国内で9日、新型コロナウイルス感染症による累計死者数が4035人となり、4千人を超えた。2千人を超えてから昨年12月22日に3千人に達するまでの期間は1カ月だったが、その後わずか半月余りで約千人増えた。感染が急拡大するのに伴い、死者の増加ペースも加速している。
9日の感染者は全国で7790人が報告され、前日に続く過去2番目の多さになった。7千人を超えたのは3日連続。東京が3日続けて2千人台となる2268人、神奈川が最多の999人、大阪が過去2番目の647人になるなど、各地で感染拡大が止まらない状況。死者は大阪10人、兵庫9人、東京8人など計59人。
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朝日新聞が「神田伯剌西爾」を「神田伯刺西爾」と誤記→謝罪 一体どこが間違っている?
「神田伯刺西爾」とあるのは「神田伯剌西爾」の誤りでした――。
朝日新聞は2021年1月8日付の朝刊(東京最終版)で、5日付朝刊に掲載した喫茶店の名前に誤りがあったことを説明し、謝罪した。一見しただけではわかりづらいが、どこを間違えたのだろうか。
漢字の「偏」をよく見ると…
朝日新聞が謝罪したのは、1月5日付の朝刊社会面に掲載した『飲食店ばかり、また 更なる時短へ「死活問題」「支援を」 緊急事態宣言、検討』という記事。4都県への緊急事態宣言再発出で飲食店へ時短要請が出されることを受け、東京・神保町にある喫茶店の店長に思いを聞いていた。同紙が取材した喫茶店の名前として表記されたのは、「神田伯刺西爾(ぶらじる)」。本文中と、写真横の説明の2か所に記されていた。
しかし3日後の1月8日、朝日新聞は朝刊社会面に「おわび欄」を掲載。訂正内容は次のようなものだった。
「刺」と「剌」――。これだけ見て、一体どこが違うのだろう、と思った人もいるだろう。しかし、漢字の偏(へん)の部分をよく見てみる。誤りだった「刺」では真ん中にある「口」の下の部分が開いているのに対し、正しい「剌」では「口」が閉じているのだ。よく見ないと気がつかないようなわずかな違いだが、朝日新聞は「執筆の際に誤記しました。写真説明とともに訂正します」とし、謝罪した。
「刺」と「剌」、読み方・意味の違いは?
では、「刺」と「剌」の読み方、意味の違いはどういったものだろうか。日本漢字能力検定協会が運営する漢字・日本語検索サイト「漢字ペディア」によれば、「刺」は漢検4級に相当する常用漢字だ。読み方は、音読みで「シ」「セキ」、訓読みで「さ(す)」「さ(さる)」「そし(る)」「とげ」「なふだ」。意味には「さす。つきさす」「そしる。なじる。相手を非難する」「とげ。はり」「なふだ」がある。ページでは丁寧にも「『剌(ラツ)』は別字」と参考書きが記されていた。
一方の「剌」は常用漢字ではなく、漢検1級に相当する漢字だ。読み方は音読みで「ラツ」、訓読みで「もとる」「そむく」。意味は「勢いよくとびはねるさま。『剌(ハツラツ)』」と「もと(る)。そむ(く)。『剌謬(ラツビュウ)』」の2つがあると説明されている。こちらのページにも「『刺』は別字」と参考書きが記されていた。
「刺」と「剌」は、国語辞典『広辞苑第七版』(岩波書店)ではどう説明されているのか。「刺す」を引くと「こことねらいを定めたところに細くとがったものを直線的につらぬきとおす」「つきこむ。つきとおす」「刃物で人をついて殺傷する」など、詳細に意味の説明がなされている。
一方の「剌(らつ)」は「亜剌比亜の略」とだけ記載されており、これ以外に詳しい意味は載っていない。「亜剌比亜」は「アラビア」を漢字で表したものだ。また、「はつらつ」で引くと「溌剌」が出てきたものの、「もとる」「そむく」と引いても「剌る」「剌く」という漢字はそれぞれ出てこず。「剌謬」も出てこなかった。
東国原英夫氏、菅義偉首相のテレビ出演にポツリ「メディアに露出すればする程、評価が下がる感じがする」
