宅配クリーニングのカード情報流出6万件、4000万円被害

宅配クリーニングサービスを展開する「ヨシハラシステムズ」(本社・滋賀県彦根市)は5日、顧客情報を管理するシステムに不正アクセスがあり、クレジットカード情報が流出したと発表した。漏れた情報は6万件に上るとみられる。カード情報が何者かに不正利用されており、少なくとも計約4000万円の被害が確認されているという。
同社によると、流出したのはネットで利用できる「せんたく便」の顧客情報。2020年10月、カード会社から「情報が漏れている恐れがある」との連絡があり、調査したところ、カード番号などが盗まれた恐れのあることがわかった。
昨年4月にシステム更新作業を始めて以降、システムに弱点があり、約半年間、外部からアクセスできる状態になっていた。
同社は滋賀県警に相談していたが、顧客には5日に連絡したという。
同社は「顧客に不安を与えないよう、被害の概要がわかってから公表した。ご迷惑をおかけし、申し訳ない」としている。
問い合わせ窓口はフリーダイヤル(0120・089・081)。

菅首相「4月自爆解散」なら超短命の麻生暫定政権へたらい回しか

菅義偉・首相は安倍晋三・前首相との会談(3月29日)の後、議員会館の安倍事務所の前で待ち受けていた30人近い記者たちに囲まれると「内政、外交について意見交換した。非常に有意義だった」と語った。
訪米を前に「外交が苦手」とされる首相が安倍氏に外交上のアドバイスを求めたのはわかる。だが、わざわざ「内政」についても話し合ったとリップサービスしたことで、永田町は、すわ解散総選挙かと浮き足立ち、「4月30日解散、5月23日投開票」といった選挙日程が流れている。
しかし、安倍氏は「五輪まで」という期限付きで菅首相を支える意向であるとも言われている。裏を返せば、自分が誘致した東京五輪を成功さるまでは「菅続投支持」だが、その後はフリーハンドを持つという意味に捉えることもできる。この点については、麻生太郎・副総理とも合意しているようだ。
つまり、安倍氏は、菅首相が五輪を花道に退陣すること想定し、その後の総理人選について、麻生氏と話し合っているという状況にある。そして、その先にあるのは、自身の「政治的復権」だ。
では、もしも菅首相が本当に「4月解散」に踏み切った場合、安倍氏はどう出るのか。
当然、「五輪までは菅を支えるが、その後はフリーハンドで総裁選に臨む」という安倍・麻生合意は反故になるとみていい。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。
「総理が解散の決断をすれば、前総理も副総理にもそれを止めるのは難しい。安倍氏は、菅首相が“自爆解散”を選択するならそれもやむを得ないと考えて、復権に向けた動きを急いでいるのではないか」
だが、コロナの感染が再び拡大する中で五輪を開催するといっている当の菅首相が、ワクチン接種も進んでいないのに保身のために五輪直前に解散して政治空白をつくれば、有権者の強い批判を浴びるはずだ。
「自民党は大きく議席を減らす可能性が高い。仮に、自公で過半数を維持できて菅氏が首相に居座ろうとすれば、確実に党内から菅おろしが起きる。そのとき、背後で菅おろしの糸を引くのは安倍氏と麻生氏でしょう」(野上氏)
菅首相の“自爆解散”で、菅と安倍の戦いが始まるという指摘だ。そうなれば、党内基盤が弱い菅首相には圧倒的に不利だろう。
しかも、政治の混乱はさらに深まる。「4月解散、5月総選挙」で菅首相が退陣に追い込まれた場合、五輪の日程を考えるとすぐに後継総理・総裁を決めなければならない(自民党総裁選で党員投票を実施すれば1か月近い期間がかかる)。次の首相は五輪を開催するだけの9月までの超短期暫定政権になる可能性が高い。細田派幹部が語る。
「安倍さんは、そのときは麻生さんにワンポイントで登板してもらって、二階幹事長をはじめ、武田良太・総務相、田村憲久・厚労相などの問題閣僚を一掃するつもりでしょう。そうして安倍・麻生体制をつくった上で9月の総裁選でニューフェイスの総裁を選ぶことになる」
就任7か月で早くも政権末期になっている菅首相の次は、「超短命」の麻生暫定政権へのたらい回しなど国民は望んでいない。
だからといって、菅首相がここで解散を断念すれば、政権はいよいよ求心力を失う。菅首相が自爆解散を選んでも、解散断念でも、この政権には終わりが見えている。
※週刊ポスト2021年4月16・23日号

