カンニング竹山は「強制謝罪」か…ところが小池都政“ムダ遣い”広告費は総額11億円超だった!

日刊ゲンダイが報じた、東京都がタレントのカンニング竹山に発言訂正を求める「猛抗議文」を送っていた問題。「公共の電波で誤報を垂れ流すのはよくない」と竹山を批判する声もあるが、問題の本質は竹山の発言の正誤というレベルではない。注視すべきは、小池都知事の都税の「無駄遣い」なのである。

都が訂正を求めたのは先月28日の生放送「アッコにおまかせ!」(TBS系)での竹山の発言。小池知事自らが感染拡大防止を呼び掛けるネット動画の制作に「4.7億円かかっている」と言ったが、これは事実ではなかった。実際の制作費は8本計1800万円だったことから、都は放送翌日にTBSと竹山の所属事務所に抗議文を送付したのだった。竹山が番組内で「4.7億円は動画制作費ではなく、広告費全体の経費だった」と訂正したにもかかわらず、である。

行政機関による一タレントへの猛抗議は異常だが、どうやら、このままだと竹山は「強制謝罪」に追い込まれる可能性があるという。

「竹山さんは今後、何かしらの機会に改めて謝罪、訂正する方向になっているようだ。小池知事の側近が水面下で動き、話をつけたとみられています」(都政関係者)

1日に日刊ゲンダイがこの問題を報じて以降、世間では賛否両論が飛び交った。お笑いコンビ「おぎやはぎ」の小木博明はラジオ番組で、「とうとう来ましたよ。日本の民主主義に、上からの圧力が」と語り、「(前米国大統領の)トランプっぽい」と皮肉った。一方、「(都から)訂正の抗議が来るのも当たり前」といった声もSNSにあふれている。

確かに竹山の事実誤認発言が世間に与えた影響は大きかっただろう。だが、問題は竹山発言の正確性だけではない。竹山が知らせたかったのは、コロナ対策に回すべき巨額の都税を、小池知事自らが出演する“CM”制作に浪費したことだ。

情報番組への出演で十分なはず

そもそも、ネット動画8本の制作費にかけた1800万円だって、決して安い金額ではない。むしろ、素人でも気軽に撮れるネット動画を作るのにこれだけの巨費が必要なのか疑問だ。それに、小池知事が広告に費やした都税は、竹山が指摘した「4.7億円」にとどまらない。昨年4月から1年間の東京都のコロナ関連広告費は総額11億円を超えるのだ。

上田令子都議の調べによると、都はコロナ対策に関するテレビ・ラジオCMについて、昨年4月9日から今年3月31日までの期間で9件、ウェブ広告については昨年4月15日から今年3月31日までの期間で5件の契約を締結。出稿費や制作費は総額11.1億円だった。巨額の都税をつぎ込んで感染拡大防止にどれだけ役立ったというのか。第4波が訪れつつある現状を見れば「無駄ガネ」だったと言われても仕方ない。上田都議が言う。

「感染拡大防止を呼び掛けるなら、CMより情報番組に出演して司会者や専門家の質問に答える形で訴えた方が、訴求効果は大きいでしょう。番組出演なら費用はかからないので都税を費やすこともない。CM出演の狙いは徹底的に自らをよく見せるためでしょう。また、広告収入を得るメディア側の、都政批判を封じる思惑もあるのではないか。いずれにせよ、感染拡大防止に効果があったとは思えません」

小池知事の方こそ、都民に謝罪すべきではないか。

中国公船が領海出る=日本漁船に接近―沖縄・尖閣沖

沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で日本の領海に侵入していた中国海警局の「海警」2隻が3日、領海を出た。2隻は約26時間、領海内にとどまり、日本漁船に接近したり、付近で漂泊したりした。尖閣諸島沖での中国公船の領海侵入は今年12回目。
第11管区海上保安本部(那覇市)によると、2隻は2日午前11時35分ごろ、南小島南などの領海に侵入。3日午後1時半~35分ごろ、同島南南東から領海を出た。
[時事通信社]