元宮崎県知事でタレントの東国原英夫氏(63)が9日までに自身のツイッターを更新。8日夜放送のテレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜・後9時54分)に出演した菅義偉首相(72)について、独自の見解を示した。
この日、菅首相の同番組出演時のやりとりを取り上げた記事を貼り付けた東国原氏。「菅総理、メディアに露出すればする程、評価が下がる感じがする」とつづった上で「兎に角、凄い政治家だし、素で喋ると可也饒舌なのにな」(原文ママ)と続けていた。
福岡県でコロナ感染者リスト漏洩 個人情報が流出した元感染者の憤り
1月5日、福岡市は行政サービスのデジタル化を進めるための「DX(デジタルトランスフォーメーション)デザイナー」に、ネット掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」創設者の西村博之氏や内閣官房IT総合戦略室の東宏一氏ら4名に委嘱したと発表した。ところがその翌日、福岡県が管理していた新型コロナウイルス感染者の情報がネット上に漏洩していると判明し報じられた。ライターの宮添優氏が、どんな形で情報が漏洩してしまったのか、漏らされた当事者の戸惑いとともにレポートする。 * * * 福岡県が管理していた県内の新型コロナウイルス感染者に関する情報が、一ヶ月以上にわたり、ネット上に公開されていたことが判明。当初は「事実確認中」としていた福岡県側も、テレビニュースなどで報じられると、事実関係を認め謝罪した。「データは消した」と苦しい弁明に追われている。自治体が管理するコロナ関連のデータ漏洩といえば、昨年5月には愛知県が、感染者の氏名など500人弱の個人情報を、新型コロナウイルス感染症関連のウェブサイト上に誤って掲載し、やはり謝罪に追い込まれている。 こうした不祥事が続けば、官公庁でもDX(デジタルトランスフォーメーション)化が推し進められているのにこのザマか、とため息が聞こえてきそうだが、福岡の「情報流出」はそれで終わる話ではない。騒動を取材した全国紙記者が打ち明ける。 「福岡県の担当者が作成した『Googleドキュメント』上にまとめていた感染者リストのURL(リンク)が、間違って無関係の一般人に送られたことがきっかけで明るみに出たようです。愛知県の流出騒ぎでは、漏洩したのは500人弱の名前などの情報でしたが、今回は住所付きの情報もあり、それが数千件、いやもっと多い可能性もあります。というのも、外部からアクセス可能な状態になっていたのは複数のファイルで、中には作りかけと思われるファイルもありました。少なくとも、福岡県全域で感染者9千数百名以上の個人情報が掲載されているのです」(全国紙記者) Gmailをはじめとした、無料で利用できるGoogleサービスのひとつに「Googleドキュメント」がある。Googleドキュメントでは文書作成や表計算ソフトなどの機能が提供されており、ファイルを作ってネット上に保存もできる。ネットに繋がりさえすれば誰でも利用が可能なので、ファイルの共有にもよく使われているのは事実だ。ただ、機密データを無料サービスを利用して共有するのは、褒められた業務姿勢ではないだろう。
1月5日、福岡市は行政サービスのデジタル化を進めるための「DX(デジタルトランスフォーメーション)デザイナー」に、ネット掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」創設者の西村博之氏や内閣官房IT総合戦略室の東宏一氏ら4名に委嘱したと発表した。ところがその翌日、福岡県が管理していた新型コロナウイルス感染者の情報がネット上に漏洩していると判明し報じられた。ライターの宮添優氏が、どんな形で情報が漏洩してしまったのか、漏らされた当事者の戸惑いとともにレポートする。
