27日午前1時25分頃、群馬県高崎市箕郷町下芝、会社員松本覚司さん(62)方で「玄関が燃えている」と、住人から119番があった。木造2階住宅を全焼し、3人の遺体が見つかった。
高崎署の発表によると、松本さん方は4人暮らし。松本さんと妻(59)、長男(27)の3人と連絡が取れなくなっている。通報した長女(32)は、けがをして病院に搬送された。同署は遺体の身元確認を進めるとともに、出火原因を調べている。
現場はJR高崎駅から北西約7キロの住宅地。松本さん宅の隣に住む男性(82)は「ドーンという大きな音で目が覚めた。外に出ると、住宅が火に包まれて手のつけようがなかった」と語った。
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「まるで噴水」「道路は川」泥まみれの江東区亀戸
26日午後2時40分頃、東京都江東区亀戸で水道管の工事現場から水があふれ出し、周辺の道路などが冠水した。都水道局によると、漏水は約1時間半後には止まり、けが人もいなかったが、付近の住宅への浸水被害が確認されているという。
同局によると、工事の際に水道管の接合部に使われているバルブが誤って外れたことが原因とみられる。周囲の最大約1万戸で蛇口から濁った水が出る恐れがあるといい、同局が調査を続けている。
現場付近の住宅街は一面が水浸しになり、作業中の重機も沈下したため、周辺は一時、騒然となった。水が引いた後も一帯は泥まみれで、住民らは除去作業を不安げに見守っていた。
江東区の男性会社員(44)は「まるで噴水のように水が噴き上がり、道路は川のようだった」と振り返った。近くの実家に向かう途中だったという会社員の女性(34)も「30年近く住んでいたが、こんな出来事は初めて。水が止まる気配がなかったので心配だった」と驚いた様子だった。
日本財団笹川氏へミャンマー人が切実訴えの訳 「ミャンマー総選挙監視団団長」は今何を思うか
血に染まったアジア最後のフロンティア、ミャンマー。ヤンゴンで拘束された日本人ジャーナリストはいまだ解放されていない。
犠牲者は751人、拘留中の人は3431人(4月25日現在)。国軍系のテレビでは拘束者の写真が公開され、恐怖で国民を支配しようとする姿勢はエスカレートするばかりだ。
現状を打開するため、在日ミャンマー人ら約60人が集まった。クーデターから80日となった4月22日、向かったのは国際協力事業で知られる団体だった。
■なぜ日本財団なのか
公益財団法人・日本財団。1976年、ハンセン病の医療支援でミャンマー事業をスタートさせた。会長の笹川陽平氏もミャンマーの人たちと交流を重ねてきた。そんな縁で担うことになった役職がある。昨年11月、日本政府が派遣したミャンマー総選挙監視団の団長だ。
「選挙は非常に公正に行われ、国軍も結果を受け入れている」
選挙の後、笹川氏はメディアのインタビューに対して、そう答えた。自身のブログにもこう書いた。
<小生は日本政府の選挙監視団長として、ヤンゴン市内を中心に10カ所の投票所と一部開票状況を視察した。秩序よく公正に行われていた>
思い出してほしい。2月1日に非常事態宣言を発令し、クーデターによって全権を掌握した国軍の大義名分はこうだった。
「総選挙の不正についての問題が解決されない限りは、新たな国会を開くべきではない」
ことあるごとに、こう主張するクーデターグループ。それに対して、選挙の正当性を説くことができるのは笹川氏しかいない。いまこそ歴史の証人として発言してもらいたい。在日ミャンマー人たちの期待はもっともだ。
彼らが笹川会長に書いた要請文にはこうある。
<2020年総選挙の結果に対して、公正な選挙であることを記者会見して、公表すること>
日本財団のミャンマー事業担当者が要請文を受け取ったとき、笹川会長は韓国大使と面談をしていた。若者たちのシュプレヒコールは会長の耳に届いていただろうか。
