ジブチの陸自隊員2人が感染 20人隔離、任務影響なし

防衛省統合幕僚監部は3日までに、アフリカ東部ソマリア沖アデン湾の海賊対処行動のためジブチの活動拠点に派遣された陸上自衛隊の隊員2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。ジブチでは、拠点の警備や維持管理に当たるため陸自隊員約80人が勤務しており、2人と接触のあった約20人を隔離した。部隊の任務に影響はないという。
防衛省統幕によると、感染した隊員は20代と30代で現地時間の2日に相次いで発熱や頭痛などの症状を訴え、拠点内の医務室で抗原検査を受けた結果、陽性と判明した。ともに容体は安定している。

「猛スピードで」車がアパートに突入、ガス漏れ発生…近隣住民が避難

2日午前11時頃、札幌市東区北35東7で、軽乗用車がアパートに突っ込み、運転していた近くの女性(67)が

肋骨
( ろっこつ ) を折る重傷を負った。車はガス管付近に衝突したためガス漏れが検知され、近隣住民らが避難するなど周辺は一時騒然とした。事故を目撃した70歳代の無職男性は「車が猛スピードで突っ込んでいた。ガスの臭いがして怖かった」と語った。

東京五輪の海外チケット返金問題 海の向こうから大ブーイング! 「お・も・て・な・し」のウソっぱち

海外でチケット料の返金が問題になっている。

3月下旬に行われた日本政府、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会の5者会議により、海外在住の一般観客を受け入れないことが決まった。

東京五輪大会のチケット販売は、各国の五輪委員会から指定された販売事業者が請け負っている。その仲介事業者から個人客へ販売する際、手数料としてチケット金額の上限20%(ただし6000円以下)の上乗せが認められているのだが、個人客へ手数料の返金を拒否する事業者が現れているのだ。

米ウォールストリート・ジャーナルによれば、渦中にある世界最大の五輪チケット販売事業者「CoSport」のCEO、アラン・ディズダレビッチ氏は「円とドルの取引や、クレジットカードの手数料などで費用がかさみ、(手数料の中から)払い戻せる金が残されていない。利益なんて出ていない」と現状を訴えている。

割を食うのは海の向こうから東京五輪を心待ちにしていた一般の外国人たちということになるが、組織委はこの事態をどう捉えているのか、広報担当に話を聞いた。

――なぜ手数料は返金されないのでしょうか。

「組織委は各国の公式販売事業者と契約を結んでいます。個人のお客さまが負担する手数料は、組織委に支払われるものではありません。この部分の返金については、各販売事業者が個人のお客さまとの契約に鑑み、決定するものです。組織委は判断には関与していません」

――この事態を組織委はどう捉えているのですか。

「(手数料の返金拒否について)組織委はその判断に関与していないため、コメントする立場にありません」

――販売事業者への返金は1010月以降になるという報道があります。国内でチケット料の払い戻しを募った際は、受け付け終了から約1カ月ほどで返金が始まりました。海外販売事業者への返金はいつ頃を想定しているのですか。

「可能な限り早く、4月中にはキャンセルの受け付けができるよう準備を進めていき、返金の時期に関しても今後検討していきます」

大会組織委はあくまで、販売事業者と客の問題、というスタンス。返金の日程のメドすら立っていないのだ。

海外に「お・も・て・な・し」をアピールして始動した東京五輪は、いまや見る影もない。

31億円「M資金」初公判 蔵人金男会長はこうして28億円を振り込んだ

31億円「M資金詐欺」初公判

牛角や大戸屋を傘下におく外食大手チェーン「株式会社コロワイド」(神奈川県横浜市)の蔵人金男会長が被害総額約31億円を騙し取られたとする詐欺事件の初公判が2021年3月25日、横浜地裁で開かれた。被告は武藤薫氏。XとYは武藤氏の協力者とされる。傍聴記の2回目。

