医師不足、ドタバタの供給スケジュール、コロナワクチンの高すぎる「接種」ハードル

4月12日から高齢者向けの新型コロナワクチンの接種が開始される。しかし、課題は山積みだ。
「供給体制が整っておらず、今後の接種のスケジュールは不透明な状況です」
そう語るのは、医療問題に詳しいジャーナリストの村上和巳さんだ。
ワクチンの接種は高齢者や基礎疾患のある人が優先で、一般の人はその後となる予定だが……。
「承認されている米ファイザー社のワクチンは、増産体制を整えているところです。欧米の感染状況が悪化しているため、日本に回す分がいつ、どのくらい届くか、直前まで確定しないこともあります」(村上さん、以下同)
いつ届くのかわかるのは1週間前で、場合によっては2、3日前になるという情報もあり、非常にドタバタした状況。今後、ワクチンが届かずにスケジュールが後ろ倒しになる地域も出てくるだろう。
「今の状況だと、一般の人にワクチン接種が開始されるのは7月までズレ込むのではないかと思います。最悪、8月か9月までかかるおそれも」
届けられたワクチンは冷凍庫のある各自治体の医療機関などに送られ、保管される。
だが無事にワクチンが届いたとしても、接種を行うまでの過程にも不安要素が……。
「ワクチンは1度解凍したら、再冷凍ができません。ファイザー社のワクチンの場合は、解凍してから冷蔵庫で5日間しか持たない。
さらに接種のための準備で生理食塩水を足して希釈すると、6時間以内に接種しなければなりません。会場に予定した人数が集まらないと、余ったワクチンは廃棄されてしまいます」
またワクチンはデリケートな物質のため振動に弱く、輸送中の地理的条件も課題だ。
「例えば岩手県の内陸部から沿岸部に運ぶときは山間部を通るので、振動が心配です。鹿児島や沖縄、東京の離島へは船で運ぶので、海がしければワクチンが損壊することもあります」
また夏は別の危険も伴う。暑い日は冷蔵・冷凍設備のコンプレッサーの負荷が上がるため故障しやすく、損傷リスクはさらに高まる。
医師不足も指摘される。
「人口の密集している県庁所在地などでは問題ありませんが、山間部などは医師が足りていない地域もあります。ほかにも、遠方の接種会場に行けない高齢者のための送迎バスの手配や、その運転手の確保など、課題が多いです」
離島には別の問題も……。
「接種後にはアナフィラキシーショックが起きる可能性があるため最低30分間、医師が経過観察をします」
30分以降に症状が出る可能性もゼロではなく、
「島がいくつもある地域の場合、医師は迅速な接種を行うため、次の島へすぐに向かわなければなりません。万一、医師が離れた後に症状が出たら、ヘリコプターで救急搬送するので、費用も手間もかかってしまう」
ワクチン接種は始まるが、供給体制が不透明で、無事に接種するまでのハードルも高いというのが現状だ。
そんな中、3月28日に接種会場を変えることでワクチンを選択できると報道されたが、直後に撤回された。
日本が現在ワクチンの供給契約を交わしているのは、米ファイザー社、米モデルナ社、英アストラゼネカ社の3つ。違いはあるのだろうか。
「3つのワクチンは有効性や副反応に大きな差はほとんど確認されていません」
接種後の副反応は、発熱、倦怠感、頭痛、注射腫れなどがあるが、恐れるほどのものではない、と村上さん。
「発熱したら、解熱剤を飲んでも大丈夫なんです。どのメーカーのものかにこだわらず、できるものを最速で接種してほしいですね」

国内で2656人感染 新型コロナ、28人死亡

国内で6日、新たに2656人の新型コロナウイルス感染者が確認された。大阪が719人、奈良が78人で過去最多を更新。ほかに東京399人、兵庫276人、埼玉116人など。死者は北海道と東京で各6人、埼玉5人、千葉3人など計28人が報告された。
厚生労働省によると、重症者は前日から6人増えて451人となった。
神奈川と大阪、兵庫で過去の感染者各1人の取り下げがあった。

名古屋市緑区役所、7日閉鎖 職員ら8人感染、148人自宅待機

名古屋市は6日、これまでに緑区役所に勤務する職員6人とフロアスタッフ2人の計8人の新型コロナウイルス感染が確認されたことを受け、区役所全体を7日に閉鎖し、職員148人を自宅待機にすると発表した。全員のPCR検査も実施する。
同区役所では1日以降、年金保険課職員を中心に感染が相次いでいた。感染者の勤務場所が三つのフロアにわたっていることから市は区役所の全業務を停止し消毒することにした。住民票の取得などが必要な人には同区徳重支所に移動してもらうため、バス2台を用意する。8日に再開するが、業務内容は限定する見通し。【太田敦子】

コロナ変異株、愛知知事が危機感 「第4波の入り口」

愛知県は6日、今月5日までの直近1週間に新型コロナウイルスの変異株検査を実施した県内感染者のうち、変異株陽性者が96人で約4割に上ったことを明らかにした。3月22日までの1週間の検査では約1割の8人だった。変異株陽性者の急増を受け、大村秀章知事は記者会見で「第4波の入り口に来ている」と警戒を呼びかけた。
県内では6日、112人の新規感染者が確認され、2日ぶりに100人を超えた。大村知事は「変異株の割合がここまで増えてきているということ、感染者数が再び増えてきていることなどから第4波の入り口にさしかかっている。県民には感染対策を徹底してほしい」と述べた。
県は当初、新規感染者の中から約2割を抽出して変異株の検査を実施してきたが、現在は約3割に検査数を拡大している。【高井瞳】