* * * 福岡県が管理していた県内の新型コロナウイルス感染者に関する情報が、一ヶ月以上にわたり、ネット上に公開されていたことが判明。当初は「事実確認中」としていた福岡県側も、テレビニュースなどで報じられると、事実関係を認め謝罪した。「データは消した」と苦しい弁明に追われている。自治体が管理するコロナ関連のデータ漏洩といえば、昨年5月には愛知県が、感染者の氏名など500人弱の個人情報を、新型コロナウイルス感染症関連のウェブサイト上に誤って掲載し、やはり謝罪に追い込まれている。
こうした不祥事が続けば、官公庁でもDX(デジタルトランスフォーメーション)化が推し進められているのにこのザマか、とため息が聞こえてきそうだが、福岡の「情報流出」はそれで終わる話ではない。騒動を取材した全国紙記者が打ち明ける。
「福岡県の担当者が作成した『Googleドキュメント』上にまとめていた感染者リストのURL(リンク)が、間違って無関係の一般人に送られたことがきっかけで明るみに出たようです。愛知県の流出騒ぎでは、漏洩したのは500人弱の名前などの情報でしたが、今回は住所付きの情報もあり、それが数千件、いやもっと多い可能性もあります。というのも、外部からアクセス可能な状態になっていたのは複数のファイルで、中には作りかけと思われるファイルもありました。少なくとも、福岡県全域で感染者9千数百名以上の個人情報が掲載されているのです」(全国紙記者)
Gmailをはじめとした、無料で利用できるGoogleサービスのひとつに「Googleドキュメント」がある。Googleドキュメントでは文書作成や表計算ソフトなどの機能が提供されており、ファイルを作ってネット上に保存もできる。ネットに繋がりさえすれば誰でも利用が可能なので、ファイルの共有にもよく使われているのは事実だ。ただ、機密データを無料サービスを利用して共有するのは、褒められた業務姿勢ではないだろう。
「つきぢ田村」3代目の田村隆さん死去 63歳 NHK「きょうの料理」などにも出演
NHK「きょうの料理」などにも出演した東京・築地の日本料理店「つきぢ田村」3代目の田村隆(たむら・たかし)さんが昨年12月22日、急性心不全のため死去した。63歳。東京都出身。9日、番組公式ツイッターで発表された。前日8日には、同番組に1977年から40年以上出演し「ばぁば」の愛称で知られた日本料理研究家の鈴木登紀子さん(享年96)が昨年12月28日に亡くなっていたことが発表されたばかり。
番組公式ツイッターは「和食のプロのコツを惜しみなく教えて人気だった、日本料理店3代目の田村隆さん(63)が、昨年12月22日に亡くなりました。『煮ない時間が煮物をつくる』『夏は涼しさを、冬は暖かさを』など和食の真髄を、明るく楽しく伝え続けました。ご冥福をお祈り申し上げます。田村さんの煮魚絶品でした」と田村さんを追悼した。
「つきぢ田村」は祖父・田村平治さんが1946年(昭21)11月に創業。隆さんは80年(昭55)、玉川大学文学部英米文学科を卒業後、大阪の名門料亭「高麗橋吉兆」に入門。3年間の修業の後、「つきぢ田村」へ。調理場の最前線で腕を振るう一方、NHK「きょうの料理」や料理学校の講師、また料理本等の出版など、一般に向けた食の伝承にも力を注いだ。
2010年、「現代の名工」厚生労働大臣賞を受賞。
日本海側大雪 北陸中心にあすも警戒 影響は多方面に拡大のおそれ
大雪による影響は多方面に拡大しています。北陸を中心に記録的な大雪となっていますが、積雪による交通への影響や落雪だけでなく、除雪に伴う河川の増水といった間接的な影響も出ていて、今後も警戒が必要です。
北陸中心に記録的な大雪
日本付近は強い冬型の気圧配置となっていて、強い寒気が流れ込んでいます。 北陸を中心に、発達した雪雲が次々と流れ込み、日本海側では記録的な大雪となっている所があります。 富山市ではきょう9日、35年ぶりに積雪が100センチを超えました。 日本海側の雪は、あす10日にかけて続く見込みで、特に北陸では断続的に強い雪が降り、積雪がさらに増えるおそれがあります。 大雪や路面の凍結による交通への影響に厳重に警戒するほか、雪崩や落雪などに引き続き注意が必要です。
あすも「JPCZ」に注意
