菅首相、インド・フィリピン訪問調整=大型連休、中国にらみ結束確認

菅義偉首相は今月下旬からの大型連休に合わせて、インドとフィリピンを訪問する方向で調整に入った。新型コロナウイルスの感染状況を見極めた上で最終判断する。複数の政府関係者が7日、明らかにした。
菅氏はインドのモディ首相、フィリピンのドゥテルテ大統領とそれぞれ首脳会談に臨む。両氏との対面での会談は初めて。
政府は「自由で開かれたインド太平洋」構想をけん引する日米豪印4カ国(通称クアッド)の枠組みを重視しており、インドとのさらなる結束を図りたい考え。また、中国が東・南シナ海で覇権主義的な動きを強めていることを念頭に、フィリピンとの関係強化も目指す。
[時事通信社]

仙台・青葉まつり、2年連続で中止へ すずめ踊り「代替案検討」

仙台・青葉まつり協賛会は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、5月15、16日に仙台市中心部で予定していた「仙台・青葉まつり」の開催を見送る方針を固めた。中止は2年連続。役員会での協議を経て、8日に正式決定する。【藤田花、深津誠】
今年は会場を限定するなど規模を縮小してまつりを開催する方針だったが、仙台市にまん延防止等重点措置が適用されたことなどを受け、この日の実行委員会で中止はやむを得ないと判断した。
協賛会の上野隆士・実行委員長は、開催期間中に人が密集する恐れがあるほか、感染拡大ですずめ踊りの練習が困難になっていることなどを挙げ、「東日本大震災の年は祭りを中止したが、6月にすずめ踊りだけ実施した。今回も代替案を検討したい」と述べた。
すずめ踊りを披露する「祭連(まづら)」からは、2年連続の中止に落胆の声が聞かれた。約50人が所属する「◆朱雀」の水野恵美・事務局長(64)は「覚悟はしていたが、恐れていたことが現実になってしまった」と残念がり、「2年間も披露の舞台がないのは初めて。すずめ踊り自体が廃れていかないか心配だ」と話した。コロナ禍でも感染防止策を講じながら週2回の練習を重ねており、「去年の分まで楽しもうと練習してきた。できれば代わりに披露する場を作ってほしい」と訴えた。
25年間続く「誇雀(こすずめ)会」の伊藤秀子代表(72)は「安全のためにはやむを得ない」と中止に理解を示した。
踊り手20人とおはやし9人は月1回の練習に加え、仙台大の学生とも一緒に青葉まつりに参加するため合同練習するなど準備してきた。しかし、踊り手は70~80代と感染リスクが高く、伊藤代表は「『やる』と言われたら出たくなってしまうが、感染対策に神経を使っているメンバーもいるので中止の方が割り切れる。リスクがある状態で、やりたいとは言えない」と話した。
マラソン、火伏せの虎舞も
大型連休前後に県内で予定されていたほかのイベントも相次いで中止が決まった。
仙台市は5日、5月9日に開催する予定だった「仙台国際ハーフマラソン」の中止を発表。ハーフマラソンの部に4258人、車いすの部に22人がエントリーしていたが、安全安心の大会運営ができないと判断した。
加美町では4月29日に中新田地区で開催される県指定無形民俗文化財「火伏せの虎舞(とらまい)」が2年連続で中止になった。例年、2万~2万5000人が訪れる町最大のイベントだが、虎舞の演舞や山車が始まると満員電車のような人混みになるため、3密が不可避という。
町商工観光課は「2月中旬までは感染者が少なく、開催できると思っていたが……。大型連休の初日に開かれる祭りへの期待は大きいが、町外から多くの人が集まることを気にする町民も多い」と苦渋をにじませた。

