2006年9月に原子力安全委員会が耐震指針を改定し、既存原発が新指針に適合しているかを調べる「バックチェック」が始まった直後の07年7月、新潟県中越沖地震が東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)を直撃した。東電と経済産業省原子力安全・保安院は震源の海底活断層の存在を03年には知っていたが、一般には公表していなかった。「不都合だから隠していた」との厳しい批判にさらされた東電の担当者は「同じことは繰り返さない」と心に誓ったはずだったが、上司の方針により、福島第1原発の大津波想定でも同じ「過ち」を犯すことになる。(共同通信=鎮目宰司)
▽風当たり
07年12月5日、東電の高尾誠氏は柏崎刈羽原発で記者会見に臨んだ。中越沖地震を起こした活断層を公表していなかったことの釈明だ。本社で地震や津波関係を担当する高尾氏が地元への説明役に呼ばれた。新たな海底活断層の存在を公表すると原発の運転に支障が出るかもしれない―。だから隠したのではないか―。「隠蔽体質」との激しい批判が巻き起こった。
新潟県中越沖地震で火災が起きた柏崎刈羽原発3号機の変圧器を視察する経産省原子力安全・保安院の作業部会メンバー=2007年10月
03年当時、保安院に活断層の存在を報告するなど手続きは踏んでいる。だが4年後に地震が起きると「運転に影響がでたのは土木担当の責任だ」などと社内の風当たりが強まった。
「次は秘密にせず、速やかに公表しよう」。福島原発事故後、法廷で当時そう考えたと証言した高尾氏は、07年11月ごろから本格化させた原発の津波想定問題に熱心に取り組むことになる。バックチェックの一環だった。
▽因縁
福島第1原発を襲う可能性がある津波を想定する上で課題となるのが、02年7月に政府・地震調査委員会が公表した地震予測「長期評価」だった。福島県を含む東北太平洋岸で大津波が起こる危険を警告していた。高尾氏は当時、保安院に呼び出されて福島第1への津波の高さを計算し直すよう求められたが、粘って計算をせずに切り抜けた経緯がある。
今回のバックチェックでは、長期評価に対して同じ太平洋沿岸に原発を持つ東北電力、日本原子力発電などと歩調を合わせる必要があった。他社の担当者に、長期評価に基づく津波想定の必要性を説いたのは高尾氏だったとされる。
07年12月、高尾氏から長期評価を考慮する必要性の説明を受けた原電の担当者のメモによると、高尾氏は「後で(当然すべきことをしない)不作為であったと批判される」と話していた。
▽報告
率先して津波想定を見直していた東電は08年3月、「困った事態」に直面する。長期評価を基に、過去に起きた津波のデータを利用して計算すると、福島第1原発は最大15・7mの大津波に襲われるとの結果になったのだ。それまでの高さ5~6mとしていた想定とは天と地ほど違う。
そんな津波が来れば、高さ10mの敷地に原子炉建屋4基が並ぶ福島第1は水没し、緊急用の炉心冷却系統などの電気設備が使えなくなる。
東京電力が事故前に作成していた福島第1原発の最大浸水想定図(東電株主代表訴訟提出資料より)
これを防ぐには10mの敷地の上に高さ10mの壁を造る必要がある。こんな計算結果を公表すれば、原発の運転が続けられなくなるかもしれない。だが、これを公表せず、高尾氏ら担当者で抱え込んだままでは中越沖地震の二の舞いだ。高尾氏は上司の酒井俊朗氏、部下の金戸俊道氏と共に、彼らの上司である原子力設備管理部長の吉田昌郎氏に報告した。吉田氏も事態の重大さに「私では判断できない」として、原子力・立地本部副本部長で常務の武藤栄氏に判断を仰ぐことを決めた。
▽経営判断
武藤氏への説明は2回行われた。最初に15・7mの計算結果を報告したのは6月10日。大きく跳ね上がった数値に武藤常務は仰天し、長期評価の根拠などについて質問を重ねた後、宿題を出して再度説明するよう求めた。防潮堤など対策工事の結論は、この時は保留された。