愛子さま、成人のティアラはなし 「コロナ禍だから」と異例の決断

3月26日に開催された「歌会始の儀」で、天皇皇后両陛下はそれぞれ、 《人々の願ひと努力が実を結び平らけき世の到るを祈る》(天皇陛下) 《感染の収まりゆくをひた願ひ出で立つ園に梅の実あをし》(皇后陛下) という歌を詠まれた。いずれもコロナが国民を襲う厳しい現状に心を寄せられ、事態の収束を願われることが強く感じられる。そんな両陛下の、コロナ禍に対する強いご覚悟が感じられる異例の出来事があった。愛子さまの「ティアラ」についてだ。 明治時代に洋装化の一環で明治天皇の皇后である昭憲皇太后のティアラが作られて以来、女性成人皇族の正装にはティアラが取り入れられてきた。 「ところが、3月26日に成立した宮内庁の2021年度予算には、愛子さまのティアラの費用が盛り込まれなかったのです」(皇室記者) 女性皇族はこれまで、成人のタイミングでティアラを新調してきた。その製作費は、皇室活動に伴う公的経費である「宮廷費」から捻出されることが多い。 「眞子さまのときは『銀座・和光』が2856万円で製作しました。佳子さまのものは、“デザインを重視したい”と、初めて一般の製作業者からデザインの公募が行われました。2893万円で落札したのが、宝飾品大手『ミキモト』の提案したもの。当時、佳子さまのご確認の上で選ばれたのではないかといわれました」(皇室ジャーナリスト) 結婚により降嫁した高円宮家の次女・千家典子さんと三女の守谷絢子さんのティアラも、成人に際してそれぞれ約1500万円で新調された。その一方、「宮廷費」を使わず“自費”でティアラを製作したのが、黒田清子さんだ。 「清子さんの成人時には『内廷費』が使われました。内廷費とは両陛下と愛子さま、上皇ご夫妻の日常の費用などに充てられるもので、公的経費ではありません。清子さんのティアラの費用は、上皇ご夫妻が内廷費の中から捻出されました」(前出・皇室ジャーナリスト) 内廷費で製作されたティアラは私物扱いとなるが、宮廷費で製作されたティアラは国有財産であり、宮内庁によって管理されている。そのため、結婚で皇室を離れる際は国に返却しなければならない。 愛子さまは、他の皇族方が使われていたティアラを引き継がれる可能性もある。実際に、リメークを重ねながら代々受け継がれているティアラもあるという。 「美智子さまご成婚の際には、香淳皇后のティアラがリメークされ、受け継がれました。そのティアラは雅子さまが結婚された際にも受け継がれました。さらに、2019年5月には御代がわりの儀式『即位後朝見の儀』で “皇太子妃待遇”である皇嗣妃の紀子さまに継承されたのです」(宮内庁関係者)
3月26日に開催された「歌会始の儀」で、天皇皇后両陛下はそれぞれ、
《人々の願ひと努力が実を結び平らけき世の到るを祈る》(天皇陛下) 《感染の収まりゆくをひた願ひ出で立つ園に梅の実あをし》(皇后陛下)
という歌を詠まれた。いずれもコロナが国民を襲う厳しい現状に心を寄せられ、事態の収束を願われることが強く感じられる。そんな両陛下の、コロナ禍に対する強いご覚悟が感じられる異例の出来事があった。愛子さまの「ティアラ」についてだ。
明治時代に洋装化の一環で明治天皇の皇后である昭憲皇太后のティアラが作られて以来、女性成人皇族の正装にはティアラが取り入れられてきた。
「ところが、3月26日に成立した宮内庁の2021年度予算には、愛子さまのティアラの費用が盛り込まれなかったのです」(皇室記者)
女性皇族はこれまで、成人のタイミングでティアラを新調してきた。その製作費は、皇室活動に伴う公的経費である「宮廷費」から捻出されることが多い。
「眞子さまのときは『銀座・和光』が2856万円で製作しました。佳子さまのものは、“デザインを重視したい”と、初めて一般の製作業者からデザインの公募が行われました。2893万円で落札したのが、宝飾品大手『ミキモト』の提案したもの。当時、佳子さまのご確認の上で選ばれたのではないかといわれました」(皇室ジャーナリスト)
結婚により降嫁した高円宮家の次女・千家典子さんと三女の守谷絢子さんのティアラも、成人に際してそれぞれ約1500万円で新調された。その一方、「宮廷費」を使わず“自費”でティアラを製作したのが、黒田清子さんだ。
「清子さんの成人時には『内廷費』が使われました。内廷費とは両陛下と愛子さま、上皇ご夫妻の日常の費用などに充てられるもので、公的経費ではありません。清子さんのティアラの費用は、上皇ご夫妻が内廷費の中から捻出されました」(前出・皇室ジャーナリスト)
内廷費で製作されたティアラは私物扱いとなるが、宮廷費で製作されたティアラは国有財産であり、宮内庁によって管理されている。そのため、結婚で皇室を離れる際は国に返却しなければならない。
愛子さまは、他の皇族方が使われていたティアラを引き継がれる可能性もある。実際に、リメークを重ねながら代々受け継がれているティアラもあるという。
「美智子さまご成婚の際には、香淳皇后のティアラがリメークされ、受け継がれました。そのティアラは雅子さまが結婚された際にも受け継がれました。さらに、2019年5月には御代がわりの儀式『即位後朝見の儀』で “皇太子妃待遇”である皇嗣妃の紀子さまに継承されたのです」(宮内庁関係者)