48億円かけるのに一度も使わず 感染者用に改修の五輪警官宿舎

東京オリンピック・パラリンピック用の警察官仮設宿舎が新型コロナウイルスに感染した軽症者向け滞在施設に改修されたものの、一度も使われることなく元の姿に戻ることが分かった。警察庁が明らかにした。2020年4月の改修と今回の再改修にかかる費用は計約48億円。軽症者の受け入れ判断は東京都が担っていたが、ホテルを優先的に活用したため宿舎が使用されることはなかったという。
宿舎はプレハブ2階建て。江東区、江戸川区、大田区内の計4カ所で、いずれも臨海地区にある。五輪の警備要員として全国から集まる警察官が各部屋を複数人で使用して数千人が寝泊まりする予定だった。
しかし、昨年4月にコロナの感染が急速に拡大したため、政府は五輪延期で当面は使われなくなった宿舎を感染者の滞在施設として活用する方針を決定。約800人の軽症者を受け入れられるよう改修する方針が決まった。
改修は厚生労働省の意見を聞きながら37億円をかけて同4月に実施された。大部屋を「個室化」し、トイレや風呂など水回りの改修もして、約40棟の約770室を軽症者が使えるよう準備した。
軽症者を受け入れるかは療養施設の運営を担う東京都の判断次第だったが、都は個室に風呂やトイレがあるビジネスホテルの利用を優先。そのホテルも空きがある状況が続き、ホテルの入所者は、最も多かった20年12月下旬でも約1100人で、確保した室数の半分強は空室状態だった。
一方、警察庁は今夏の五輪が近づけば、警察官の宿泊施設としてこの宿舎を使うことを予定していた。東京都も厚労省に「ホテルへの入所を優先しており、今のところ間に合っている。必要ない」との意向を伝えており、宿舎を元通りに戻す工事の実施が決まったという。
警察庁は「東京都の意向を踏まえ、本来が五輪の警備要員のための施設なので再改修することにした」としている。再改修の工事は今月1日から始まっており、費用は11億円と見込んでいる。
東京都は「コロナ対策に全力で取り組んだ中での動きだった」とし、「昨年4月ごろはどんな状況になるか分からなかったが、結果として警察施設を使うまでの状況には至らなかった」と説明している。【町田徳丈、斎藤文太郎】

