名古屋出入国在留管理局(名古屋市港区)に収容されていたスリランカ人女性が死亡したことを受け、日本弁護士連合会は、原因究明と再発防止策を求める荒中(あらただし)会長の声明文を上川陽子法相と佐々木聖子出入国在留管理庁長官宛てに送った。
声明文は3月30日付で「独立した第三者委員会を設置し、迅速かつ徹底的に透明性の確保された方法で調査すべき」と主張。その上で「被収容者の尊い命が失われるような事態を永遠に根絶するために抜本的な再発防止策を講じて」と訴えている。【川瀬慎一朗】
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披露宴の料理食べた出席者に下痢・嘔吐…従業員含む36人からノロウイルス
三重県四日市市は4日、同市伊倉の結婚式場「ラ・セーヌ・マリアージュ四日市」内のレストランで集団食中毒が発生したと発表した。式場によると、発症したのは、結婚披露宴の出席者。
市の発表などによると、3月28日、式場内のレストラン2か所で行われた披露宴2組の出席者計70人のうち、20~70歳代の計59人が下痢や
嘔吐
( おうと ) 、発熱などの症状を訴えた。調理にあたった従業員2人を含む36人の検体からノロウイルスが検出されたため、市は同施設が原因の食中毒と断定し、レストランを営業禁止処分とした。市によると、出席者にはコース料理が提供された。入院中の2人を除き、大半が快方に向かっているという。
高1暴行死20年、厳罰訴えと更生願う複雑な母胸中 「二度とこんな事件は」
大津市で2001年、高校1年だった青木悠さん=当時(16)=が知人の少年2人から暴行を受け死亡した事件から今春で20年になる。6日の命日を前に、母和代さん(72)=滋賀県高島市=が京都新聞社の取材に応じた。事件の風化を懸念しながら、遺族の目線で少年犯罪の厳罰化を訴える一方、各地で罪を犯した少年らの更生を願う複雑な心境も吐露した。
■「今も頭から離れない」
「今も悠ちゃんのことが頭から離れない」。和代さん宅には、次男の悠さんの服や勉強道具、ゲームなどが大切に残されている。30代の働き盛りを迎えているはずだった。子を持つ父親になっていたかもしれない。「家族思いの努力家」だった息子への悲しみが癒えることはない。
悠さんは中学3年の時、交通事故で左半身不随になり、医師からは「一生歩けない」と告げられた。だが、大阪の病院に入通院して1年以上リハビリに励み、自転車に乗れるまで回復した。定時制高校に在籍中、大学進学を見据えて、事件の数日前には全日制高校に合格していた。
「合格祝いにカラオケに行こう」。事件当日の01年3月31日、当時15、17歳の少年から誘われ、喜んで家を出た。その直前、祖父母の煮豆店を継ぎたい旨を和代さんに打ち明けていた。「体が不自由な分、大学で経営学を学んで店を手伝いたい。お母さんを幸せにしたい」。優しく語った笑顔が忘れられない。
少年2人は、祝うどころか「障害者のくせに生意気だ」と言い、悠さんに約1時間半、暴行を続けたとされる。悠さんは6日後の4月6日に死亡。2人は滋賀県警に傷害致死容疑で逮捕され、少年審判を受け中等少年院に送致された。和代さんと少年側は民事訴訟で和解し、今も月命日ごとに分割して賠償金が振り込まれる。だが、面会や謝罪は和解時が最後で2人の近況は分からない。現場で見張り役だったとされる別の少年3人に対する損害賠償請求は棄却された。
■被害者は夢絶たれ、遺族一生苦しむ
「被害者は夢を絶ち切られ、遺族は一生苦しむのに、加害者は少年だからと軽い罰にとどまるのはやるせない」。事件発生は改正少年法施行の前日。刑罰の対象年齢を14歳以上に引き下げることなどを盛り込んだ厳罰規定は適用されなかった。その後、少年犯罪の厳罰化は進み、来年4月には18、19歳について起訴後の氏名や顔写真の報道を可能にするなどした改正法が施行される見通しだ。「時代は移り変わるが法の改正は遅すぎる。年齢にかかわらずやったことに見合う罰を受けるべき」と憤る。