◇ ◇ ◇

蔵人氏により振り込まれた1億3000万円は、すぐにXが4000万円、9000万円と2回にわたって引き出し、武藤氏に渡されたという。

その後、Xは東京丸の内の郵船ビルディング内の貸し会議室で蔵人金男氏に対し、2800億円の資金提供をうけるためには、さらに1億8000万円が必要だと説明した。

■GHQ総司令部のあった丸の内が舞台

郵船ビルディングとは東京駅と皇居を貫く、行幸通りの角という一等地に面する地上16階建てのビル。改築前のビルはGHQ(連合国軍総司令部)が接収し官舎としても利用された。GHQ総司令官であるマッカーサーの部屋も並びに建っている第一生命ビルの中にあった。丸の内一体は、GHQや米国が接収した歴史があり、旧戦勝国が所有するという基幹産業育成資金の話を盛り上げるにはもってこいの舞台回しなのである。ちなみにいわゆる「M資金」のMはマッカーサーのMではなく、マッカートニー少将のMとされる説が有力である。

GHQの気配がいたるところに残る丸の内を訪れた蔵人氏は当時、何を思っていたのか。

いずれによせ蔵人氏はXの説明を信じ、1億8000万円ものカネをアジア経済協力会議所に振り込んだ。それはYのジャパンドリーム社に渡り、Xが引き出し、武藤に渡ったと検察は説明している。

初公判の30分に及ぶ検察側の冒頭陳述の間、法廷に座る武藤被告は、なにを嘘を言っているのかというようにしばしば首を左右に振っていた。その仕草が印象的だったと傍聴していた複数の記者が話す。

1億8000万円を蔵人氏から引き出した以後、武藤側のM資金の詐欺話はディティールが細かなくなっていく。細かくするのは金を引き出し続けるためとも言えよう。次にXは蔵人氏に、基幹産業育成資金の2800億円を輸送する費用として980万円かかると説明する。

無論そんなカネは輸送されてはない。

しかし平成30年6月1日、蔵人氏は980万円を振り込み入金。そのカネは3日後に引き出された。

さらに、Xは郵船ビルディングに蔵人氏を呼び、2800億円のための倉庫の保管料が必要だと説明する。それでも蔵人氏は言われるがままに350万円を入金する。

■ついに振り込まれた28億円

そして7月。さらにXは蔵人氏に2800億円の資金提供を受けるためには1%を支払う必要があることを説明した。1%と言えば28億円である。

蔵人氏はこのカネを払わなければ、これまで支払ってきたカネが無駄になると考え、振り込む決断をした。検察は蔵人氏のこのように内心を説明した。

そして蔵人氏3億3000万円のカネを惜しんだために、28億円ものカネを振り込むことになる。

9月18日、28億円は振り込まれ、それのカネは即日、武藤被告の口座に渡った。武藤被告は、これを即日引き出した。まんまと28億円を手にした武藤は何を思ったのか。今後法廷で肉声を聞く機会もあるのだろう。

以上が蔵人氏が武藤側に支払ったカネの一部始終である。合計で31億円以上。2013年と2014年の振り込みを合わせれば36億円に及ぶ。

当然ながら2800億円の資金提供は実行されず、さらに倉庫保管料を支払うようにメールが来た。ここでようやく蔵人氏は警察に被害届けをすることになった。(つづく)

(取材・文=平井康嗣/日刊ゲンダイ)

“泥縄政治”が十八番の吉村府知事 今度は「聖火リレー中止は当然」の自己弁護

「組織委員会が最終決定権者だが、大阪市内の聖火リレーは中止になる。できないと思う」

「まん延防止等重点措置」(まん防)に基づく新型コロナウイルス対策の徹底を理由に、大阪市内で14日に予定されている東京五輪の聖火リレーについて「中止せざるを得ない」との認識を示した大阪府の吉村洋文知事。大阪市の松井一郎市長も会見で「聖火リレーの全国での様子を見ると、どうしても人が集まり、そこには密もある。大変残念だが(実施は)見合わせるべきだと思う」と同調し、丸川珠代五輪担当相も2日の閣議後会見で、「地域の医療を預かる大阪府がこういうことをお示しになるのは、理にかなった検討だと思う」と理解を示した。

今さら吉村知事や松井市長が中止を口にしなくても、はじめから新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での聖火リレー実施には、全国どこの自治体でも無理があるだろう。だからこそ、島根県の丸山達也知事が全国に先駆けて「中止検討」を表明したのだが、その時は、政府・与党内から「知事の発言は不用意」「コロナ対策と聖火リレーは無関係だ」といった批判が続出していたからワケが分からない。「地域の医療を預かる」のは全国どこの知事も同じなのだ。大阪の聖火リレーの中止には理解を示すが、島根は許さない、では筋が通らないだろう。

