27日午前2時頃、佐賀市白山の駐車場付近で、「大人数でけんかが起きているようだ」と110番があった。駆けつけた警察官が、頭から血を流して倒れている男性を見つけた。佐賀県警が殺人未遂事件として捜査している。
発表によると、男性は30歳代。搬送時に意識はあったといい、県警は何者かに凶器で襲われたとみている。現場は飲食店などが多い繁華街。
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奈良県がGoToイート停止 医療関係者から批判相次ぎ
奈良県は27日、政府の外食需要喚起キャンペーン「GoToイート」のプレミアム付き食事券の追加発売を5月11日まで停止すると発表した。販売済みの券の使用も控えるよう呼び掛ける。
県は26日から1000円券12枚つづりで1万円のセット、計15万セット(15億円分)の販売を始めたが、27日午前、農林水産省から慎重な対応を求められたほか、新型コロナ専用病床の使用率が70%を超える中での販売に、県民や医療関係者などからも批判が相次いでいた。【久保聡】
居酒屋店主が女性客にセクハラ、卑猥言動…SNSで繰り返す 運営会社が謝罪・契約解除
居酒屋チェーンの男性店主が女性客にSNS上でつきまとい、性的なメッセージや卑猥(ひわい)な画像を送り付けていたとして、運営会社が加盟店オーナー契約を解除していたことが2021年4月26日、分かった。
被害女性は取材に、店主とのやり取りの一部始終を明かした。
「人間性を疑う」「看板掲げてよくやれるよ」
女性によれば、被害は東京都江東区にある居酒屋店「ドラム缶」の店主から受けた。全国に二十数店舗を構えるチェーン店の一つだ。
18年7月に店を訪れてツイッターで報告して以降、店主の個人アカウントからフォローされて頻繁にリプライ(返信)が来るようになった。当初は他愛もない内容だったが、次第に「中出しオッケー」「暑い夏。全開。ぼっきっき」と性的な言葉が混じるようになった。
女性は「まだ冗談の範囲と捉えて、気持ちが悪いと思いつつも普通に返事を返したり、返さなかったりした」と振り返る。
その後も、店主の全裸写真が送られてきたり、デートに誘われたりとエスカレートしていき、恐怖を覚えて19年3月に「もう嫌いだから話しかけて来ないで」と伝えてブロックした。
今度は20年10月に店のアカウントからリプライがあり、店に飾るカレンダーにグラビアモデルとして起用したいとオファーが来た。「店には、18禁のセクシーグラビアのカレンダーが貼ってあるのを知っていたので、恐怖から怒りになった」。
そして、21年4月に我慢の限界に達し、店のアカウントに怒りを直接ぶつけた。この模様は多くの目に留まり、「人間性を疑う」「看板掲げてよくやれるよ」「過去ツイートとかも色々漁ってみたけどめっちゃ気持ち悪かった」と批判が殺到した。
店主「全て自分が悪い」
女性は「日頃から、店主は人気店の看板を盾にして客にセクハラや中傷を繰り返していた」と問題点を指摘し、「もう関わらないで欲しい」と切に訴える。
同様の被害にあった別の女性客も取材に応じた。21年1月以降に、店主の個人アカウントと店のアカウントから「頑張れ躁鬱ちゃん」「アナタは彼氏の手コキよりかマシな玩具」などと絡まれるようになり、気軽につぶやくことができなくなったという。
ドラム缶を運営するドラムカンパニー(東京都千代田区)は4月26日、J-CASTニュースの取材に、本件を19日に把握し、同日に一部の女性にツイッターのダイレクトメールで謝罪したと明かす。
その後、店主は聞き取りに「全て自分が悪い」と話しており、21日に加盟店オーナー契約を解除した。別のオーナーが引き継ぐ予定だとする。
現在は事実確認を進めるとともに、弁護士など第三者を交えて今後の対応を協議しているという。