7月31日、東電本店の会議室であった2回目の説明会で、酒井氏は陸の防潮堤と海の防波堤を組み合わせる大規模工事が必要だと説明した。費用は数百億円、工期も年単位だ。
30分ほどの説明を聞き、武藤氏は「(津波計算の)信頼性が気になるので第三者に見てもらった方がいい。外部有識者に頼もう」と切り出した。津波想定の見直しも対策工事も「先送り」するというのだ。
東京電力の武藤栄元副社長=2019年9月
武藤氏の指示は「保安院へのバックチェック報告は現状の津波想定でしのぐ」「津波評価の再検討を土木学会の有識者に委託する」「津波対策は東電の自主的な見直し作業として行う」との趣旨だった。
保安院が待ってくれる保証はない。酒井氏は「審査に間に合わないです」と口を挟んだが、武藤常務は「未来永劫、対策を取らないわけではない」と譲らない。酒井氏は予想外の展開を受け入れた。金戸氏は「経営判断だ」と考えた。だが、高尾氏は、本人の弁によれば「予想しない結論に力が抜け、やりとりを覚えていない」。柏崎刈羽の教訓は生かされなかった。
▽理由
指示を受けた酒井氏は急いで自席に戻り、東北電と原電の担当者たちにメールを出した。東電が主導してきた、長期評価に基づく対策が白紙になったことを伝えるためだった。
8月6日。東電から原電に出向し、津波問題を担当していた安保秀範氏は、酒井氏に白紙撤回の理由を尋ねた。「(中越沖地震で)柏崎刈羽も止まっているし、これと福島も止まったら経営的にどうなのかってことでね」と説明されたと、安保氏は原発事故後、東京地検の聴取で話した。(つづく)
「砂上の楼閣」第7回はこちら
https://www.47news.jp/47reporters/5940942.html
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「眞子さまも冷静になってくだされば…」 佳子さま「回答拒否」、承子さま「結婚と交際は別」それぞれのお考え
「眞子内親王の結婚については、国民の間で様々な意見があることは私も承知しております。このことについては、眞子内親王が、ご両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております」
秋篠宮家の長女・眞子さま(29)と小室圭さん(29)の結婚について、天皇陛下は誕生日に際した記者会見でこのようにお考えを述べられた。
宮内記者会からの代表質問には「眞子さまは、小室圭さんとの結婚についてのお気持ちを公表した文書で『天皇皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっていることに、深く感謝申し上げております』と記されました。秋篠宮さまは結婚を認める考えを示されましたが、陛下はどのようにお考えですか。お二人の結婚に関して国民の間で様々な意見があることについて、どのように捉えていらっしゃいますか」とあったが、陛下は昨年11月に眞子さまが公表された文書については直接言及されなかった。
陛下は「あえて厳しいことをおっしゃったという印象」
「陛下は誕生日会見で、眞子さまが公表されたお気持ちに同調されたというわけではなく、むしろあえて厳しいことをおっしゃったという印象を持ちました。新型コロナの感染拡大の影響で、国民と直接触れ合うことが極めて難しくなっていることに、強い危機感を覚えていらっしゃるでしょう。東日本大震災から10年の節目を、両陛下は緊急事態宣言下の東京で迎えられ、国立劇場で行われる『東日本大震災十周年追悼式』に出席されます。
小室さん側の説明が待たれることはもちろんですが、これは眞子さまご自身の問題でもあるということを示されたようにも感じました」(秋篠宮家関係者)
「陛下のお言葉を機に、眞子さまも冷静になってくだされば…」
これまでに陛下は眞子さまと小室圭さんのご結婚について、公にご意見をおっしゃることはなかった。今回の誕生日会見でのご発言を受けて、陛下は天皇家の「家長」というお立場から現状を非常に心配しておられるのではないか、と推察する声とともに、このような声も聞こえてきた。
