気象庁は8日、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震(マグニチュード=M9.0)から10年間の地震活動まとめを発表した。過去1年間に余震域(岩手県から千葉県北東部の沿岸と沖合)で起きたM4以上の地震は208回で、本震発生後1年間の25分の1以下に減少した。しかし、2001~10年の年間平均138回をなお上回っている。
2月13日には福島県沖でM7.3、最大震度6強の地震が発生。余震域内のM7以上は、16年11月22日に同県沖でM7.4、同5弱の地震が起きて以来だった。気象庁の鎌谷紀子地震情報企画官は「M9地震の影響は長く続く。全体として本震前の状況に近づいているが、時々は大きい地震が発生している」と説明し、引き続き注意するよう呼び掛けた。
[時事通信社]
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元妻を殺害、51歳に懲役18年判決 無罪主張 神戸地裁認めず
神戸市須磨区の市営住宅で、同居していた元妻(当時49歳)を殺害し、遺体を押し入れに隠したとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた無職、津田信明被告(51)に対する裁判員裁判で、神戸地裁は8日、求刑通り懲役18年の判決を言い渡した。津田被告は殺人罪について無罪を主張していたが、野口卓志裁判長は「死亡後、通報せずに遺体を隠しており、被告以外の殺害者がいる可能性は考えられない」と指摘した。
判決によると、津田被告は2018年12月ごろ、市営住宅の自宅で、元妻の首を圧迫して窒息死させ、遺体を押し入れに約半年間、隠した。
公判で津田被告は「(元妻は)5日間、いびきをかいて眠り続けて死亡した」と主張していた。野口裁判長は首の骨折について、解剖結果などから「生前に強い圧迫を受けたもの」と認定。「自然死の可能性は乏しく、被告が救命措置を取っていないのは不自然。供述は信用できない」と述べた。【山本真也】
歩行中の女子高生に布かぶせ襲う、27歳の容疑男逮捕 京都府警、容疑を否認
京都府警木津署は8日、強制わいせつ致傷の疑いで、住所不定、無職の男(27)を再逮捕した。
再逮捕容疑は、昨年11月20日午後7時15分ごろ、京都府木津川市内にある駅近くの路上を1人で歩いていた市内在住の女子高校生(16)に、背後から顔に布のようなものをかぶせて押し倒し、膝を擦りむくなどのけがをさせて胸や下半身を触った疑い。容疑を否認しているという。
同署によると、男は昨年12月23日、同市内の駅構内で別の16歳と15歳の女子高校生2人のスカート内を盗撮したとして府迷惑行為等防止条例違反(卑わいな行為の禁止)の疑いで2月10日に逮捕された。
年間ワーストのジェンダー差別発言 1位は杉田水脈氏、2位は…
大学教授らが、この1年で政治家らから飛び出したジェンダーに関する問題発言のワースト1位を決めるネット投票を実施し、「国際女性デー」の8日、結果を公表した。数々の差別発言に抗議の声が高まったこの1年。改めて、どんなひどい発言があったのか振り返る。【塩田彩/統合デジタル取材センター】
投票は、大学教授らでつくる「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」が2月26日~3月5日に実施した。昨年1月~今年2月20日に報道された政治家らによる発言が対象。1人2票を投票でき、約1週間で3044人が投票した。
1位(1995票)は、昨年9月、自民党の杉田水脈・衆院議員(比例中国ブロック)が党の非公開会合で述べた「女性はいくらでもうそをつける」という発言。投票総数の33・1%を占めた。同会は「女性の性暴力被害の訴えに対し、正当な根拠も示さずに初めから『虚偽申告ではないか』と疑う発言であり女性蔑視だ」と指摘。投票した人からは「苦しんでいる当事者が一層声を上げにくくなる」などの声が寄せられたという。
2位(1216票)は、今年2月、東京オリンピック・パラリンピック組織委の森喜朗・前会長が日本オリンピック委員会(JOC)の会合で述べた「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」「女性っていうのは競争意識が強い」「女性を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困るといっておられた。だれが言ったとは言わないが」「(組織委の女性理事は)みんなわきまえておられて」などの発言。