「船が爆発」炎上し5人搬送 沖縄・本部、遊覧船か
27日午前10時20分ごろ、沖縄県本部(もとぶ)町の山川漁港で「船が爆発した」と消防に通報があった。県警本部署によると、炎上したのは遊覧船とみられ、客や船の従業員ら6人が乗っていて、うち5人がけがをして病院に搬送された。5人ともけがの程度は不明だが、意識はあるという。船の火災は鎮圧しているという。【竹内望】
ハイボールあおる横浜の会社員、外飲み「注意されればやめるけど」「仕事終わると店閉まる」
新型コロナウイルス対策で飲食店などの時短営業が続くなか、路上や公園で飲食する「外飲み」が増えている。28日からは、横浜や川崎など9市で新たに「酒類提供停止」も始まるが、屋外での酒盛りが感染拡大の温床となってしまえば、飲食店が痛みに耐えて協力する意味が半減してしまう。神奈川県や各市は「我慢」を呼びかけている。
「仕事が終わる頃には、どこの店も閉まってしまう」
大勢の人が行き交う横浜駅西口近く。26日午後8時頃、商業施設前のベンチに腰をかけた20歳代の会社員の男性は、缶のハイボールをあおりながら話した。勤め先の後輩と待ち合わせていたが、思ったようには職場を出られなかったという。「県職員や警察官から注意されればやめるけれど、『宅飲み』に変えるだけ。昨春の緊急事態宣言下では気をつけて生活していたが、もう1年もたっているので」
西口周辺では午後7時を過ぎた頃から、徐々に広場や路上で飲酒する人が目立ち始め、時短営業の店が一斉に閉まる午後8時以降、飲み足りない酔客があちこちでみられた。
会社の同僚という20~30歳代の男女3人は歩道で立ったまま、アルコールの缶を手に談笑。30歳代の男性は「大好きだった焼き肉店がコロナ禍でつぶれてしまったし、居酒屋は時短営業だし、外で飲むしかない」という。
今月に入り、屋外でのグループ飲食が原因となった可能性があるクラスター(感染集団)も確認されている。横浜市内の私立大のストリートダンスサークルで11日、数十人規模の学生が参加する学外公演の後、一部メンバーが屋外で飲食していた。これが発端かは断定されていないものの、23日時点で感染は部員47人に広がっている。
こうした状況を受けて県は、3政令市に「まん延防止等重点措置」が適用された20日以降、時短営業を確認する職員の巡回に併せ、外飲み自粛の呼びかけも県警と連携して行っている。
横浜市は28日~5月11日、混雑が予想される公園などで飲酒の自粛を呼びかける。海の公園(金沢区)のバーベキュー場では酒類提供をやめ、予約客にも持ち込み自粛を要請。山下公園(中区)では職員らが見回りも行う。川崎市も、公園に大人数での宴会利用を控えるよう求める看板を設置するという。
「飲酒したことを忘れていた」南日本新聞の副部長、飲酒後に追突事故
南日本新聞社(鹿児島市)の読者局で勤務する副部長の女性(57)が、飲酒後に乗用車を運転して追突事故を起こし、鹿児島県警に事情を聞かれていたことがわかった。
同社などによると、副部長は休みだった24日午後3時半頃から、自宅でワイン約360ミリ・リットルを飲んで眠った。同6時頃に車で出かけ、鹿児島市内の国道で乗用車に追突する事故を起こした。
社内調査に対し、副部長は飲酒後に運転したことを認め、「飲酒したことを忘れていた」と話したという。同社の和田茂・経営企画局長は「事実関係を確認して厳正に対処する。県民の皆様に深くおわび申し上げる」とコメントした。
元台風2号の低気圧が猛発達 「寒気の渦」に変わり6時間で20hPa低下
5年ぶりに895hPaにまで発達し、一昨日に温帯低気圧に変わった台風2号。台風では無くなった後も興味深い運命を辿っています。この低気圧は現在、日本の東を北東に進んでいて、昨夜から今日3時までの6時間に20hPaも中心気圧が下がる猛発達を遂げました。