クーデターの首謀者、ミンアウンフライン国軍最高司令官はASEAN首脳会議に出席した。議長声明に記された特使の派遣について、ミンアウンフライン氏は前向きな姿勢を示したという。
■国軍系英字紙の見出しに感じる「違和感」
ジャカルタ訪問を伝える国軍系英字紙の見出しは、<ミャンマーはASEAN憲章に基づき、ASEAN加盟国との緊密な協力関係を維持>だった。記事には、<討議では、ミャンマーの政治的変化、今後の作業プログラムなどについて詳しく説明した>とある。
4月24日の朝5時頃、ネピドーの空港を飛び立ち、午後10時45分頃に帰国した最高司令官。内戦前夜とも言われるミャンマーに、約18時間の「権力の空白」が生まれることをどう考えたか。もし恐れなかったとしたら、その余裕はどこからくるのか。
混迷を深めるミャンマー情勢。「ただ、家族そろって祖国で暮らしたかっただけだ」と、目を潤ませながら話す在日ミャンマー人にどう答えるか。笹川氏と日本財団に決断の時が迫っている。
尾崎 孝史:映像制作者、写真家
都内の女性が「インド型変異ウイルス」感染、官房長官「国内で21件確認」
加藤官房長官は26日の記者会見で、インドでの感染爆発につながっている変異した新型コロナウイルスが、日本国内でこれまでに21件確認されたと発表した。
このうち20件は空港での検疫で見つかっており、加藤氏は「各国や世界保健機関(WHO)と連携を図って情報収集を行い、水際対策と監視体制の強化を徹底したい」と述べた。
東京都は、都内の医療機関に入院していた80歳代女性がインド型の変異ウイルスに感染していたと明らかにした。渡航歴などは判明していないが、女性は4月14日に退院したという。
このウイルスにはワクチンや免疫の効果を下げる恐れのある二つの重要な変異が重なっている。いずれも人の細胞に結合する突起部分の変異で、東京大などの研究によると、二つのうち「L452R」と呼ばれる変異は6割の日本人にとって免疫が働きにくくなる可能性があるという。
「わきまえない障がい者」を叩く人たちが抱く「自由への恐怖」
2021年4月4日、車いすユーザーでコラムニストの伊是名夏子が、自身のブログで「JRで車いすは乗車拒否されました」という記事を投稿した。家族旅行の際、目的地の来宮駅はエレベーター設備がない無人駅であるため、車いす対応を小田原駅で要請したところ拒否されたという内容で、JRのバリアフリー問題を訴える主旨だった。
しかしこの記事は、ネットにおいて「炎上」した。「出発前に問い合わせすべきだった」「感謝の気持ちが足りない」「障碍者も譲歩すべきだ」「こんな強硬手段を使ったところで何も改善されない」「駅員がかわいそう」等々。中には「全ての駅をバリアフリー対応しなければならないとしたら無人駅は廃駅になるがそれでいいのか」といった言いがかりに近いものもあり、しかもその知性の欠けた主張をしたのが大学教員だというから、本当に嘆かわしいものだ。
こうした批判に対する具体的な反論は、伊是名自身の4月7日の記事を含め様々な方面から行われているので、それに付け加えることはない。今回の「炎上」事件は、日本社会の「わきまえない障碍者」に対する攻撃性を強く明らかにしたといえるだろう。
◆バリアフリーは「恩恵」ではない
一般論として、公共施設のバリアフリー化を進めるべきだという意見に反対する者は少ない。しかし、公共施設のバリアフリー化はなされて当然だという主張がなされると、とたんに反発の声が大きくなる。それは、障碍者のためのバリアフリーは「恩恵」であって、障碍者は感謝すべきだし、社会的リソースの余裕度に応じて後回しにされても仕方がないと広く思われているからだ。
