の議員から議事録からの削除を求められる事態となった。
県議会事務局によると、平井知事は人口減少対策として県内で生まれた子ども1人当たり1000万円の現金給付を提案した議員への答弁で、「東京だったら、すぐにやるおばさんがいらっしゃるかもしれません」と表現。
この発言が、東京都の小池百合子知事を指したと受け止められ、別の議員が「女性蔑視にあたるのではないか」と指摘し、議事録から発言の削除を求めた。
翌19日、渦中の小池知事は定例記者会見で、平井知事の「おばさん」発言について、「知事自らが先頭に立って、こうした『おじさん発言』をしているからこそ、女性がその土地に希望を持てなくなる」との不快感を示した。
さらに、「何か答えるのもむなしい感じがする」としたうえで、「トップとして、女性に対していろいろな思いを伝えることは影響が大きい。よくご注意なさった方がよい」と警告した。
平井知事をめぐっては、2018年にも税収の偏在是正措置に関する全国知事会での議論の中で、「母の慈愛の心を持って」と小池知事を茶化すかのような発言をしている。後日、癪(しゃく)に障った小池都知事が「母としてどうのこうのと言われ、すごく傷ついた」と怒りをにじませ、平井知事が謝罪に至ったという“因縁”がある。
小池知事とは“犬と猿”のような関係ともいえる平井知事だが、県民からは絶大な支持を得る。昨年12月には、全国初となるSNSでのひぼう中傷や差別的な書き込みをした投稿者に削除を命じる鳥取県の改正条例が成立。従わない場合に5万円以下の過料を科す。平井知事は国の「情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)」に削除命令規定はなく、「政府でも対応してほしい」と訴え、全国で問題となっている“ネットの闇”にいち早く手を打った。
だが、ネット上では平井知事の冒頭発言に対して「これは女性軽視発言」「どんな理由があろうと議会という公式の場で、他の都道府県の首長をおばさん呼ばわりすることは不適切極まりない」「言葉にも服装同様にTPOがある。とくに昭和世代の男性は気をつけてほしい限り。時代に合わせてアップデートの教育も必要と感じる」といった非難の声が後を絶たず、女性から敵視される羽目となった。
平井知事の発言は悪意を持って発言したようには感じないが、ついポロッとでは通じないのが現代。昨年末の「ネット・SNSの脅威から子どもを守る」条例改正・罰則新設では評価されたが、今回の発言で世の女性を敵に回してしまった形となり、非常に残念に尽きる。これを機に“失言ワード”の知識も身につけてほしい限りだ。

