日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを命じた18日の水戸地裁判決。地裁前では弁護士らが「勝訴」「首都圏も守られた」などと書かれた垂れ幕を掲げ、集まった原告からは「やった」と大きな歓声が上がった。
「東海第2発電所の原子炉を運転してはならない」。裁判長が主文を読み上げると、法廷内に「よしっ」と声が響いた。判決は避難計画の不備を指摘し、原告団の大石光伸共同代表(63)は閉廷後、「住民の勝利だよ」と感慨深げに話した。
河合弘之弁護団長は判決後の記者会見で「今までの原発訴訟の判決と全く違う」と強調。「避難ができないという点だけで原発を止めた史上初の歴史的判決で、社会的なインパクトは大きい」と意義を訴え、会場からは大きな拍手が上がった。
弁護団の事務局長を務める只野靖弁護士は、東京電力福島第1原発事故までは、緊急事態発生時の計画や手順の整備は必要とされていなかったとし、「福島原発事故を真摯(しんし)に反省し、深く理解した判決だ」と評価した。
[時事通信社]
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「ポストに鍵置く施設多い」民泊の合鍵80本所持…14件で1240万円相当盗む
大阪市内の民泊施設で盗みを繰り返したとして、大阪府警南署は17日、住所不定、無職の男(36)(窃盗罪などで公判中)を窃盗容疑などで逮捕したと発表した。男は逮捕時に民泊施設の合鍵を約80本所持。民泊の経営経験があり、「入り口のポストなどに鍵を置く施設が多いと知っていた」と供述しているという。
発表では、男は2019年3月~昨年12月、大阪市内の民泊12か所に侵入して利用客の高級腕時計を盗むなど14件(被害総額1240万円相当)の窃盗を繰り返した疑い。
府警によると、新型コロナウイルスの感染拡大で民泊の利用客が減ってからは飲食店なども狙っていたとみられるという。
緊急事態宣言、21日で全面解除 菅首相、再拡大防止へ全力
政府は18日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を首相官邸で開き、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県に発令している緊急事態宣言について、再延長した期限通りの21日までで解除すると決定した。宣言は約2カ月半で全面解除される。新規感染者数が増加傾向にあることを踏まえ、菅義偉首相は再拡大防止に全力を挙げ、変異株の検査を強化する。4都県は飲食店への営業時間短縮要請を午後9時まで緩和する。
首相は、感染の再拡大に関し「今が大事な時期だ。国と自治体が協力しながら対策を続ける」と述べた。リバウンドを懸念して「変異株の広がりにも警戒する必要がある」と強調した。
「プロデューサーからセクハラ」愛内里菜さんが元所属会社を提訴
所属していた音楽制作会社(大阪市)の男性プロデューサーから約10年間、セクハラ行為を繰り返され精神的苦痛を受けたとして、歌手の愛内里菜さんが同社に1000万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。18日に第1回口頭弁論があり、同社側は争う姿勢を示した。
訴状などによると、男性は同社の創業者兼取締役で、愛内さんら歌手や音楽グループのプロデュースを手がけてきた。
愛内さんは2000年ごろから、曲の打ち合わせで2人きりになった際などに体を触られたり、性的な言葉をかけられたりした。芸能活動を続けるため耐え続けたが、極度のストレスから声が出にくくなり、過呼吸などの体調不良にも悩まされたため、10年12月末に芸能界を引退して同社との契約を解除した。現在は別の名前で活動している。
愛内さん側は、男性が優越的地位を利用してセクハラやパワハラをしないよう、同社が対策を講じる義務があったのに、密室で2人きりになるような状況を誘発・放置するなどして怠ったと主張している。【伊藤遥】
菅政権の半年~課題は「風通しの悪さ」、2つ説のある「解散時期」
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月18日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。菅政権のこれまでの政策を総括し、衆議院の解散時期について解説した。
通常国会召集当日を迎え記者団の取材に応じる菅義偉首相=2021年1月18日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社