世界120位「女性がひどく差別される国・日本」で男より女の幸福感が高いというアイロニー

日本の男女不平等ランキングは、156カ国中120位……。
3月31日、スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が作成した「ジェンダーギャップ指数」の最新データが公表された。「経済」「教育」「政治参加」といった分野での男女格差を指数化したものだ。日本の男女不平等の総合ランキングが156カ国中120位で、突出した男性優位社会(女性差別社会)という結果をマスコミ各社は大きく取り上げ、社説のテーマにした新聞もあった。
ただ、統計を専門とする私としては、奇妙に感じることがある。それは国連の専門機関の一つである国連開発計画(UNDP)が毎年刊行する人間開発報告書で作成されている「ジェンダー不平等指数」の結果はあまり報じられないのに、この世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」は公表されるたびに必ず報道され、話題となることだ。
これは「ジェンダーギャップ指数」のほうが日本の男女平等度のランキングがずっと低く(女性差別社会)、その分、目立っていて取り上げやすいからだろう。
「ジェンダーギャップ指数」の2021年報告書における順位は上述のように156カ国中120位であり、前回2019年報告書の121位(153カ国中)に引き続き、非常に低い順位だった。
ところが、国連開発計画「人間開発報告書」の2020年版における「ジェンダー不平等指数」では24位(162カ国中)となっており、女性差別社会とは言えない結果になっている。
図表1は、G7諸国における両指数の順位を比較したものだ。「ジェンダーギャップ指数」では最下位の日本も「ジェンダー不平等指数」では5位と英国と米国を上回っている。日本以外のG7諸国の順位も両方でばらばらである。日本だけでなく参考に掲げた韓国も「ジェンダーギャップ指数」では世界順位100位以下とランキングが低い点が目立っている。
なぜ、このようなランキングの差が生じるか。その背景に指標のとり方の違いがある。例えば……。
・途上国の社会開発を使命とする国連開発計画の「ジェンダー不平等指数」では女性がどれだけ安全に出産できる環境かを重視しており、「妊産婦死亡率」や「未成年出生率」などの指標が入っている一方、世界経済フォーラムには入っていない。同フォーラムはその代わり、「新生児の男女比率」と「健康寿命の男女差」を健康分野の指標としている。
・日本の「新生児の男女比率」は1位、「健康寿命の男女差」は72位。
以上の傾向からしても、私は、同フォーラムが出産リスクや寿命そのものはスルーして、健康の男女格差をこの2つの指標(「新生児の男女比率」「健康寿命の男女差」)で代表させるやり方に大きな疑問符をつけたい。
はなから構成指標の妥当性などが議論されることはなく、もっぱら日本は女性差別のヒドイ国だと主張したい場合の絶好のデータという観点だけで世界経済フォーラムの「総合ランキング」が引用されているように感じられなくもない。
この手のランキングは、構成する複数の指標を加重平均して作成される総合指標によっており、指標の選択やウエートづけは作成者の考えによっているので、結果も恣意的になりがちである。
(※私が主宰している「社会実情データ図録」サイトでは極力、そうした総合指標のランキングは取り上げないようにしている)
例えば、複数指標を総合化した世界各国や都道府県の幸福度ランキングが複数発表されているが、それがOECDの作成する権威あるランキングであっても、なるべく、無視するようにしている。幸福度を「そうであれば幸福であるに違いない」という観点から、所得、生活環境、医療介護、格差、自然などの状況の良好度を総合して順位づけしている場合がほとんどであり、「それで幸せを感じるのかは人それぞれ、国それぞれなのだから放っておいてくれ」と言いたくなる。
そして、幸福度を測るなら、幸福かどうかを聞いた意識調査によるのが一番だと思っている。
さて、本題に入るが、幸福かどうかを聞いた結果の幸福度を、他のさまざまな項目とともに、ほぼ5年おきに国際的に共通調査票で調べている「世界価値観調査」の最近回の結果が公表されたので(2021年1月)、このデータのジェンダーギャップについての国際比較を次に試みよう。
ジェンダーギャップ指数と幸福度の男女格差はどんな関係にあるかを知りたいと思う人は多かろう。
幸福度そのものの国際比較は、質問文の言語の差、あるいは幸福に対する文化的な考え方の差異が影響して解釈が難しい。例えば、所得水準に比例しているという結果はあるが、低所得の国でも幸福度の国別のばらつきは非常に大きいのである。
ただし、それぞれの国の幸福度の男女差については、回答者が同じ言語を使用し、同じ幸福感を持っている場合が多いはずであるので、むしろ、幸福度そのものより国際比較に適していると考えられる。
