届くワクチン、予定より大幅に少ない…埼玉県知事「ほとんど話にならない量だ」

埼玉県内に3、4月に届く新型コロナウイルスワクチンの量が計画より大幅に下回る見込みとなったことで、県が調整に追われている。県は、医療従事者に向けた「優先接種」の会場をすでに決定するなど「いつワクチンが届いても接種可能な状態だ」とする。だが、肝心のワクチンについて、国が現時点で県に示している供給量は、約22万人の医療従事者向けで約4万人分、約200万人の高齢者向けで約1万人分しかない。供給量については国の説明も二転三転しており、県担当者は不信感を募らせている。
ワクチンの供給量を巡っては、河野行政・規制改革相が26日、6月末までに約4000万人分の供給を米製薬大手「ファイザー」から受けることで合意したと明らかにした。
ただ、国が県に示しているワクチンの供給量は、優先接種用として3月に届くとしている約4万人分(42箱)と、高齢者への接種用に4月に届くとしている約1万人分(11箱)のみだ。
大野知事は26日、記者団に「ほとんど話にならない量だ」と語った。県幹部は、国が6月末までに供給するとしているワクチンについて「本当に届くのか」と懸念した。
県は3月に開始する医療従事者向けの「優先接種」の会場として、医療機関など約400か所を決定。予約券の発送も2月下旬から始め、3月1日から接種予約をオンライン上で受け付ける体制を整えている。
また、接種後の慢性的なしびれなど、かかりつけ医では対応が困難な副反応に対応する専門医療機関として、埼玉医科大病院(毛呂山町)、埼玉医科大総合医療センター(川越市)、自治医科大学付属さいたま医療センター(さいたま市大宮区)、独協医科大学埼玉医療センター(越谷市)の4か所を指定している。
県の計画では、優先接種は、ワクチン保管用の保冷庫が配備される「基本型接種施設」の80病院を中心に1日あたり約8000回を接種し、約2か月半で全員への接種を終わらせる予定だった。これに対し、県担当者は「当初供給量が約4万人分というペースでは予定の倍以上の時間がかかる計算。その後に十分な量が確実に届くかどうかもわからない」と頭を抱える。
高齢者への接種については、県は各市町村に配分するワクチン量の調整をする。国は4月12日から高齢者向け接種を試験的に始め、全市町村での本格的な接種は同26日以降となる見通しを示しているが、県担当者は「どこの自治体も早く接種したいはず。まず届いたわずかなワクチンをどのように配分するか、議論している」としている。

ネット中傷の発信者特定を簡略化、法改正案を閣議決定…政府が国会に提出

政府は26日、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策として、発信者情報の開示手続きを簡略化するプロバイダー責任制限法改正案を閣議決定し、今国会に提出した。成立すれば、2022年中に施行される見通し。
改正案では、ネット上で中傷を受けた被害者から申し立てを受けた裁判所が、発信者情報の開示の可否を決定する。現在、発信者を特定するには、被害者がSNS運営会社とネット接続業者(プロバイダー)に対して計2回の開示請求訴訟を起こすことなどが必要となっている。