わずか2週間で逆戻り、京都府が時短営業を再要請 飲食店から疑問の声

新型コロナウイルス感染者の急増を受け、京都府は5日、京都市以南の計16市町村の飲食店などに営業時間を午後9時までに短縮するよう要請した。京都市内では昨年末から続いた時短営業要請が3月22日に解除されたが、2週間で逆戻りした。再三にわたる時短要請に対し、飲食店からは疑問や不満の声が相次ぐ。
繁華街の四条河原町に近い京都市下京区のイタリア料理店のオーナーシェフの男性(43)は5日、府の要請に応じて店の閉店時間を午後9時に早めた。「うちは午後9時以降に来る常連さんが多い。癒やしやくつろぎの場を作れないのがつらい」とため息をつく。
コロナ禍のこの1年、同店は席数を減らし、飛沫(ひまつ)を遮るアクリル板や空気清浄機などを導入。大人数のネット予約は断り、大皿での料理提供や飲み放題もやめるなど「できる限りのことはやった」。3月の要請解除後に午前0時まで注文を取る通常営業に戻したが、わずか2週間で短縮営業を再び余儀なくされた。
「時短効果はあるのか。本当に飲食店だけが感染拡大の原因なのか」。要請を繰り返しても感染の勢いが収まらない状況に、男性は疑問を抱く。
業界団体からも不安の声が上がる。京都中京料理飲食業組合(中京区)の竹村一彦理事長(80)は「協力金も一部しか受け取っていない店がほとんど。高齢の組合員も多く、手続きが度重なると負担になる」と心配する。
中京区の木屋町地区でバーを営む女性(35)は「要請解除は時期尚早だったのでは」と話す。3月下旬から観光客を中心に人出が急増したが、客足は戻らないままという。女性は「夜の時短要請を繰り返しているが、正しい対策なのか疑問を持たざるを得ない」と不信感を募らせる。
府の要請は21日まで。営業時間を午前5時~午後9時、酒類提供は午前11時~午後8時半に限定するよう求める。応じた店には1日4万円の協力金を支払う。