「陛下が『多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております』とおっしゃったことで、正直に申し上げてほっとしました。眞子さまが公表された文書だけを拝見すると、両陛下が小室さんとのご結婚を好意的に見守られているようにも受け取ることができ、意見を申し上げることがはばかられました。陛下のお言葉を機に、眞子さまも冷静になってくださればよいのですが……」(宮内庁関係者)
小室圭さんの母・佳代さんと元婚約者の男性の間で起きた金銭トラブルをきっかけに、眞子さまのご結婚問題は3年以上のあいだ解決の糸口が見えない状態が続いている。秋篠宮さまはお二人の結婚を「認めるということです」とおっしゃったが、国民からの懸念や反対の声は根強く残ったままだ。
守谷絢子さん「両母親のつないだ素敵なご縁だったのかなと思っております」
皇室典範は、「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と定めている。近年、結婚によって皇籍を離れられた女性皇族は、上皇ご夫妻の長女・紀宮さま(現・黒田清子さん)、高円宮家の次女・典子さま(現・千家典子さん)、三女・絢子さま(現・守谷絢子さん)だ。
「私に守谷さんを紹介した母の思惑がどうであったのかはわかりませんが、二人でさまざまな場所へ行き、時間や思い出を共有していく中で、自然とお互いに惹かれあい、今日という日を迎えられましたことは、両母親のつないだ素敵なご縁だったのかなと思っております」
2018年7月2日に行われた絢子さま(30)と日本郵船に勤務する守谷慧さん(34)の婚約内定記者会見は、お二人の初々しい笑顔と終始和やかな雰囲気が深く印象に残っている。
母の久子さまは「私としてはご両親を存じ上げており、亡くなったお母さまの、深い愛情をもって世界の子供たちと接するお姿を思い出すと、そのお母さまに育てられたご子息はしっかりとした価値観をもつ優しい青年であろうと思い、結婚に賛成いたしました。良いご縁と喜んでおります」と宮内庁を通じてご感想を公表された。久子さまは2017年11月、「国境なき子どもたち」の設立20周年記念レセプションで守谷さんとお会いになり、その人柄に好感を持たれてから、久子さま主導でお二人を引き合わせられたようだ。
承子さま「結婚とお付き合いするのとは、完全に別」
高円宮家の長女・承子さま(35)は取材に対し「昔から私、結婚とお付き合いするのとは、完全に別だと思ってきました」とお考えを述べられたこともあった(「週刊新潮」2014年9月4日号)。 高円宮家では、「結婚相手と交際相手は別」という方針を3人の女王殿下方が受け入れてこられたように見える。
承子さまはイギリスご留学中に「胸にヤモリの刺青入れたい」「ディスコに行って、帰って来たら朝4時」といったSNSへの書き込みをなさっていたことが2007年に明らかになり話題を呼んだが(「週刊文春」2007年2月8日号)、2013年からは日本ユニセフ協会で勤務され、今年2月には世界の若者が犯罪防止や刑事司法について話し合う「京都コングレス・ユースフォーラム」の開会式に出席されるなど、公務も続けられている。
佳子さま「結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています」
対照的に思い出されるのは、秋篠宮家の次女・佳子さま(26)のお言葉だ。
眞子さまのご結婚について、国際基督教大学ご卒業に際しての文書回答の中で「姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」、ご自身のご結婚やお相手については「お答えするつもりはございません」とはっきりお考えを述べられている。
お相手がいるか「今後も含めお答えするつもりはございません」