3週連続の雨の日曜日 関東は月曜日も雨が降りやすい

明日4日(日)は低気圧や前線の影響で全国的に雨の降る所が多くなります。日曜日に広い範囲で雨が降るのは3週連続です。
明日は全国の広い範囲で雨
4日(日)朝の予想天気図
明日朝は西日本の広い範囲や北海道の太平洋側で雨が降り、前線の通過によって雨の範囲が次第に広がってきます。昼頃には東海から北陸、東北の各地で雨が降り出し、関東も早い所では昼前後から雨となる見込みです。南から暖かく湿った空気が流れ込むため、西日本では局地的に雨の強まるおそれがあります。東日本から北海道太平洋側も午後は本降りの雨で、外出時は傘が必須です。北海道の内陸部や山沿いは夕方以降、雪に変わる所があるため、標高の高い所では念のため積雪や路面凍結などによる路面状況の変化に注意をしてください。
月曜日も関東は雨が残る
5日(月)午後の雨の予想
週明けの5日(月)は低気圧や前線が東に離れるため、天気の回復する所が多くなります。ただ、関東だけは回復が遅れる予想です。本降りの雨は朝の早い時間で収まるものの、違う方向の風がぶつかるシアラインの形成や、北東から流れ込む湿った空気の影響で、午後も弱い雨が降りやすくなります。気温も上がりにくく少し肌寒く感じられる可能性もありますので、雨と気温の最新情報をしっかり確認してください。

東京、新たに446人感染 大人数で会食事例も

東京都は3日、新型コロナウイルスの感染者が新たに446人報告されたと発表した。直近7日間の平均は1日当たり383.7人。前週比は111.9%で増加が続いている。死者の報告はなかった。
新規感染者のうち19人は会食での感染。高校の同級生13人と会食した20代女性や、20人で送別会をした60代男性のケースがあった。都の担当者は「大人数の会食は控えるように呼び掛けているが、緊急事態宣言解除後に守られていない事例が見られる。対策を徹底してほしい」と述べた。
年代別では20代の131人が最多。感染経路が不明なのは263人。感染者累計は12万2347人となった。

白煙立ち上る現場、松江市長「普通の火事ではなく…まさに災害」

1日夕に松江市島根町加賀で発生した大規模火災は2日、民家など計30棟や山林を焼き、22時間後の同日午後3時に鎮火した。市消防本部によると、少なくとも民家など19棟が全焼し、煙を吸うなどして消防士を含む計3人が軽いけがを負った。強風にあおられた炎は漁港集落内に広がり、住民らを不安に陥れた。(竹内涼、門間圭祐)

島根県警松江署や市消防本部によると、火災は1日午後4時55分頃に集落内で発生。地区住民が民家から、煙が上がっているのに気づき119番した。火は強風にあおられて周辺の民家に次々と燃え移り、住宅地北側の山林まで広がった。
出火から8時間後の2日午前1時に火勢は収束したが、完全に消えるまでにはさらに14時間を要した。この火災で19棟が全焼、1棟が半焼、部分焼などが10棟に上り、少なくとも計30棟に被害があった。また、山林は推定約2000平方メートルが焼けた。2日午後4時現在、21世帯計47人が被災したが、犠牲者はなかった。
市消防本部と消防団は、ポンプ車など約40台で消火にあたった。松江地方気象台によると、火災発生当時、市内には強風注意報が発令され、周辺では西向きの風が吹いていた。