2020年9月に発足してから3月16日で半年を迎えた菅政権のこれまでの政策、そしてそこから見えて来た課題について、さらには、今後控える日米首脳会談、東京オリンピック・パラリンピック、衆議院の解散時期はいつになるのか……菅政権を総括する。
飯田)半年経つのですね。
鈴木)もう半年、まだ半年、どちらですかね。菅さんにしてみると、そんなに時間が経過したとは思えないくらい、追われて来たのではないでしょうか。
安倍晋三首相(左)に花束を渡す菅義偉官房長官=2020年9月14日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社
鈴木)いろいろな評価があると思います。最初のころは支持率も高く、いまは総務省は別の展開になっていますけれども、携帯電話の値下げも含めて、期待値が高かった。しかし、その後、支持率が下がって来た。原因の1つは、菅さんのメッセージ力の足りなさ。紙を見て喋ることなど、いろいろなことがありました。その辺りの印象は絶対に避けられない。もう1つは、やはりコロナでの、後手後手に回っている感じ。こういうもので、支持率が下がって来てしまった。いまは少し、支持率は下げ止まりしています。これは、私はよく「ワクチン支持率」と言うのですが、ワクチンによって少し希望が見えて来た。これに対して、「もう少し菅政権を見てチェックしてみようか」という人も増えて来たのだと思います。
大阪で新型コロナワクチン接種開始 ワクチン接種を受ける医療従事者=2021年2月19日午後1時4分、大阪市中央区の大阪医療センター 写真提供:産経新聞社
鈴木)私が取材をしていて気になるのは、官邸内の風通しの悪さです。いろいろな場面でそれがときどき出て来る。「連携しているのかな」ということです。
飯田)風通しが悪い。
鈴木)菅さんの1つの政治手法は、あまり周りに相談しないで「ズバッ」とやるやり方です。これは、危機管理的にもそうなのですが、相談をして時間がかかると、邪魔が入って潰されたり通らなかったりするのです。だから、できる限り言わない、そして一気に行く。でも、これをやると、周りはついて行けないわけです。「ええ? 急に?」となる。これが現場からすると、菅さんに対してのある種の不信感のようなものにつながる可能性があります。
記者会見に望む西村康稔経済再生相=2020年11月21日午後、東京・永田町の中央合同庁舎8号館 写真提供:産経新聞社
鈴木)側近や周りの支えている人たちの問題を政治主導的に考えると、ポイントになる人が3人います。それは加藤官房長官、西村経済再生担当大臣、それから、田村憲久厚生労働大臣。この3人と菅さんとのコミュニケーションはどうだろうかと思うのです。3人それぞれが違うことを言っているときがあります。最近で言うと、首都圏の4知事との関係です。これまで、各知事との接点は西村さんが一生懸命やって来ました。
飯田)そうですね。いままでは。
鈴木)いろいろな地方の知事さんに聞くと、「西村さんはよく話を聞いてくれる」と、ある種の信頼感のようなものもあります。首都圏の4知事では、黒岩さんと小池さんがちょっとゴタゴタしていたけれども。
飯田)ありましたね。延長のあと。
鈴木)ここ数日で出て来ているのは、黒岩さんが直接総理とも話をしているのです。そうなると、西村さんにしてみれば「外されているのですか」ということになります。「それは総理がやることですから」ときっと言うでしょうけれども、総理と黒岩さんが直接話したということで、西村さんも疑心暗鬼になる。そんななかで、総理と意見調整ができているのかなと。取材をしていると、「僕は聞いていない」「僕は知っていました」というような話が多いのです。これは官僚もそうです。このように、お互いに風通しが悪いと、重要な決断のときに官邸のなかが1つになるのだろうかと、不安ですよね。
飯田)コロナ対策をもちろん最後に決めるのは総理になりますけれども、そこまでの段階で誰がリーダーシップをとっているのかというと、これはわからない感じがします。
鈴木)そうなのです。イメージですけれども、3人とも菅総理に「総理、こうしたほうがいいです」「この決断は間違っていますよ」とは言わないのではないでしょうか。そういうことを平気で言うのは河野太郎さんくらいでしょう。河野さんと総理の間だけは、頻繁に電話をしています。ワクチンも、比較的うまく回っているのは、そこのような気がします。しかし、チームですから、その辺りの風通しが課題です。
2021年3月17日、会見する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202103/17bura.html)
鈴木)あとは解散総選挙です。2つ説があって、1つは4月解散説というのが、ここのところ永田町で出回っています。
飯田)それは、予算が通ったあとということですか?