立ち直りの妨げになるとして厳罰化に反対する意見もある中、県内でも19年、東近江市の男性が当時17~19歳の少年ら7人に暴行を受け、東尋坊(福井県)から飛び降りさせられたとする殺人事件が起きるなど、各地で凶悪な少年犯罪は後を絶たない。和代さんは「賠償金すら十分に支払われていない遺族も多い。加害者がやったことの責任を感じられる仕組みが必要」と強調する。
一方で、「(罪を犯した)多くの少年には再犯をせず頑張って生きてほしい」との思いもある。毎年、三重県の医療少年院に赴き、罪を犯した少年らに自身の経験などを伝え更生を促している。「でも自分(息子)の加害者は今も許せない。矛盾してますよね」
今、長男と煮豆店を切り盛りする日々を送る。大津市の本店と高島市の2号店を行き来し、繁忙期の睡眠は2、3時間ほど。「ぼーっとしていたら悠ちゃんのことを考えてしまう。仕事で疲れて寝る日々のほうがいい」と話す。
悠君が見守っていますよ―。事件当初、息子の死を受け入れられない中で、報道関係者らからそう慰められることが嫌だった。月日がたち、「今は本当に守ってくれていると感じるようになった。『仕事はほどほどにして』と思っているかな」と語る。
3年前の命日。閑静な琵琶湖のほとりに2号店をオープンさせた。店名は「悠ちゃん」。愛息を何かの形で残したかった。「忘れ去られるのはかわいそうすぎる。二度とこんなむごい事件が起きてほしくない」と心から願っている。
飼い犬に腕や耳をかまれて重体 体長50センチの雑種 鹿児島
4日午前7時55分ごろ、鹿児島県薩摩川内市百次町の農道で、近くの無職、鬼塚正市さん(54)が右腕と左耳を飼い犬にかまれて倒れているのを通行人の男性が見つけて119番した。鬼塚さんは当初は意識があったが、病院に搬送中に意識不明の重体となった。
県警薩摩川内署によると、犬は鬼塚さんが4年前から飼っている体長約50センチの雑種犬。消防や警察が現場に来ると逃げたが、鬼塚さんの妻に駆け寄ってきて保護された。鬼塚さんは犬との散歩を日課にしていて、この日も午前7時半ごろに家を出たという。【白川徹】
「闇バイトに騙される大学生」急増している理由 あなたの子も知らぬ間に「受け子」になる危険も
年々、検挙数が増える「闇バイトによる特殊詐欺」。ネットで「日給3万円・スーツ支給・仕事はものを受け取るだけ」という求人を見つけたら、「ラッキー!」と思う若者がいるのもおかしくありません。しかし、甘い言葉には常に裏があるもの。多くの大学生が被害に遭う、闇バイトの恐ろしい実態とは? 元捜査一課刑事でデジタル操作班長として活躍してきた佐々木成三さんの書籍『スマホで子どもが騙される』より一部抜粋・再構成してお届けします。 闇バイトによる特殊詐欺は年々検挙数が増えています。闇バイトとは、高額報酬をうたって振り込め詐欺の受け子のような特殊詐欺をさせる仕事のこと。 バイトを探している少年が、「日給3万円・スーツ支給・仕事はものを受け取るだけ」という求人を見たら、「ラッキー!」と思ってしまうかもしれません。 でもよく考えれば、これは特殊詐欺の受け子です。「何かおかしい」という考える力が足りず、視野も狭いために犯罪に巻き込まれてしまうのです。 ■「闇バイト」の手口 闇バイトには、警察を装って電話で「あなたの口座が不正に利用されています」と言ってキャッシュカードをだまし取る掛け子や、だまされた人からカードや現金を受け取る受け子などがあります。 特殊詐欺グループは常に闇バイトを募集して、お金に困っている人を狙ってくるのです。つまり、カモを探しているわけです。例えば、実際の受け子の闇バイトの流れは以下のように行われます。 ①「お金に困っているので仕事ください」などとツイートすると、DMが来る。 ②別の掛け子が詐欺の案件が取れた後、ターゲット(被害者)の住所が送られてくる。 ③指定された住所に向かい、カードや現金を受け取る。 やりとりの際、詐欺グループと思われる本部の情報は何もない。そもそも、顔も住所もわからない。ただ指示に従うのみなのです。特殊詐欺も、手口を年々変え、複雑化、巧妙化してきています。ただ、警察もそれに対して警戒を強め、いたちごっこのような状態が続いているのです。 闇バイトに応募したものの、怖くなって逃げたくなったとしましょう。それでも、逃れられない仕組みになっています。闇バイトの募集告知の多くには「身分証明書必須」などと書かれています。応募時に、運転免許証などの顔写真付きの身分証のコピーや、携帯電話の番号、父親や母親の連絡先から住所まで、本部に伝えなければなりません。 逃げようとすると、「情報を全部アップするぞ」「運転免許証の画像をアップして、さらし者にするぞ」「自宅も知っているし、なんだってできる」などと脅されてしまうのです。