「暖気の渦」から「寒気の渦」に
台風では無いが明瞭な渦が見える
14日(水)に発生した台風2号は、17日(土)夜から18日(日)未明にかけ猛発達して中心気圧が895hPaに下がり、5年ぶりに900hPa未満の台風となりました。その後は勢力を弱め、寒気と混じり合うことで25日(日)に温帯低気圧に変わりました。温帯低気圧化後、中心気圧は998hPaにまで上昇していましたが、その後は上空の気圧の谷と結びついて再発達し、昨日26日(月)21時には970hPa、今日27日(火)3時には950hPaにまで急発達しました。一般的に、24時間で24hPa以上の発達をする低気圧のことを「爆弾低気圧」と呼ぶことがありますが、今回の低気圧は24時間に44hPaの猛発達をしているため定義にあてはまります。9時現在、低気圧は上空の寒気の渦「寒冷渦」のほぼ直下に入り、中心気圧は944hPaにまで発達しました。
小笠原諸島は28日(水)にかけ高波に注意
気象庁 波の高さの予想
低気圧は足早に日本から離れるものの、小笠原諸島では低気圧からのうねりを伴った高波が届いています。小笠原諸島では明日28日(水)にかけて、高波に注意してください。
「コロナ禍では例年より飲食店主の自殺が少ない」協力金バブルの功罪を考える
警察庁の調べによると、2020年の自殺者数は2万1081人で、前年より912人増加した。
09年以降、一貫して減少し続けていた日本における自殺者数が、11年ぶりに増加に転じたことになる。
特徴的なのは男性の自殺者は19年よりも減少した一方で、女性の自殺者数が増えていること。
そして、50代以上の高齢者の自殺者数が減少傾向にある一方で、40代以下の自殺者数が増えていることである。
特に60代が107人減少しているのに対し、20代は404人増加している部分は目を引く。
いわば「若者と女性」が自殺に追い込まれているのである。
20年と言えば、やはり新型コロナウイルスの影響を無視して何かを語ることはできない。自殺が増えた原因はここにあるのだろうか?
当初新型コロナウイルスの問題が報じられた20年の上旬は例年を下回るペースであった。しかし、後半から徐々に自殺数が増え始め、10月に増加した。このあたりは緊急事態宣言など、数カ月で事態が収束すると思われた新型コロナが、収束しなかったことに対する失意があったのかもしれない。
また、新型コロナの影響で、飲食店などの営業が大幅に制限された。ならば当然自営業者、特に飲食店主の自殺が増えているだろうと考えた。
しかしデータを見ると2019年の飲食店主の自殺者数は134人だった一方で、2020年の飲食店主の自殺者数は92人。自営業全体としても、19年が1410人に対して20年が1266人と、新型コロナの影響があった今年のほうが減っているのである。
飲食店主の自殺者数が減っている一方で、学生・生徒の自殺者数は増えている。19年は888人だったのに対して、20年は1039人だった。
さて、こうしたデータをどのように読み解くべきだろうか。
まず、若者と女性中心に自殺者数が増えていることには、思いつく論点がある。
それは非正規労働者の減少である。
ここ数年は正規・非正規共に雇用数は増える傾向にあったが、20年については非正規男性が▲26万人、非正規女性が▲50万人と、大幅に減ってしまっている。
産業別で見るとやはり新型コロナで営業時間が制限されている、宿泊業、飲食サービス業が▲29万人と減らしている一方で、医療、福祉が19万人とその数を増やしている。
飲食のアルバイトなどの働く先やシフトが減り、お金が続かなくなったり、奨学金などの返済に行き詰まったことで、自殺者が増えたのだろうか?