「社会の敵」トクリュウ対策の現在地 警視庁トクリュウ対策本部創設から約半年 永山貴大参事官が解説

去年、全国で史上最悪の1414億円以上の被害があった特殊詐欺。被害を拡大させている大きな理由がトクリュウ=匿名・流動型犯罪グループの存在です。
警視庁は去年10月、対策の司令塔として「トクリュウ対策本部」を立ち上げました。発足から約半年…、最近の犯罪傾向やその対策はどうなっているのか。「トクリュウ対策本部」の永山貴大参事官が解説しました。
■「トクリュウ対策本部」とは?
警視庁はもとより、他の46道府県警察の精鋭捜査員を集めた新しい組織です。警視庁の長い歴史の中でも、警視庁のみならず46道府県警察が集まって仕事をするのは、例のない新しい組織だと思います。全国警察をあげて捜査力を結集して取締りを推進しようと対策本部の設置に至りました。
トクリュウには、以下のような特徴があります。
▼暴力団のような明確な指揮系統や組織を持たない ▼犯罪の首謀者が匿名化されている ▼実行犯は犯罪の種類によって、その都度募集され流動的である
最近は、 ▼特殊詐欺 ▼「闇バイト」強盗 ▼女性を性風俗店に違法にあっせんするスカウト業 ▼マネーロンダリングなど様々な犯罪を行っています。
■特殊詐欺の特徴は?
特殊詐欺はSNSや電話を通じて、不特定多数に対して詐欺を実行する犯罪ということで、誰しもが被害に遭いやすい犯罪だと思います。 近年増加している「警察官をかたる詐欺」では、しゃべっている人間の顔をAIを使って違う人間かのように加工して、それで話しかける場合があります。
また、去年の年末くらいから“ニセ社長詐欺”というのが増えています。社長になりすました被疑者が、従業員に対して『取引案件で必要になっているので現金を口座に送ってほしい』とメールでコンタクトをとった後、LINEなどのSNSに誘導し『ここの口座に送っておいて今日までよろしく』と言って実際の社長の名前を騙ってやる。振り込んでみたらウソだったということが分かるケースがあります。名刺にメールアドレスなどが書いてあり、被疑者にとって良い情報になってしまいます。ネットで調べれば社長の名前やなんてすぐわかりますから、『社長から連絡が来てるんだったら早くやらなきゃいけない』と思うのがサラリーマンの常じゃないですか、そういうところに目をつけた詐欺っていうのも増えてきています。
去年は警視庁だけで600人弱の検挙者がいますが、大半が末端の被疑者です。「闇バイト」でお金が稼げると思って応募するわけですが、結局お金を払ってもらえなかったりとか、捕まって実刑を受けたりと、使い捨てにされています。
■匿名通報ダイヤル
匿名通報ダイヤルという電話やインターネット上で通報者が匿名で通報できる窓口がございます。本当に犯罪組織の壊滅に繋がるような情報をいただけた方には最大100万円が出るような仕組みになっています。
■「闇バイト」募集への警告
「闇バイト」はSNSなど様々な媒体を通じて募集が行われています。SNSで「闇バイト」を募集しているような情報を警察で検知して、それに対して「このSNSの書き込みは闇バイトの募集に当たります」とリプライする形で警告をするという対策を講じています。
■特殊詐欺電話への注意喚起
警視庁から民間企業に委託し、各家庭に特殊詐欺の注意喚起を行う電話をかける事業をやっています。
特殊詐欺の電話は、出てしまった時点で危ないということを広く知っていただきたいと思っています。出てしまうと犯人は言葉巧みに電話を切らせないようにしてきます。
まず知らない電話番号から電話が掛かってきたときには、一番効果的でシンプルな対策は「電話に出ない」ということです。もう一つは、留守番電話で一回受けて、相手のメッセージを確認するという方法もあります。
■防犯アプリ「デジポリス」
特殊詐欺に使われている電話番号、あるいは国際電話というものをブロックできる機能を搭載した「デジポリス」というスマートフォン用のアプリを無料で展開をしています。
犯行に使われた電話番号に関しては日々更新されています。こういったものについては警視庁の方でデータベース化をして、ブロックすべき電話番号として日々アップデートをしている状況です。犯行の電話の多くが国際電話から掛かってくることが多くあるので、国際電話そのものをブロックする機能というものもデジポリスには搭載されております。
■バイト募集では隠語に注意!実は、それ「闇バイト」かもしれません
例えば…
受け子→U 出し子→D
「UD募集」と書かれていると「受け子と出し子の募集」の可能性があります。ただ、この隠語はすぐに変わります。かつては「UD案件」というのがありましたが、今は廃れてきています。どちらかというと本当に「闇バイト」かどうかも分からないような、「運ぶだけですよ」とか「口座を作っていただくだけでいいんです」といった言葉が使われています。
■トクリュウは「社会の敵」
トクリュウは、マネーロンダリングから、女性を性風俗に売るような仕事まで、とにかく金儲けのためだったら何でもやります。違法に金儲けをする集団です。トクリュウは「社会の敵」という気運を高め、警察としては本当に悪いやつ、すなわち「首魁」、グループの中核的人物の摘発をしっかりとやっていくということが求められていると思います。