鈴木)通って、日米首脳会談がありますよね。これは大きい局面になるのだけれども、それを挟んで、いま支持率が持ち直しているこのタイミングしかないと。このあとオリンピックがあって、何がどうなるかわからないので、4月解散ではないかと。4月に解散して総選挙になったら補選がずれるのです。
飯田)4月25日の予定が後ろにずれると。一緒にやると。
「大阪コロナ重症センター」で研修する看護師ら=2020年12月11日午前11時9分、大阪市住吉区の大阪急性期・総合医療センター 写真提供:産経新聞社
鈴木)もう1つは、怪文書が出回っているのですが、これは9月に菅さんを降ろすという、「菅おろし」です。任期満了で選挙というスケジュールまで入った怪文書が出回っていて、これも、さもありなんと。このまま支持率が低ければ、「菅さんでは戦えない」ということです。
飯田)看板を変えて。
鈴木)だけど、どちらにしても、針の穴を通すようなタイミングであることは間違いない。このコロナのなかで、4月解散に国民がOKと言うかというと、なかなか難しい。
大阪で新型コロナワクチン接種開始 ワクチン接種の準備をする看護師ら=2021年2月19日午後0時4分、大阪市中央区の大阪医療センター 写真提供:産経新聞社
鈴木)もう1つだけ言うと、総務省の某幹部と話したら、「ああ」と思ったのだけれど、「選挙できません」と言うわけですよ。
飯田)選挙ができない?
鈴木)コロナのワクチンを打つので、全国の自治体で、職員も応援してワクチンにかかっているのです。そしてその集団接種の場所について……。
飯田)開票センターや投票所を使う場合もある。
鈴木)物理的にいま、自治体の職員はワクチンに全力をあげているから、ここに選挙の事務なんて無理だと。ワクチンが落ち着くまで無理だと、総務省の幹部がそう言っていたので、「なるほどな」と思いました。そういうことも、菅さんの解散権を奪ってしまう要因になっているのかも知れない。ということは、本当に解散のタイミングは針の穴を通す、もしくは任期満了ギリギリになるかも知れません。
東日本大震災の1年後に自衛隊周辺の土地を抑えに来た中国と韓国~土地取引規制法案
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月18日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。安全保障上重要な施設周辺の土地の売買などを規制する「土地取引規制法案」について解説した。
【松島基地にF2戦闘機が帰還】東日本大震災の津波で大きな被害を受けた航空自衛隊松島基地に、三沢基地から第21飛行隊が帰還、F2戦闘機が展示飛行を披露した。展示飛行を終え、格納庫に戻るF2戦闘機=2016年3月20日 写真提供:産経新聞社
自衛隊の基地、駐屯地など、安全保障上重要な施設周辺の土地の売買などを規制する「土地取引規制法案」をめぐり、政府与党内の調整が続いている。政府が当初目指した3月上旬の閣議決定がずれ込み、3月内の決着は微妙との見方も出て来ている。
飯田)自民党は推す人が多いようですが、公明党が反対しているという報道もあります。
【東日本大震災10年】釜石祈りのパークに手向けられた多くの花=2021年3月12日、岩手県釜石市 写真提供:産経新聞社
鈴木)反対というより、「慎重」という表現の方がいいのかも知れませんが、公明党の事情もいろいろあるようです。この問題で、私が「へえ」と思った実体験があります。2011年に東日本大震災が起こり、私も取材に通っていました。そして1年後に宮城の石巻に取材に入ったときに、ある経済団体の関係者が「中国と韓国からたくさん人が来ているのですよ」と言うのです。「何をしに来ているのですか」と聞いたら、韓国は、「再生へ向けて、新しい事業を一緒にやりませんか」という、経済の話で来ている。中国も、壊滅状態になっている東北で、「サプライチェーンで組んで一緒にやりませんか」というような話なのですが、「あとは土地を探しているのですよ」と言うのです。
飯田)土地ですか。
鈴木)土地を買いに来る。あれだけの被災地ですから、土地がどうなるかわからない。もう手放している方もいる。そういう話かなと思ったら、それだけではなくて、東北にも自衛隊の基地があって、安全保障上、再整備をするわけです。「そういう周辺の土地を抑えるのです。そのために来ているのですよ」と言うので、「へえ」と思いましたね。1年だとまだ荒地で、津波でやられていて、何も整備されていないのです。