■緊急事態宣言解除を強く求めた吉村府知事

それに大阪府のコロナ感染者急増の一因は、吉村知事の姿勢にもあるのではないか。

大阪府などに出ていた政府の緊急事態宣言が3月に先行解除された際、政府分科会の尾身茂会長は「もろ手を挙げて無条件で賛成ということではなかった」と言い、時期尚早との認識を示していたが、当時、宣言解除を強く求めていたのは他ならぬ吉村知事だったからだ。

そうして専門家が懸念していた通り、感染者が急増すると、今度は「まん防を要請」とは泥縄政治にもホドがある。

吉村知事はSNSで、<何故大阪で感染が急拡大したのか。NEWS23で脇田座長がコメントしてた 緊急事態宣言で大阪は感染を抑えすぎた、結果、変異株が既存株にとって変わる速度が早まり、変異株が急拡大してる説。逆説的でえっ?と思うが真実をついてるかもしれない>と投稿していたが、この理屈が正しければ、大阪以上に感染を封じ込めていた他の自治体は今ごろ、感染者が激増してとんでもないことになっているだろう。

大阪府民はいい加減、「やっているフリと自己弁護」の知事の正体に気付くべきだ。

北海道で変異株急拡大、全国3番目の多さ 札幌8割、知事が危機感

北海道の鈴木直道知事は2日、新型コロナウイルスの変異株の感染が道内で急拡大している事態を踏まえ、医療機関の負担増に懸念を示した。北海道の変異株は疑い事例も含めると、全国3番目に多い。札幌市は道内の約8割を占め、特にクラスター(感染者集団)が起きた南区で突出している。【土谷純一、米山淳、源馬のぞみ】
厚生労働省によると、2月22日~3月21日の1カ月間でPCR検査により変異株の陽性が判明した人は、兵庫県(253人)が最も多く、大阪府(155人)、北海道(114人)と続く。厚労省の独自システムで集計しているため、各自治体が発表している陽性者数とは異なる。
札幌市は変異株が拡大している事態を受け、全10区別の1週間の感染状況を発表することを決めた。南区は3月24~30日の1週間で新規感染者が102人おり、このうち変異株は疑いも含め76人。他9区と比べ突出している。
市関係者によると、南区の居酒屋で高齢者による飲食を伴う集会のクラスターが発生するなどして、感染が広がったという。市内の変異株感染の約75%が家庭内感染やマージャン、集会などによるもので、秋元克広市長は1日の会見で「身近なところで感染が広がっている」と注意喚起した。
道庁でも2日、新型コロナ感染症対策本部会議で変異株感染者の増加が報告された。地域別では約8割が札幌市内で確認されているという。会議で鈴木知事は「変異株は急速に拡大するリスクが高いとされ、ここでしっかりと感染を抑制しなければならない」と危機感を示した。
鈴木知事はその後の会見で「変異株に感染すると無症状でも原則、入院が必要になる。退院するには2回の陰性確認が必要で、結果として医療機関への負荷がかかる」と医療提供体制への懸念を示した。ただ、変異株の陽性者が多いのは全国トップの検査件数によるものだとも説明し「全国的に検査を増やさないと、変異株の全体像は分からないのではないか」と指摘した。
「個々人の対策が重要」
札幌市が区別の感染状況を公表した意味と今後の対策などについて、感染症に詳しい札幌医科大の横田伸一教授(微生物学)に聞いた。【聞き手・土谷純一】
札幌市が区ごとの感染者数の発表に踏み切ったのは、感染力の強い変異株が一気に地域の中で広がることに対しての注意喚起だろう。
南区で高齢者に感染が拡大している状況は、昨年6月ごろに小樽市で起きた「昼カラ」のクラスター(感染者集団)を思い出させる。昼カラという小さいコミュニティーで発生したクラスターから感染があっという間に広がってしまった。南区でも同じようなことが起きている。
今回は、第3波のように繁華街から感染が広がっているわけではないため、行政から何らかの要請を出すのは難しく、個々人の対策に掛かっている。クラスターが起きた「集会」のリスクを道も札幌市も強調しているが、飲食を伴う会食はマスクを着用せずに会話してしまうため注意が必要だ。
従来のウイルスからいずれは感染力の強い変異株に置き換わることが予想され、そのスピードをいかに抑えるかが重要。変異株が病院や高齢者施設、若い層などに入り込むと急速に拡大してしまうため、今の時点で食い止めることが求められる。
札幌市の区別感染状況(3月24~30日)
区 新規感染者 変異株確認数
中央区 35人 11人
北区 30人 少数
東区 30人 少数
白石区 20人 6人
厚別区 少数 0人
豊平区 32人 9人
清田区 少数 少数
南区 102人 76人
西区 15人 少数
手稲区 10人 少数
※市の資料を基に作成。変異株確認数は新規感染者の内数で疑いも含む。「少数」は5人以下で、市は実数を公表していない