年々、検挙数が増える「闇バイトによる特殊詐欺」。ネットで「日給3万円・スーツ支給・仕事はものを受け取るだけ」という求人を見つけたら、「ラッキー!」と思う若者がいるのもおかしくありません。しかし、甘い言葉には常に裏があるもの。多くの大学生が被害に遭う、闇バイトの恐ろしい実態とは? 元捜査一課刑事でデジタル操作班長として活躍してきた佐々木成三さんの書籍『スマホで子どもが騙される』より一部抜粋・再構成してお届けします。
闇バイトによる特殊詐欺は年々検挙数が増えています。闇バイトとは、高額報酬をうたって振り込め詐欺の受け子のような特殊詐欺をさせる仕事のこと。
バイトを探している少年が、「日給3万円・スーツ支給・仕事はものを受け取るだけ」という求人を見たら、「ラッキー!」と思ってしまうかもしれません。
でもよく考えれば、これは特殊詐欺の受け子です。「何かおかしい」という考える力が足りず、視野も狭いために犯罪に巻き込まれてしまうのです。
■「闇バイト」の手口
闇バイトには、警察を装って電話で「あなたの口座が不正に利用されています」と言ってキャッシュカードをだまし取る掛け子や、だまされた人からカードや現金を受け取る受け子などがあります。
特殊詐欺グループは常に闇バイトを募集して、お金に困っている人を狙ってくるのです。つまり、カモを探しているわけです。例えば、実際の受け子の闇バイトの流れは以下のように行われます。
①「お金に困っているので仕事ください」などとツイートすると、DMが来る。
②別の掛け子が詐欺の案件が取れた後、ターゲット(被害者)の住所が送られてくる。
③指定された住所に向かい、カードや現金を受け取る。
やりとりの際、詐欺グループと思われる本部の情報は何もない。そもそも、顔も住所もわからない。ただ指示に従うのみなのです。特殊詐欺も、手口を年々変え、複雑化、巧妙化してきています。ただ、警察もそれに対して警戒を強め、いたちごっこのような状態が続いているのです。
闇バイトに応募したものの、怖くなって逃げたくなったとしましょう。それでも、逃れられない仕組みになっています。闇バイトの募集告知の多くには「身分証明書必須」などと書かれています。応募時に、運転免許証などの顔写真付きの身分証のコピーや、携帯電話の番号、父親や母親の連絡先から住所まで、本部に伝えなければなりません。
逃げようとすると、「情報を全部アップするぞ」「運転免許証の画像をアップして、さらし者にするぞ」「自宅も知っているし、なんだってできる」などと脅されてしまうのです。
逆風やまぬ自民、被買収議員が「表に出れば迷惑」…参院広島再選挙
2019年の参院選を巡る大規模買収事件で、有罪が確定した河井案里氏(47)(自民党を離党)の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙(25日投開票)の告示が8日に迫った。自民党は新人を擁立して「出直し」を目指すが、案里氏の夫で元法相の克行被告(58)(議員辞職)らから現金を受け取っていた地元議員の多くは、批判を意識して表立った活動ができず、「保守王国」の選挙戦は様変わりしそうだ。
「政治の信頼を回復する。大変な事態を乗り越えなければならない」。3月27日、広島市内のホテルで開かれた自民県連大会で、県連会長の岸田文雄・前政調会長は危機感をあらわにした。
事件では、県連に所属する県議と広島市議の約3分の1にあたる計24人が河井夫妻から現金を受け取り、「妻の治療費」「個人的な交際」に充てたと公判で証言する議員もいた。
しかし、24人は「自らの処分が決まっていない」などとして辞職しておらず、県議会では政治責任を追及する政治倫理審査会が開かれるなど、地元での「逆風」は収まる気配がない。