飯田)瓦礫の処理が問題になった時期ですよね。
鈴木)そのときにもう、そういうことで入って来ている連中がいるのだということで、驚きました。記事にもしました。
【東日本大震災10年】地震発生時刻を迎え、防潮堤の上で黙とうする住民ら=2021年3月11日午後、岩手県宮古市田老 写真提供:産経新聞社
飯田)先週1週間、東北を取材して回ったのですが、石巻の日和山公園というところに風光明媚な桜の名所がありますけれども、あそこでたまたまなのですが、ブルーインパルスの訓練を目撃したのです。隣に松島基地という航空自衛隊の大きな基地がありますが、あの辺りは日本の防空の要であるということも考えたのですね。石巻に目をつけたということは。
鈴木)そうなのです。怖いなと思いました。そういうときに、土地の規制はどうなっているのかと取材をしたら、一応あるのです。ルールはあるのだけれども、相当甘いということで、「これはいつか手をつけなければダメですよね」という話をした実体験もありますが、この議論は非常に大事だと思います。そのころからずっと議論が続いているということなのです。
政治 自民3氏、深夜会食で離党 謝罪する、松本前国対委員長代理、大塚国対副委員長、田野瀬文科副大臣=2021年2月1日午後、自民党本部 写真提供:産経新聞社
鈴木)自民党は「ここで行くしかない」ということはあるのだけれど、公明党の事情で言うと、実は公明党のなかでは、私権を制限するような法律になりますから、それでいいのかという議論は当然あります。公明党のなかで「これは安全保障上、大事ではないか」とこの座長をやっていたのが、遠山清彦さんなのです。遠山さんはご存知のように、夜の銀座での会食が明らかになって、議員辞職されました。安全保障は彼の1つの得意分野だったのです。彼がこの問題を自民党とうまく一緒にやって行こうとしていたけれど、彼が抜けてしまい、公明党内で慎重論が出て来た。それで自公でなかなか話し合いがうまく行かないということはあります。それから、公明党は最大の支持団体の創価学会が、人権や平和ということをとても大切にしていますから、そういうこともあって、自公のズレが出て来ているのかなという感じもします。
2021年3月16日、発言する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202103/16kaigi.html)
鈴木)あの大惨事の直後に、もう土地を探していたという。恐ろしい話です。
飯田)すべてを機会として、隙あらば、という。その土地をどう使うかということは、もちろんわからないけれども。
鈴木)もちろんです。必ずしもすべてがそうだとは言わないけれども、安全保障ということを考えたときには、ある程度の制限は議論しなければいけない。これに、また時間がかかっている。
飯田)もう10年経っているわけですよね。
鈴木)これをやっているうちに、海外でいろいろな体制が変わって、安全保障の仕組みも変わって行く可能性もあります。早い結論が必要だと思います。
キャンプ場に少女遺体、誘拐の男が母親にLINEで「ごめん」
浜松市天竜区のキャンプ場で16日、市内の女子中学生(15)が遺体で見つかった。静岡県警は17日、現場にいた福岡市の男が、中学生を誘拐したとして、未成年者誘拐の容疑で逮捕した。男は「(一緒に)自殺しようとした」という趣旨の話をしており、県警は練炭自殺の可能性も視野に、知り合った経緯などについて慎重に調べている。
逮捕されたのは福岡市東区唐原、無職の男(33)。発表によると、男は15日午後1時半頃、浜松市在住の中学生の少女(15)を市内で車に乗せ、連れ回した疑いが持たれている。
少女はこの日、学校に行っておらず、午後1時頃に自宅を出た後に行方が分からなくなっていたという。少女が帰宅しなかったため、家族が翌16日未明に県警に行方不明を届け出た。県警が少女の携帯電話の位置情報などを基に捜索していたところ、同日正午頃、浜松市天竜区の山中にあるキャンプ場のテント内から遺体を発見したという。