国際比較に入る前に、まず、日本人の回答結果について、時系列的に過去からの推移を振り返っておこう(図表2参照)。
幸福度(幸せと回答した者の比率)の推移は、男女計では、1981年、1990年には、77%程度だったが、2000年、2005年、2010年、2019年には、86~88%となっている。バブル期までより、その後の失われた10年、20年と呼ばれる時期のほうが、幸福度ではより高い水準となっており、意外な結果だともいえる。
ここで主題としている男女差だが、女性の幸福度から男性の幸福度を引いた数字で追ってみると、1981年から1990年に6.5%ポイントから8.1%ポイントへと開いた後、2005年にかけて2.3%ポイントまで狭まったが、2010年には8.1%ポイントと再度広がっている。2019年にもほぼ同レベルの7.2%ポイントの開きとなっている。
日本においては女性のほうが男性より幸福感を感じやすい状況が続いているといえよう。
幸福度について女性から男性を引いた値、すなわち「幸福度女性優位」のランキングを図表3に掲げた。図表の一番左の折れ線が世界価値観の最新データのランキングである。日本はフィンランドに次ぐ世界第2位となっている。
世界価値観調査の前回、前々回の結果は、それぞれ、世界1位、世界11位だった。
世界価値観調査だけでは怪しいと見る向きのために、もうひとつの権威ある国民意識の世界調査であるISSP調査の4回分の結果も図示している。
幸福度の女性優位度についての以上7回にわたる調査結果では、日本の順位は1位が3回、2位が2回、3位が1回、11位が1回となっている。日本の女性の幸福度が男性を上回る程度は、まず間違いなく、世界トップレベルにあるといってよいであろう。
どうして、日本の女性の幸福度が男性よりこれほど高いのか。それについての定説はない。というより、その事実じたいが、日本は根強く男性優位社会(=男性のほうが幸福)であるという一般的な通念と矛盾するので、看過されてしまっている。
私の考えを述べたい。
日本ほどではないが、幸福度の女性優位は、韓国、台湾、香港といった東アジア諸国でも共通な場合が多い点を考え合わせると、相続や選挙権に関する制度的な男女平等が各国で戦後実現したこと、また現代ではかつての儒教道徳から女性がかなり解放されたのに対して、男性のほうは「男は一家の大黒柱」あるいは「男はか弱い女性を守らなければならない」といったような古い道徳観になお縛られていること、などがこうした結果の背景にあるのではないか。日本では男への期待感が潜在的に大きいだけに、当の男性としてはそれに応えられているかどうか微妙でなかなか幸福度を感じにくくなっている、というのが私の見方である。
上にふれた「世界経済フォーラム」が作成した「ジェンダーギャップ指数」の結果(世界の中でも有数の男性優位社会、女性差別社会)と、意識調査結果による幸福度の男女格差のランキング(女性の幸福感が男性を常に上回る)はあまりに食い違っている。
この点を確認するために、両者の相関図を図表4に掲げた。
幸福度女性優位度世界一のフィンランドはジェンダーギャップ指数でも男女格差の小ささが世界2位であり、両者には関係があるようにも見える。しかしながら、ジェンダーギャップ指数で男女格差の小ささが世界1位のアイスランドでは、幸福度はむしろ男性のほうは2%ポイントほど大きいという結果(女性の幸福度が男性より低い)となっており、まったくの逆比例である。
男女格差が大きいパキスタンやイランでは、幸福度も男性優位であるが、日本の場合は、男女格差が大きいのに幸福度は明確に女性優位である。
つまり、ジェンダーギャップ指数で測った男女格差と、幸福度の男女格差はまったく相関していない。相関図の全体的な分布を見てもそう言える。
図表4の右上には、当記事の冒頭でジェンダーギャップ指数と比較した国連開発計画のジェンダー不平等指数で同様の相関を見た図を掲げておいた。こちらのほうでは、相関度は低いが、多少なりとも右下がりの傾向、すなわち、男女格差が大きいほど幸福度の男性優位となる傾向が認められる。
相関度を表す値にR二乗値があるが、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数では0.022とほとんどゼロ(無相関)であり、しかも傾きがプラスであるのに対して、国連開発計画の指数では0.076で傾きもマイナスであり、若干ながら右下がりの相関があるといえるのである。
こうした面からも、マスコミ各社が「日本=旧態依然の女性差別国・男性優位社会」ということを述べるためにこぞって取り上げる世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」を男女格差の程度を示す指標としてうのみして論じることには無理があろう。
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(統計探偵/統計データ分析家 本川 裕)