住民らは不安な夜を過ごした。火災現場の見える高台で消火作業を見守った70歳代の男性は「車で帰る途中、山越しに煙が見えたが、すでに3、4軒に燃え広がっていた」と言葉少な。
自宅が焼け、避難所となった島根公民館に身を寄せた男性(81)は発生当時、家におり、知人からの電話で屋外に出ると、黒煙がすでに立ちこめていたという。「無念の一言。生まれ育ったところがあっという間に終わってしまった。今は何も考えられない」とうなだれた。
一夜明けた現場では、焼け焦げて骨組みだけとなった民家から、白煙が立ち上っていた。消防隊の活動を見ていた40歳代の女性は、「昨夜も自宅が心配で、(現場に)どれぐらいいたか分からない。親戚の家に一度避難したが、朝6時ぐらいに心配で見に来た。家は残ったようだが、中を見るまで安心できない」と表情を曇らせた。
島根公民館には、1日深夜までに一時50人以上が避難。新型コロナウイルスの感染対策で、間仕切りが設けられ、企業や個人から、食料品などの支援物資が続々と届けられた。

火災を受け、市は2日、対策本部会議を開き、被災者に対する市営住宅のあっせんなどの情報を共有。市本庁舎や各支所に義援金箱を設置したほか、ふるさと納税の使い道にも被災者救援を追加した。
同日午前には、松浦正敬市長が島根公民館に避難住民を訪ねた。松浦市長は「普通の火事ではなく、まさに災害だ。当面は住居の確保を急ぎ、生活再建に関して、一人一人にきめ細かに対応したい」と述べた。
また、県は同日、松江市に災害救助法を適用すると発表。同法の適用で、避難所の運営や被災者の食事、飲料水の確保に関する費用などを国と県が負担する。

軽が飲酒検問を突破、パトカーに追跡され国道を逆走…対向トラックと正面衝突

2日午前1時20分頃、高崎市宮元町の国道17号で、パトカーに追跡されて逆走していた同市の男性(41)の軽乗用車が、対向のトラックと正面衝突。男性は胸を打撲するなどし、太田市のトラック運転手の男性(46)も首や腰に軽傷を負った。
群馬県警高崎署の発表によると、現場から約2・5キロ離れた市道で同署員が飲酒検問をしていたところ、軽乗用車の男性が停止の指示に従わず走り去ったため、パトカーが赤色灯をつけて、停車するように呼びかけながら約2分間追跡した。男性からは飲酒検知で基準値超のアルコール分が検出された。同署は道路交通法違反の疑いで調べている。同署の田島政徳副署長は「一般の方が事故に巻き込まれたことは大変残念。不審車両に対する追跡行為は、適正な職務執行だった」とコメントした。

教育現場で性犯罪相次ぐ香川県 再発防止への対策は?