【独自】私大・短大21法人、23年度末までに破綻の恐れ…私学事業団調査

私立大、短大などを運営する全国658の学校法人のうち、21法人は自力での再建が困難で、2023年度末までに破綻する恐れのあることが、日本私立学校振興・共済事業団の調査でわかった。全体の18・4%に当たる121法人は将来、破綻が懸念され、統合や再編が加速する可能性がある。
事業団は法人の19年度決算から▽債務超過かどうか▽前後3年間で教育に関する収支が2年以上赤字かどうか――などの指標を基に分析。経営改善しなければ〈1〉23年度までに破綻の恐れ(レッドゾーン)〈2〉29年度末、または30年度以降に破綻が懸念(イエローゾーン)〈3〉2年以上赤字(イエローゾーン予備軍)〈4〉正常――の法人に分類した。
その結果、「レッド」は21法人、「イエロー」は100法人で、計121法人(18・4%)が、経営が厳しい状態に陥っていることになる。「予備軍」は196法人(29・8%)で、正常は341法人(51・8%)だった。
前年度(18年度)決算に基づく調査に比べ、レッドは5法人、イエローは2法人、予備軍は17法人それぞれ増えた。4年制大学に限ると、イエローとレッドは88法人(15・8%)で、短大に限ると33法人(32・7%)に上った。
18歳人口は減少傾向が続いており、私大間の競争激化を背景に、再編・統合の動きも出ている。慶応義塾大と東京歯科大は、学校法人を合併する方向で協議を始めた。両法人の経営に問題はないが、ブランド力強化を目指している。

副反応、分かるよう報告を 大半が情報不足で判定不能

新型コロナウイルスのワクチン接種後に生じた重いアレルギーの「アナフィラキシー症状」を巡り、厚生労働省は6日までに、似た症状が出た際の血圧など基礎的な情報が欠けていて接種による副反応かどうかを判定できない報告が大半を占めるとして、正しく報告するよう都道府県や医療現場に通知した。
厚労省の担当者は「情報が足りないと再調査することになる」と説明。集計の手間を減らすため、医療機関が手書きの紙をファクスする方式を改め、ウェブサイトで入力、報告できるようにもした。
アナフィラキシーは、短時間で複数の臓器や全身に症状が出るアレルギー。

4歳迷子を9歳男児が保護…「悪い人じゃないよ」と声かけ交番へ

迷子になった男児(4)の保護に貢献したとして、警視庁麻布署は5日、東京都港区立小の小学4年男児(9)に感謝状を贈った。
小4男児は3月14日夕、自宅前の路上で一人でいる4歳の男児を発見。「悪い人じゃないよ」と声をかけ、近くの交番まで手を引いて連れて行った。4歳の男児はこの1時間半前に区内の公園で遊んでいる途中に迷子になり、麻布署員が捜索していた。
村瀬智行署長から感謝状を受け取った小4男児は「男の子が無事にお母さんに会えてよかった」と笑顔で振り返った。

「1時間短縮でもダメージ。もう勘弁してほしい」…「まん延防止」仙台のラーメン店

新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が適用された初日の5日、対象となった大阪と兵庫、宮城3府県の6市では、営業終了が要請されている午後8時に閉店する店が目立った。一部で市職員らによる繁華街の見回りも実施された。