男はその際、テントの近くにいた。これまでの県警の調べに対し、「自殺しようと思ったが自分だけ死にきれなかった」という趣旨の供述をしているという。消防などへの取材によると、男は少女と練炭自殺を図ろうとした可能性がある。
キャンプ場の管理人の話では、2人は15日に車で訪れたとみられ、自前のテントを用意していた。夜に料金を徴収することになっており、その際に変わった様子はみられなかったという。
少女が通っていたとみられる中学校の教職員は取材に対し、「少女と同姓同名の生徒が在籍しており、17日に行われた卒業式を欠席した」と話した。少女の父親は17日、「私たち家族は、心の整理がつかない状態です」とのコメントを出した。
一方、男の母親は17日、読売新聞の取材に応じ、「(男は)1週間前から自宅に戻っていない。LINE(ライン)で『ごめん』と入っていたので、気になって何度も電話したが連絡が取れなかった。警察から連絡もなく、何があったのか分からない」と困惑した様子で話した。
県警は少女の死因を調べるとともに、2人がSNSなどで知り合ったとみて、携帯電話の記録解析などの捜査を進めている。
入管収容女性死亡「見殺しにされた」 支援団体、真相公表を要請
名古屋出入国在留管理局(名古屋市港区)に収容されていた30代のスリランカ人女性が施設内で死亡した問題で、女性を支援していた団体「START」(外国人労働者・難民と共に歩む会)が18日、同管理局に真相公表を申し入れた。メンバーらは周辺で抗議集会を開き、「なぜ助けなかったのか」「(管理局は)変わってほしい」などと訴えた。
申し入れ書では「事件は医療放置により引き起こされた。管理責任を明確にさせ、謝罪の意を表明し、一日も早く真相を公表して。二度と起こさないためにも、送還一本やりの方針から当事者の事情を配慮し救済する方針にしてほしい」としている。同管理局側からは「私たちも本省(法務省)の調査を受けている立場なので答えられることはない」と回答があったという。
集会では、支援者ら約10人が1分間黙とう。同団体顧問の松井保憲さん(66)は「入院や点滴を申し入れたが入管からは『大丈夫』と繰り返された。見殺しにされたと言わざるを得ない。引き続き抗議し、改善策を働きかける」と話した。支援者らは「絶対に許さないぞ」「真相を公表しろ」などと、同管理局に向かってシュプレヒコールを上げた。
支援者の要請を受け、同管理局は施設内に、死亡した女性の関係者向けの献花台を16日に設置。東京から駆けつけたナイジェリア人女性は「外国人も日本人も同じはずなのになぜ助けられなかったのか」と話し、涙を浮かべていた。
この問題では、在留資格の無かった女性が2020年8月に同管理局に収容されたが、21年1月に体調が急変し、嘔吐(おうと)を繰り返すようになった。同団体は管理局側に入院措置などを求めていたが受け入れられることなく、女性は3月6日、居室内で脈がない状態で見つかり、緊急搬送先の病院で死亡が確認された。この問題について、法務省は支援団体に話を聞くなど調査を進めている。【川瀬慎一朗】
巨大地震リスクを抱えながら「東京一極集中」を解消しない日本の思考停止
※本稿は、成毛眞『2040年の未来予測』(日経BP)の一部を再編集したものです。
遠くない将来に確実起きるといわれているのが、南海トラフ地震と首都直下型地震である。
これらはどれくらいの確率で起きるだろうか。
マグニチュード(M)9級の南海トラフは、30年以内に70~80%、M7級の首都直下型は30年以内に70%の確率で起きると予測されている。今後30年で交通事故に遭遇して怪我を負ったり、死んだりする確率(1.05%)よりはるかに高い。
被害もすさまじい。南海トラフは、死者行方不明者数は最も多い場合だと23万1000人、全壊・全焼する建物は209万4000棟としている。
首都直下型地震の場合は、死者数は2万3000人、家屋の全壊・全焼は61万超棟と想定する。
人的被害だけみても莫大だが、首都圏や東海という日本の屋台骨がダメージを負うので、経済の停滞も避けられない。
電気や上下水道などのライフラインや交通が長期にわたり麻痺し、交通渋滞が数週間継続するかもしれない。鉄道も1週間から1カ月程度運転ができなくなるだろう。
首都直下型の場合、避難者数は720万人に達すると想定されており、通常モードになるまで、混乱が数年、いや数十年続く可能性すらある。