日米vs中国の対立激化で緊迫化する尖閣問題。地元漁師も不安の声

「尖閣諸島に領土問題は存在しない」――。日本政府は約50年間、このスタンスを貫き続けているが、尖閣周辺海域の環境は今年2月に施行された中国の海警法の影響で激変。現場の海人(漁師)は、この事態をどう見ているのか。現地で話を聞いた。

◆海人が最も恐れるのは石垣島周辺の漁場の減少

荒波のなか、海上保安庁の巡視艇に並走される一艘の漁船。その後方には「中国海警」と書かれた船舶が、ぴったりと追尾してくる――。

2月15日、石垣市議の仲間均氏が漁船から撮影した映像の一コマだ。撮影地は尖閣諸島の魚釣島から6マイル(約10㎞)南の海上。まぎれもなく日本の領海での出来事である。この追跡は翌日まで続き、海警局の船舶は23時間にわたって日本の領海内にとどまったという。

今回、私財を投じて購入した漁船で尖閣諸島周辺海域まで航行した仲間均氏は、過去16回にわたって尖閣諸島に上陸するなど、20年以上にわたって問題に取り組んできた人物だ。そんな仲間氏は自らの活動についてこう話す。

「まず、私は石垣市の議員としてこの現状を国民に訴えるためにやっています。私の名前を語ってカネ集めをしている団体もいるが、私はどんな組織にも所属していない。もちろん漁船登録をして、水産庁の許可も得ている。

石垣周辺近海は近年、あまり魚が獲れないんですが、尖閣は高級魚のアカマチをはじめ魚種も豊富。普段は潮の流れが激しくて、餌が深いところまで下りていかないのですが、4月くらいまでの時期は潮止まりがあって餌が落ちるので、格好の漁場になります。

ただ、今回もそうでしたが、操業していると機関砲を搭載した中国公船が現れ、我々の船から40mくらいまで接近し、ジェットエンジンをふかし、魚を追い払ってしまう。これでは漁なんてできたもんじゃない。こうした状況を改善し、八重山の漁師が安心して尖閣で操業できるようにすることが、私の市議としての使命だと思っている」

◆2月1日の「中国海警法」施行

そんな仲間市議に立ちはだかった中国公船は、このところ尖閣諸島周辺での活動を活発化させている。海上保安庁によると、2月1日からの1か月間で、尖閣諸島周辺の領海外側の接続水域で中国公船の航行が確認されたのは計26日。さらに領海侵入が確認されたのは計6日で、そのうち計5日は日本漁船を追尾している。

そのきっかけとなったのが、2月1日の「中国海警法」の施行だ。中国の武装警察傘下の沿岸警備機関「海警局」が、中国の主権や管轄権を侵害している軍艦、公船、民間船などの外国船に対し、搭載している機関砲などの武器使用を含めて、あらゆる措置を講じることを認めるものだ。

日本政府は海警法への対応措置として、外国公船・軍艦が日本に上陸する目的で領海に侵入した場合に限り、海上保安官による「危害射撃」が可能との新たな見解を示した。だが、中国が勝手に主張する“領海”に日本の船が立ち入れば、たとえ民間の漁船でも武器使用が認められる海警法とは雲泥の差がある。

◆石垣島の漁民からは不安の声

この法律が、国際法上における中国の領海でのみ適応されるのならばまだいいだろう。しかし中国の領海法では、沖縄県の尖閣諸島も中国の領土と一方的に宣言されており、その周辺12海里(約22㎞)の海域も中国の領海と主張している。

つまり、尖閣周辺海域で操業する漁船や領海警備を行う海上保安庁の巡視船も、海警局による攻撃を受ける危険性があるのだ。

海警法の施行に、石垣島の漁民からは不安の声が上がっている。八重山漁業協同組合の伊良部幸吉代表理事専務はこう話す。

「石垣島には約330人の漁業従事者がいますが、海警法が施行されて射撃されるんじゃないかと心配する漁業者は多いですね。もう、尖閣には近寄りたくないと思っている人がほとんどではないでしょうか。