福島の原発周辺12市町村の農地、東京ドーム100個分に太陽光パネル乱立…避難長期化が影響か

東日本大震災以降、福島県の農地7平方キロ・メートル超に太陽光パネルが設置されていたことが、読売新聞の衛星データ分析で分かった。このうち東京ドーム100個分に相当する4・7平方キロ・メートルは、東京電力福島第一原子力発電所の周辺12市町村に集中していた。避難の長期化で業者に農地を提供する住民が相次いだためとみられるが、パネル乱立が農業や街再建の支障になると懸念する声も上がる。
分析に使ったのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公開する「高解像度土地利用土地被覆図」。同図は日本などの人工衛星が捉えた地上の画像を人工知能(AI)で解析し、10メートル四方ごとに土地の用途を色分けして表示している。読売新聞は水田や畑だった農地のうち、震災後(2024年)にパネルに変化した面積を独自に割り出した。
その結果、福島県全体で7・1平方キロ・メートルの農地にパネルが設置されていたことが判明。約7割に当たる4・7平方キロ・メートルは、原発事故で国などから避難指示が出た浪江町や南相馬市など12市町村に集中していた。この地域は震災前、温暖な気候を生かしたコメ作りが盛んだったが、東京ドーム100個分もの広大な農地がパネルに姿を変えた。
避難指示は現在、帰還困難区域を除いて解除済みだが、震災から10年以上たち、避難先に定住した住民が農地を手放したり、後継者不在で廃業したりするケースも多い。使う当てのない農地を業者に貸すなどしてパネル設置に協力した住民も少なくないとみられる。
現地を取材すると、農地の真ん中や墓地を囲むように設置されたメガソーラーなど、各地にパネルが乱立する実態が浮き彫りになった。住民の一部からは「景観の悪化だけでなく、営農再開の妨げや帰還意欲の低下につながる」と懸念する声も上がっている。
同県は12年、太陽光などの再生可能エネルギー導入を復興の柱に据え、40年頃に県内の電力需要量の100%相当量以上の再エネ導入を目標に掲げた。その結果、震災後にパネルが設置された土地は県全体で31・9平方キロ・メートルに上ることが衛星分析からも判明した。
パネルに変わった土地の内訳は、県全体では森林が最多で全体の4割を占めたが、原発周辺12市町村は農地が6割と突出して多かった。原発事故で農地の維持が難しくなった特有の事情が影響した可能性がある。
パネルを巡っては、景観悪化のほか、壊れた発電設備の放置などで地域住民とトラブルになるケースが全国で相次ぐ。再エネと地域の共生は全国共通の課題で、法政大の茅野恒秀教授(環境社会学)は「再エネ推進で住民が分断されないよう地域全体で合意形成を図るべきだ」と指摘する。

登記の住所変更、4月から義務化 改正不動産法が全面施行へ

所有者不明の土地が各地に存在する問題を解消するため、2021年に成立した改正不動産登記法が4月1日に全面施行される。既に始まっている相続登記の義務化に加え、不動産所有者が住所や氏名を変更した際、2年以内の届け出を新たに義務付ける。正当な理由なく怠った場合は5万円以下の過料が科される。
専用サイトで個人情報を登録しておけば、法務局が住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)から住所や氏名の変更を把握し、登記を書き換える「スマート変更登記」の運用も始まる。
政府の23年調査によると、登記簿で現在の所有者が分からなかったり、連絡が取れなかったりする土地が26%あった。こうした土地は災害復興や取引の妨げになることがあるとして、改正法に解消策が盛り込まれた。
段階的に施行され、24年4月には相続による不動産取得を認識してから3年以内の登記申請を義務化。今年2月には、相続を受ける人らの請求を受け、対象者の所有不動産を一覧で確認できる「所有不動産記録証明制度」が始まった。

「まさかと…」函館赤十字病院が来年3月末の閉院検討 職員は約140人…人口減や老朽化が理由

北海道函館市の函館赤十字病院が、2026年度末での閉院を検討していることが分かりました。
人口減少や病院の老朽化などが理由だということです。
2027年3月末をめどに閉院の検討を進めているのは、函館赤十字病院です。
病床数は137床で、内科や外科、リハビリテーション科など11の診療科目を有していて、急性期病院として地域医療を担っています。
病院を運営する日本赤十字社によりますと、函館市の人口減少や病院の老朽化が進んでいること、医療従事者の確保が困難になってきている点から閉院を検討しているということです。
(地元の人)「驚くよね、これ無くなると。まさかと思っていた。内科の先生がいい先生いるから違う病院に行かなきゃならない」
(地元の人)「患者さんがすごい少ないみたいなので。近くに病院が無くなるとこの辺の人が困るんじゃないですか」
日本赤十字社は、函館赤十字病院で働く職員およそ140人の今後の配置について、「一人一人と面談して相談していく」などとしています。