地震発生から20年間の経済損失は、首都直下型で778兆円、南海トラフで1410兆円になると推定している。建物の被害だけだとそれぞれ47兆円と170兆円だが、交通インフラが寸断されて工場が長期間止まる影響など、間接的な影響が重くのしかかる。
国の年間予算が約100兆円だ。いかに巨大なリスクかがわかるだろうか。どちらの地震による被害も「国難」級だと指摘している。
そして、この試算も、もしかしたら甘いかもしれない。
というのも、政府は南海トラフ地震の被害を以前よりも低く見積もったからだ。防災意識が高まっているからとしているが、果たして、国民のどの程度が、今、日本が置かれている危機を想像できているだろうか。
現在想定されている南海トラフ地震は東海地震、東南海地震、南海地震の震源が連動して起きる地震が濃厚だ。首都圏から九州までの広域な被害が生じる可能性が高い。日本全体が麻痺しかねない。
おまけに、その時期を前後して、首都直下型地震も起きるリスクを抱えている。
首都圏は、2つの巨大地震で壊滅的なダメージを受ける可能性が出てくる。
だが、これほどの危機を認識しながらも、現状では抜本的対策を打ってきていない。
たとえば首都直下型の場合、想定される死者の7割にあたる1万6000人は火災が原因だ。被災地全体で約2000件の火災が発生し、そのうち約600件は消火が間に合わず、同時多発的に大火災が起こると推測されている。
建物の過密を減らし、耐震強化を徹底すれば、死者は想定される10分の1の2300人に減らせるという対策も示されているが、対策が進んでいる気配はない。
また、間接の経済被害も、道路や港湾、堤防といったインフラの耐震工事などを進めれば、被害を抑えられるはずだろう。これらの対策には10兆円かかるが、778兆円の被害が530兆円程度に減る試算もある。
財源の問題を指摘する声もあるだろう。それならば、東京一極集中を見直せばよい。経済活動の3割を地方に分散すれば、首都直下地震による被害額は219兆円軽減できるという試算もある。
自然災害はパンデミックとは関係なく襲ってくる。近代日本ではこれらが重なったことはないが、1918~1920年に猛威をふるったスペイン風邪の3年後の1923年は、関東大震災が起こっている。
弱り目に祟り目というが、こちらの都合に関係なくウイルスは到来するし、自然災害も起こる。巨大地震のリスクから目を背けている余裕はないのである。
災害大国日本で想定しなければならないリスクは地震だけではない。火山だ。万が一、首都圏近郊で大噴火が起きれば影響は広範に及ぶ。京都大学大学院人間・環境学研究科の鎌田浩毅教授は「火山学的に富士山は100%噴火する」と断言している。
日本の活火山は現在111あるが、このうち50を常時観測が必要な火山として、24時間体制で気象庁が監視している。
たとえば、2019年から小規模噴火している浅間山がある。江戸時代の1783年に大噴火した際には1600人規模の死者を出した。噴火は約90日続き、火山灰は今の東京や千葉県にまで降り注いだ。
富士山が最後に大規模噴火したのは1707年だが、そのときは16日間、噴火が続き、現在の東京の都心部に5センチ、横浜には10センチの火山灰が積もったとされる。
5センチと聞くと影響がないように思えるかもしれないが、数ミリ積もるだけで、車道は通行不能になり、飛行機などもエンジンが動かなくなり、公共交通機関も麻痺するだろう。物流もストップする。
インフラの崩壊は道路だけにとどまらない。東京湾周辺に集中する火力発電所の発電機は火山灰を吸い込んで動かなくなるだろうし、コンピューターに火山灰が入り込めば通信機能もダウンするはずだ。数センチも積もれば火山灰の重さで送電線は倒壊し、停電は長期化する。農作物も全滅だ。噴火で起きた泥流や火山灰が川をせきとめ、決壊などすれば流域では浸水などの被害もでる。
数百年前に起きた噴火事例を参考に予測すると、こうした地獄絵図が広がる。「たられば」話に映るかもしれないが、現代の大都市で大規模な噴火の影響を受けたケースは世界的にも少なく、モデルケースがない。
政府が試算した首都圏が受ける被害は、噴火後の15日目に都心部では10センチほど積もり、約5億立方メートルの火山灰を都内から撤去しなければならなくなる。これは東日本大震災で発生した廃棄物の10倍にあたる。政府も対策を検討している最中なのが実情だ。