自民は17年の衆院選で、県内7選挙区のうち6選挙区で勝利するなど、本来は優位な立場にあるが、今回、被買収議員らは前面に出にくいため、従来のような組織戦を展開できない状態だ。
あるベテラン県議は、普段なら候補者を支援者に引き合わせ、街頭演説などではマイクも握るが、今回は控えている。「表に出れば迷惑をかける。古くからの知人に支援を頼むしかない」と漏らす。別の広島市議も無料通信アプリ「
LINE
( ライン ) 」などで支援者に協力を求めているという。
県連大会は、再選挙で擁立する元経済産業省課長補佐で新人の西田英範氏(39)(公明党推薦)も出席。決起大会の位置付けだったが、被買収議員の大半は姿を見せず、県連幹部は「被買収組が動けば『金をもらったくせに何をやっているんだ』と批判される」と語る。
秋までに行われる衆院選の前哨戦となる再選挙。自民は新人の擁立でクリーンさをアピールするが、自民関係者は「広島で敗れれば政権へのダメージは大きく、衆院選も総崩れになりかねない」と不安を口にする。
3日、広島市内で自民の街頭演説を聴いていた同市南区の男性会社員(50)は「『信頼を回復する』と言うが、現金を受け取った議員は説明責任を果たしておらず、簡単には信用できない」と冷ややかだ。
これに対し、野党は「政治とカネ」を争点化し、攻勢をかける構えだ。事件の舞台となった19年の参院選と同じく、立憲民主党と国民民主党、社民党が「結集ひろしま」という枠組みで共闘し、フリーアナウンサーで無所属新人の宮口治子氏(45)を推薦。共産党も宮口氏を支援する。 立民の福山哲郎幹事長は3月27日、広島市内の街頭演説で「選挙のテーマは『政治とカネ』。1年半前の選挙で皆さんの1票は何だったのか。悔しい、悲しい思いでしょう」と強調。立民関係者は「広島で勝てば政権を追い込める。絶対に議席を取る」と話す。 このほか再選挙では、NHK受信料を支払わない方法を教える党が党職員の山本貴平氏(46)を擁立するほか、新人3人が出馬を表明している。
菅首相、台湾問題は日米で連携=有事「存立危機」明言せず
菅義偉首相は4日のフジテレビ番組で、米ワシントンで16日に予定する日米首脳会談で議題となる見通しの台湾問題について「日米で連携し、抑止力を維持する中で平和的に台湾・中国で解決できる環境をつくっていくことが大事だ」と指摘した。また、台湾をめぐる情勢は「日本にとって重要だ」と強調した。
米バイデン政権内では、中国が台湾に侵攻する台湾有事への懸念が高まっている。首相は台湾有事が安全保障関連法で規定する「存立危機事態」に該当するか問われ、「仮定のことに私の立場で今答えることは控えたい」と明言を避けた。日本の存立が脅かされる同事態の認定は、集団的自衛権行使を可能にする前提条件の一つ。
[時事通信社]
毒親に絶縁され17歳で上京、男にだまされ続けた女性を救った「謎のオジさん」
昨今、ネット上にあふれている「毒親」とは、過干渉や暴言、暴力、あるいは一切かまわないなど、身体的、精神的に子供に悪影響を及ぼす親を指す造語だ。 子供を溺愛していた親が、ある出来事をきっかけに「毒親」へと豹変。それが子供のトラウマとなるケースも少なくないという。 九州の地方都市で生まれ育ったユミ(仮名)も、ある事件が原因で両親に疎まれ、家庭内で孤立。17歳で単身上京して以来、孤独と葛藤の中で生きた彼女が、ある男性との出会いで、心の支えを取り戻したという。 「あの人との出会いがなければ、今も自分を大切にできない、不安定な人生を歩んでいるに違いありません」。信じることのできる人の存在は、孤独の中の一筋の光りかもしれない。(執筆家・山田準) ●家庭内絶縁のきっかけとなった事件 今年30歳になるユミは、家族、特に母親が豹変した中学生時代のある事件を、努めて明るく話し始めた。 「中学の時、学校の校舎裏の物陰で、初めて付き合った男の子と性的な行為をしているのを、先生に見つかってしまった。それで親が呼ばれ、大問題になってしまって。狭い田舎の地方都市だから、すぐにうわさが広まりました。