ワクチン接種の看護師2人がコロナ感染 いずれも軽症 神奈川

神奈川県は6日、新型コロナウイルスワクチンを接種した厚木市立病院のいずれも20代の女性看護師2人が新型コロナに感染したと発表した。ワクチン接種者で陽性が確認されたのは県内では初めて。
県によると、2人はいずれも軽症。3月末に1度目のワクチンを接種した後、検査で5日に陽性が判明した。感染したのが接種前か後かについて、県の担当者は「潜伏期間の端境期で判断できない」としている。【中村紬葵】

音楽講師のパンプスすり替え盗んだ疑い 自宅から約20足押収

音楽教室のげた箱から女性講師のパンプスを盗んだとして、愛知県警名東署は6日、同県長久手市仲田の会社員、勝洋明容疑者(33)を窃盗容疑で逮捕した。勝容疑者は同じブランド、色のパンプスを持参し、すり替える手口で盗み去ったとみられる。自宅からは別の人のパンプスなど女性用の靴約20足を押収しており、余罪を追及する。
逮捕容疑は、1月30日午前10時50分ごろ、名古屋市名東区の音楽教室で、女性講師(23)のパンプス1足(時価約5000円相当)を盗んだとしている。
勝容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。
署によると、2月に女性から「靴がすり替えられている」と相談があった。入手に苦労したパンプスだったため、新品に近い状態になっていることに気付いたという。
署は同型の靴とすり替えていることから、勝容疑者が女性の靴を事前に調べてから犯行に及んだとみて捜査している。【藤顕一郎】

堤防から転落?釣り具が放置、巡視艇やヘリで6時間捜索の結末は…

5日午前9時頃、新潟県聖籠町網代浜の堤防に、釣り具やクーラーボックスなどが放置されていると110番があった。新潟海上保安部などが巡視艇やヘリコプターで捜索したが、6日になって所有者の30歳代男性の無事が確認された。体調不良で荷物を置きっ放しにしたまま現場を離れ、病院に入院していたという。
同保安部の発表によると、男性は3日、堤防で釣りをしていた際、体調不良になり、荷物を放置して病院に向かった。同保安部や警察、消防などは5日、男性が海に転落した可能性があるとして約6時間にわたって周辺の海などを捜索した。
現場の堤防は立ち入り禁止区域で、新潟北署が防犯カメラの映像などから男性を特定した。同保安部は「体調不良は致し方ないが、道具の片付けや、連絡などはしっかりお願いしたい。立ち入り禁止区域に入ることもやめてもらいたい」としている。

党内保守派に秋波、ポスト菅狙う岸田氏の苦悩 与野党全面対決の広島再選挙は「お手並み拝見」

次期自民党総裁選への出馬を目指す岸田文雄前政調会長が苦闘を続けている。 2020年9月の菅義偉政権発足で無役になって以来、党内での存在感が薄れ、「ポスト菅」候補の人気番付でも下位で低迷しているからだ。 岸田氏にとっては、巨額買収による公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里前参院議員の当選無効・失職に伴う参院広島選挙区再選挙が、当面最大の課題となる。広島は故池田勇人元首相以来、「宏池会(現岸田派)の天領」(自民長老)とされ、岸田氏の総理・総裁候補としての命運もかかる。 ■注目の4.25トリプル選挙 岸田氏はここへきて敵基地攻撃能力を提起するなど保守傾斜の動きも見せている。ただ、1957年の池田派発足以来、自民党内のリベラル勢力の牙城とされてきた名門派閥・宏池会の伝統にはそぐわず、岸田派内での批判も相次ぐ。派閥領袖としての真価も問われる状況だ。 参院広島再選挙は4月8日告示・25日投開票の日程で行われる。鶏卵汚職事件での吉川貴盛・元農林水産相の議員辞職に伴う衆院北海道2区と、羽田雄一郎・前立憲民主党参院幹事長の死去に伴う参院長野選挙区の補欠選挙が同時に実施される。いわゆる「4.25トリプル選挙」として、秋までに断行される次期衆院選の試金石としても注目されている。 広島の再選挙には自民党公認で公明党が推薦する元経済産業省課長補佐の西田英範氏(39)と、立憲民主党など主要野党が推薦・支援する無所属のフリーアナウンサー、宮口治子氏(45)らが出馬する。同選挙区は2019年7月の参院選で巨額買収事件の舞台となった。与野党双方の統一候補が「政治と金の在り方」をめぐって激突する。 ただ、このトリプル選挙は自民党にとって「極めて厳しい状況での選挙戦」(自民選対)となる。北海道補選は、自民党が有権者の汚職事件への強い批判から候補擁立を見送る不戦敗を選択。長野補選も立憲民主党が故羽田氏の実弟を擁立したことで、「弔い選挙で自民候補には勝ち目がない」(同)とみられている。 だからこそ、広島再選挙の勝敗が「その後の菅首相の政局運営も左右する」(閣僚経験者)とみられている。 広島は圧倒的な保守地盤とされ、参院広島選挙区は定数2を与野党が1議席ずつ分け合ってきた。これまで自民候補が野党候補の2倍近い票を獲得しており、「本来なら負けるはずのない選挙」(自民選対)だからだ。 しかし、今回は自民分裂の果ての巨額買収事件を受けての再選挙で、自民党にとって「猛反省のうえでのみそぎの戦い」(地元県連)となる。その一方、立憲民主党は当初、4年後の改選時に現職同士が競合するとの懸念から、野党統一候補で戦うことに及び腰だったとされる。 ■消えぬ前回選挙の「恨み」