3位(794票)は、白石正輝・東京都足立区議が昨年9月、区議会で述べた「あり得ないことだが、日本人が全部L(レズビアン)、G(ゲイ)になったら次の世代は一人も生まれない」「LだってGだって法律に守られているという話になったのでは、足立区は滅んでしまう」という発言。
投票対象には他にも、自民党の竹下亘・衆院議員が今年2月、橋本聖子・前五輪担当相について語った「スケート界では男みたいな性格でハグなんて当たり前の世界」「セクハラと言われたらかわいそう」などの発言があった。
同会によると、自由記述欄に記入した689人のうち26%が、「全部ひどいのですべてに投票したい」「2票では足りない」などとコメントしているといい、同会は「獲得票が少ないことは、その公的発言に問題がないことを全く意味しない」と指摘する。
このキャンペーンは、政治家や公職に就く人からのジェンダーに関する差別発言の問題性を発信し、抗議の声を可視化するために2017年から毎年実施している。
今年投票対象となった発言に対しては、いずれもソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を中心に強い抗議の声が上がった。森氏は当初、謝罪のみで辞任しない意向だったが、国内外からの批判を受け、辞任に追い込まれた。同会呼びかけ人の一人、中央学院大の皆川満寿美准教授は「ジェンダー平等に反する政治家らの発言への強い批判が、社会を変える力を持ちうることを示した」と指摘。「差別発言があった際に市民が一つ一つ指摘して問題を可視化し、選挙の際にこうした発言をする政治家を選ばないという投票行動を示していくことが大切だ」と話した。
自信を失い、修正点を誤っている菅総理~新型コロナ関連について根拠が示されていない
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月8日放送)にジャーナリストで東海大学教授の末延吉正が出演。新型コロナワクチンを接種した30代女性が3例目となるアナフィラキシーを発症したというニュースについて解説した。
東京都が医療従事者への新型コロナウイルスワクチン優先接種を始め、職員へ接種されるワクチン=2021年3月5日午前10時14分、東京都文京区の都立駒込病院(代表撮影) 写真提供:産経新聞社
厚生労働省は3月7日、新型コロナウイルスワクチンを接種した30代の女性が、重い副反応のアナフィラキシーを発症したと発表した。7日にファイザー製のワクチン接種を受け、およそ5分後に息苦しさやのどの違和感などの症状が出た。女性は食物や動物、殺虫剤などによるアナフィラキシーの経験があったということである。
大阪で新型コロナワクチン接種開始 ワクチン接種の準備をする看護師ら=2021年2月19日午後0時4分、大阪市中央区の大阪医療センター 写真提供:産経新聞社
飯田)5日までにおよそ4万6千人の医療従事者に接種されていたということですが、7日までに3人の女性のアナフィラキシーが報告されています。
末延)これは他のワクチンなどを考えても、きちんと情報公開していれば、この部分だけを取り上げて「ダメだ」とするべきではないと思います。日本のワクチン行政は大昔のままで、厳しいのはいいことですが、「一切間違いがあってはならない」ということで、薬の認可を含め、ワクチンそのものも国立感染症研究所1ヵ所だけに権限が集中していて、広がりを持てないのです。こういうなかで日本独自のワクチンの開発もできていません。政府が調達できると言っているものも「大丈夫なのか」という感じになっている。これは厚労省のワクチン行政に限界が来ているので、ワクチン行政そのものを広げて行くことが必要です。
大阪で新型コロナワクチン接種開始 ワクチン接種を受ける医療従事者=2021年2月19日午後1時4分、大阪市中央区の大阪医療センター 写真提供:産経新聞社
末延)コロナ感染が拡大し始めて1年以上経ちますが、未だに保健所はファックスを使っています。総務省が中心になって改善しようとしていますが、日本はデジタル化が遅れている。韓国や中国でもデジタル化が進んでいます。データ処理もできるし、スピードも速い。気がついたら、先進国だと思っていた日本はファックスですから。
飯田)ファックスですものね。
末延)そんな考えられないことが起きている。総務省の問題もそうですが、厚労省が権限を一握りにしてしまって、日本の英知を集めて前に進むことができないといういまのシステムを変えなくてはいけない。国民だけが頑張って我慢しても、政府はいつも根拠を明確に示せない。産経新聞が3月7日の「主張」に、