フィリピンの南沙諸島では、約220隻の中国漁船が集結したとニュースで見ましたが、中国をこれ以上刺激すれば尖閣周辺でも同様のことが起きかねない。そうなるとさらに厄介ですからね。

幸い、島の南方海域に尖閣より近くていい漁場があるので、ほとんどの漁師はそこで操業しています」

石垣島での漁業歴が長い漁師の高橋さんは、「尖閣にはおそらく一生行かないだろう」と話す。

◆漁民にとって一番の問題は日中漁業協定

「この問題はお互いに干渉することなく、曖昧な状態を続けるのが一番じゃないですか。あの海域は、私たちからしたらすでに中国が支配しているようなもの。それを奪い返すってことは、戦争になっちゃうってこと。そうなったら被害を受けるのは、まず僕ら漁師です。そのことをよく考えてくれっていう話なんですよ。よそから来た活動家が中国を挑発するようなことをやってるけど、はっきり言って迷惑。

それよりも日中漁業協定を何とかしてほしい。この協定で、尖閣諸島よりも南側にある日本の北緯27度以南のEEZ(排他的経済水域)では、中国漁船は操業していいことになっている。現在は中国漁船がそれほど来てないけど、もし操業しだしたら魚の取り合いになる。サンマだって中国が獲り始めて、日本ではめっきり不漁になりましたから」

漁民が尖閣から遠ざかっているのはリスク以外にも理由はあるようだ。前出の伊良部氏が話す。

「まず、尖閣に行こうとすると海上保安庁の臨検を受けなければならないのですが、これが結構メンドくさい。さらに、船の燃料が高騰化している今、石垣から170㎞ほど離れた尖閣諸島まで行くのはコストが大きすぎるという面もあります。

加えて、今はコロナ禍のせいで魚価が安い。現地で何日も泊まって、よほどの量を持ち帰らなければ採算が合わないんです。ただ、逆を言えば、燃料代が下がって魚価が上がれば、尖閣に行きたいという漁師もいると思います。

実際、いい漁場であることは間違いない。10年ちょっと前、まだ平和だった頃に資源情報の確認ということで尖閣に行ったことがありますが、そのときは大漁でした。産卵のタイミングだったので、浅瀬にたくさん魚が集まっていて、大きなアカジンミーバイ(スジアラ)がいっぱい。氷が足りないくらいの漁獲量でした」

◆尖閣諸島周辺は豊かな漁場

尖閣諸島周辺が豊かな漁場であることは、確かであるようだ。再び前出の仲間氏。

「私の夢は尖閣で獲れた魚を豊洲に卸すことです。国民の皆さんが尖閣の魚を食べるようになってくれれば、尖閣問題への関心も高まるし、魚がブランド化されて単価が上がり、尖閣に行く漁師も増える。そうなれば、尖閣問題は解決に近づくと確信しています」

果たして、尖閣諸島周辺の漁場が八重山の漁民のもとに返るのはいつのことになるのだろうか……。

◆中国政府が最も恐れるのは「尖閣上陸」

海警法の施行で、尖閣周辺海域での活動を活発化させる中国公船に対し、日本側は現状、手をこまねいているのみ。だが、そこには日本政府のジレンマがあるようだ。中国事情に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏は話す。

「領有権問題には対話が不可欠だが、日本政府は尖閣諸島について『領土問題は存在しない』というスタンスなので真正面から話し合うことができません。一方で、領土問題として認めてしまうと、これまで『固有の領土』と定義してきた優位性を失ってしまうのです」

では、どうすれば衝突は回避できるのだろうか。

「尖閣諸島という名称は出さず、東シナ海全体の問題として取り扱いながら、不測の事態の発生を回避していく方法で時間を稼ぐしかない。中国が最も警戒しているのは、日本に尖閣上陸を許してしまうこと。そうなると、さらなる強固な手段に出なければ国内世論に弱腰批判されてしまうから。これは中国側も望んでいないのです」

小泉進次郎環境相は、人工衛星を用いて尖閣諸島での自然環境調査を行っているが、政府は上陸調査をまだ認めていない。しかし、環境保全の名目ならば国際社会の理解を得られやすい。この一手が、尖閣の明るい未来を切り開くか。