2020年3月からの約1年間で、香川県内で教職員や保育士らが児童や生徒にわいせつな行為をする事案が相次いでおり、県警が強制わいせつや児童福祉法違反などの疑いで少なくとも8人を逮捕した(うち2人は不起訴)。教育現場で性犯罪がなぜ多発しているのか。対策はどうすべきか。専門家らに話を聞いた。
勤務先の中学校内で教え子にわいせつな行為をしたとして、児童福祉法違反などの罪に問われた被告の公判が20年9月、高松地裁であった。裁判官は「被害者が被告を尊敬し、その影響力を利用して犯行に及んだ」と指摘。生徒は指導を受けられなくなると考え、拒否できなかったことも明らかになった。捜査関係者によると「短期間に相次いで教職員が逮捕されるのは非常に珍しい」としている。
事故や虐待などから子どもたちを守る活動に取り組む有志の団体「子ども安心ネットかがわ」代表の仙頭真希子さん=県弁護士会所属=は「昔から学校では『先生の言うことを聞きなさい』と言われ続け、教師と生徒児童の間には自然と構築された上下関係がある」と指摘。さらに「校内には他人の監視の目が行き届かない場所があり、性犯罪が起こってしまう環境がある」と説明する。
県教委によると、20年度に公立学校でわいせつやセクハラ事案で懲戒処分を受けた教職員は逮捕者を含む5人で、19年度の1人と比べ大幅に増加した。この10年をみても昨年度以外は0~4人で推移している。
県教委はこれまで、学校でのセクハラなどの具体的な事例集を用いて、教職員の研修の際に注意喚起してきた。事件に発展するきっかけとなる教職員と児童生徒の間での私的なSNSの利用を禁止し、各校に使用頻度の低い特別教室や準備室など校内の死角となる場所は、悩み相談など生徒児童と2人きりになる状態では使わないなど利用方法を見直すよう各校に要請している。担当者は「連続発生しているのは非常に残念。各市町や学校と連携しながら指導や周知を徹底し、しっかりと再発防止に努めていきたい」と話す。
千葉県教委は毎年実態調査を実施
学校でのセクハラを防ぐため、全国でも先進的に取り組んでいる千葉県教委は05年以降、県立学校の全生徒と教職員に対し、セクハラの実態調査を毎年実施している。生徒には、必要以上に身体を触られたり、性的な話・冗談を言われたりして不快に思った経験があるか質問。養護教員らが相談員となり、兆候があった場合は生徒や児童と面談を実施している。調査によって発覚し、教職員が懲戒処分に至った事案もあるという。
千葉県教委の担当者は「調査は教職員が緊張感を持つので抑止力にもなり、被害に遭っていることに気付かない児童や生徒もいるので啓発にもなる」と効果を話す。対策について「使わない教室は施錠し、鍵の管理を徹底するなど、校長がリーダーシップをとって起こさせない環境整備をすることが重要」と説明する。
仙頭さんは「今までやってきた防止対策では不十分。香川県教委は生徒らへの実態調査や各事案がなぜ起きてしまったのかをしっかり検証し、具体的な対策に落とし込んでいくことが必要だ」と強く訴える。【喜田奈那】

「兄が父親を刺した」と未明に通報、血を流した男性が死亡…凶器持ち逃走か

3日午前1時10分頃、沖縄県宮古島市平良下里の住宅で「兄が父親を刺した」と男性から110番があった。県警宮古島署員が駆けつけたところ、この家に住む翁長春吉さん(61)が血を流して倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。同署は翁長さんの息子で通報した男性の兄(39)が事情を知っているとみて、殺人事件として行方を追っている。
発表によると、現場から凶器とみられる刃物は見つかっておらず、凶器を持ったまま逃げている可能性があるという。現場は宮古空港の東約700メートルの住宅地。