人口約1400万人の東京で重症者が約50床を占めて「逼迫(ひっぱく)」状況になるのは情けないかぎりだ。
~『産経新聞』2021年3月7日配信記事 より
……と書いていましたが、その通りだと思います。小池さんは今回も政局的に仕掛けようとして、それを菅総理が逆転させて先手を打つというようなことをしています。弱気の政府も、政局に使おうとする都知事も、「もういい加減にしてもらいたい」と私は怒っています。
新型コロナ/昼間の人出の増減を示す電子看板 東京都は新型コロナウイルス対策として、昨年1月と比べた昼間の人出の増減率を、新宿駅など都内主要4駅の電子看板(デジタルサイネージ)で示す取り組みを始めた。=2021年2月8日午後、東京都新宿区 写真提供:時事通信社
飯田)エビデンスがきちんと示されていません。
末延)「なぜ2週間なのですか」と学生に聞かれても、私は答えようがない。
飯田)総理もぶら下がりで、「何となく感染者の減りが悪いのではないか」というようなことをおっしゃったではないですか。かつて理由を聞かれて「腰だめだ」と言って辞めた総理がいましたよね。
2021年3月3日、会見する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202103/03bura.html)
末延)2週間の間にやることと、そのあとにやることをゴチャマゼで話して、話の根拠がはっきりしない。変に流暢に話さなくてもいいのです。菅さんらしく、誠意を持って、1つひとつ「政府としてはこういうことを考えている」と。なぜ2週間かと言うと、「みんなも限界があり、それ以上は難しい。そのために新しく蔓延(まんえん)防止等重点措置があり、解除後の措置として考えています」などと、周りにいる人がもう少し整理をしてあげて、それを訥々と1つずつ誠意を持って説明すればいいのです。仕事師内閣だと思っていたから、そこが残念だという感じがしています。この政権はもっとできるはずなのです。妙に自信を失って、修正点が違うところに行ってしまっている。
飯田)そういうところはペーパーを持ってやってもいいですよね。
末延)そうです、紙を読んでもいいのです。私が昔ニュースステーションという番組をやっていたときに、久米宏さんが、「ニュースを読むところはカメラ目線でなく、きちんと読め」と言っていました。「語りかけるところと読むところは分けた方がいい」と習いました。テクニックの話ではなく、「政府はこういうデータを持っていて、こう考えている」ということを、具体的にわかりやすく言うことです。そこは自信を持ってやってもらいたいですね。
【ニュースの核心】尖閣防衛、無防備な現状は中国への誘い水 危害射撃の方針も…日本の実弾発射は考えられない なぜ平時のうちに部隊を配置しないのか
日本は本気で沖縄県の尖閣諸島を守るつもりがあるのだろうか。先週のコラムで「日本は中国を相手に先に武力を行使する覚悟があるのか」と書いたが、その後、防衛白書などを読んでみて、改めて疑念が湧いてきた。
2020年版の防衛白書には、何と書かれていたか。
「事前に兆候を得たならば、侵攻が予想される地域に、敵に先んじて部隊を機動・展開し、侵攻部隊の接近・上陸を阻止することとしている。また海上優勢、航空優勢の確保が困難な状況になった場合でも、侵攻部隊の脅威圏の外から、その接近・上陸を阻止することとしている」「万が一占拠された場合には、航空機や艦艇による対地射撃により敵を制圧した後、陸自部隊を着上陸させるなど、あらゆる措置を講じて奪回する」
これを読めば、尖閣諸島が奪われた場合、直ちに自衛隊が出撃して、奪還するように読める。ところが、実際にはそうならないようだ。
政府は2月25日に開かれた自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で、中国海警局船が島への上陸を強行した場合、まずは海上保安庁が「凶悪犯罪」と認定して、警察官職務執行法に基づいて「危害射撃」による制圧を試みる方針と報じられた。
これでは、もう最初の認識からして、ズレている、と言わざるを得ない。彼らの目的は、日本の施政権否定である。尖閣諸島への日米安保条約適用は、日本の施政権行使が大前提になっているからだ。米国が介入できないように、中国が島を支配する既成事実をつくろうとしているのだ。