20年における自殺の原因動機別のデータを見ると、確かに若い人の経済・生活問題での自殺者数は増えている。健康問題のほうが増加数は多いので単純に経済だけの話ではないが、少なくとも新型コロナの問題が若者や女性の自殺者数増加に影を落としているとは言えるだろう。
さて、実は最近の若者というのは「景気の落ち込みを経験していない」という話がある。
ずっと景気の落ち込みを実感しているわれわれからは信じがたいことだが、日本で明確に「景気が悪化した」と言えるのは、今から12年以上前、08年のリーマンショックまでさかのぼる必要がある。
実はこのときの落ち込みからこちら12年以上、少なくとも株価は低空飛行ながら右肩上がりだし、期間だけでいえばいざなぎ超えの経済成長を見せている。
もちろん諸外国が日本よりも著しい経済成長を見せているので、相対的に見れば日本経済は世界からどんどんおいて行かれているのだが、日本国内だけを見ていれば、さも景気が良くなっているように思える。
そうした「順調な若者たち」が直面した1つの大きな壁が今回の新型コロナではないだろうか。
大学に進学した学生たちは実家から離れて、学業はもちろん、サークル活動やアルバイトに精を出す未来を予想していたはずだ。
しかし授業はリモート中心で学校に行く機会は非常に少なくなり、思い描いたキャンパスライフがまったく始まらない。中には独り暮らしも始まらず、実家で授業を受けている学生もいる。
すでに人生経験を積んだわれわれから見れば、少し大学で遊べないだけのことに見えるのかもしれないが、自分の思い描いていた光景と異なる景色を受け入れることができず、日々わずかずつ苦悩を積み重ねてしまう若い人はかなり多くいるのではないか。
実は僕もそれと同じような「目の前が暗くなるような状況」を経験したことがある。それはバブル崩壊である。
金銭的な余裕によって生まれていた自分たちの行く末に広がっていた楽しげな光景が瓦解(がかい)し、たどり着いた場所にはあの光景がなく、ただむき出しのむなしい現実に包まれたときに、人は「漠然とした不安」を抱くのだろう。
新型コロナの騒ぎは収束しては再流行を繰り返している。そうした行政の無策の中で、若者たちは自分たちの幸福な行く末を描くことのできない状況に追い込まれているのではないか。
それまでに停滞していない人生を送ってきた若者にとって、そしてそれは80年代という経済成長の時に、順風満帆な思春期を過ごした僕たち就職氷河期世代にとっても、その苦痛は耐えがたいのである。
では、そうした「漠然とした不安」を解消する手段はないだろうか。
もう一度自殺の話に戻りたい。
先に記したとおり、僕が不思議に思っているのは飲食店主の自殺者数が減っていることだ。
飲食店主は新型コロナで大幅な営業制限を受け、大変なことになっていると思っていた。しかし、自殺までに至った人は昨年よりも減った。つまりコロナ禍が苦悩につながっていないのである。
そこで思い出したのが1日に6万円が支給される「時短営業協力金」の存在である。
繁華街の、本来であれば飲み客でごった返す、大規模なお店からすれば「1日6万円なんてはした金」かもしれないが、世の中には1日数万の利益しか出ないような、商売の規模が小さい店も多い。
特に繁華街から離れた自宅を兼ね、地元の人しか相手にしていないような店にとっては、まさにぬれ手で粟(あわ)の「協力金バブル」である。
それを「不公平だ」と不満を言う人も多い。普段稼げてない店が、コロナに乗じてもうけるのはおかしいのではないかと。
しかし、それはつまり、本来であれば売り上げが伸びずに、ひたすらキツい状況に追い込まれていた小さな商いの飲食店が、時短営業協力金をはじめとする行政から出てきたさまざまな支援策という名前の社会保障を受け取ったことで、一時的であれ、経済的な問題からは逃れることができたということである。
今後はどうなるかは分からないが、少なくとも20年という1年間において、飲食店主の自殺者が減ったのは行政が飲食業に対してお金をいろいろと出したからである。
要は、行政がちゃんとした再分配を行うことで、自殺者数はそれなりに減らせるのである。
自殺というのは、極めて個人的な問題である場合も多い。
心の問題や人間関係のこじれなどから自殺をする人に対して、他人が手を差し伸べるというのはかなり難しい。