雲の様子を見ると、日本海から北陸付近にかけて連なった雲の列があります。 これは、日本海で風がぶつかることで帯状に発達した雪雲が連なる「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」と呼ばれるものです。 この雪雲が陸にかかると、山沿い・平地にかかわらず局地的に大雪をもたらされます。今回の大雪もJPCZが原因と考えられます。 あすも帯状の発達した雪雲が北陸にかかる予想で、短時間でさらに積雪の増える所があるとみられます。 除雪が困難なほどに雪が積もる範囲が拡大するおそれもあるため、気象庁は不要不急の外出を控えるよう、呼びかけています。
今後も落雪や雪崩、交通障害に注意・警戒
すでに北陸を中心に、新幹線をはじめとする公共交通機関に大きな影響が発生しているほか、西日本から北日本の日本海側の各地で雪下ろし中や落雪による事故が多発しています。 また、島根県奥出雲町内での雪崩に伴う国道314号の全面通行止めをはじめ、車の交通の影響も広範囲に及びつつあります。 積雪などに加え、気温の低下による路面の凍結も懸念されます。 あすにかけて、大規模な交通障害がさらに拡大する可能性もあり、不要不急の外出は危険な状態といえるでしょう。
河川増水や地下水位低下も
大雪による影響は、積雪など直接的なものだけでなく、間接的に多方面に広がりつつあります。 富山県内では、きょう午後3時現在、除雪後の雪が多く流れ込んだ影響で、魚津市内を流れる鴨川で氾濫危険水位を超えている所があります。 また、富山県は、消雪設備の稼働に伴い地下水の水位が低下しているとして、富山市内の一部地域に「地下水位低下注意報」を出して、地下水の利用に際して節水を呼び掛けています。 消雪のために地下水を利用しているためで、このまま水位が低下すると消雪設備が停止するおそれがあるとのことです。 気象情報のほか、お住いの自治体などが出す生活情報にも、十分に注意して下さい。
ウーバーイーツ配達員が逆恨み…女性を殴打し自宅に放火
「逆恨み」で家に火までつけられたらたまらない。
トラブルになった女性宅に放火したとして、東京・新宿区のウーバーイーツ配達員、元由健太容疑者(29)が6日までに現住建造物等放火未遂容疑で警視庁に再逮捕された。
元由容疑者は昨年11月30日午前0時15分ごろ、新宿区富久町のアパートに住む20代女性の部屋の玄関前にレターパックと新聞紙を敷き詰めた。「カチカチ」という音に気付いた女性がのぞき窓から見ると、まさに元由容疑者が火をつけたところ。女性がすぐにドアを開けると、元由容疑者はその場からあわてて逃走した。
「事件の6日前、2人は新宿区百人町の路上でお互い自転車ですれ違いざま、通行をめぐって口論になり、元由容疑者が女性の顔を殴って立ち去った。女性は元由容疑者を追いかけ、謝罪させたのですが、それにまた腹を立てた。女性の後をつけて自宅を突き止め、自転車をパンクさせ、それでも腹の虫が治まらなかったようです」(捜査事情通)
調べに対し、「謝罪させられたのが、屈辱だった」と供述しているという。
■食事配達を巡る苦情が大幅
コロナ禍におけるフードデリバリーの増加にともない、配達員を巡る交通トラブルが後を絶たない。
国民生活センターには今年度(昨年4~12月)、「外食・食事宅配」に関する相談が718件寄せられ、昨年同時期の307件から倍以上になっている。
内容は<高齢の母親と一緒に横断歩道を渡ろうとしたら、宅配サービスの自転車が赤信号なのに乱暴な運転で突っ込んできた><前を走る車が右折しようとしていたので、車を左側に寄せたところ、後方にいた宅配サービスの自転車が左サイドスレスレをすり抜けようとしたため、「危ないじゃないか」と注意したら「知ったこっちゃない。こっちは急いでいるんだ」と暴言を吐かれた>といった具合。配達員が急ぐ理由は、件数に応じて報酬が増えるからだ。