リニア「水問題」新聞が報じない静岡県の大矛盾 県外流出する水量は年間変動幅のわずか0.5%

リニア静岡問題を議論する国の有識者会議で、水循環研究の第一人者、沖大幹・東京大学教授(水文学)が静岡県の姿勢を厳しく批判した。 沖発言の基になったJR東海作成の「水循環図」が、リニアトンネル掘削による大井川下流域への影響があまりに小さいことを教えるが、会議を取材した新聞、テレビは一切、報道しなかった。沖教授の“爆弾発言”も川勝平太静岡県知事らは無視したままである。 リニア静岡問題の核心は、川勝知事が、大井川流域住民の“命の水”を守るとして、JR東海のリニアトンネル建設で失われる湧水全量を戻すことを求めていることだ。この問題が解決するまでは、トンネル工事に必要な河川法の占用許可を認めない姿勢を知事は崩さない。 ■「中下流域の水量」は維持される 2月7日に開かれた第8回有識者会議で、JR東海はトンネル掘削に伴い、減少する大井川の流量を導水路トンネルの設置で戻す計画を示し、大井川に湧水全量を戻せば、中下流域での河川流量は維持されることを明らかにした。さらに、県境付近の断層帯を山梨県側から上向きに掘削、全く対策を立てなければ、最大約300万~500万立方メートルの湧水が県外に流出すると推計、導水路トンネルで大井川に戻す量を考慮すると、中下流域の河川流量は維持されると説明した。 有識者会議の指摘を踏まえ、JR東海は一般の人たちが理解しやすいように、中下流域の影響等を視覚的に伝える大井川の水循環図を作成している。第7回会議で種類の違う3枚の水循環図を作成、第8回会議では、「現状の水循環量」について、国土交通省や中部電力の公表したデータを基に上流、中流、下流域で河川流量がわかる4枚目の水循環図を提示した。 新たな水循環図で沖教授が注目したのは、下流域にある川口発電所付近の河川流量。上水道、農業、工業の利水団体が年約9億立方メートルの水利権を持ち、川口発電所付近にある2つの取水口から表流水を取り入れている。川口発電所下流の神座地区で国が実測した河川流量は年約19億立方メートルで、水利権量の約9億立方メートルを合計すると下流域の河川流量は年約28億立方メートルにも上ることがわかった。 神座地区の河川流量は平均約19億立方メートルだが、年による変動幅はプラスマイナス9億立方メートル。つまり、水量の多い年は28億立方メートルだが、最も少ない年の流量は10億立方メートルとなってしまう計算である。 沖教授は、大井川下流域の河川流量の変動幅約9億立方メートルに着目して、「トンネル掘削による県外流出量は(最大)500万立方メートルや300万立方メートルであり、非常に微々たる値だ。これを問題視するのであれば、静岡県は年に何億立方メートルも変動する水量をいかに押さえて、住民が安定して水を使えるように努力しているのか」など疑問を投げ掛け、県の姿勢を正した。

リニア静岡問題を議論する国の有識者会議で、水循環研究の第一人者、沖大幹・東京大学教授(水文学)が静岡県の姿勢を厳しく批判した。
沖発言の基になったJR東海作成の「水循環図」が、リニアトンネル掘削による大井川下流域への影響があまりに小さいことを教えるが、会議を取材した新聞、テレビは一切、報道しなかった。沖教授の“爆弾発言”も川勝平太静岡県知事らは無視したままである。
リニア静岡問題の核心は、川勝知事が、大井川流域住民の“命の水”を守るとして、JR東海のリニアトンネル建設で失われる湧水全量を戻すことを求めていることだ。この問題が解決するまでは、トンネル工事に必要な河川法の占用許可を認めない姿勢を知事は崩さない。
■「中下流域の水量」は維持される
2月7日に開かれた第8回有識者会議で、JR東海はトンネル掘削に伴い、減少する大井川の流量を導水路トンネルの設置で戻す計画を示し、大井川に湧水全量を戻せば、中下流域での河川流量は維持されることを明らかにした。さらに、県境付近の断層帯を山梨県側から上向きに掘削、全く対策を立てなければ、最大約300万~500万立方メートルの湧水が県外に流出すると推計、導水路トンネルで大井川に戻す量を考慮すると、中下流域の河川流量は維持されると説明した。
有識者会議の指摘を踏まえ、JR東海は一般の人たちが理解しやすいように、中下流域の影響等を視覚的に伝える大井川の水循環図を作成している。第7回会議で種類の違う3枚の水循環図を作成、第8回会議では、「現状の水循環量」について、国土交通省や中部電力の公表したデータを基に上流、中流、下流域で河川流量がわかる4枚目の水循環図を提示した。
新たな水循環図で沖教授が注目したのは、下流域にある川口発電所付近の河川流量。上水道、農業、工業の利水団体が年約9億立方メートルの水利権を持ち、川口発電所付近にある2つの取水口から表流水を取り入れている。川口発電所下流の神座地区で国が実測した河川流量は年約19億立方メートルで、水利権量の約9億立方メートルを合計すると下流域の河川流量は年約28億立方メートルにも上ることがわかった。
神座地区の河川流量は平均約19億立方メートルだが、年による変動幅はプラスマイナス9億立方メートル。つまり、水量の多い年は28億立方メートルだが、最も少ない年の流量は10億立方メートルとなってしまう計算である。
沖教授は、大井川下流域の河川流量の変動幅約9億立方メートルに着目して、「トンネル掘削による県外流出量は(最大)500万立方メートルや300万立方メートルであり、非常に微々たる値だ。これを問題視するのであれば、静岡県は年に何億立方メートルも変動する水量をいかに押さえて、住民が安定して水を使えるように努力しているのか」など疑問を投げ掛け、県の姿勢を正した。