「総務相のNTT接待は氷山の一角」既得権益と族議員という”昭和の癒着”の残念さ

放送事業会社「東北新社」に勤めていた菅義偉首相の長男が、総務省の幹部を接待していた問題は、総務省と通信・放送業界の“癒着”を浮き彫りにした。週刊文春が東北新社の次に「接待問題」を報じたのは、業界のガリバー・NTTだった。
ただ、問題は一段落したとの見方もある。NTTのある幹部はこう胸をなでおろす。
「現職の武田(良太)総務相も弊社の澤田(純)社長と会食していたことが明らかになった。これで社長のクビが飛ぶことはもうないだろう」
武田総務相は澤田氏との会食について、一貫して「個別の案件への発言は差し控える」としてきた。だが3月17日に『週刊文春』が会食の事実を報じると、3月18日の衆院総務委員会であっさり事実を認めた。
一方、NTTの澤田社長は、「上場企業の社長がどなたと会食したか否かを公開すると事業に影響がある」として、武田総務相をかばい続けた。武田氏が会食の事実を先に“自白”したことで、澤田氏は武田氏に結果的に“貸し”を作る結果となった。
武田総務相は同じ自民党の麻生太郎副総理から「質問も答弁も全く同じ。いい加減にしろと言おうかと思った」と苦言を呈されるなど、与党内からも言動を問題視されている。自民党幹部はこう話す。
「早くこの問題を幕引きさせないと武田氏本人どころか、総務相時代の菅首相も追及されかねない。政権を守るためにも、このタイミングで問題を収束させないとまずい」
NTTとしては菅政権から澤田氏の社長解任を迫られるという最悪の事態は避けられそうだ。しかし、総務省ナンバー2で、次の次官候補と言われていた谷脇泰彦・総務審議官ら、同省幹部たちを大量に更迭しただけでは、この総務省と通信・放送業界の“癒着”の構図は解消しない。問題の根底には、総務省が通信・放送各社に広範な許認可権を握っている事実があるからだ。
NTTは、国が株式の3分の1以上を持つことがNTT法で規定されている。NTT法の範囲は首脳の人事権にまで及ぶ。さらに普及中の5Gや次期6Gの周波数割り当ての許認可権も同省が一手に握っている。NTTは総務省を批判できる立場にはない。批判できないとすれば、接待を重ねて懐柔するしかない。
澤田社長は「『One NTT』として世界で戦う」「強いNTTを復活させる」と公言している。だが、現実には新たな事業を展開するたびに総務省にお伺いを立てなければいけない、このNTT法の存在は、海外の巨大IT企業に対抗するうえで大きな足かせになる。
澤田氏は社長就任後、総務省との折衝を重ね、強いNTTの復活に向けた動きを加速させている。例えば、地方の過疎地にも都市部と同様の通信サービスを提供する「ユニバーサルサービス」の問題がある。
携帯電話の普及で固定電話の契約者数は下がり続けているが、NTT東西会社は事業継続を義務付けられている。年間数百億円の赤字が出ているため、NTTは過疎地の固定電話を無線などで代用できるよう同サービスの規制緩和を求めた。
このNTTの求めに応じて総務省は全国で提供すべき同サービスの範囲の見直しを開始、19年10月には義務緩和を認める報告書をまとめ、昨年6月にはNTT法が改正された。
さらに、大きな案件が「スマホ料金の値下げ」と「NTTドコモの買収」だ。
官房長官だった菅首相が18年8月の講演で「携帯料金は4割下げる余地があるのでは」と言及したのを機に、総務省は料金値下げの研究会を設置し、谷脇氏がその旗振り役になった。その結果、NTTドコモは料金引き下げを打ち出し、昨年末には従来水準より6割安い新プラン「アハモ」を発表した。
この時期にNTTはドコモの子会社化を水面下で進めた。昨年9月にNTTはドコモの完全子会社化を表明するが、『週刊文春』は谷脇審議官との接待があったのはその2カ月ほど前だったと報じている。
総務省は1985年のNTTの分割民営化以来、NTTの市場支配力の肥大化を抑えてきた。ドコモの完全子会社化は総務省の意向には沿わないが、「料金引き下げと引き換えに、ドコモの完全子会社化を総務省が黙認した」との見方が根強い。いずれにしろ、日本では行政に市場をコントロールする権限がある。
一方、米国の構造は異なる。