あの事件以来、特に母親の態度が一変したのは忘れられません」 ユミは三人姉妹の末っ子。中学1年のころまでは、姉二人よりも成績は優秀で、両親に溺愛されていたという。教育熱心だった両親にとって、勉強のできた三姉妹、特に三女のユミは自慢の子供だったのだろう。 だが、中2で初めて同級生の男子と交際すると、徐々に成績が下降。事情を知らない両親は必死に叱咤激励したというが、「淫行事件」が発覚すると、両親のユミへの期待は嫌悪へと一変したという。ユミ自身も、そんな親の激変に反発するかのように、生活はより乱れていった。 「とにかく地方の狭い町で世間体を気にする親だったので、特に母親は私への憎しみがもろに言葉や行動に出るようになりました。父親はほぼ無視状態。二人の姉からも、私への不快感がひしひしと伝わってきました」 ●家庭に居場所がなく、高校中退で単身上京 確かにユミの行為は、褒められたものではない。とはいえ、自分の思い通りにならない思春期の子供を攻撃、虐待、あるいは無視し、突き放す親は、今でいう「毒親」と言われても仕方ないだろう。子供は親の所有物ではないのだから……。 「何とか高校には進学できたのですが、家庭に居場所がない状況がつらくて、高2で中退し、逃げるように東京に出てきました。あれから約13年、家族とは断絶状態が続いています。ちなみに、二人の姉は、誰でも知っている有名な私立大学に進学しましたが、その後のことは知りません」
昨今、ネット上にあふれている「毒親」とは、過干渉や暴言、暴力、あるいは一切かまわないなど、身体的、精神的に子供に悪影響を及ぼす親を指す造語だ。
子供を溺愛していた親が、ある出来事をきっかけに「毒親」へと豹変。それが子供のトラウマとなるケースも少なくないという。
九州の地方都市で生まれ育ったユミ(仮名)も、ある事件が原因で両親に疎まれ、家庭内で孤立。17歳で単身上京して以来、孤独と葛藤の中で生きた彼女が、ある男性との出会いで、心の支えを取り戻したという。
「あの人との出会いがなければ、今も自分を大切にできない、不安定な人生を歩んでいるに違いありません」。信じることのできる人の存在は、孤独の中の一筋の光りかもしれない。(執筆家・山田準)
今年30歳になるユミは、家族、特に母親が豹変した中学生時代のある事件を、努めて明るく話し始めた。
「中学の時、学校の校舎裏の物陰で、初めて付き合った男の子と性的な行為をしているのを、先生に見つかってしまった。それで親が呼ばれ、大問題になってしまって。狭い田舎の地方都市だから、すぐにうわさが広まりました。あの事件以来、特に母親の態度が一変したのは忘れられません」
ユミは三人姉妹の末っ子。中学1年のころまでは、姉二人よりも成績は優秀で、両親に溺愛されていたという。教育熱心だった両親にとって、勉強のできた三姉妹、特に三女のユミは自慢の子供だったのだろう。
だが、中2で初めて同級生の男子と交際すると、徐々に成績が下降。事情を知らない両親は必死に叱咤激励したというが、「淫行事件」が発覚すると、両親のユミへの期待は嫌悪へと一変したという。ユミ自身も、そんな親の激変に反発するかのように、生活はより乱れていった。
「とにかく地方の狭い町で世間体を気にする親だったので、特に母親は私への憎しみがもろに言葉や行動に出るようになりました。父親はほぼ無視状態。二人の姉からも、私への不快感がひしひしと伝わってきました」
確かにユミの行為は、褒められたものではない。とはいえ、自分の思い通りにならない思春期の子供を攻撃、虐待、あるいは無視し、突き放す親は、今でいう「毒親」と言われても仕方ないだろう。子供は親の所有物ではないのだから……。
「何とか高校には進学できたのですが、家庭に居場所がない状況がつらくて、高2で中退し、逃げるように東京に出てきました。あれから約13年、家族とは断絶状態が続いています。ちなみに、二人の姉は、誰でも知っている有名な私立大学に進学しましたが、その後のことは知りません」
豆菓子店、「店長」はシロ11歳 看板猫を訪ね全国から客
京都市中京区の豆菓子店「船はしや総本店」には「看板猫」がいる。店前の寺町通をじいっと見つめる姿が評判を呼び、全国からも猫好きが訪れている。飼い主の辻美千子さん(69)は「猫たちを通じていろんな縁が結ばれた」と語る。