「結婚の時期については、遅過ぎずできれば良いと考えております。理想の男性像については、以前もお答えしていますが、一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております。相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません」(佳子さまの国際基督教大学ご卒業に際しての文書回答)
眞子さまは、昨年11月に公表された文書の中で「お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」と痛切な思いを綴られている。こうして振り返ると、秋篠宮家の眞子さまと佳子さまは、「憲法にも結婚は両性の合意のみに基づくというのがあり、親としては尊重するべき」という秋篠宮さまのお考えのもとでお育ちになり、率直にご自身のお考えを表明をなさっていることが伝わってくる。
政府は、安定的な皇位継承について議論する有識者会議を3月内にも開催すると報じられたが、 昨年にわかに持ち上がった「皇女」制度の創設検討も含めて、本格的な議論はなされるのだろうか。眞子さまのご結婚問題の進展にも、何らかの影響があるかもしれない。
(佐藤 あさ子/文藝春秋 digital)
【独自】餓死前の男児に歩行困難の異変、ママ友「仮病」「寝れば治る」と取り合わず
福岡県
篠栗
( ささぐり ) 町で昨年4月、5歳の男児が餓死し、母親と知人の女が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された事件で、男児は死亡する前に複数回、歩行困難などの異変が出て、母親が女に伝えたにもかかわらず、女は「仮病」「寝れば治る」などと取り合わなかったことが、捜査関係者への取材でわかった。県警は、日常的に母親に指示を出していた女が事件を主導したとみている。
発表では、母親の
碇
( いかり ) 利恵(39)、知人の赤堀恵美子(48)両容疑者は、碇容疑者の三男・
翔士郎
( しょうじろう ) ちゃんに食事を与えないなどし、昨年4月18日、死亡させた疑い。
捜査関係者らによると、翔士郎ちゃんがふらつくなどの症状が出たため、碇容疑者は赤堀容疑者に「体調が悪い」と訴えた。しかし、赤堀容疑者は相手にせず、病院に連れて行かせなかった。
また、赤堀容疑者は翔士郎ちゃんを名指しし、碇容疑者に「一切食べさせるな」と指示していたこともわかった。翔士郎ちゃんは水だけで約10日間過ごしたこともあった。翔士郎ちゃんは同年3月下旬頃には重度の低栄養状態に陥っていたという。
発表によると、碇容疑者は容疑を認める一方、赤堀容疑者は「死亡したのは自立していない母親のせい」と否認しているという。
菅義偉首相が連発する「言い間違い」、“隠れたホンネ”を臨床心理士が分析
「菅首相は、もともとコミュニケーションをとるということを得意としていないと思うんですね」
そう話すのは、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖先生。昨年9月の政権発足時は62・3%あった菅内閣の支持率。だが、2月中旬に行われた朝日新聞社の世論調査では34%と3割台にまで低迷している。
政府の後手後手に回る新型コロナウイルス対策など、低迷する理由はさまざま。
その中でも目立つのが、菅首相の重要な場面で多発する“言い間違い”だ。
例えば、1月18日から始まった通常国会で臨んだ施政方針演説。菅首相は衆院本会議ではほぼ原稿をそのまま読み上げたのだが、
「参院本会議では、新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言について“徹底的な対策”を“限定的な対策”と言い間違えてしまった。過去にも政権への期待について“そこにある”を“そこそこある”と言ったことも」(政治部記者)
前出の藤井先生はこう話す。
「官房長官時代は淡々と発信したいことを発信することに集中できていました。ですが、首相になってからはそうはいかない」
下を向いて原稿を読み上げる姿に、当時はデキる官房長官という印象を持った人も多かっただろう。