眞子さま結婚問題に言及 陛下から殺伐とした秋篠宮家へのメッセージか

お誕生日を前に行われた天皇陛下の記者会見(2月19日)での発言が波紋を呼んでいる。今や皇室全体を揺るがす問題となった眞子さまの結婚問題について、陛下は、 《眞子内親王の結婚については、国民の間で様々な意見があることは私も承知しております。このことについては、眞子内親王が、ご両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております》 と、ご発言。眞子さまに対する“最後通告”とも取れる、踏み込んだ内容に衝撃が走った。皇室関係者によれば、 「陛下は本来、他人の行いに言葉を挟まれる方ではない」という。ましてや、眞子さまは愛子さまの姉代わりの存在でもあり、かわいい姪でもある。できることなら、静かに見守り、ご結婚を祝福したいお気持ちもお持ちだっただろう。 「そうしたお人柄の陛下が今回のような発言をせざるを得なかったのは、“皇室の長”というお立場ゆえの、やむにやまれぬ強いお気持ちがあったのでしょう」(皇室関係者) 陛下は眞子さまのご結婚について、《国民の間で様々な意見があること》をお認めになった。まずは、国民に寄り添われる、それこそが陛下が最優先にされるお考えなのだ。その発言には、眞子さまのお気持ちが、国民の気持ちと乖離していることへの懸念が感じられる。 眞子さまは昨年11月、ご結婚に関する「お気持ち」を記された文書を発表された。そこでは、《天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下にご報告を申し上げ》たこと、そして、両陛下が《私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっている》ことが記された。 「眞子さまの発表された文書を読む限り、陛下は眞子さまのご結婚に『お墨付き』を与えているかのような印象を抱きました。ですが、その実はまったく違ったということでしょう。陛下と眞子さまの間には、はっきりとした温度差があることが示されたのです。眞子さまがご自分のお気持ちを優先して結婚を強行しようとされることで、皇室の中で孤立状態にある現状が浮き彫りになったのです」(皇室ジャーナリスト) 背景には、コロナ禍で皇族方のお出ましが減り、国民と皇室のつながりが希薄になりかねない現状もあるだろう。そんな世相の中で、皇室のいちばんの話題が眞子さまのご結婚。そうした状況は、国民に寄り添うことを願われる陛下にとって、喜ばしいことであるはずがない。 陛下の“注文”は、秋篠宮ご夫妻にも向けられている。秋篠宮家は「将来の天皇家」でもある。だが、眞子さまのご結婚の騒動で国民からの風当たりは厳しい。皇室の将来を思うと、陛下のご懸念はいかばかりだっただろう。
お誕生日を前に行われた天皇陛下の記者会見(2月19日)での発言が波紋を呼んでいる。今や皇室全体を揺るがす問題となった眞子さまの結婚問題について、陛下は、
《眞子内親王の結婚については、国民の間で様々な意見があることは私も承知しております。このことについては、眞子内親王が、ご両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております》
と、ご発言。眞子さまに対する“最後通告”とも取れる、踏み込んだ内容に衝撃が走った。皇室関係者によれば、
「陛下は本来、他人の行いに言葉を挟まれる方ではない」という。ましてや、眞子さまは愛子さまの姉代わりの存在でもあり、かわいい姪でもある。できることなら、静かに見守り、ご結婚を祝福したいお気持ちもお持ちだっただろう。
「そうしたお人柄の陛下が今回のような発言をせざるを得なかったのは、“皇室の長”というお立場ゆえの、やむにやまれぬ強いお気持ちがあったのでしょう」(皇室関係者)
陛下は眞子さまのご結婚について、《国民の間で様々な意見があること》をお認めになった。まずは、国民に寄り添われる、それこそが陛下が最優先にされるお考えなのだ。その発言には、眞子さまのお気持ちが、国民の気持ちと乖離していることへの懸念が感じられる。
眞子さまは昨年11月、ご結婚に関する「お気持ち」を記された文書を発表された。そこでは、《天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下にご報告を申し上げ》たこと、そして、両陛下が《私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっている》ことが記された。
「眞子さまの発表された文書を読む限り、陛下は眞子さまのご結婚に『お墨付き』を与えているかのような印象を抱きました。ですが、その実はまったく違ったということでしょう。陛下と眞子さまの間には、はっきりとした温度差があることが示されたのです。眞子さまがご自分のお気持ちを優先して結婚を強行しようとされることで、皇室の中で孤立状態にある現状が浮き彫りになったのです」(皇室ジャーナリスト)
背景には、コロナ禍で皇族方のお出ましが減り、国民と皇室のつながりが希薄になりかねない現状もあるだろう。そんな世相の中で、皇室のいちばんの話題が眞子さまのご結婚。そうした状況は、国民に寄り添うことを願われる陛下にとって、喜ばしいことであるはずがない。
陛下の“注文”は、秋篠宮ご夫妻にも向けられている。秋篠宮家は「将来の天皇家」でもある。だが、眞子さまのご結婚の騒動で国民からの風当たりは厳しい。皇室の将来を思うと、陛下のご懸念はいかばかりだっただろう。