健常者は配慮の必要がない存在、障碍者は配慮しなければならない存在、と一般的に思われているが、これは間違いだ。筆者が聞いた中で一番腑に落ちた説明をここで記述すると、たとえば二階建ての建物があったとする。仮に舞空術を身に着けた人間がいたとすれば、その人にとっては二階に上がるためには一階の天井に穴が一つ空いていればよい。しかし大多数の人間は空が飛べないので、わざわざ一階のスペースを潰し、コストをかけて階段を設置する。二足歩行が可能な人間にとってみれば、階段によって一階と二階のバリアは解消されたことになる。
しかし階段を使えない車いすユーザーにとっては、一階と二階のバリアが残ったままであり、不公平だ。このように考えると、健常者とは配慮された結果バリアが消失した者のことであり、障碍者とは配慮されていないためバリアが残っている状態の者のこととなる。人間は法の下に平等であるので、こうした不公平は人権問題となる。つまり、エレベーター設置などのバリアフリーは特別な「恩恵」ではなく、実施されて当然の政策なのだ。
常日頃から感謝することを強いられていることに疲れた障碍者を「感謝するのは当然」とバッシングする人々のおかしさもここにある。社会生活の中でバリアなく生きるのは当然の権利なのだ。バリアフリーに感謝せよと主張する人々は、眼鏡で物を見たり、階段を上ったり、横断歩道を渡ったりしたときもその都度感謝して生活したほうがいい。そうしたものにいちいちありがとうと言っていないなら、それは自分が十分配慮されて生活していることに気づいていないだけなのだ。
◆障碍者への「妬み」
今回、JRのバリアフリー非対応を問題化した伊是名夏子に対して「駅員がかわいそう」「感謝が足りない」といった批判が向けられたことによって、「わきまえない障碍者」への憎悪感情が可視化された。こうした批判内容から透けてみえるのは、批判者の「自分だって我慢している」という意識だ。障碍者差別解消法に基づく車いすユーザーへの対応の負担が現場の労働者に丸投げされてしまうのであれば、それは会社側の責任だ。にもかかわらず、批判の声は障碍者側に集中してしまう。おそらくその理由は、「妬み」の感情によるものではないだろうか。自分たちがモノを言いたくても言えずに我慢しているのに、障碍者が自由にモノを言っているのが妬ましいのだ。
こうした「妬み」の感情は、障碍者だけではなく、日々、多くの社会的弱者に向けられている。自分たちは毎日汗水流して働いているのに、遊んで生活している(ようにみえる)生活保護受給者、公共の場を我が物顔で占有し、自由気ままに生活している(ようにみえる)「野宿者」などが、攻撃対象となる。
そもそも自分たちの労働に対して支払われるべき報酬が低すぎるのではという疑問は、ここでは生じない。欲望を抑圧しながら慎ましく生きることを強いられている現代日本の市民は、常に自分たちの正当性を証明しようとしている。そこで、既存の社会システムのルールを前提にしたうえで、自分たちに支払われるべきリソースを「不当にも」奪っていると想定される、社会の(奴隷)道徳に対して従順ならざる他者が必要とされるのだ。
以前記事で書いたテクノクラートとしての階級意識は、このような他者への攻撃性を強める。速やかにバリアフリーを拡充せよという障碍者や支援者の言っていることは「現場」の労働者の「実感」では「現実的」ではない。「あいつら」はそれをわかっていないが、自分たち「現場」の人間はよく分かっているので、障碍者ではなくJR職員のほうに自分は連帯する……というわけだ。
◆「自由」への恐怖
もう亡くなってしまった筆者の友人は、かつてこうした「社会」をわきまえていない者を攻撃する現象を「「自由」への恐怖」という言葉で表現した。私たちは、その内容に納得しようがしまいが既存の社会ルールに従い、いろいろなことに我慢しながら生きている。それは私たちがそのような訓練を受けて成長したからである以上に、何よりそれが私たちにとって「賢明」なことだと知っているからだ。