大阪府、7日に医療非常事態宣言 抑止決め手なく「赤信号」

大阪府は6日、新型コロナウイルスに過去最多の719人が感染したと発表した。重症患者も急増し病床使用率が70%に迫っているため、7日に対策本部会議を開くことを決定。状況判断の独自基準「大阪モデル」で赤信号を点灯させ、医療提供体制が非常事態に陥ったとの宣言を出す。
ただ「まん延防止等重点措置」で大阪市内の飲食店には時短営業要請を始めている。追加対策は病院への病床確保要請や府民への対策徹底の呼びかけに限られ、拡大抑止には決め手を欠いている。
重症患者は6日現在で149人。病床の使用率は66.5%だが、受け入れ準備のできた病床に限ると86.1%と極めて厳しい。

大阪・ミナミの「カニ」壊す 男2人逃走、府警が捜査

大阪市中央区の繁華街・ミナミで5日未明、カニ料理店「大阪かに源道頓堀店」前に置かれていたカニのオブジェが壊される被害があったことが6日、同店や府警への取材で分かった。付近の防犯カメラにはオブジェを倒して逃げる男とみられる2人が写っており、南署が器物損壊容疑で捜査している。
市内は5日から新型コロナの「まん延防止等重点措置」の対象。中央区の飲食店は、昨年11月下旬から4カ月以上、府の営業時間の短縮要請が続いている。
協力してきたという同店運営会社の武田源社長(48)は「売り上げが急減する中、心も折れた。めっちゃむかつく」と憤った。

「テラハ」木村花さんをツイッターで侮辱、男に科料9000円の略式命令

フジテレビの番組「テラスハウス」に出演し、昨年5月に亡くなった女子プロレスラーの木村花さん(当時22歳)をツイッターで中傷したとして、東京地検は6日、福井県に住む30歳代の男を侮辱罪で東京簡裁に略式起訴したと発表した。男は同日、科料9000円の略式命令を簡裁から受け、即日納付した。
木村さんへの中傷を巡る略式命令は2例目。発表によると、男は昨年4月8日、4回にわたり、木村さんのツイッターの投稿に「死ねやくそが」「きもい」などと書き込み、木村さんを公然と侮辱したとしている。

臨時交付金、6千億円不足 47都道府県で、知事ら増額要求

全国知事会は6日、コロナ対策で国が自治体に配る地方創生臨時交付金について、47都道府県で計約6千億円の不足が見込まれるとの調査結果を公表した。変異株の急拡大による全国的な「第4波」への対策強化のため、2021年度予算の予備費などを活用し、臨時交付金を6千億円増額するよう求める文書を政府、与党に提出した。
2月末時点での不足見込み額を、全都道府県から聞き取り調査した。政府は20年度予算に都道府県、市町村合わせて総額4兆5千億円を計上したが、都道府県に配る交付金については既にほぼ全額が各都道府県の予算に組み込まれ、さらに約6千億円が不足する見通しだとした。

女性の顔蹴った疑いで33歳逮捕 バッグに接触し腹いせか

エスカレーターで女性の顔を蹴ったとして、神奈川県警相模原南署は6日、同県大和市南林間1、会社員、望月将司容疑者(33)を傷害容疑で逮捕した。望月容疑者の足が女性のバッグに当たって転倒しそうになったため、腹いせに蹴ったとみられる。
逮捕容疑は1月22日午前6時50分ごろ、相模原市南区の小田急線相模大野駅で上りエスカレーターの左側に立っていた女性アルバイト(32)の顔を蹴り、鼻骨骨折など全治約4週間のけがをさせたとしている。「つまずいて足が当たっただけだ」と容疑を否認しているという。
同署によると、望月容疑者はエスカレーターの右側を歩いており、女性の手提げバッグに足が当たり、女性をにらんだ後に蹴ったという。電車に乗ろうとするところを女性に呼び止められたが「違いますよ」と知らないふりをして逃げたという。【洪香】

松戸女児殺害、検察側が上告断念 死刑なくなりリンさん父「不公平」

千葉県松戸市で平成29年、市立小3年だったベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=を殺害したとして、殺人などの罪に問われた小学校の元保護者会長、渋谷恭正被告(49)を無期懲役とした2審東京高裁判決に対し、東京高検は6日、最高裁への上告を断念したと明らかにした。検察側は1、2審を通じ死刑を求めていたが、「適法な上告理由が見いだせなかった」としている。
同日が上告期限で、渋谷被告の弁護側は2審判決当日の先月23日に上告していた。刑事訴訟法では、被告側だけが上告した場合には高裁判決より重い刑を言い渡すことができず、死刑判決の可能性はなくなった。
検察側の上告断念を受け、リンさんの父、レェ・アイン・ハオさん(38)は「最高裁が最後の望みだったので、検察庁にはどうしても上告してほしかった。自分(被告)は上告している。でも、リンちゃんには上告さえ認められない。これはあまりにも不公平ではないか」などとするコメントを出した。ハオさんは2審判決後に東京都内で記者会見し、検察側に上告するよう求めたことを明かしていた。