総務省接待問題「記憶にない」連発幹部の巧妙な“辻褄合わせ”

臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、菅義偉首相の長男らによる総務省の接待問題について。 * * * “こういうことはどこの社会でも多かれ少なかれあること”と思うからこそ、総務省が公表した調査結果に「甘い」と感じた人は多いだろう。菅首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」から総務省幹部らが接待を受けていた問題で、総務省は2月24日、倫理規定違反で11人を処分。だが同省は、「(会食した相手が)利害関係者とは認識しておらず、正剛氏(菅首相の長男)の存在が会食に影響を及ぼしたかは確認できない」と発表したのだ。そんなことあるはずないと思うのだが、“永田町の常識は世間の非常識”と言われるだけに何が起こるかわからない。 例えば、答弁でよく政治家が使う「記憶はございません」という便利な言葉を、社内調査で言ってみようものなら、どんなことが起こるか想像するだけでも怖ろしい。だが、接待を受けた総務省の秋本芳徳・情報流通行政局長は、この言葉を17日の国会で連発。会食時、BSやCSなどの放送業に関する話が話題に上ったことについても、「事業に関して要望を受けた記憶もない」と答弁したのだから、よほど怖いモノ知らずなのだろう。 嘘はつきたくないが、自分の口から真実をつまびらかにはできないとなると、「記憶にない」、「覚えていない」といった言葉を常套句にするしかない。だが、下手に言い逃れし否定しようものなら、確実に仕留めようと二の矢、三の矢が次々と放たれるご時世である。霞が関の優秀な官僚たちは、本当にこれで逃げ切れると思ったのだろうか。 案の定、今回の接待問題を最初に報じた週刊文春が会食時の音声を公開すると、18日には秋本氏は「私の音声と思われる」と認めながらもやはり「記憶にない」とし、19日には「今となっては発言はあったのだろうというふうに受け止めています」と認めることとなった。 しかし、秋本氏が認めたのはあくまで“事実上”のこと。はっきり認めたわけではない。「発言はあったのだろうというふうに受け止めている」ということは、“そう言われたからきっとそうなんだろう”という感覚・認識であり、“思い出した”でも“記憶違いだった”でもない。「虚偽記憶」の逆バージョンのテイを装い、発言の変遷を「記憶力不足」として反省し、辻褄合わせをきちんとしているのだ。
臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、菅義偉首相の長男らによる総務省の接待問題について。
* * * “こういうことはどこの社会でも多かれ少なかれあること”と思うからこそ、総務省が公表した調査結果に「甘い」と感じた人は多いだろう。菅首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」から総務省幹部らが接待を受けていた問題で、総務省は2月24日、倫理規定違反で11人を処分。だが同省は、「(会食した相手が)利害関係者とは認識しておらず、正剛氏(菅首相の長男)の存在が会食に影響を及ぼしたかは確認できない」と発表したのだ。そんなことあるはずないと思うのだが、“永田町の常識は世間の非常識”と言われるだけに何が起こるかわからない。