一方で健康問題であれば、医療の発達で治ることもある。治らないにしてもQOLを高めるような方向性を示すことは可能だ。
さらに経済問題であれば、ちゃんとした社会保障さえあれば9割方は問題を解決できる。実際、20年に飲食店主の自殺者数が減ったというのはそういうことである。
だから、若い人たちの自殺に心を痛めている暇があるなら、行政に対して「若者や女性にちゃんとお金を出せ」と要求すれば良い。
布マスクを配っても不安はパッとは消えないが、漠然とした不安であれば、お金があればある程度は消える。
もらったお金を勉強のために使うのも良し、投資の資金にするのも良し、消え物に使って気晴らしするも良し。若い人がお金を使えば使うほど経済は回るのである。
自殺には「景気の良い状況」が特効薬である。
それは決して株価の数値や、いざなぎ超えのような国の景気の話ではない。
自分たちの生活の中にしっかりとお金が降りてきて、少なくとも金銭的な不安を持たなくても自分たちの生活が営める。また新しいことにチャレンジできる。そんな状態を確信させてくれる状況こそが「景気の良い状況」だ。
あー、もちろん若い人ばかりではなく、非正規労働にしか就けなかったり、正規でも安く買いたたかれてに苦しんでいる、僕たち就職氷河期世代も忘れないでほしい。
参考文献 労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)平均結果 自殺者数|警察庁Webサイト 令和2年中における自殺の状況 資料 令和元年中における自殺の状況 資料
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(フリーライター 赤木 智弘)
コロナ禍で五輪強行開催へと突き進む現状 まるで「太平洋戦争」
世論調査では国民の8割以上が東京五輪の「延期」「中止」やむなしと考えているが、政府も東京都も組織委員会も「開催ありき」だ。国民を感染爆発に晒すリスクから目を背け、その場しのぎの対応策しか繰り出せない様は、かつてこの国を破滅に追い込んだ「あの作戦」とあまりにも似ている――。
菅義偉・首相は4月の日米首脳会談後の共同会見で、「世界の団結の象徴として開催を実現する決意であることを大統領にお伝えし、支持をいただいた」と“五輪強行”を国際公約した。
日本のメディアは世界とは逆に「開幕まであと○○日」とカウントダウンで五輪ムードを煽り、NHKは聖火リレーのインターネット中継で、「五輪反対」と抗議する沿道の声を一部消して配信した。
歴史家の島崎晋氏は、政府とメディアが“ここまで来たらやるしかない”と突き進む現状が、不利な戦況を隠して戦争を続け、国を敗戦へと追い込んだ太平洋戦争と重なって見えるという。
「コロナ禍で五輪開催を強行する政府のやり方は、第2次大戦の最悪の作戦といわれるビルマ(ミャンマー)でのインパール作戦とそっくりです。作戦立案段階から補給が無理だと参謀は反対したのに、司令官の牟田口廉也中将は決行、失敗が明らかになっても保身のために中止せずに日本兵は死屍累々となった」
コロナ対策でも菅政権は過去の教訓に学ぶことなく被害を拡大させている。感染「第4波」にあたって最初は飲食店への時短を要請し、感染拡大が止まらないと、次に「まん延防止等重点措置」、それでもダメで「緊急事態宣言」に追い込まれ、感染者は増えていった。
「ガダルカナル島の戦いの失敗とされる『戦力の逐次投入』と同じです。米軍に占領された飛行場を奪回するため、日本軍は900人の部隊で奪還作戦を行なったが、1万人以上の米軍が待ち構えていて部隊は全滅。次に6200人の部隊を投入したが敗退、3回目の作戦で日本軍はようやく1万5000人の軍を投入したが、米軍もその2倍に増員していて完敗した。正確な情報収集と分析を怠り、戦力を小出しにした結果でした」(同前)
さらに当時の大新聞は「大本営発表」を垂れ流し、ガダルカナルの大敗による撤退を「転進」と言い換え、あたかも作戦が成功しているかのように報じた。全国紙は軒並み「五輪スポンサー企業」に名を連ねており、「五輪中止」を提言していない。開催すれば、再び国民が“一億玉砕”に追い込まれる可能性がある。
※週刊ポスト2021年5月7・14日号
《IOCはGHQか?》菅首相「五輪中止」の責任放棄に批判の声