「首相になってからは“発信の仕方”というものがより注目されるようになりました。下を向いてボソボソ話すのでは“強いメッセージが伝わらない”と世間から指摘されるように」(藤井先生、以下同)
内容を正確に伝えることに加えて、工夫して効果的なコミュニケーションをとる必要が出てきたのだ。
「話すときに、気にしなければならないことが増えた。そうすると、言い間違いや口癖は出やすくなります。本人の素であったり、普段考えていることであったり。自分がよく使う言葉も出やすくなってしまいます」
菅首相は官房長官時代にも、重大な言い間違いをしている。’19年3月11日に開かれた東日本大震災8周年追悼式の開式の辞で“追悼式”と言うべきところを“記念式典”と言ってしまったのだ。同日に行われた記者会見で、言い間違いを謝罪した。この騒動に対して藤井先生は、
「菅首相は“記念式典”にいっぱい参加されているんだろうなと思いました(笑)。だからポロッと出てしまったんだと思います」
1月13日、緊急事態宣言の対象地域拡大を伝える際、“福岡”を“静岡”と言ってしまったことには、
「特別な感情があるわけではないと思います。自分の中でよく行く場所だったり、言いなれた言葉をつい選んでしまっただけでしょう」
この2つにはあまり意味は感じない、と藤井先生。だが、菅首相の本心が表れた言い間違いがあるという。
「1月22日、緊急事態宣言の延長について“翌月まで延長”を“翌日まで延長”と言ってしまったことがありましたよね。あれに関しては、菅首相の深層心理が表れています。さすがに翌日までとは思っていなかったでしょうが“緊急事態宣言をなるべく早く終わらせたい”という思いでしょう。GO TOトラベルを推し進めていましたから」
見られ方や話し方を気にしすぎてしまうことで、話す内容の注意力のキャパシティーがいっぱいになって、ついつい本音が出てしまう。
「このときは菅首相の“自分はこの方向性で進めていきたい”という思いが完全に透けてみえましたよね」
言い間違いだけでなく、菅首相の一方的なお願いばかりする答弁も気になる、と藤井先生。
「国民全員でコロナに立ち向かっているわけですから、見返りを求めるものではないのですが、通常の人間関係に置きかえると、お願いばかりされていると受け入れられなくなるもの」
昔の政治家は今よりも権威があったのでトップダウン的な考え方も受け入れられたが、
「SNSを通じてほかの人がどんな意見を持っているのかをみんながわかる時代。いい意味でも悪い意味でも物事を客観的に考えられるようになっています」
そんな現代においては、
「“一緒にやりましょう”“僕はこれをやりますから、みなさんはこれをしましょう”という“取引”のようなコミュニケーションが受け入れられやすいです」
そんな菅首相にも、コミュニケーションにおいて評価できる部分もあるという。
「あの朴訥さは、国民に好意的にとらえられているでしょう。菅首相は話すと独特のイントネーションがあって、そこにポジティブなイメージを持つ人もいます」
日本人は郷土意識が強く、その地方に住んでいなくても、方言を話すだけで好印象を持たれる傾向は高いという。
「関西弁の芸人さんが全国的に人気が出るのはそういった理由があります」
最近は菅首相も話し方にも気をつけているようだが、
「一応、カメラ目線になったり、ボソボソ話すのではなく口を開けて歯を見せるようにして話すようにしたり。頑張ってはいると思います。ただちょっと勘違いしているのは、声を大きくしたり語気を強めたりすれば、強いメッセージが伝わるわけではないと言いたいですね(笑)」
声は小さくていいという。「菅首相が側近の議員に話すときと、支持者と話すとき。この社会的な場面とプライベートの中間くらいの声のトーンで話すのがいい。菅首相はそういった人たちの心をつかんできたはずです」
そうでなければ政治家なんて続けていられないはずだ、と藤井先生。
「身近な人に話すように、記者に語りかけたら、印象はガラッと変わると思います」