次期自民党総裁選への出馬を目指す岸田文雄前政調会長が苦闘を続けている。
2020年9月の菅義偉政権発足で無役になって以来、党内での存在感が薄れ、「ポスト菅」候補の人気番付でも下位で低迷しているからだ。
岸田氏にとっては、巨額買収による公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里前参院議員の当選無効・失職に伴う参院広島選挙区再選挙が、当面最大の課題となる。広島は故池田勇人元首相以来、「宏池会(現岸田派)の天領」(自民長老)とされ、岸田氏の総理・総裁候補としての命運もかかる。
■注目の4.25トリプル選挙
岸田氏はここへきて敵基地攻撃能力を提起するなど保守傾斜の動きも見せている。ただ、1957年の池田派発足以来、自民党内のリベラル勢力の牙城とされてきた名門派閥・宏池会の伝統にはそぐわず、岸田派内での批判も相次ぐ。派閥領袖としての真価も問われる状況だ。
参院広島再選挙は4月8日告示・25日投開票の日程で行われる。鶏卵汚職事件での吉川貴盛・元農林水産相の議員辞職に伴う衆院北海道2区と、羽田雄一郎・前立憲民主党参院幹事長の死去に伴う参院長野選挙区の補欠選挙が同時に実施される。いわゆる「4.25トリプル選挙」として、秋までに断行される次期衆院選の試金石としても注目されている。
広島の再選挙には自民党公認で公明党が推薦する元経済産業省課長補佐の西田英範氏(39)と、立憲民主党など主要野党が推薦・支援する無所属のフリーアナウンサー、宮口治子氏(45)らが出馬する。同選挙区は2019年7月の参院選で巨額買収事件の舞台となった。与野党双方の統一候補が「政治と金の在り方」をめぐって激突する。
ただ、このトリプル選挙は自民党にとって「極めて厳しい状況での選挙戦」(自民選対)となる。北海道補選は、自民党が有権者の汚職事件への強い批判から候補擁立を見送る不戦敗を選択。長野補選も立憲民主党が故羽田氏の実弟を擁立したことで、「弔い選挙で自民候補には勝ち目がない」(同)とみられている。
だからこそ、広島再選挙の勝敗が「その後の菅首相の政局運営も左右する」(閣僚経験者)とみられている。
広島は圧倒的な保守地盤とされ、参院広島選挙区は定数2を与野党が1議席ずつ分け合ってきた。これまで自民候補が野党候補の2倍近い票を獲得しており、「本来なら負けるはずのない選挙」(自民選対)だからだ。
しかし、今回は自民分裂の果ての巨額買収事件を受けての再選挙で、自民党にとって「猛反省のうえでのみそぎの戦い」(地元県連)となる。その一方、立憲民主党は当初、4年後の改選時に現職同士が競合するとの懸念から、野党統一候補で戦うことに及び腰だったとされる。
■消えぬ前回選挙の「恨み」