店には4匹の猫がおり、よく店番をするのがシロ店長(オス、11歳)。人懐こい性格で、店前に座る姿が評判を呼び、6年前、辻さんが「店長」に指名した。就任後、テレビや雑誌に紹介されると、客足もさらに増え、2017年には写真家の岩合光昭氏の写真集「ねこの京都」にも掲載された。
他の3匹も気まぐれで店に顔を出す。シロ店長の兄のピー太郎(オス、11歳)、迷い猫だったフー(オス、推定7歳)とピア(メス、同6歳)。でも辻さんは「もともと猫を飼う気はなかった」と打ち明ける。ペットの病気や死別のつらさを、経験で知っていたからだ。だが14年前、知人の飼い猫だったエミリーを引き取ることになると、店には猫が増えた。
エミリーはシロ店長とピー太郎を産み、客からも人気だったが、2年前に天国へ。辻さんは悲嘆に暮れたが、これまで店を訪れた多くの人も同じようにエミリーの死を悲しみ、店まで弔いに訪れた。命日には今でも花が届くという。
「悲しみを分け合ってくれる方がいるのはありがたい。多くの人に愛されて、飼っていてよかったと思える」。そう話す辻さんの隣で、シロ店長は変わらず店番を続ける。
村上春樹さんの「直筆原稿」が流出・・・作家は取り戻すことはできるのか?
幅広い層に人気のベストセラー作家、村上春樹さん。その直筆原稿が流出した可能性があると報じられている。
NHKによると、村上さんの直筆原稿20点が3月20日、都内で開かれたオークションに出品された。このうち19点が落札されて、最も高いもので155万円の値が付くなど、落札額の総額は540万円あまりになったという。
これらの原稿は、コレクターが20年ほど前、古書店で購入したもので、村上さんとつきあいのあった編集者(故人)から流出した可能性があるという。オークションにあたっては、村上さん側に連絡したうえで、原稿を出品することを伝えていたようだ。
近ごろは、手書きの原稿ではなく、データでやりとりされることが多くなっているが、村上さんのような人気作家の直筆原稿とあれば、相当な価値がある。こうした原稿は「だれのもの」になるのだろうか。法的な問題について、桑野雄一郎弁護士に聞いた。
本来、漫画家をふくめて作家の直筆原稿は、作家のものです。
作家は、執筆が終わると原稿を出版社の担当者に渡しますが、譲渡したわけではなく、あくまで出版のために預けたものと考えられます。ですから、預かっている担当者が、勝手に売却した場合、業務上横領として刑事罰の対象になる可能性があります。また、損害賠償請求など民事責任も問われることになります。担当者だけでなく出版社も同様です。
出版社によっては、会社として原稿をきちんと管理しておらず、担当者が私物と共に机の引き出しやロッカーの中に保管していることもあります。そのため、異動などの際に誤って廃棄したり、紛失したり、退職の際に私物と共に会社から持ち出し、今回のように流出してしまったりすることがあります。
――「直筆原稿」を取り戻すことはできるか?
直筆原稿が作家のものだといっても、オークションなどで、売買されてしまったら、民法の規定に基づいて、購入した人のものになってしまい、取り戻すことができなくなることが多いです。
マンガの直筆原稿などは、「美術品」の側面もありますので、そのような場合、作家に対する賠償額をどうするかという問題も生じます。紛失してしまった場合も同様です。
作家にとっては大切な生原稿です。前述のように紛失や流出をすると、担当者だけでなく出版社も管理責任を問われます。必要がなくなれば、速やかに返却するか、保管するならきちんと管理することが必要です。
【取材協力弁護士】桑野 雄一郎(くわの・ゆういちろう)弁護士高樹町法律事務所。「外国著作権法令集(46)-ロシア編―」(翻訳)、「出版・マンガビジネスの著作権(第2版)」(以上CRIC)、「私的違法ダウンロードに関する改正法案の問題点(上)/(下)」特許ニュース14934号・14935号等。事務所名:高樹町法律事務所事務所URL:http://www.takagicho.com