【石垣市議会議員・仲間 均氏】
「尖閣諸島を守る会」代表世話人。尖閣への上陸回数は16回に及び、地元、石垣市の漁民の権利や八重山諸島全体の価値向上を目指す

【拓殖大学海外事情研究所教授・富坂 聰氏】
北京大学中文系に留学後、ジャーナリストとして活躍。著書は『「米中対立」のはざまで沈む日本の国難』など多数

<取材・文・撮影/SPA!沖縄取材班 写真提供/仲間均氏 画像/PIXTA>

「またか」「いたちごっこ」京都の時短再要請決定、街中に嘆き 飲食店に狙い絞った対策、疑問の声も

新型コロナウイルス感染者の急増を受けて京都府が再び飲食店などへの営業時間短縮要請を決めた2日、対象となる店や市民からは「またか」という声が上がった。飲食店に狙いを絞った対策に、効果を疑問視する見方も広がった。
京都市下京区の木屋町通沿いで立ち飲み店を営む男性(40)は「正直、『またか』という感じ」と嘆いた。「協力金を出すからと言われても、時短営業となるとアルバイトの生活や仕入れ先との関係など経営者として考えることは多い」と漏らす。
高瀬川沿いで夜桜を見ていた会社役員(63)=中京区=は「感染者が増えていたので予想はしていたが、飲食店だけが原因ではないと思う。マスクをしてない人とか個人に向けた対策を取らないと、結局いたちごっこになるのでは」と疑問を呈した。
京都市内にある職場から帰宅途中の宇治市の会社員(49)は「京都市とは人の行き来が多いので、(府南部を)時短要請に含める意味はある」としつつ、「飲食店だけが感染拡大の原因ではない。時短要請を繰り返しても、感染の状況は大きく変わらないのでは」と懐疑的だ。
向日市の飲食店店主(36)は「経営面は苦しいが、営業時間をその都度変えていてはお客さんが振り回される」と話し、先月に時短要請が解除されて以降も午後8時までの時短営業を続けてきた。コロナ感染は長期化すると予想しての対応といい、再要請については「制限がある中でもできることを前向きに考えていくしかない」と冷静に受け止めていた。

求愛行動も確認されていたけど…両方メスだったオニオオハシ「つがい」

札幌市円山動物園(札幌市中央区)で、2013年からオスとして飼育されていたオニオオハシの「トト」が、メスだったことが分かった。同動物園が発表した。
オニオオハシは南米の熱帯雨林に生息する鳥で、色鮮やかなくちばしが特徴。同園は13年に業者から、トトとメスの「ポコ」の2羽をつがいとして購入した。
16年以降、2羽の巣では毎年産卵を確認していたが、すべて無精卵だった。昨年、巣内を撮影したところ、トトが産卵している可能性が高まり、北海道大や他の動物園の協力でDNAを検査して、トトがメスだと判明した。
同園によると、オニオオハシは、オスの方が体やくちばしが大きいとされるが、外見から雌雄を判別するのは難しい。2羽には求愛行動も確認されていた。
同園は2羽の展示を続けるが、繁殖のため、一方を他の動物園のオスと交換することも検討している。