昨年4月には、ウーバーイーツ配達員の大学生(21)が東京都杉並区の交差点で軽自動車と衝突事故を起こし、死亡。同5月には、同社配達員が自転車で首都高を走行している動画がアップされ、大騒ぎになった。警察には「猛スピードで走行している」「赤信号を無視していた」「ぶつかりそうになった」といった声が数多く寄せられ、「運転マナーを守るよう指導して欲しい」という要望も届いているそうだ。
都内の交通事故の約4割に自転車が関わっているというから、巻き込まれないよう、くれぐれも注意したい。
蓮舫氏、菅首相のテレビ番組での発言をバッサリ「この発想だから後手後手な対応」
立憲民主党の蓮舫参院議員(53)が9日、自身のツイッターを更新。8日夜放送のテレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜・後9時54分)に出演した菅義偉首相(72)の新型コロナ対策に関する発言に疑問を呈した。
この日、菅首相のインタビューをノーカットで掲載した同局の動画を貼り付けた蓮舫氏。
「驚きました。『仮定のことは考えないです』 緊急事態宣言、1か月後に終息していない場合の対象拡大や延長について聞かれた菅総理」と首相の発言への感想をつづった上で「未知のウイルスだからこそプランB、プランCを想定した対策も常に準備するのが政権です。この発想だから後手後手な対応。提案を続けます」と続けていた。
関西3知事、緊急宣言要請で合意 医療提供の逼迫など踏まえ
京都、大阪、兵庫3府県の知事は9日、新型コロナウイルス感染症の対応を巡ってオンライン会談し、医療提供体制の逼迫状況などを踏まえ、特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発令を政府に要請することで合意した。午後、西村康稔経済再生担当相に伝える。
大阪府の吉村洋文知事は会談で、「危機感を持って対応しなければならない。足並みをそろえ、一体となって国に要請すべきだ」と強調した。
兵庫県の井戸敏三知事は「対象とする業態やエリアは地域の実情に応じて対応が必要」と指摘。京都府の西脇隆俊知事も「春先と違って要請の効果には知見が出ている。柔軟に対応できるようにすべき」と訴えた。
コロナ禍での医療崩壊を止めるために、東京都がいますぐやるべきこと
(※第2回から続く)
今、医療の現場では「コロナが治った人」が敬遠されている。新型コロナの陽性患者となり、入院して治療して“治った”と判断された患者が、新たな病気にかかった時の受診が難航しているのだ。湘南鎌倉総合病院ERでは、コロナが治って新たな病を発症した患者を受け入れてくれるよう他の病院にお願いしたものの、9件連続で断られたのだった。
そして10件め。
「本当ですか? 受け入れてくださるんですか?」
湘南鎌倉総合病院救急救命士の永澤由紀子さんが驚きの声で問い返しているのを聞き、よほど「受け入れが難しい」と感じていたのだと思った。その隣で、同院救命救急センター長の山上浩医師も「涙が出るほどうれしい」と喜ぶ。
患者を適切な病院に転院搬送させたいと交渉をはじめてから、およそ2時間が経過していた。それほどに今、一度でもコロナに感染した患者の「治癒後の別の病」を診ようと手をあげてくれる医療機関が少ない。内科的疾患だけでなく、「コロナ治癒後の骨折」さえも、敬遠されてしまうのだ。
2020年は「病院への交渉時間に多くの時間をとられた」と、救急救命士の渡部圭介さんも言う。
「コロナ疑いとか、コロナ陽性患者でしたらここで診られます。でも、当院で検査の結果、コロナでない発熱だった、骨折とともに発熱があるなどのケースでは、他の病院に転院搬送したくてもできない状態が続いています。“発熱”がキーワードで、それがあると受け入れを悩む病院が増え、われわれがいる救急調整室での電話時間が圧倒的に長くなりました。ただ試行錯誤していく中で、絆が深まった病院もあります。そういうところと、コロナ後も共にがんばっていきたい」
新型コロナの感染拡大によってベッド満床の危機、そして医療崩壊と報道されている。しかし、連載の第1回から記しているように、大切なのは「病院間の連携」だ。