例えば、答弁でよく政治家が使う「記憶はございません」という便利な言葉を、社内調査で言ってみようものなら、どんなことが起こるか想像するだけでも怖ろしい。だが、接待を受けた総務省の秋本芳徳・情報流通行政局長は、この言葉を17日の国会で連発。会食時、BSやCSなどの放送業に関する話が話題に上ったことについても、「事業に関して要望を受けた記憶もない」と答弁したのだから、よほど怖いモノ知らずなのだろう。
嘘はつきたくないが、自分の口から真実をつまびらかにはできないとなると、「記憶にない」、「覚えていない」といった言葉を常套句にするしかない。だが、下手に言い逃れし否定しようものなら、確実に仕留めようと二の矢、三の矢が次々と放たれるご時世である。霞が関の優秀な官僚たちは、本当にこれで逃げ切れると思ったのだろうか。
案の定、今回の接待問題を最初に報じた週刊文春が会食時の音声を公開すると、18日には秋本氏は「私の音声と思われる」と認めながらもやはり「記憶にない」とし、19日には「今となっては発言はあったのだろうというふうに受け止めています」と認めることとなった。
しかし、秋本氏が認めたのはあくまで“事実上”のこと。はっきり認めたわけではない。「発言はあったのだろうというふうに受け止めている」ということは、“そう言われたからきっとそうなんだろう”という感覚・認識であり、“思い出した”でも“記憶違いだった”でもない。「虚偽記憶」の逆バージョンのテイを装い、発言の変遷を「記憶力不足」として反省し、辻褄合わせをきちんとしているのだ。

いきなり「勧告」あり得ない、医療界の強い反発…[政治の現場]緊急事態再発令<7>

昨年12月下旬、首相官邸の一室。首相補佐官の和泉洋人は、厚生労働省医政局長の迫井正深から新型コロナウイルス患者向けの病床について説明を受けると、思わず声を上げた。「どうして病床が増えないんだ」
和泉は政府の病床確保タスクフォースを束ねる。この時期、東京都では新型コロナ向けの病床使用率が「危険水域」の50%を超え、入院待ちの人数も膨れあがっていた。都の動きは鈍く、病床確保を急ぐ和泉は毎週、厚労省幹部を官邸に呼んでは、資料を手に「ここの病院にも電話しろ」と細かく指示を飛ばした。
指示を踏まえて厚労省や都などが説得に当たっても、病院からはゼロ回答が相次いだ。重症患者受け入れには「1人につき約10床分の労力と場所が必要」(医療関係者)とされ、二の足を踏むところが多かった。
昨春の「第1波」では、PCR検査体制の不備で「検査を受けたくても受けられない」との不満が渦巻いた。今冬の「第3波」は「入院したくても入院できない」ことが問題となっている。入院先が見つからない患者が、自宅や高齢者施設で亡くなるケースも頻発した。
専門家は第1波の収束後から、冬場の感染拡大に備えて病床確保を急ぐよう警鐘を鳴らしていた。昨年11月20日、政府のコロナ対策分科会も「早晩、公衆衛生体制及び医療提供体制が