それを指摘したうえで、残念ながら、海上保安庁は上陸した犯人たちを逮捕できなかったとしよう。となると、防衛白書が書いたような奪回作戦にならざるを得ない。さて、日本は自衛隊を出動させて、航空機や艦艇による対地攻撃に踏み切れるのか。
ここが、最大の問題だ。
中国側が闇夜にまぎれて上陸すれば、先に武力行使するのは日本になる。だが、憲法改正はもとより、限定的な安全保障法制の策定でさえ大騒ぎになった日本が、中国相手にいきなり実弾発射など、私にはとても考えられない。
それより、平時のうちに島に部隊を配置して、事前に侵攻を抑止する方策を、なぜ採用できないのか。武力行使に比べれば、はるかに平和的で、かつ効果的ではないか。それすらできていないのに、過激な武力行使など、政策の優先順位としても本末転倒だ。
事態は生易しくない。
中国は海警法を施行し、武器の使用も、管轄する領土、領海での構造物撤去も可能にした。薄皮を1枚ずつ剥がすように、攻勢に出ている。
いまの無防備状態は、むしろ中国に「どうぞ、いつでも侵攻してください」と誘い水を送っているようなものだ。真空状態が戦いを誘発するのは、歴史の教訓だ。
平和愛好のポーズを続けながら、いざとなったら、180度方針転換して奪回作戦などと、現実無視の建前論を振りかざすのは、もういい加減にすべきである。
■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
変異株の脅威に「第4波」対策必至! 水際対策強化も続く「ザル入国」、世界的にも悲観論 専門家「踏み込んだ対策必要」
新型コロナウイルス緊急事態宣言は2週間延長されたが、最大の懸念材料が変異株の市中感染だ。一部ではクラスター(感染者集団)も発生しており、「第4波」を引き起す恐れもある。対策はこのままでいいのか。
厚生労働省の5日時点の指標では、1週間の新規感染者数の前週比が18県で1以上となった。首都圏で千葉県が1・03、神奈川県が1・08と増加に転じたほか、埼玉県は0・97、東京都は0・96と1に近づいた。東北や中部、関西などでも増加が目立つ。
感染症に詳しい関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は、「世界保健機関(WHO)の調査で、世界の感染者数は1月から6週間程度減少傾向だったが、3月初頭に7%増に転じた。変異株と制限の緩和、自粛疲れが背景にあるとされ、日本もいつかはこの趨勢に乗るだろう」との見通しを示す。
東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は、「現状の対策では東京都の1日の新規感染者数を200~300人から下げるのは厳しい。さらに懸念される変異株の増加もあり、このままでの宣言解除ではリバウンドは避けられないのではないか」と分析する。
変異株の英国型は感染力が高いため、高齢者層に広がれば重症者も増え、再び医療が逼迫する懸念がある。南アフリカ型には免疫逃避の変異もあり、ワクチンが効きにくくなる恐れもあるという。政府は英国、南ア、ブラジルなど17カ国を変異株の流行国に指定、水際対策を強化するが、変異株は120カ国・地域で確認されており、「ザル入国」状態は続く。
変異株の脅威について、海外でも悲観論が広がっている。ロイター通信は変異株はワクチンの効果を弱める可能性だけでなく、過去の感染者の自然免疫もくぐり抜ける恐れがあることを示したと報じた。
勝田氏は、「全陽性者数のうちの変異株の比率を発表していくべきだ。欧米では50%を超えて蔓延といえる状況の国もある。陽性者数や病床使用率を注視しながら、柔軟な対応が求められる」と指摘する。
菅原氏は「宣言解除後の新規感染者の増加をできるだけ緩やかにするために、現状の同患者数を減らす必要がある。例えば、この2週間は全イベントを中止するといった踏み込んだ対策が必要ではないか」と強調した。
震災から10年「巨大地震」「富士山噴火」複合災害に警戒せよ! 「直下型地震が起きない場所はない」 京都大大学院・鎌田浩毅氏が警鐘