各地に少なくとも一つ以上、急性期、つまり「初療」を請け負える大病院を行政が決める。そこに、患者と、医師や看護師などの医療従事者を集める。診断が下された後、緊急性や重症度が低い場合は連携する病院が行う、手に負えない疾患は適切な医療機関に紹介する。
これは医療機関が充実している都心部では、行政がリーダーシップを発揮すれば“今すぐに”実行可能なことである。運用上のほころびはあるものの、新型コロナを契機に、神奈川県では各医療機関の役割分担の枠組みがつくられた。
山上医師は「地域の大規模病院が初療の役割を担ったほうがいい」と指摘する。
「特に大学病院は、教育、研究、特殊な病気の治療などを担うのももちろん大切ですが、役割を見直す必要があるのではないでしょうか。大学病院ほど各科がそろっているところはありません。当院でも初期治療は救急医が行えますが、より専門的な治療となると、夜間の眼科や歯科の対応が難しいのが現状です」
現在は「重症者の受け入れ・治療を中心にした体制」だ。しかし、それでは軽症と思ったけど重症だったという“見逃し”が、これまでと同様、今後も起こり続けるだろう。
「ですから大学病院のような大規模病院で専門医がそろっている施設に、急性期の医療資源を集約化してERで初療を担う。そして軽症者を選別して、大規模病院から中小規模の病院に転院搬送という体制がベストだと思います」(山上医師)
救急の現場では「軽症と思ったけど、実は重症だった」というケースが頻発する。例えば、おなかが重苦しくて気持ちが悪い時は「心筋梗塞」が、背中が痛いというケースの中には「大動脈解離」が潜んでいる恐れもある。「感染症」だってそうだ。
「熱があるから感染症とも限らないし、熱がないから感染症でないとも限りません。体温35度5分の低体温で運ばれて、実はすごく重症の感染症だった場合もあります」(同)
救急医のようなオールマイティーな医師が診断を下し、より専門的な治療へは各科につなぐ。2024年度から適用される「医師の働き方改革」を見据えても、「医師と患者の集約化」と「地域間の連携」の流れをつくることが必須だろう。
この流れが全国で最も滞っているのが、東京都といっていい。毎晩、すべての科で当直医がスタンバイしている大学病院が近距離圏内に複数存在するのだ。これは医師の疲弊を招く。月ごとに救急外来を当番制にする、あるいは行政主導で初療を請け負う病院を決定するなどの“交通整理”が必要だろう。繰り返しになるが、それは医師会や自治体が決断すれば、すぐに実行可能なこと。現に神奈川県はその枠組みを始めている。
2020年4月、私はプレジデントオンラインで「全国の救命救急センター長たちが『医療崩壊』という言葉に違和感を持つ理由」という記事を執筆した。その際、東京都医師会に「都内の救急搬送受け入れが厳しい状態だが、なぜそこの交通整理を行わないのか」という質問を文書で送った。それに対し、東京都医師会は「現状、その問題は認識しており、東京都・東京消防庁・学識者の方々と検討、調整中でございます」と回答した。
今回、この記事を書くにあたり、「あれから半年以上、東京都医師会ではどのような取り組み・体制づくりを行ったか。神奈川県のような各病院の機能分化に値するようなものはあるか」という質問を文書で送ったが、期日までに回答はなかった。
埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科教授の岡秀昭医師は、「新型コロナに関しては私学である私たち大学病院が軽症から重症まで受け入れを行ってきた。しかし本来は、まず県立や国立などの公的な病院が積極的に診て、受け入れのリーダーシップをとるべき」と強調する。
昨年、毎日新聞の報道では、確保病床があるものの運用されていなかった事例があった。そのように公的病院すら受け入れが不十分だとすれば、たしかに民間病院も動くまい。