支持率回復のカギは、菅首相本人の話し方が握っている──。
■菅首相の主な「言い間違い」リスト <官房長官> ’19年3月11日、大震災追悼式 ○追悼式 → ×記念式典 <首相> ’20年10月19日、ベトナムでの演説 ○ASEAN(東南アジア諸国連合)→ ×アルゼンチン ’20年10月29日、政権への期待について ○そこにある → ×そこそこある ’21年1月13日、緊急事態宣言の対象地域拡大で ○福岡 → ×静岡 ’21年1月22日、緊急事態宣言の延長で ○翌月まで → ×翌日まで
事実上更迭の谷脇総務審議官、携帯料金引き下げに関与…政策に影響も
NTTから接待を受けた総務省の谷脇康彦総務審議官に対する事実上の更迭処分は、総務、農林水産両省幹部の相次ぐ接待問題に揺れる菅内閣にとって、さらなる打撃となった。谷脇氏は、菅首相肝いりの携帯電話料金の引き下げに関与するなど、通信政策の司令塔役を担ってきた経緯があり、今後の政策遂行に与える影響を懸念する声も出ている。
「前回の調査の際に倫理法令に違反する行為をほかに行っていないか、再三確認した。にもかかわらず、新たな違反が疑われる行為が確認されたことは、甚だ遺憾だ」
武田総務相は8日、記者団にこう述べ、首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」に続き、利害関係者からの接待が判明した谷脇氏への憤りを隠さなかった。
谷脇氏は2月24日、東北新社から2018~20年に計4回の接待を受けたとして減給処分を受けた。総務省によると、谷脇氏はその際の調査ではNTTからの接待を申告せず、同省も繰り返し接待を受けていた事実を見抜けなかったという。
NTTは、総務省の利害関係者にあたる。同省は、NTTの事業計画の認可などの権限を持ち、強い影響力がある。子会社であるNTTドコモも、携帯電波の周波数の割り当てなどで同省が所管する電波法の縛りを受けている。
島根沖で巻き網漁船が転覆 乗員11人全員を救助
8日午後6時20分ごろ、島根県浜田市瀬戸ケ島町の馬島(うましま)灯台の北北西約21キロの海上で、巻き網漁船「第一吉勝丸」が転覆したと仲間の漁船から通報があった。浜田海上保安部によると、近くにいた仲間の船が、乗っていた11人全員を救助した。市消防本部などによると、うち1人が低体温症とみられる症状で病院に搬送されたという。
海保が巡視船を現場に派遣し、転覆の原因などを調べている。市水産振興課によると第一吉勝丸は19トンで、「漁業協同組合JFしまね浜田支所」に所属している。【小坂春乃】
死亡前、10日間水だけも 福岡の5歳男児餓死
福岡県篠栗町で5歳だった男児が餓死し、保護責任者遺棄致死の疑いで母親の碇利恵容疑者(39)と知人の赤堀恵美子容疑者(48)が逮捕された事件で、男児は死亡前、水しか与えられない日が連続で約10日間あったことが8日、捜査関係者への取材で分かった。
県警は2019年8月ごろから始まった赤堀容疑者による食事制限中、他にも断続的に食事を取れない日があったとみて、経緯を調べている。
捜査関係者によると、碇容疑者の三男翔士郎ちゃんは20年3月下旬には重度の低栄養状態に陥っていたとみられ、4月18日に死亡した。しょうゆと水を混ぜたものだけを口にする日もあった。
東京大空襲、名前読み上げ追悼 約10万人「みんな名前あった」
「富川俊彦、10歳、男性、深川区森下町」「大瀧時子、17歳、女性、城東区亀戸町」…。約10万人とされる東京大空襲の犠牲者らの名前を呼んで追悼する集会が8日、東京都江東区で初めて開かれた。410人の名前が約1時間かけ読み上げられた。
都は、1945年3月10日の東京大空襲を含む都内であった空襲の犠牲者8万1295人分の名簿を、墨田区の都立横網町公園にある追悼碑に納めているが、公開していない。母と弟2人を失った女性(81)=千葉市=らが「ひとくくりに10万人と言われても納得できない。みんな名前があった」として、この取り組みを始めた。
5歳児餓死 幸せな家庭「ママ友」で暗転 関係次々に断たれ…