仙台市宮城野区のラーメン店では午後7時40分頃、店員が店の入り口に「営業終了」の案内を出した。両隣にある店も営業を終了し、訪れた数人の客が残念そうに立ち去った。
市内の飲食店には3月25日から午後9時以降の営業自粛要請が出ていたが、重点措置で1時間前倒しになった。ラーメン店の店長(53)は「昨年から客が減っている中で、1時間の短縮でもダメージが大きい。もう勘弁してほしい」と嘆いた。
仕入れ業者も悲鳴を上げる。青果卸売業「グロサリーサポート」(仙台市青葉区)には、今回の措置で顧客の7割から休業の連絡が入ったという。佐藤友則代表(53)は「今後1か月の生活の糧がない。卸業者も本当に苦しい」と訴えた。
関西有数の繁華街、大阪・梅田。海鮮居酒屋「てつたろう梅田中崎町店」では、先週から入り口に二酸化炭素(CO2)濃度を測定できるセンサーを設置し、客らが増えて吐く息で濃度が上がる前に、入り口のドアを開けて換気している。
団体用テーブル席には騒音計も置いた。会話の音量が一定の大きさに達するとセンサーが光る仕組みで、オーナーの柳川誉之さん(50)は「これだとゲームみたいに面白がってくれる」と話す。
一方、設置義務があるアクリル板は導入できておらず、客にマスク着用を呼びかける「マスク会食」の徹底も難しいという。柳川さんは「(補助金で)設置することを考えていますが、くつろぎにくくなるので抵抗がある。マスク会食も、頻繁な声かけはやりにくい」と複雑な心境を明かす。
仙台や大阪、兵庫県尼崎市では、職員らが飲食店の感染対策の実施状況を確認する見回りも始まった。
仙台市青葉区の日本料理店「はや瀬」では、宮城県の担当者らがアクリル板や消毒液の設置、換気の徹底、食事中以外のマスク着用の4項目を確認。テーブルに置かれたアクリル板や換気方法などについて聞いた。
県と市は、重点措置対象期間の5月5日までに市内の約1万店舗を職員計80人で回るという。

私立大下宿生への仕送り、過去最低8万2400円…保護者にコロナ影響

2020年度に首都圏の私立大に入学した下宿生への仕送り額は、月額8万2400円(前年度比2900円減)と1986年度の調査開始以来、最低だったことが5日、東京地区私立大学教職員組合連合の調査でわかった。
調査は20年5~7月、早稲田、明治、中央大など首都圏の1都3県にある9大学に入学した学生の保護者を対象に行い、約5400件の回答を得た。
1か月の仕送り額は、ピークだった1994年度(12万4900円)以降、減少傾向で、仕送りから家賃をのぞいた生活費も1日平均607円で、過去最低となった。同連合の担当者は「保護者から新型コロナウイルスの影響で減収になったという声が寄せられており、仕送り減につながったのでは」としている。