「実際のところ風評被害がありますので、民間病院ではハードルが高いです。公的な病院はもし運営がうまくいかなくても補填されますし、まずは公的病院がしっかり診療し、その上で民間病院に委託していく、あるいは役割分担していくことが重要ではないでしょうか」と岡医師は言う。
一方、地方では医療機関の数が少なく、必然的に集約化が進んでいる。
八戸市立市民病院院長の今明秀医師は「ここでは救急病院=コロナ重点病院」と話す。
「当院では新型コロナ患者の軽症者は総合診療科と呼吸器科が、中等症と重症者は救命救急科が担当しています。今のところは新型コロナの陽性者が少なく、インフルエンザ患者がいないために救急もコロナの治療もまわっていますが、患者数が増加してくれば開業医の協力が必要です」
しかし、コロナ治療に及び腰の開業医も少なくない。ある感染症の専門医は「もちろん勇気を出して診療に参加している開業医もいる。そういう頑張っている医師を支援する診療報酬が必要」と前置きした上で、
「町医者で熱がある人、咳がある人を診られないというなら、今まで何をやってたの? と言いたいですね。なぜならクリニックにかかる理由の1位と2位は熱と咳じゃないですか」と憤る。
「今回、新型コロナを診れない開業医がいるとしたら、高齢で自分が感染したら怖いというのと、もう一つは開業するにあたり感染症を含めたトレーニングを受けていないからでしょう。しかるべき感染予防対策をとっていれば、そう簡単には伝染しない。日々コロナの患者を診て、勉強している医師ならわかるはず」
「感染者増大」という報道ばかり流れているが、2020年年末から今年はじめにかけての湘南鎌倉総合病院ERは、例年よりぐっと「患者数」が少なかった。2020年元日のER受診者数が263人だったのに対し、今年の元日は134人。ほぼ半減していたのだ。八戸市立市民病院院長の今明秀医師も、「2020年12月は通常の外来、救急外来ともに10%減少し、静かな年末年始だった」と話す。
「年末年始にこんなにすいているのは、前代未聞の事態ですよ」と、山上医師が言う。
患者殺到に備えて、通常より多めの人数の医師に勤務をお願いしていた。やや手持ちぶたさな新米医師たちに、
「それじゃあ前代未聞の30分休憩をあげよう」と笑いかける。
「しっかり休んできます」
応える医師の表情が少しゆるむ。
ERでは、8~9時間のシフト制勤務だ。同院に限らず、内科や外科などのほかの科では自分の患者の具合が悪くなると帰れないため、36時間勤務などザラにある。だがそれでは集中力がもたないと、同院ERでは三交代制で勤務時間を短くしている。そのかわり勤務中はなかなか休憩がとれない。患者からひとときも目が離せないからだ。「3分間」も現場を離れられないという意味で、「救急医の食事はカップラーメンを選んではいけない」という不文律があるぐらいである。
休んできますと宣言したのに、皆、15分もすると現場に戻ってきた。“休憩”に慣れていないため、落ち着かないようだ。そんな姿を見て山上医師が笑う。和やかな年明けだった。
2021年1月6日付の読売新聞の朝刊1面には、<救急も停止「現場もたない」>という見出しがおどった。記事には「年末年始も感染者数は減少せず、緊迫した医療現場」とある。さらに通常の救急患者の受け入れを停止したという大学病院の状況も記されていた。
コロナの重症と中等症患者であふれた医療現場は大変な状況だろう。しかし、病院として、通常の救急を停止するという姿勢を、私は非常に疑問に思った。
水道や電気のように、生死に関わる救急医療は“地域のインフラ”だ。
湘南鎌倉総合病院院長の篠崎伸明医師は2020年2月に新型コロナ患者の入院を初めて受け入れた時点で、「コロナを含めたERは最後まで死守する」と宣言したという。
そう宣言すれば、自分たちの病院だけでは診られないほどの患者が殺到する恐れがある。それなら周囲の病院と連携すればいい。あるベテラン救急医はこう指摘した。
「中等症を全科をあげて診療する、または他院へ転院搬送して、より重症を受ける体制をとる。必ずしても大学病院で診療しなくてよい患者を“転院搬送”できないのであれば、そもそもそれを整備してこなかった医師会や自治体にも責任があります。それはまさに平時の救急医療システムの整備そのものの遅れ、そしてそれを問題視してこなかったツケです」