《IOCはGHQなの?》
《進駐軍が上陸してきて、無理やり五輪を開催でもするんでしょうか?》
いまツイッター上では菅義偉首相(72)にこんなツッコミが相次いでいる。
「東京オリンピックですけれども、これの開催はIOCが権限を持っております。IOCが東京大会を開催することを、既に世界のそれぞれのIOCの中で決めています」
4月23日の会見でこう語った菅首相。東京新聞の記者に「国民の命よりも五輪を優先させていないか」と問われてのことだった。“五輪の開催も中止も、権限はIOC(国際オリンピック委員会)にあるので政府は決められない”というお決まりの逃げ口上。すかさず、フリージャーナリストの江川紹子さんが「IOCは日本国民の命や健康に責任を持っていない」と追及したのだが……。
「IOCがそれぞれの国のオリンピック委員会と協議した上で(開催を)決定しています。<中略>開催する方向で今、動いています」
やはり菅首相は決定権がIOCにあると繰り返すだけで、質問には正面から答えない。江川さんのさらなる質問の声は内閣広報官によって妨害された。ツイッター上では会見を見た人からこんな呆れ声が。
《記者の質問「国民の命より五輪が優先されていないか」に対して「五輪の開催はIOCが権限を持っている」はひどい。これじゃ、日本は主権国家たることを放棄してるように見えちゃう》
政治学者の山口二郎法政大学教授はこうツイートした。
《菅は主権国家の権力者ではない。もしそうならオリンピック開催の権限はIOCにあるなどという責任転嫁をしないはず》
■「成功したら菅首相のおかげ、感染拡大はIOCのせい」
日本国内で行われ、多額の税金が支出されている東京五輪。新型コロナウイルスの感染拡大を招くリスクがあるイベントであるにもかかわらず、五輪の開催についてはIOCがいっさいの権限を有するために、自らに開催の可否は決める責任はないと日本政府は繰り返し主張してきた。一方で、緊急事態宣言下で多くのイベントが中止や延期を余儀なくされるなかでも、聖火リレーは強行。さらに、選手や大会関係者の入国時の特例措置も決まるなど、東京五輪についての“特別扱い”は続いている。
冒頭のように、IOCはまるで日本政府にとって超法規的な上部団体のようだとして、太平洋戦争の敗戦後に日本を占領下に置いていたGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)になぞらえる人も多い。実際に、菅首相や政府関係者の発言からは、IOCは当時の日本にとってのGHQのように、決して逆らえない存在であるかのようにも聞こえる。しかし、スポーツライターはこう指摘する。
「IOCが軍事力を背景に無理やり五輪を開催でもするのでしょうか? 中止や延期の権限がIOCにあるからといって、開催国の意向を無視して五輪はできません。日本側が難しいといえば、その判断は尊重される。菅首相は実質的に中止の決定権を持ちながらも、それを放棄するのは責任逃れというほかありません」
日本側が中止を求めた場合、巨額の違約金を求められるという声も出ているが……。
「全世界的にコロナが流行する前代未聞の状況下で、本当に(違約金を)求められるのか、求められるとしたらいくらなのかも明らかにされていません。いずれにせよ、お金を取られる“かもしれない”から、国民の健康と生命を危険にさらしても五輪を強行する、というのは常識的な判断ではない。もし、違約金を開催の理由にするなら、その金額を明らかにしたうえで、国民の声を聞くべきです」(前出・スポーツライター)
「菅首相は自らが責任を負わない形で五輪が開催されてほしいというのが本音」だと語るのは、与党議員の元秘書だ。
「もちろんIOCはGHQではありませんので(笑)、日本が開催は無理といえばそれが通ることは菅首相もわかっています。実際は東京五輪を行って、お祭りムードの余韻のなかで衆議院選挙に突入したいというのが本音でしょう。なんとなく現状を肯定するような雰囲気があれば、与党に票が流れますから。五輪が滞りなく終われば菅首相の功績、仮に感染拡大の要因となれば開催権をもつIOCのせい、ということにしたいのでしょう」
国民の生命と健康に関する責任を自ら放棄するのは、主権国家の総理大臣にふさわしくない行いであることだけは間違いない。