福岡県篠栗(ささぐり)町で5歳男児を餓死させたとして母親と知人女性が逮捕された事件で、母親は知人女性が重ねたうそによって周囲との関係を次々と断ち切られていた。逮捕から9日で1週間。「子煩悩」と言われるほどわが子を愛していた母親が孤立を強いられ、知人女性に支配されていった構図が浮かび上がった。
母親の碇(いかり)利恵容疑者(39)と知人の赤堀恵美子容疑者(48)は、2019年8月ごろから碇容疑者の三男翔士郎(しょうじろう)ちゃんの食事の量や回数を減らし、20年4月18日に餓死させた疑いで今月2日、保護責任者遺棄致死容疑で県警に逮捕された。
碇容疑者を知る保護者たちは「あんなに子煩悩だったのに」と口をそろえる。碇容疑者はネット交流サービス(SNS)に翔士郎ちゃんのにキスする写真を載せていた。戸建ての庭先でバーベキューを楽しむ仲のいい家族で、幼稚園の園庭でサッカーをする翔士郎ちゃんをうれしそうに眺める碇容疑者の姿もたびたび目撃されていた。
県警によると、両容疑者は16年4月ごろ、篠栗町内の幼稚園で「ママ友」として知り合った。関係者によると、赤堀容疑者は他のママ友たちが碇容疑者の悪口を言っているなどとトラブルを捏造(ねつぞう)。「親族が裏切っている」という趣旨の話もして18年6月ごろから碇容疑者と親族の関係が悪化するよう仕向けた。夫が浮気しているとうそもつき「児童手当がもらえるから養育費はいらない」と離婚を促したという。
こうして碇容疑者は仲が良かったママ友たちや夫との関係を次々と断ち切られた。一方、赤堀容疑者は、離婚して集合住宅に引っ越した碇容疑者の生活保護費の受給申請などを親身になって手伝い「私は味方だ」と装ったとみられる。
19年8月ごろから赤堀容疑者は碇容疑者に過酷な食事制限を指示し、食費までも切り詰めて生活費を搾取しようとしたとみられる。碇容疑者は、赤堀容疑者が差し入れる米を重湯にして子供たちと分け合うこともあった。翔士郎ちゃんは幼稚園でよく食べ物の絵を描き、たくさん食べられた翌日は園でうれしそうにご飯の話をしたという。
「そんな生活でも翔士郎ちゃんは母親が好きだったんだろう」。ある捜査関係者は言う。20年3月初旬、碇容疑者の親族が親子をスーパーに連れて行き、子供たちに「おなかすいてるやろ。何でも好きなものを取っておいで」と言うと、翔士郎ちゃんは菓子を持ってきて言った。「ママが好きなお菓子だよ」
事件後、一家が暮らした部屋から碇容疑者が書いたとみられるメモが複数見つかった。「翔ちゃん、きょうも食べれんかったね。ごめんね」。捜査関係者は、満足に食べさせられない碇容疑者が母親としての気持ちをメモに残したとみる。
碇容疑者から赤堀容疑者に渡った金は総額約1200万円に上るとみられる。現在、碇容疑者は「洗脳が解けてとても苦しい」と話しているという。一方、赤堀容疑者は「碇家の食事の管理は一切していない」と容疑を否認している。赤堀容疑者の父(79)は毎日新聞の取材に「やっていないと信じているが、本当なら罪を償わないといけない」と話した。【中里顕、浅野孝仁、一宮俊介】
国内感染、新たに600人=6日ぶり1000人切る―新型コロナ
国内では8日、新たに600人の新型コロナウイルス感染が確認された。新規感染者が1000人を下回るのは6日ぶり。死者は45人で、重症者は前日比7人増の380人。
東京都では116人の感染が判明した。200人を下回ったのは1週間前の1日(121人)以来。都と共に緊急事態宣言が延長された埼玉(65人)、千葉(73人)、神奈川(59人)各県はいずれも100人を下回った。宣言対象4都県の新規感染者は313人で、1週間前(361人)より48人少なかった。
都で確認された新規感染者は20代が20人と最多で、50代18人、10歳未満15人と続いた。65歳以上は27人。都基準での重症者は前日より6人少ない46人だった。
埼玉県では変異ウイルスの感染者が20人見つかった。愛知県の新規感染者は8人で、1桁となるのは昨年9月22日以来。
[時事通信社]