「警察は誤りの原因説明を」 神奈川・承諾殺人、専門家ら指摘

神奈川県警が11年前に自殺したと判断した女性が、実際は殺害されたとして、さいたま地検が承諾殺人罪で被告を追起訴した事件。県警は捜査の不備を認めたが、内部調査の結果は公表していない。ただ公判などでは当時、事件性をうかがわせる状況があったことが浮かんでいる。県警の内外からは「誤りの原因を説明すべきだ」などと声も上がる。
一連の事件では、さいたま市の無職、斎藤純被告(32)が、2018年に同意の上で茨城県の女性を殺害したとする承諾殺人罪などに問われている。今月18日の初公判では、横浜市の女性(当時22歳)に対する15年の承諾殺人罪でも追起訴されたことが明かされた。
初公判では横浜市の女性について、検察側が両親の供述調書を読み上げた。その内容によると、女性は母親に「死ぬんじゃなくて殺される」とメッセージを送っていた。心配した母親が同年10月23日、女性が暮らすアパートを訪ね、死亡しているのを発見した。
翌24日午前、検視結果を待つ両親がアパートに滞在していると、玄関ドアが開く音がし、斎藤被告とみられる男性が室内に入ろうとしていた。男性はすぐにいなくなり、両親は県警の警察官に「不審な男が逃げた」「本当に自殺か、殺されたんじゃないか」と尋ねた。しかし、警察官は「自殺と判断している」と話したという。
また捜査関係者によると、女性の遺体からは常用していなかった薬の成分が検出されたことも判明している。
事件を時系列で見ると、15年の時点で立件されていれば、18年の承諾殺人は起きなかったと言える。この点について複数の県警幹部は取材に「確かにそうだが、結果論だ」との認識を示した。一方、ある幹部は、今年度に「川崎ストーカー殺人事件」の対応を問われた警察官が大量処分された件などを念頭に、「県警は信頼回復が求められている。今回も捜査の何が不十分だったかは明らかにしないといけない」と話す。
専門家はどう見るのか。弁護士の渡辺顗修(ぎしゅう)・甲南大名誉教授(刑事訴訟法)は「殺人など重大事件の捜査は警察が独占し、一度自殺と判断されると見直しがされにくい。硬直した体質が捜査の失敗を招いているのではないか」と話す。内輪の反省・検討では体質改善が進まないとして、「市民参加型の第三者委員会を設けるなどして、捜査の誤りの原因を客観的に明らかにすべきだ」と訴える。
元警察官僚の田村正博・京都産業大教授(警察行政法)は「承諾殺人と自殺はいずれも遺書などが残され、判断がつきにくい場合がある」と指摘する。「警察官の数が限られる中で、どの事件にどのくらいの数の捜査員を投入するのが望ましいか、十分に検討されるべきだ」と話している。【横見知佳、清水夏妃、加藤佑輔】

5年の捜査を経て…妻殺害の罪で夫を起訴 妻の母「やっとここまできた」

『news every.』の「ミダシ」が気になるニュース。「妻殺害の罪で夫を起訴 妻の母「やっとここまできた」 5年の捜査を経て、再び」についてお伝えします。
◇
今月17日、殺人の罪で起訴された高張潤被告。
東京・国立市のアパートから妻・麻夏さんを投げ落とし、殺害した罪に問われています。
23日、カメラの前で語ってくれたのは、麻夏さんの母親です。
──この5年間どういう思いで?
麻夏さんの母
「ずっと同じ気持ちです。悲しい、くやしい、怒りとか、そういうことの毎日で生活していた。やっとここまできたかな」
2020年になくなった麻夏さん。夫の高張被告は2021年に一度逮捕されましたが、その後、処分保留のまま釈放されました。
警視庁はその後も、複数の専門家に意見を聞いたり、再現実験をしたりして捜査を続けてきたということです。5年の捜査を経て、再び動き出した事件。
麻夏さんの母
「長かったけれども、ちゃんと話がこれからいいように進むように段取りができたと、安心というか、ほっとした。スタートにたどり着いた感じです」

化粧品販売員死亡、アスベスト労災を認定 原料のタルクに含有

化粧品会社で販売員(美容部員)として働いていた宮城県の女性(当時68歳)が中皮腫で死亡したのは、化粧品やベビーパウダーの原料となる粉「タルク」に含まれていたアスベスト(石綿)を吸引したのが原因の可能性があるとして、仙台労働基準監督署が労災認定していたことが判明した。認定は昨年12月2日付。石綿被害を巡り、化粧品販売員が労災認定されたケースは全国で初めて。
支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」が23日、明らかにした。同会によると、女性は1974年から3年3カ月、仙台市の資生堂仙台駐在所で化粧品販売員として勤務。派遣された薬局での販売対応などで化粧品やベビーパウダーを日常的に使用していたという。
女性は2024年1月ごろから腹痛などの体調不良を訴え、同年4月に中皮腫と診断された。女性の長女が8月に労災申請し、女性は約3カ月後に亡くなった。
同会は認定理由について、女性が働いていた期間は旧厚生省が石綿入りのベビーパウダーの使用を規制した87年以前であるため、化粧品に石綿が混入していた可能性がある▽化粧品会社での勤務期間が1年以上にわたり、発症まで10年以上経過している――などを挙げた。
この日、取材に応じた女性の長女は「認定されたことに感謝している」とした上で「化粧品の仕事が大好きな母だった。(認定前に亡くなったので)母は何が中皮腫の原因なのか分からないままだった」と話した。
タルクは含水ケイ酸マグネシウムを成分とする天然鉱物で、工業製品や化粧品などに使用される。発がん性のある石綿と鉱脈が近いため、過去にはタルクに混入した石綿を吸引した事例も確認されている。
タルク由来の石綿被害について、同会事務局の沢田慎一郎さん(39)は「これまで医療従事者や加工業者への労災は認定されてきたが、一般消費者に近い販売員が認められたのは初めて。中皮腫はわずかな量でも数十年かけて発症する可能性があり、潜在的な被害者も多いのではないか」と指摘する。
資生堂は毎日新聞の取材に「(労災認定について)内容を把握しておらず、詳細を確認した上で適切に対応したい」と答えた。
アスベストによる健康被害の相談は同会(0120・117・554)。【遠藤大志】