逼迫
( ひっぱく ) する可能性が高い」と提言した。
これに対し、政府の動きは鈍かった。厚労省が病床確保へ向け、コロナ患者の受け入れ病院に1床当たり最大1500万円を補助する緊急支援策を打ち出したのは、12月25日のことだ。
病床確保のテコとなる法制度にも甘さがあった。それまでの感染症法は、厚労相や知事が医療関係者に必要な措置を取るよう「協力を求めることができる」としていただけだ。政府は2月3日、改正感染症法を成立させ、「協力要請」に加えて「勧告」を導入した。コロナ患者の受け入れ勧告に応じない病院名などを公表できるようにもした。
だが、これで万全というにはほど遠い。
「いきなり『勧告』なんて、あり得ない」。1月中旬、政府の改正方針が報道されると、日本医師会長の中川俊男は厚労省健康局長の正林督章に電話で強く抗議した。厚労相の田村憲久は記者会見で「無理やりではなく、互いの信頼のもとに対応いただく」と釈明に追われた。今月13日に施行された改正感染症法で、勧告は「例外中の例外」と位置づけられた。

「このままでは保健所体制が崩壊する」コロナ対応“最前線”に立たされた現場からの悲鳴

〈保健所は地域における健康危機管理の拠点ですが、医療機関や消防警察などと異なり、通常の職員体制は24時間交代制ではないにもかかわらず、災害時に準じた対応を余儀なくされています〉
〈感染者が増加する地域においては、対応の重みづけや優先順位を定めて業務の軽減化を行わなければ、保健所体制が崩壊する〉
年末年始の“感染爆発”に至る前の2020年12月8日、こう危機感を露わにして、厚生労働大臣宛に「新型コロナ対策における緊急提言」を提出したのは「全国保健所長会」だ。
24時間体制ではない保健所に過重な負担
保健所は、全国に469カ所あり、都道府県、政令市、中核市、特別区などが設置、運営している。その保健所が、コロナ対応において、1年もの長期にわたって“現場の最前線”を担い続けている。
しかし、そもそも保健所は、「感染症拡大防止の重要拠点」ではあっても、その日常業務は、精神保健、母子保健、飲食店・クリーニング業・理容業・旅館業の営業許可など広範囲にわたる。
また“危機”や“災害”に即応する「救急医療」「消防」「警察」とは異なり、「24時間交代制」ではない。
今回のコロナ禍では、そんな保健所に、過重な負担がかかっているのだ。
全国保健所長会会長で大分県東部保健所長の内田勝彦氏は、「緊急提言」にまで追い詰められた“保健所の業務逼迫”の厳しい現状をこう語る。
〈保健所の最も重要な役割は、「感染症や食中毒の拡大防止」にあり、そのための「疫学調査の実施」が“本来の業務”です〉
〈例えば、すでに発症した感染症や食中毒の患者の「診断」と「治療」を行うのは「医療機関」ですが、これによって個々の患者さんは治っても、そこから次の人に感染や食中毒が拡がる可能性があります。これを防ぐのが保健所の役目です。医療機関は「診断」と「治療」を担い、保健所は「疫学調査(感染拡大防止)」を担うといった大まかな役割分担があるわけです〉
〈ですので、私どもの日常業務では、「この患者さんは感染症の疑いがある」「食中毒の疑いの患者さんがいる」といった医療機関からの通知が“業務の開始”となるのが普通です。これを受けて、実際に拡がりをもつ事例なのかを調査で確かめて対策を打つのが保健所の仕事です〉
つまり、「診断・治療(医療機関)」と「疫学調査(保健所)」という役割分担があり、通常の場合、保健所にとっては、「医療機関からの通知が“業務の開始”となるのが普通」なのだ。