「役場に無断で出入り」、町から被害届を出されたのは…新町長「口頭で許可は得た」

佐賀県みやき町は、4日投開票の町長選で初当選した元町企画調整課長の岡毅氏(50)が退職後、町役場の施設に無断で出入りしたとして、鳥栖署に被害届を提出したことを明らかにした。
町などによると、被害届は5日に提出。岡氏は2月9日付で町を退職後、同28日までに複数回、かつて職場だった町教育委員会分室に出入りし、パソコンやコピー機を使ったという。
岡氏は取材に対し、施設への出入りを認めた上で、「退職後の残務処理や町長選の関係書類作りをした。施設の鍵を職員時代から持ったままにしており、口頭で町職員の許可は得ていたが、軽率だった」と述べた。
鳥栖署は「個別の事案についてはコメントできない」としている。

法廷で「よっしゃー!」と歓声を上げたアポ電強盗犯 「疑わしきは被告人の利益に」の判決は妥当だったのか?

「よっしゃー!」
3月9日、東京地裁に男の歓声が響いた。声の主は強盗致死罪などに問われ、守下実裁判長から懲役28年が言い渡された須江拓貴被告(24)だ。
今回の裁判には須江被告とともに共犯者の酒井佑太被告(24)、小松園竜飛被告(29)が同時に出廷し、両被告にはいずれも懲役27年が下った。3人はSNSを通じた「闇バイト」などで集まった「犯罪集団」の一員で、実行犯をたくみに変えながら窃盗や強盗などの罪を重ねてきたため、今回の裁判でも複数の犯罪行為が裁かれることとなったのだ。
そのなかで、世を震撼させたのが被害者が亡くなった“アポ電強盗”だ。
口を粘着テープで塞がれ、80歳女性は死亡
2019年2月28日、東京都江東区のマンションの一室に宅配業者を装って侵入し、居合わせた加藤邦子さん(当時80)を拘束。金品を探したが、見つからずに逃走した。大手紙社会部記者によると、「2月中旬、加藤さんは『お金はありますか』という不審な電話がかかってきたと知人に相談していました」という。手足を緊縛され、口を粘着テープで塞がれた加藤さんはそのまま死亡した。
「アポ電強盗は、強盗に入る家を見定めるために、事前に電話で現金がどのくらい置いてあるかなどを聞き出した上で行われます。従来の振り込め詐欺に途中で気づく高齢者も増えてきたため、詐欺グループが『騙すことができないなら』と強硬手段に出はじめた。凶悪事件も発生しています。今回のケースは強盗のさなかに被害者女性が死亡するという残虐なものでした」(同前)
須江被告はアポ電後に実際に強盗をする一員だった。2016年8月にはすでに住居侵入や窃盗の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けているが、それに懲りることなく、その後も犯罪を重ねてきたという。
今回の判決でも数々の犯罪が明らかになっている。須江被告は2019年1月12日の未明、ほかの共犯者とともに、東京都中央区の会社に侵入して金庫を盗んだほか、同月には不正に入手した他人のキャッシュカードで現金を引き出そうとした。
同年2月1日朝には、SNS上で募集されていた「闇バイト」を通じて出会った須江被告と小松園被告がそのほか複数人の共犯者とともに、東京都渋谷区笹塚の高齢夫妻の自宅に警察官を装って侵入。当時76歳の高齢女性と80歳の夫の手足を縛り、口を粘着テープで塞いだ上、現金400万円などを奪った。この「笹塚事件」もアポ電強盗だった。
小松園被告は体格を活かし、被害者を押さえ込む役割
江東区でのアポ電強盗直前にも、別の犯行に及んでいる。同年2月28日午前2時半ごろ、須江被告、酒井被告、小松園被告の3人は長野県佐久市にいた。同地は須江、酒井両被告の地元で、あるブランドショップに侵入し、高級財布など35点(販売価格229万6350円)を盗んでいたのだ。その帰りに、江東区の加藤さん宅へ押し入った。