米国では無線免許の交付などは競売(オークション)で決まる。3月には5Gのミッドバンド(3.5GHz)の無線免許を巡り、米ベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tが一騎打ちを演じた。この結果、22年から利用できるA枠をベライゾンが4兆8000億円で、23年まで待つB/C枠をAT&Tが2兆5000億円で買い取ることが決まった。こうした巨額の免許料は国庫に入り、さまざまな行政サービスに活用されることになる。
オークションが導入されて以降、免許料は高騰しており、米国内でも民間企業の経営を圧迫しすぎているとの批判はある。だが、こうしたやりとりは透明性が高い。日本のように通信業者の生命線となる無線免許が、不透明な行政手続きの中で恣意(しい)的に割り当てられることはない。
所管企業の生殺与奪の権利をもつ中央官庁は、総務省だけではない。国土交通省は「羽田空港の発着枠」という権限で航空業界をコントロールしている、また厚生労働省は「薬価」を決める権限で製薬業界を抑え込んでいる。
2010年に経営破綻し、民主党政権下で日本航空(JAL)は再建を果たした。その後、自由民主党が政権を奪取すると、自民党は全日本空輸(ANA)の経営を後押しする。
台頭する韓国やシンガポールなどの国際ハブ空港競争を勝ち取るために羽田空港は国際線を増やした。羽田からニューヨークやロンドンなどへの直行便は「いい時間帯に羽田枠を取れるか取れないかで1便につき年間10億円単位で収益が変わってくる」(航空関係者)と言われる。
JALは3500億円もの公的資金の投入など国の支援を受けて再生したが、ANAに対して国交省は羽田空港の発着枠を多く割くことで支援した。たとえば2014年春に運用を開始した羽田国際線発着枠はANA11便に対して、JAL5便だった。さらに国交省は2012年に「日本航空の企業再生への対応について」と題する文書(いわゆる「8.10ペーパー」)を示し、JALの新規投資や路線の開設を抑制し、事実上ANAの側面支援を行ってきた。
日本の薬価も不透明だとの指摘が多い。保険適用となる医療用医薬品については全国一律の公定価格である薬価が定められる。新薬の薬価設定には、「類似薬効比較方式」と「原価計算方式」の2つの方式があり、既存の新薬と類似性のある新薬を開発する場合は、前者の方式を、類似性がなければ後者の原価計算方式が採用される。
しかし、「画期性」「有用性」「市場性」という加算項目は不透明で、厚労省の恣意的な判断が影響する余地がある。製薬会社の原価構成など情報開示の程度に応じて、薬価も増減が決まるインセンティブも導入されたが、どの程度の情報開示をすべきかは製薬会社の判断にゆだねられている。
薬価を巡っては「自民党の票田である開業医を守るために、画期的な新薬を開発しても薬価が低くなり、価格が抑えられ、製薬会社の努力が報われない」(大手製薬会社幹部)という批判は根強い。
これらは一例にすぎない。総務省、国交省、厚労省に限らず、規制官庁にはさまざま「権益」があり、それは一部の「族議員」と結託することで既得権益化し、民間企業の新規事業や開発力をそいできた。こうした既得権益を打破し、企業のイノベーションを促進するには、オークションをはじめとする透明性確保の施策を導入するべきだ。
昨年、米スタンフォード大学のポール・ミルグロム教授とロバート・ウィルソン名誉教授は「オークション理論の発展」でノーベル経済学賞を受賞した。米国は1994年にいろいろな種類の周波数免許を売る周波数オークションを始めたが、これより前にニュージーランドで実施された周波数オークションは、設計に失敗し望ましい結果が得られなかった。そこで制度設計に携わったミルグロムとウィルソンの両氏は、すべての競り上げが止まるまではどのオークションも開きっぱなしにする「同時競り上げ式」という新方式を開発し、13年までに8兆円を超す収益を国庫にもたらした。
オークション設計の理論構築も進んできている。官民の不透明な関係を解消し、民間の活力を引き出すためにも総務省をはじめとした規制官庁の権益を打破する制度設計が急がれている。
(プレジデントオンライン編集部)