医療機関より先に前線に立つ事態に
〈ところが、今回の新型コロナでは「医療機関からの通知を受けて」といった通常の業務とは「逆の流れ」となりました。医療機関よりも保健所が先に“前線”に立つ事態となったわけです〉
〈未知の新型感染症であれば、少なくとも当初は、医療機関で「臨床診断」を行うことは不可能です。今回の新型コロナでも、新たなPCR検査(行政検査)が必要となり、しかもまずは「検査の質」を保証することが最重要課題でしたので、厚労省の依頼を受けた「地方衛生研究所」(全国77カ所)でしか検査はできませんでした。こういう仕組みですから、保健所が検査を仲介することになったわけです〉
〈また当初は「どの国からの帰国者の感染リスクが高いか」といった情報も行政の側にあったので、「臨床医」ではなく、私ども保健所が“前線”を担うことになりました〉
〈しかし、そのうち「市中感染」が始まり、「誰が感染者か」を「行動歴」で判断できる割合は小さくなっていきました。こうなると、「臨床医」が迅速に判断する方が適切なケースが増えてきます。私どもも途中から国に要望したことですが、その後、PCR検査は「保険適用」となり、保健所に問い合わせることなく、臨床医が自身の判断で検査できる環境が整いました。これによって、業務が逼迫していた私ども保健所も非常に助かったんです〉
業務の量だけでなく質的拡大も
“前線”に立たされた保健所は、さらなる感染拡大で負担がいっそう増大し、しかも業務の「量的な拡大」だけでなく、「質的な拡大」まで生じたという。
〈保健所は“本来の業務”である「積極的疫学調査(濃厚接触者の追跡調査)」よりも「入院先の手配」や「自宅療養者に対する健康観察や生活支援」に追われます。つまり「陽性者の確認」だけでなく「個々の陽性者への具体的な対応」も担うことになり、保健所の「業務処理件数が量的に増える」だけでなく「業務内容が質的にも拡大する」ことになったんです〉
つまり、「疫学調査」だけでなく、「入院先の手配」や「自宅療養者に対する健康観察や生活支援」まで、「24時間交代制」ではない保健所が担うことになったのだ。
せめてコロナ治療後の患者の受け入れを
こうした立場の保健所にとって、「病床の確保」は死活問題だ。
しかし、内田氏によれば、「設備も人員も感染防止のノウハウも、十分ではない民間病院にとって、コロナ患者の受け入れは、なかなかハードルが高い」という。とはいえ、「そんな民間病院にも担える役割がある」と内田氏は述べる。
〈とくに高齢者では、コロナ罹患をきっかけに慢性疾患が悪化するケースが多く、コロナからの回復後も、「慢性疾患の治療」を引き続き必要とする患者が多いのですが、そうした患者の受け入れが、地域の病院や高齢者施設から敬遠されるケースが目立っています〉
〈「急性期のコロナ患者」の受け入れは困難でも、「コロナ治療後にも入院が必要な患者」を受け入れる病院が増えれば、現在の病床逼迫の状態も改善に向かうはずです。入院先を手配する保健所として、地域の民間病院にそうした役割をぜひ担っていただけたらと願っています〉
内田勝彦氏「 保健所の悲鳴を聞いてほしい 」の全文は、「文藝春秋」3月号および「文藝春秋digital」に掲載されている。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2021年3月号)

「1人目がフロントガラスにへばりついて…」原宿・竹下通りを車で暴走 8人をはねた男の“許しがたい動機”