理不尽に対して無駄に1人だけ抵抗してみたところで、結局は無駄であり、自分が損するだけだということを私たちは知っている。日々コロナ患者が増えているのに、会社はリモートワークを許さず、満員電車での出勤を強いている。そもそも仕事をしたくない。会社に行きたくない。かといって会社を辞めてしまえば、それは自分の明日からの収入源が絶たれるだけなので「賢明」ではない。だから今日も会社に行く。
しかし、私たちには根源的な「自由」がある。いかに「賢明」な判断ではないと分かっていたとしても、私たちはそれをやろうと思えばできてしまうし、やってしまうかもしれない。サルトルがそれを「自由の刑」という言葉で表現したのは有名な話だ。崖の上にある岩は自ら崖の下に転がり落ちることはない。しかし崖の上に立つ人間は、自ら崖下にダイブする自由から逃れることはできない。だから人間は自由に恐怖する。
先ほど仕事に行った彼にも仕事を辞める自由から逃れることはできない。通勤途中でスマホを開けば、様々な「賢明」ではない人々の情報が載っている。アイスクリーム用の冷凍庫に入ったアルバイト。ゴミ箱に放り込んだ生魚を調理するアルバイト。マスクをしないで飛行機を止めたおじさん。学校を休んでデモ活動をするスウェーデンの環境活動家。文系の大学院に進学した人。危険な場所で取材を続けて軍事政権に捕まったジャーナリスト。エレベーターのない無人駅で降りようとする障碍者……。いくらこうはなるまいと彼がかたく決意しても、気がついたら次の駅で途中下車して公園に段ボールを敷いて一日中寝転んでいるかもしれない。それが人間は「自由」ということなのだ。
しかし、あらゆる人間が「自由」に振る舞ったら社会は成り立たない。だからこそ、このような振る舞いは過剰なまでに徹底的に叩かれる。だが社会を変革する契機は、この「賢明」ではない自由な行為からしか生まれないのもまた事実なのだ。
◆「賢明」さに欠けた行為のその先にあるもの
人間の根源的な「自由」の結果から生まれた行為の評価は、歴史によって下されるしかない。キリストもブッダも、その教えが世界宗教に発展していなかったら、自分の我儘で家族を捨てた迷惑な男にすぎなかったかもしれない。公民権運動が成功していなかったらローザ・パークスはただの「わきまえない黒人」だっただろう。
そして現在なされた「賢明」ではないが「自由」な行為についても同様に、未来の視点から考える必要がある。当たり前のようにゴミ箱の生魚を調理する未来や、疫病が蔓延しているのに誰もマスクをつけないのが当然の未来については、ちょっと想像したくはない。しかし、どの公共施設にも当たり前のようにバリアフリー設備が完備されている未来については、我々は想像することができる。その未来の視点に立つとき、どの車椅子ユーザーもバリアなく自由に行動できるようにするべき、という当たり前の主張をした人間に対して激しく反発する人々は、どのように映って見えるだろうか。
「わきまえない人間」が一人現れたとしても、世の中はただちによくはならない。バリアフリーが障碍者に対する「恩恵」であるという誤謬を社会が乗り越えて、エレベーターが全ての駅に設置されるようになるのは、当分先の話だろう。しかし、世の中が動き出さない限り、「わきまえない人間」は何度でも現れ出るだろう。
<文/藤崎剛人>
【藤崎剛人】
ふじさきまさと●非常勤講師&ブロガー。ドイツ思想史/公法学。ブログ:過ぎ去ろうとしない過去 note:hokusyu Twitter ID:@hokusyu82
外交青書、中国軍拡「強い懸念」 海警法問題視、香港ウイグル言及