紀州のドン・ファン13億円の遺産はどうなる 「全財産をキフ」の遺言と元妻相続権の行方

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=の元妻(30)に対し、2審大阪高裁も無罪を言い渡した。55歳の年の差がありながら「契約みたいな結婚」(元妻)をした2人。殺人罪などで有罪となれば遺産相続の権利が失われるため、この日の無罪判決は約13億円といわれる遺産の行方にも影響することになる。
《私がお金を稼ぐ理由は、なんと言っても魅力的な女性とお付き合いをしたい、その一点に尽きます》
著書にこう記した野崎さんは和歌山県田辺市で生まれ、金融業や酒類販売業などを興して一代で財を成した。生前は多数の女性と交際するために「30億円を費やした」と豪語し、その言動がワイドショーや週刊誌をにぎわしていた。
元妻と結婚したのは平成30年2月。1審での元妻の被告人質問によると、元妻は紹介を受けて野崎さんと出会い、初対面で帯付きの100万円を手渡され、求婚されたという。元妻は結婚条件として毎月100万円を受け取ることを提示し、野崎さんが受け入れた。
その後、野崎さんは結婚からわずか3カ月半後の同年5月、自宅で急性覚醒剤中毒で死亡。遺産目的での元妻の犯行が疑われたが、地裁・高裁の判断は無罪だった。
無罪判決がこのまま変わらなければ、元妻には野崎さんの遺産を相続する権利が認められる。ただ、遺産問題を複雑にしているのが、野崎さんの死後に見つかった「遺言書」の存在だ。
遺言書は平成25年2月付で、紙に赤ペンで「いごん 全財産を田辺市にキフする」と手書きされていた。この遺言書を巡っては、野崎さんの兄らが「無効」を訴える民事訴訟を起こしている。
遺言がない場合の法定相続分は元妻が4分の3で、兄らが合わせて4分の1。だが遺言が有効だと判断されれば、田辺市が遺言に基づき遺産全額を取得した上で、元妻は「遺留分」として2分の1を得る権利を主張できる。兄らには遺留分はなく、この場合は遺産を受け取れない。仮に元妻が今後、逆転で有罪となり、遺言も無効と判断されれば、兄らが全額を相続する。
遺言書を巡る訴訟は1審和歌山地裁、2審大阪高裁がいずれも「有効」と判断。審理は最高裁に移っている。(西山瑞穂)

埼玉・八潮陥没事故 当日の救助活動は“おおむね妥当” 救助に関する検討委員会が最終報告書を公表

2025年、埼玉県八潮市で陥没した道路にトラックが転落し、男性が死亡した事故で、当時の救助活動の方法などを検証していた検討委員会が一連の救助活動について「おおむね妥当」とする最終報告書を公表しました。
2025年1月、八潮市で陥没した道路にトラックが転落し、男性運転手(74)が死亡したほか、救助活動にあたった消防隊員2人がけがをしました。
当時の救助活動の是非や今後の課題などについて、救助の初動対応にあたった草加八潮消防組合は有識者による検討会を開いて検証していて、23日、最終報告書を公表しました。
報告書では、今回の事故を「全国でも前例のない事案だった」と指摘したうえで、当時の救助活動は「変化する陥没の穴の状況に応じ、保有するリソースから合理的に実施されており、おおむね妥当であった」と評価しました。
また、今後については、道路の陥没にともなう救助活動は「いずれの場所でも発生し得ることを認識し、救助方法や安全管理について様々な状況を想定した訓練を行い、知識・技術の習得に努めるべき」などとする提言を行いました。
委員長を務めた関西大学社会安全学部の永田尚三教授は、「類似する事案が発生した場合や、未曾有の救助活動を余儀なくされる場合において、今回の報告書がその一助になればと考えている」としています。