東京・原宿の竹下通りで通行人を無差別に殺害しようと軽乗用車で暴走し、8人に重軽傷を負わせたとして、殺人未遂罪に問われた無職・日下部和博被告(23)。その裁判員裁判が2月18日、東京地裁で開かれた。
事件が発生したのは、2019年元日の午前0時10分のことだ。日下部はシルバーの軽自動車で、明治通りから車両進入禁止の竹下通りへ走行。計4カ所で8人をはねた挙句、ビルに激突。降車して目撃者を殴って逃走したが、間もなく逮捕された。「死刑制度に対する報復でやった」などと供述したことから、海外で多発する単独犯のテロ行為になぞらえ、「ローンウルフ型」とも形容された。
「検察側は公判で動機について『18年7月のオウム真理教幹部13人に対する死刑執行を機に“死刑制度を支持する国民を許せない”と考えるに至り、テロ行為を計画した』と主張しました。実際、事件の直前には『オウムの報復』などと書き残していたことも指摘している。日下部は暴走テロを起こすため、わざわざ免許を取得し、大阪で借りたレンタカーで原宿まで移動。火炎放射器のように加工した高圧洗浄機を車内に積み込んだとして、殺人予備罪でも起訴されています」(社会部記者)
日下部被告が語った動機
これに対し、弁護側は統合失調症による心神喪失状態だったとして無罪を主張した。スーツ姿で現れた日下部本人も「1人でも多く撥ねようとしたのは事実だが、殺意はなかった」と起訴内容を否認。動機については、「無力化された死刑囚の命を奪うことは許されない」と唐突に語った。
「当初は『オウム関連組織や死刑反対関連団体に所属しているのでは』と目されましたが、そうした形跡は確認できなかった。弁護側によると、日下部が中学2年の頃からアルコール依存症の父親に暴力を振るわれたそうです。高校に入学すると、今度は被害妄想が現れ始めた。母親にも『臭いと言われる』『“日下部 臭い”と検索すると自分のことが書いてある』などと相談したものの、そうした事実はなかったようです。その後も妄想に悩まされ、東京の専門学校に入学したものの、数カ月で退学。18年4月に大阪の大学に入り直した頃には、死刑制度を許せなくなったといいます。オウムの死刑執行はその3カ月後でした」(同前)
その一方で、何の落ち度もない被害者らが負った傷は深い。自らも撥ねられた被害者は、他の被害者について「頭から大量に出血していた」などと当時の状況を生々しく語っている。
認否に絡み、「1人目をはねたときフロントガラスにへばりついて前がよく見えなかった」などと被害者を人とも思わぬような発言をした日下部。判決は3月17日に言い渡される。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年3月4日号)

政府、皇位継承議論を開始へ 3月末までに有識者会議か

政府は、国会から速やかな検討を求められている安定的な皇位継承策を巡り、3月末までに本格的な検討を開始する方向で調整に入った。有識者会議の設置が念頭にあるとみられる。政府関係者が26日、明らかにした。2019年の上皇さまの天皇退位後、2年近くにわたって先送りされてきた議論がようやく始まる。
有識者会議は、会議のメンバーが複数の専門家から意見聴取する形式を想定する。会議設置に向け、政府は昨年から衆参両院との調整に着手するなど環境整備を進めてきた。

古い血痕、新手法で検出可能に 福井県警科捜研が開発

福井県警科学捜査研究所(科捜研)は26日、犯行現場に残されて長時間経過した血痕が、人間に由来するものだと証明する新たな検査方法を開発したと発表した。開発者の村橋将崇研究員(34)は「現場からより多くの証拠を確認できるようになる」と話している。
村橋さんは15年春ごろから研究に着手。100種類以上の試薬から、時間の経過や加熱の影響で固まった血液中のヒトヘモグロビンを解きほぐす試薬と、解きほぐした状態で安定させる試薬を使い、2段階で処理して検出しやすくする方法を開発した。
研究は独学術誌に掲載され、特許も取得。昨年9月からは全国の科捜研に導入されたという。