マグニチュード(M)9・0、最大震度7を記録した東日本大震災からまもなく10年を迎える。京都大大学院の鎌田浩毅教授(火山学・地球変動学)は、震災の影響によって首都直下や南海トラフ巨大地震、そして富士山噴火などの巨大災害が起きやすくなっていると警鐘を鳴らす。「3・11」の教訓として、自分の身を守り、国の機能を維持するための備えが必要だと主張する。 ◇ 東日本大震災では、死者・行方不明者が約1万8000人、経済的な被害は約17兆円とされる。 鎌田氏は、「1000年に一度」ともいわれるM9級の震災によって、日本列島の地下に異変が生じたと指摘する。 「震災でプレートが跳ね返った反動でストレス状態にあり、今後30年間は火山の噴火や直下型地震が起きやすい。列島に埋もれる約2000本の活断層は全都道府県に存在しており、直下型地震が起きない場所はない」 特に「いつ起きてもおかしくない」と懸念するのが、首都直下地震だ。 「耐震補強のない木造家屋の多くが倒壊し、ライフラインが全部止まり、関東大震災クラスの火災が発生する恐れがある。河川の堤防は20センチ程度のずれでも決壊し、東京東部のゼロメートル地帯や地下鉄が浸水する。犠牲者は約2万3000人、経済被害も95兆円規模と予想される」と鎌田氏。 一方、政府が「今後30年以内の発生確率が70~80%」とする南海トラフ巨大地震について鎌田氏は、「2030~40年ごろに起きる」と明言する。 南海トラフのような海溝型の大地震については、発生の40年前ほどから内陸で直下型地震が頻発する経験則があるという。1995年の阪神・淡路大震災や2016年の熊本地震と鳥取県中部地震、18年の大阪府北部地震など西日本を襲った地震がその兆候にあたると鎌田氏はみる。 「南海トラフは静岡沖から宮崎沖まで約800キロに及ぶが、静岡沖の東海、名古屋沖の東南海、四国沖の南海の3つの地震が連動する。かなりのエネルギーを十分ためており、M9級になる。首都圏の高層ビルが共振し、人や家具が巨大な洗濯機でかき回される状態が10分程度続く。東京湾には2~3メートルの津波が、大阪湾には5メートルの津波が押し寄せる。太平洋ベルト地帯での犠牲者は約32万人に達し、『3・11』の10倍以上になる恐れがある」 南海トラフ巨大地震に誘発されるのが富士山の噴火だ。記録に残る最後の噴火は江戸時代、1707年の宝永大噴火だが、その49日前に宝永地震が発生した。
マグニチュード(M)9・0、最大震度7を記録した東日本大震災からまもなく10年を迎える。京都大大学院の鎌田浩毅教授(火山学・地球変動学)は、震災の影響によって首都直下や南海トラフ巨大地震、そして富士山噴火などの巨大災害が起きやすくなっていると警鐘を鳴らす。「3・11」の教訓として、自分の身を守り、国の機能を維持するための備えが必要だと主張する。
◇
東日本大震災では、死者・行方不明者が約1万8000人、経済的な被害は約17兆円とされる。
鎌田氏は、「1000年に一度」ともいわれるM9級の震災によって、日本列島の地下に異変が生じたと指摘する。
「震災でプレートが跳ね返った反動でストレス状態にあり、今後30年間は火山の噴火や直下型地震が起きやすい。列島に埋もれる約2000本の活断層は全都道府県に存在しており、直下型地震が起きない場所はない」
特に「いつ起きてもおかしくない」と懸念するのが、首都直下地震だ。
「耐震補強のない木造家屋の多くが倒壊し、ライフラインが全部止まり、関東大震災クラスの火災が発生する恐れがある。河川の堤防は20センチ程度のずれでも決壊し、東京東部のゼロメートル地帯や地下鉄が浸水する。犠牲者は約2万3000人、経済被害も95兆円規模と予想される」と鎌田氏。
一方、政府が「今後30年以内の発生確率が70~80%」とする南海トラフ巨大地震について鎌田氏は、「2030~40年ごろに起きる」と明言する。
南海トラフのような海溝型の大地震については、発生の40年前ほどから内陸で直下型地震が頻発する経験則があるという。1995年の阪神・淡路大震災や2016年の熊本地震と鳥取県中部地震、18年の大阪府北部地震など西日本を襲った地震がその兆候にあたると鎌田氏はみる。
「南海トラフは静岡沖から宮崎沖まで約800キロに及ぶが、静岡沖の東海、名古屋沖の東南海、四国沖の南海の3つの地震が連動する。かなりのエネルギーを十分ためており、M9級になる。首都圏の高層ビルが共振し、人や家具が巨大な洗濯機でかき回される状態が10分程度続く。東京湾には2~3メートルの津波が、大阪湾には5メートルの津波が押し寄せる。太平洋ベルト地帯での犠牲者は約32万人に達し、『3・11』の10倍以上になる恐れがある」
南海トラフ巨大地震に誘発されるのが富士山の噴火だ。記録に残る最後の噴火は江戸時代、1707年の宝永大噴火だが、その49日前に宝永地震が発生した。
事実上の“中国包囲網”、QUAD首脳会合開催へ 識者「G7より先行して対中路線を先導できる」 日本は存在感が求められる局面