「菅首相」にアメリカが妙に期待している理由 バイデン氏が初めて直接会談する外国首脳に

4月16日に訪米する菅義偉首相は、ジョー・バイデン大統領にとって直接会談する最初の外国の指導者となるだけではない。菅首相は、バイデン政権の外交政策の中心目標である、中国への対抗と包囲網構築を広く示す役割も果たすことになるのだ。 「アメリカの描くアジアの安全保障の全体的構想には、その中心的な存在として日本が必要だし、アメリカは日本にその役目を果たしてもらうことになるだろう」と日本事情に詳しいコロンビア大学のジェラルド・カーティス名誉教授は話す。 「日本はアジアの安全保障のビジョンの実現に向けた基盤となる存在だ」と、トランプ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたH・R・マクマスター氏も同調する。マクマスター氏はかかるアジア安全保障へのアプローチの発案者として、安倍晋三前首相の貢献にも言及している。 ■バイデン政権の「意図」 バイデン政権にとって、今回の菅首相との会談は、日本の現政権に信任を与えることを意図したものだ。しかし彼らはまた、菅首相が政権の座に長くはとどまれないかもしれないこともよく理解している。アメリカ政府の欲するところは、日本に極めて高い地位を与えて、アメリカのインド太平洋戦略に貢献してもらうことなのだ。 「中国に正しい政策を取らせるにはアジア全体の状況を正しいものにする必要があり、アジアの状況を正しいものにするには日本から始めなければならない、とバイデン政権は一致して考えている」と、オバマ政権時代の日本関係の専門家で、昨年の大統領選挙ではバイデン候補に助言を与えていた、カーネギー国際平和基金のジェームズ・ショフ氏は指摘する。 霞が関の官僚や、首相訪米が選挙での勝利につながることを望んでいる自民党の政治家にとって、今は誇らしい瞬間だろう。何年もの間、日本政府当局者たちはG2、つまり日本を脇に押しやる、中国とアメリカの忌むべき結束を阻止するために努力してきた。そして今、ついに実現したG2は、日本政府が怖れていたものではなかった――それはアメリカと日本のG2だったのだから。 日米の同盟強化の目標は、日米の防衛相と外相が発表した最近の2プラス2声明で明確にされている。そこでは、中国を中心的な共通の脅威として初めて挙げると同時に、民主主義の推進や「台湾海峡の平和と安定」を含む、あり得る共同行動の範囲に言及している。アメリカの指導層の一部は、日本が戦略を転換し、中国政府と共産党(CCP)の指導部を怒らせないようにする努力をかつてほどしなくなる、と見ている。

4月16日に訪米する菅義偉首相は、ジョー・バイデン大統領にとって直接会談する最初の外国の指導者となるだけではない。菅首相は、バイデン政権の外交政策の中心目標である、中国への対抗と包囲網構築を広く示す役割も果たすことになるのだ。
「アメリカの描くアジアの安全保障の全体的構想には、その中心的な存在として日本が必要だし、アメリカは日本にその役目を果たしてもらうことになるだろう」と日本事情に詳しいコロンビア大学のジェラルド・カーティス名誉教授は話す。
「日本はアジアの安全保障のビジョンの実現に向けた基盤となる存在だ」と、トランプ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたH・R・マクマスター氏も同調する。マクマスター氏はかかるアジア安全保障へのアプローチの発案者として、安倍晋三前首相の貢献にも言及している。
■バイデン政権の「意図」
バイデン政権にとって、今回の菅首相との会談は、日本の現政権に信任を与えることを意図したものだ。しかし彼らはまた、菅首相が政権の座に長くはとどまれないかもしれないこともよく理解している。アメリカ政府の欲するところは、日本に極めて高い地位を与えて、アメリカのインド太平洋戦略に貢献してもらうことなのだ。
「中国に正しい政策を取らせるにはアジア全体の状況を正しいものにする必要があり、アジアの状況を正しいものにするには日本から始めなければならない、とバイデン政権は一致して考えている」と、オバマ政権時代の日本関係の専門家で、昨年の大統領選挙ではバイデン候補に助言を与えていた、カーネギー国際平和基金のジェームズ・ショフ氏は指摘する。
霞が関の官僚や、首相訪米が選挙での勝利につながることを望んでいる自民党の政治家にとって、今は誇らしい瞬間だろう。何年もの間、日本政府当局者たちはG2、つまり日本を脇に押しやる、中国とアメリカの忌むべき結束を阻止するために努力してきた。そして今、ついに実現したG2は、日本政府が怖れていたものではなかった――それはアメリカと日本のG2だったのだから。
日米の同盟強化の目標は、日米の防衛相と外相が発表した最近の2プラス2声明で明確にされている。そこでは、中国を中心的な共通の脅威として初めて挙げると同時に、民主主義の推進や「台湾海峡の平和と安定」を含む、あり得る共同行動の範囲に言及している。アメリカの指導層の一部は、日本が戦略を転換し、中国政府と共産党(CCP)の指導部を怒らせないようにする努力をかつてほどしなくなる、と見ている。