ちなみに、すぐに逃げようとしても、噴火から約3時間で都心は火山灰の直撃を受ける。国外へ逃げるのは難しいだろう。そして、国内ならばどこに逃げたところで、厳しい生活を強いられるはずだ。
おそらく1年以上、首都圏は機能しなくなる。日本経済が止まれば全世界の経済は滞り、世界のGDPは年率5%程度は下落するはずだ。
株価は絶望的に下落するだろうし、不動産価値は紙くずになるはずだ。
とはいえ、2040年代の日本は落ちぶれたとはいえ、いまだ世界有数の経済国であることは間違いないだろうから、ハイパーインフレにはなりにくい。世界経済のために、諸外国が支えてくれるだろう。
こう考えると、預貯金は金利の面ではうまみがないが、国内株や国内の不動産よりは、意外にも普通預貯金が目減りしないという意味では安全な資産になるかもしれない。いずれにせよ、そうしたリスクの震源地になる国に我々は住んでいることを忘れてはいけない。
日本ではこの300年ほど大きな噴火は起きていないが、歴史的には珍しい。逆にいえばいつ起きてもおかしくないともいえる。現代の科学の力では、地震や火山がいつ起きるかは正確に予測できないが、いつかは起きる前提での備えが必要だ。
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(HONZ代表 成毛 眞)
選択的夫婦別姓「反対」の急先鋒・高市前総務相「旧姓の通称使用を拡大すればいい。あくまで日本は日本だ」
「選択的夫婦別姓」を導入すべきか否か。これがいま、国会論戦などでテーマとなっている。日本では現行法上、結婚すると戸籍上の姓(法律上は氏)は夫婦同一となるが、別々にするのが認められると、夫婦で責任を共有して子供を育てるという「家族の一体感」は損なわれかねない。こうした理由から導入に慎重な高市早苗前総務相に、「夫婦別姓」の危うさについて聞いた。
◇
「日本は歴史上、あくまで『家族』を社会の基礎単位と考えてきた。夫婦親子同姓という戸籍上のファミリーネーム(家族の名称)は明治時代以来、公序良俗として確立し、社会に定着している。これからもしっかり守るべきだ」
高市氏はこう語った。
同氏は「夫婦別姓」に慎重な自民党有志による議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の共同代表を務めるなど、党内きっての「別姓反対派」で知られる。
「別姓賛成派」は「結婚で夫婦の一方が姓を変えると、仕事上の連続性がなくなる。自分が自分ではなくなる気がする」などと主張している。
これに対し、高市氏は「戸籍の姓と旧姓の併記が、既にマイナンバーカードやパスポート、住民票などのほか、弁護士など多くの国家資格で認められている。旧姓を通称使用できる企業も増えている。姓を変えることで不利益があるというなら、家族の一体感を守るためにも夫婦同姓を堅持したうえで、旧姓の通称使用の拡大でなくすのが現実的だ」と反論する。
高市氏は、仮に夫婦別姓が認められた場合に、従来の夫婦同姓の制度と一体不可分である戸籍制度に、大きな影響が出ることを懸念している。
「結婚すると、夫婦やその間に生まれた子供は同じ戸籍に登載され、姓は『家族の名称』という意味を持つ。だが、別姓になれば姓は単なる『個人の名称』になる。たとえ『選択制』にしても、家族の呼称を持たない存在を認める以上、結局は制度としての家族の呼称は廃止せざるを得なくなるだろう。事は家族の根幹に関わる。『夫婦別姓』を認めると、子供が夫と妻のどちらの姓を名乗るのか、どの時点で決めるかといった問題も生じかねない。より慎重な議論が必要だ」
「別姓賛成派」は「国際社会で夫婦同氏を法律で義務付けている国は、日本以外に見当たらない」ともいう。
高市氏はこれも「モンゴルのように名字がない国もあれば、かなり長いミドルネームを付ける事例もある。家族をめぐる諸制度は、各国の歴史や文化に根差すものだ。あくまで日本は日本なのだ」と一蹴する。
そのうえで「別姓推進派は『別姓反対=男女共同参画反対』と結びつけようともするが、これも違う。そもそも男女共同参画とは、男性でも女性でも働きやすい職場を作るもので、戸籍上の氏をめぐる問題とは全くの無関係だ」と語っている。