中国の軍事的覇権拡大に対峙(たいじ)する、戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」を構成する、日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国は、今月中旬にも初の首脳会合をオンラインで開催する方向で調整に入った。複数の政府関係者が明らかにした。「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進や、新型コロナウイルスのワクチン普及に向けた協力などを話し合う見通しだ。日本にとっては存在感が求められる局面だ。
◇
首脳会合には、菅義偉首相や、ジョー・バイデン米大統領、スコット・モリソン豪首相、ナレンドラ・モディ印首相が出席する予定。
クアッドは、ドナルド・トランプ前政権時の2019年に初の外相会合を開催し、中国を「唯一の競争相手」と位置付けるバイデン政権も4カ国連携を重視している。今年2月には電話で外相会合を行い、中国の力による一方的な現状変更の試みに強く反対する方針で一致した。
首脳会合が3月になったのは、対中政策で協調する日米豪3カ国と、やや距離を置くインドとの間で調整に時間がかかったためとみられる。
中国では5日、第13期全国人民代表大会(全人代)が開幕した。習近平政権は「外部勢力からの干渉を断固として防ぐ」として、香港での「民主派排除」につながる選挙制度見直しを進める見込みだ。
新疆ウイグル自治区での人権弾圧をめぐっても、李克強首相は欧米からの批判を突っぱね、「中華民族共同体意識を確立し、宗教が社会主義社会に適用するよう導く」と強調するなど、強硬姿勢が目立つ。
中国は2035年までに「軍の現代化」を実現し、今世紀半ばに「世界一流の軍隊」とする目標を定めており、国防費を膨張させている。
このタイミングでの首脳会合には、どのような意味があるのか。
評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「重要なポイントは、6月のG7サミット(先進7カ国首脳会議)などに先行して会合が行われることだ。対中国の国際協調路線を先導することができる。中国の名前を出さないまでも、『自由で開かれたインド太平洋』などについて方針を一致させたい。地政学的に最も中国の影響を受けやすい日本も、存在感が求められる重要な局面だ」と分析している。
高知県内の中学8割で免許外指導 美術など 土佐町が改善要望へ
中学校で「美術」教科の免許を持たない教員の指導が常態化しているとして、高知県土佐町議会は県と県教委に対し、「免許外教科担任」の解消を求める意見書を3月にも提出する。意見書は、9日開かれる3月町議会本会議で採択される見通し。「免許外指導」は県内の約8割の公立中で行われている実態があるといい、土佐町から問題提起することで、他の自治体にも呼びかけていく狙いだ。【北村栞】
1年限りの「例外」のはずが
中学校で指導するには原則、教科ごとの免許が必要となる。だが文部科学省は例外的に、都道府県に申請すれば免許を持たない教科を指導できる「免許外指導」を1年限りで認めている。県教委によると、県内では今年度、公立・国立中学校計108校のうち計81校で美術▽技術▽家庭▽保健体育――の4科目いずれかの免許外指導が行われているという。
こういった現状を背景に、土佐町議会では総務教育厚生常任委員会で今回の意見書が取りまとめられた。委員会によると現在、嶺北地域4町村の公立中学校には美術の免許を持った専科教員が1人しかいない。また、昨年12月の町議会での吉村雅愛・町教育長の答弁によると、町内の中学校における美術の免許外指導は少なくとも2013年から続いているという。吉村教育長は取材に対し、「専科教員がいないことは子どもが等しく教育を受ける権利からして、放置していい問題ではない」と話し、今後、近隣3町村とも連携を取って県に改善策を要望していく考えを明らかにした。
県教組によると、県が定める教員の配置基準では1学年1クラスの小規模校には校長を含め8人しか教員を配置できない。教員数が中学で学ぶ科目数より少ないことから、意見書は免許外指導を県内の教育における「構造的な問題」と指摘。県や県教委に対し、免許外指導の解消に着手すること▽教員の配置基準を是正すること▽免許外指導問題の現状把握と要因分析――の3点を求める。
町議会常任委で委員長を務める鈴木大裕町議は「免許外の教科指導は子どもの学習権に関わる問題。高知県だけの問題ではないので、県には『高知からのろしを上げる』という気持ちで向き合ってほしい」と話している。