別の社会部記者によると、「須江被告と酒井被告は地元の同級生で、2人とも地方にいるやんちゃな風貌の若者。逮捕時には報道関係者を鋭い目つきで睨むように見ていた」という。
「そのうえ、小松園被告は体格がよく、元プロレスラーの前田日明がプロデュースするセミプロ・アマのプロレス大会『THE OUTSIDER』への出場経験があります。同大会は格闘技を通して不良たちの更生を目指すとしており、現在は人気格闘家の朝倉未来も活躍していました。小松園被告は体格を活かし、主に被害者を押さえ込む役割を果たしていたようです」(同前)
亡くなった加藤さんの恐怖はいかばかりだったろうか。
「殺意は認定できない」と強盗致死罪から傷害致死に
「警視庁は加藤さんの死因は3人による暴行で殺意もあったとして、強盗殺人容疑で3人を逮捕しました。しかし東京地検は被害者が存命の笹塚の事件などを考慮し、殺意までは認定できないとして強盗致死に切り替え起訴。加藤さんの死因は暴行時に首を圧迫するか鼻を塞がれたことによる窒息死と認定し、無期懲役を求刑していました」(前出・大手紙社会部記者)
司法解剖をした医師は急死の兆候が見られることに加えて致死的な損傷がないこと、頸部に圧力が加わったことを示唆する所見があることから検察の主張を支持した。生前の加藤さんを診療していた医師も「(犯行時に)心不全の状態にあったとは思えない」と、3被告らの首を圧迫するなどの行為が加藤さんを直接死に至らしめたのではないかという見解を示している。
弁護士は「持病が急に悪化した可能性」を主張
しかし公判で3被告の弁護人らは、そのような暴行はなく、事件によって加藤さんに過度のストレスがかかり持病である慢性心不全が急に悪化したことによる可能性があると主張した。別の専門家も「弁護側の主張する可能性を捨てきれない」と証言している。足のむくみや体重の増加、大動脈弁狭窄症といった加藤さんの死亡時の状態により心不全の可能性を示唆したのだ。
法廷で主要な争点となった加藤さんの死因。
検察側は足のむくみや体重の増加は、心不全ではなく治療薬の影響など別の原因がある可能性も立証したが、結局、裁判所は弁護側の主張を採用。判決で守下裁判長は「被害者が窒息死した可能性はあるものの、慢性心不全が急性増悪して(※急に症状が悪くなって)死亡した可能性を排斥するのは困難」とした上で、「『疑わしきは被告人の利益に』の原則に従い被害者は被告人らの行為による慢性心不全の急性増悪によって死亡したと認定した」と懲役28年という有期刑とした。
須江被告はその判決を聞き、閉廷するやいなや、冒頭のように「よっしゃー!」と声を上げたのだ。
さらなる罪の軽減を目指しているのか?
判決後、検察と3被告はいずれも判決を不服として東京高裁に控訴している。しかし、なぜ須江被告は法廷で声をあげるほど喜んだにも拘わらず、控訴したのだろうか。
前出の大手紙社会部記者はこう解説する。
「自分に有利な一審判決で自信を持ち、さらなる罪の軽減を目指しているとも考えられます。ただ、今回の判決は検察の主張を完全に否定したわけではなく、『心不全の可能性も捨てきれない』という消極的な判断だったため、控訴審で無期懲役にひっくり返る可能性もあるでしょう。首を圧迫して死亡させたことが認定されれば、悪質さが際立ち、ほかの罪も相まって無期懲役も十分にありえると思います」
基本的に罪を認めて反省している様子だったという須江被告。しかし、ついあげてしまった歓喜の雄たけびが、今後、情状面で不利に働くことはないのだろうか。
(西川 義経/Webオリジナル(特集班))