茂木敏充外相は27日の閣議で21年版外交青書を報告した。中国の軍事力拡大や東・南シナ海での活動について「日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっている」と指摘した。中国が海警局に武器使用を認めた海警法は国際法上、問題だと批判。香港と新疆ウイグル自治区の人権状況にも言及し懸念を表明した。米中対立を詳述し「国際社会のパワーバランスは大きく変化している」との認識を示した。
今月の日米首脳会談を紹介し「日米同盟を強化していくことで一致した」と成果を強調。共同声明に盛り込んだ「台湾海峡の平和と安定の重要性」には触れず、中国の反発に配慮した可能性がある。
【独自】都立病院で大阪のコロナ患者受け入れ検討
東京都は、新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制が
逼迫
( ひっぱく ) している大阪府などから要請があれば、中等症程度の新型コロナ患者を都内で受け入れる方向で検討を始めた。東京消防庁のヘリコプターを使い、患者を都立病院に搬送する案などが浮上している。
感染力の強い変異ウイルスが広がっている関西圏では、入院患者や重症患者が急増。大阪府の25日時点の病床使用率は88・6%で、重症者用病床では実質的に100%を超えている。
一方、25日には東京や大阪など4都府県に緊急事態宣言が発令されたが、同日時点の都内の病床使用率は32・7%、重症者用病床使用率(22日時点)も36・1%だ。関係者によると、都立多摩総合医療センター(府中市)に都が開設したコロナ専用施設では患者10人ほどが受け入れ可能とみられ、都は詳細な検討や調整を進めている。
ウサギがヘビに…生き餌動画配信の「極悪爬虫類ユーチューバー」書類送検
ウサギなど小動物が「
生
( い ) き
餌
( え ) 」としてヘビなどに食べられる動画をユーチューブで配信したとして、大阪府警松原署は26日、同府松原市に住む自営業の男(33)を動物愛護法違反の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。男は「極悪
爬虫類
( はちゅう ) ユーチューバー」と名乗り、自身のチャンネル(閉鎖)に動画を投稿していた。
日本動物虐待防止協会(横浜市)が昨年10月、エサとなる小動物に不必要な苦痛を与えているとして、男を同法違反容疑で告発。男は読売新聞の取材に「答えられない」としている。
5人死亡のユッケ食中毒から10年、遺族「誰も謝罪にも墓参りにも来ない」
2011年に5人が死亡した焼き肉チェーンの「焼肉酒家えびす」集団食中毒事件は、27日で発覚から10年となる。富山地検が昨年10月、運営会社の元社長ら2人を再び不起訴として捜査は終結した。だが、遺族は「10年たっても事件を忘れることはできない」と、苦しみは癒えていない。
「この10年、誰も謝罪にも墓参りにも来ず、起訴もされなかった。期待をしていたけど、何も変わらなかった」。妻(当時43歳)と義母(同70歳)を失った富山県砺波市の小西政弘さん(58)は自宅の仏壇前でため息交じりにつぶやいた。
小西さんは11年4月23日、17歳になった長女の誕生日を祝うため、家族5人で砺波店を訪れ、全員がユッケを食べた。妻と義母が同5月4、5日にそれぞれ食中毒で亡くなり、子供2人も重症となった。
5年ほど前、警察に呼ばれて行くと、証拠品として保存してあった妻の血液を見せられた。「まだ妻の体の一部がこの世にあるんだ」。不思議な感覚になったが、そこから毎年、命日には「また妻に会えるような気がして警察署の前で車を止め、手を合わせるようになった」。
しかし、昨年10月、元社長らが再び不起訴となったことで、地検からは妻の血液を今後、処分することが伝えられた。「血液もなくなれば妻は完全にこの世からいなくなってしまう。本当は自分が死ぬまで一緒にいたかった」。悔しさとさみしさは募るばかりだ。
次男の大貴君(当時14歳)を亡くした富山県小矢部市の久保秀智さん(58)は「10年たっても20年たっても同じ。何も変わってない」と苦しい胸の内を明かした。