《長野・安曇野》実母を殴って焼き殺した長女、エリート一家からの脱落と金欠生活

「昔は明るくハキハキした娘さんでね。母親と一緒にチワワを連れて散歩したりして、とても仲睦まじかった。どうしてこんなことに……」
近所の住民は、続ける言葉が見つからない。
3月5日、事件は長野県安曇野市の雄大な自然に囲まれた新興住宅街で起きた。午後2時20分ごろ、帰宅した張新月(しんげつ)さん(58)はすぐさま異変に気づいた。自宅の一部が燃えていたからだ。さらにそこには妻の明亜(めいあ)さんが倒れていた──。
「新月さんはすぐに119番通報。火事はボヤ程度で消えたものの、明亜さんは心肺停止状態ですでに死亡。死因は焼死で、現場には複数の血痕があったようです」(地元メディア記者)
長野県警と安曇野署は殺人の疑いがあるとして、捜査を続行。それから3週間以上を経た3月29日、現住建造物等放火と殺人の疑いで逮捕されたのは、明亜さんの長女で住所不定、無職の張康恵(26)容疑者だった。
「容疑者は実母をボコボコに殴ったうえで、そばにあった石油ストーブの灯油をかけ、火をつけて焼死させてしまったのです。犯行後は約60km離れた長野市内のアパートに身を寄せていましたが、そこで身柄を確保されています」(同・地元メディア記者)
康恵容疑者とはいったいどんな女性だったのだろうか──。
父親の新月さんと母親の明亜さんは、母国の中国で結婚し、長女の康恵容疑者が誕生。数年後に、家族3人で日本へ移住した。次女が生まれたころは、現在の自宅から2kmほど離れた場所にあるアパートに住んでいた。家賃は月6万円、間取りは3DKだった。
そして、約17年前に今回、事件が起きた新居を購入。ベランダも庭も広く、建物そのものも近隣より大きい。家族念願の一戸建てのマイホームだった。
近所に住む主婦は、
「お父さんは大手メーカーのエンジニアでね。几帳面な方で、庭の植物への水やりはまめにするし、愛車の手入れも丁寧にしていました。
町内会にも積極的に参加していて、公共スペースの草むしりにもちゃんと出てくれるし、夏祭りでは役員をやってくれました。休日には友人を集めて庭でBBQパーティーを開いたりと、本当に社交的」
亡くなった明亜さんも、穏やかな優しい人だったという。
「切れ長の目をした美人さん。専業主婦で、家庭菜園に勤しむ姿をよく見かけましたよ。家族仲もいいし“いい奥さん”のイメージしかないですね」(同・主婦)
そんな微笑ましい一家に育った康恵容疑者はなぜ凶行に走ったのか──。小学校の同級生が次のように証言する。
「ヤッちゃんは小学生のころからスラリと背が高くて、きれいでした。友達が自然と集まってくる、みんなの輪の中心的な存在でした」
別の近所の人は、
「いつもローラースケートをして、この辺を遊び回っていましたよ」
活発に動き回る“やんちゃな子ども”のイメージが強かった康恵容疑者。
中学校に入ると、勉強がズバ抜けてできるようになったという。康恵容疑者の妹も賢く、国立大学を卒業。現在は関西方面の大学の研究員として勤務している。まさしく、エリート一家なのだ。容疑者の同級生は、
「すべての教科がトップクラスの成績でした。美人で勉強もできるから、目立つ存在。でも、性格は控えめだった印象です。目立つことを嫌がっていた感じがして……」
前出の近所の住民からはこんな話が──。
「康恵ちゃんは中学生になって、だんだんと人の輪に入っていけなくなって、学校を休みがちになっていったみたいですよ。それでも頭はいいから、県内屈指の名門高校に入ったんだけど、そこでも不登校になってしまったようで……」
康恵容疑者は結局、高校を中退したようだ。
大きな挫折を味わった彼女はその後、糸が切れた凧のように何もせず近所をプラプラしていたという。
「1度も定職に就いたことはないかもしれないね。話してみるとわかるんだけど、すごく子どもっぽい。頭はいいんだけど、なんだか幼さを感じました。ずっと甘ったれだったんじゃないかな、特にお母さんには」(同・住民)
数年前、実家を出た康恵容疑者。アルバイトをしながら、友人の家を転々とする生活をしていたという。
「昨年、道でばったり会った彼女は、メイクも服装も派手になったなと感じました」(別の近所の住民)
金欠になるたびに、実家を訪れていたという。
「母親と彼女が外まで聞こえるほどの大声で話していることがありました。中国語だから内容はわからなかったけど、ケンカしていたのかもね」(同・別の近所の住民)
エリート一家の中で、ひとり落ちこぼれてしまった康恵容疑者。ふがいない自分への怒りをすべて母親にぶつけてしまったのだろうか──。
妻を失ってしまった父親の気持ちは、計り知れない。だが、いま最も喪失感を抱いているのは、甘えられる相手を殺めてしまった、ほかならぬ康恵容疑者本人だろう。