ミャンマー虐殺、日本政府の対応に広がる失望 日本はアジアの人権侵害にどう向き合うのか

ミャンマー国軍は残忍だ。非武装の自国民に容赦なく暴力をふるう。子供だろうが、女性だろうが、ただの通行人だろうが、目に入ったものに銃口を向ける。 これが軍の本質、と同一視されたくないのだろう。欧米を中心とした12カ国の参謀総長や軍のトップが3月27日、「軍隊は自らの国民を害するのではなく保護する責任を有する」との非難声明を出した。制服組として極めて異例な対応だ。 在ミャンマーの大使らが2月に発した国軍非難声明には参加しなかった日本も、今回は防衛省制服組トップの山崎幸二統合幕僚長が名を連ねた。 ■国軍批判を強める日本政府 ミャンマー国軍の残忍さは、いまに始まったわけではない。学生らによる1988年の民主化運動の際も、僧侶らが行進した2007年のデモのときも虐殺や拷問を常態化させていた。 今回との違いは、兵士や警官らの蛮行がSNSによって世界に動画配信されているところだ。国民による抵抗の様子も可視化されている。国際社会が固唾をのんで見守るなかで、非武装の国民が惨殺されている。 日本政府もここにきて国軍非難のトーンを強めている。暴力を非難し、アウンサンスーチー国家顧問らの釈放を求める談話の主体を外務報道官から茂木敏充外相に格上げし、3月27日の国軍記念日に駐在武官を派遣することもなかった。岸信夫防衛相も談話を出した。政府開発援助(ODA)の新規案件停止も宣言した。 クーデターから2カ月。国軍とのパイプがあり、それを使って事態を改善すると主張してきた日本政府も、エスカレートする暴力と犠牲者数の急増を前に、パイプの機能不全を認めざるをえなくなっているのだろう。 ミャンマーはこれまで親日国と呼ばれてきた。若者を中心にアニメや日本製品、日本料理の人気は高く、旅行先や就労先としての魅力も感じていたとみられる。ところがクーデターを境に日本に対する失望が広がっていると現地の日系企業関係者は証言する。 国軍がクーデター後に外相に任命したワナマウンルウイン氏を日本政府が「外相」と呼んだことが瞬く間にSNSで広がり、大きな波紋を呼んだ。その後、日本政府は「外相と呼ばれる人」に軌道修正したものの、「日本はどちらの側に立っているのか」と日本人駐在員が詰問されたり、日本語学習や技能実習生への応募を取りやめるケースが相次いでいる。 ■日本政府にやれることはある 「日本の『ミャンマー宥和外交』は機能しているか」で触れたように、ミャンマー国軍とのパイプの目詰まりが明らかになったなら、非道な国軍につくのか、それともミャンマー国民の側に立つのか、日本政府の選択肢は2つに1つしかない。しかも、速やかに旗幟を鮮明にする必要がある。

ミャンマー国軍は残忍だ。非武装の自国民に容赦なく暴力をふるう。子供だろうが、女性だろうが、ただの通行人だろうが、目に入ったものに銃口を向ける。
これが軍の本質、と同一視されたくないのだろう。欧米を中心とした12カ国の参謀総長や軍のトップが3月27日、「軍隊は自らの国民を害するのではなく保護する責任を有する」との非難声明を出した。制服組として極めて異例な対応だ。
在ミャンマーの大使らが2月に発した国軍非難声明には参加しなかった日本も、今回は防衛省制服組トップの山崎幸二統合幕僚長が名を連ねた。
■国軍批判を強める日本政府
ミャンマー国軍の残忍さは、いまに始まったわけではない。学生らによる1988年の民主化運動の際も、僧侶らが行進した2007年のデモのときも虐殺や拷問を常態化させていた。
今回との違いは、兵士や警官らの蛮行がSNSによって世界に動画配信されているところだ。国民による抵抗の様子も可視化されている。国際社会が固唾をのんで見守るなかで、非武装の国民が惨殺されている。
日本政府もここにきて国軍非難のトーンを強めている。暴力を非難し、アウンサンスーチー国家顧問らの釈放を求める談話の主体を外務報道官から茂木敏充外相に格上げし、3月27日の国軍記念日に駐在武官を派遣することもなかった。岸信夫防衛相も談話を出した。政府開発援助(ODA)の新規案件停止も宣言した。
クーデターから2カ月。国軍とのパイプがあり、それを使って事態を改善すると主張してきた日本政府も、エスカレートする暴力と犠牲者数の急増を前に、パイプの機能不全を認めざるをえなくなっているのだろう。
ミャンマーはこれまで親日国と呼ばれてきた。若者を中心にアニメや日本製品、日本料理の人気は高く、旅行先や就労先としての魅力も感じていたとみられる。ところがクーデターを境に日本に対する失望が広がっていると現地の日系企業関係者は証言する。
国軍がクーデター後に外相に任命したワナマウンルウイン氏を日本政府が「外相」と呼んだことが瞬く間にSNSで広がり、大きな波紋を呼んだ。その後、日本政府は「外相と呼ばれる人」に軌道修正したものの、「日本はどちらの側に立っているのか」と日本人駐在員が詰問されたり、日本語学習や技能実習生への応募を取りやめるケースが相次いでいる。
■日本政府にやれることはある
「日本の『ミャンマー宥和外交』は機能しているか」で触れたように、ミャンマー国軍とのパイプの目詰まりが明らかになったなら、非道な国軍につくのか、それともミャンマー国民の側に立つのか、日本政府の選択肢は2つに1つしかない。しかも、速やかに旗幟を鮮明にする必要がある。