11年4月22日、大貴君の1日遅れの誕生日祝いに砺波店を訪れた。ユッケを食べた大貴君は溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し、闘病の末、同10月に亡くなった。
昨年10月、地検から2度目の不起訴の方針を伝えられた際は「初めて不起訴にした時と全く同じことを言われ、お手上げと思った」。そのうち「この10年が無駄だったかもしれない」という思いに駆られ、苦しくなった。事件や大貴君の話題を避けることが増えた。
それでも、写真に写った息子の笑顔に、周囲に愛された生前の様子を思い出す。「面倒見がよく、小さい子によく懐かれていた」。生きていれば、今頃社会人になっていたかもしれないが、想像したくてもできない。「私たち家族の時間はあの時で止まっている」
長い歳月で事件の風化も懸念されるが、「私たちのように苦しむ人が出ないよう、二度と繰り返してはいけない」と語気を強めた。
後遺症の再発怖い/もう口にできない
「焼肉酒家えびす」集団食中毒事件を契機に、国は生食用食肉の規格基準を見直し、牛レバーについては販売禁止とした。だが、事件後も生肉を巡る集団食中毒はなくならず、被害者は後遺症やトラウマに苦しんでいる。
東京都に住む氷見市出身の会社員女性(26)は10年前、高校の友人3人と高岡駅南店に行き、ユッケを2皿ほど食べた。数日後、刺すような腹痛と吐き気に襲われた。両親に病院に連れて行ってもらったが、詳しい原因は不明。数日後には体がけいれんして意識を失い、集中治療室(ICU)に入った。
意識が戻ったのは約2週間後。退院直前まで透析治療が続き、退院後も約4年にわたり、週末に病院で血液検査を受けたり、けいれんを抑える薬を飲み続けたりした。
女性は「再発しないかという恐怖心や、いつまで通院生活が続くのかという不安でいっぱいだった。もう二度と同じような事件を起こさないでほしい」と訴える。
砺波市の会社員男性(37)は、同僚と食事して3日ほど後に腹が痛くなり、病院の救急外来に駆け込んだ。9日間入院したが、幸いにも後遺症は残らなかった。それまで好きだったユッケは事件後、一度も口にしていない。「生肉を食べたい気持ちはあるが、あれ以来怖くなった」と話す。
◆「焼肉酒家えびす」集団食中毒事件=2011年4月27日、富山県が「焼肉酒家えびす」砺波店でユッケによる食中毒被害が発生したと発表。富山、福井、石川、神奈川の4県の6店舗で計181人が発症し、5人が死亡した。富山地検は16年5月、業務上過失致死傷容疑で書類送検された運営会社元社長ら2人を不起訴(嫌疑不十分)とした。これに対し富山検察審査会は「不起訴不当」と議決したが、地検は20年10月、再び不起訴とした。
蓮舫氏、ノーマスクで本会議出席の二階氏に「え…」
立憲民主党の蓮舫参院議員(53)が27日、自身のツイッターを更新。自民党の大物議員たちの行動に疑問を呈した。
まず、幹事長代行の野田聖子衆院議員(60)が参院広島選挙区再選挙の投開票当日の25日、自民公認で出馬し落選した西田英範氏(39)を応援ツイート。ツイートは後に削除されたが、公職選挙法では投票日当日の選挙運動は禁止されており、野田氏の事務所が「秘書が誤ってツイートをした」と説明したという記事を貼り付け「本人のアカウントなのに秘書が投稿しているのはどうなのか」「秘書が投稿していたとしても、公職選挙法では投票日当日の選挙運動は禁止されていて、問題ないとはなりません」と続けた。
さらに二階俊博幹事長(82)についてツイート。
二階氏が4月22日の衆院本会議にノーマスクで登場。与野党は本会議中の議場内でのマスク着用を申し合わせているが、二階氏に誰も注意する者がいなかったという記事を貼り付けると、「え…」と一言だけ記していた。