そう、コロナ禍以前より救急医療システムはまわっていなかった。私は2018年から全国の救命救急センターに足を運び、現場を見て、何とか現場の崩壊を防ぎたいという思いから、2019年8月、『救急車が来なくなる日 医療崩壊と再生への道』(NHK出版新書)を出版し、私なりの提言をまとめている。
新型コロナで医療崩壊が取りざたされるようになり、記者会見では「東京ルールの適用件数」が取り上げられるようになった。東京ルールとは、救急車の受け入れを5回断られたケースに対し、地域の医療機関が相互に協力・連携して救急患者を受け入れるルールのことで、「救急車の搬送困難さ」を表しているという。
しかし、コロナ禍より前から10回以上電話しても、搬送先の病院が決まらない事例はすでに多発していた。何よりコロナ発生より前から、東京都は119番に通報してから現場に到着するまで(レスポンスタイム)が10分を超え、そして「病院収容までのトータル所要平均時間が50分」と、どちらも全国ワーストだった。何を今更、というのが私の感想だ。自分たちが整備してこなかったことを、さも「新型コロナの感染拡大」がすべての元凶かのように、まるで国民にばかり非があるように言う、国や行政、医師会の姿勢はいかがなものか。
また別の救急医はこう言う。
「大学病院クラスでしたら、医師数はあるはず。“何を優先するか”の判断が、そのまま病院の姿勢を表しているのかと感じます」
何を優先するか。それは「確実に利益が見込める患者」ではなく、命に関わることがある「救急患者」だ。実際には軽症というくくりでも、痛みをこらえている、死ぬのではないかという不安がある、新型コロナに限らないすべての救急患者だ。その重症度は事前に“選別”できない。だからこそ規模が大きい病院のERに医師を集めて、ひたすら診察と治療を繰り返していくしかないだろう。
2020年年末、「不安が強い」という理由で40代男性患者が救急車で湘南鎌倉総合病院ERに運ばれたきた。ひととおり診察した後、異常はないと判断されて帰宅を促されるが、男性患者は「入院」を申し出た。
担当の山田拓也医師は「ここで入院することはできない。認められない」ときっぱり告げる。そして「精神科に紹介状を書こうか」と提案する。しかし、男性患者の所持金は7円。その精神科に行く交通費さえなかった。
「何もやる気がでないという感じ?」と、山田医師が問うと、
「はい」と、男性患者。
「今の希望は?」と聞けば「父親と連絡をとること」だという。だが、父親には勘当されているとのことで、山田医師が両親や兄弟の携帯に電話をして事情を話しても、身内が手を差し伸べてくれることはなかった。
「でもここで入院して待つことはできないから」と、山田医師は繰り返し、今度はその男性患者がかかっていたという精神科に連絡をする。
しかしその精神科も、男性患者とのトラブルがあったのか、診療を受け付けないという。
「患者は自殺するリスクもありますが、それでも診察していただけませんか?」と山田医師がお願いしても、先方は受け入れ拒否。
1時間後、知りあいだったという地域のボランティア団体が男性患者を迎えにきてくれることになった。
「本日の診察の支払いは?」
私は山田医師に聞いた。
「所持金7円ですので今日は無理でしょう。後日郵送で請求になると思いますが、支払われない可能性が高いでしょうね」
顔には疲労の色が濃くにじんでいた。私がそれを口にすると、
「いやあ……」と、山田医師が天を仰いだ。
「暴れるなどこちらに迷惑をかけているわけではないから警察の対象にはならないですし、自分の体を傷つけているわけでもないから治療はできないし、それほどの切迫感もない。ER医師として何かできないか考えていたのですが、彼から情報を集めて知り合いの方に手当たり次第連絡をするしかありませんでした」
ERには2020年、たくさんの自殺未遂の患者も運ばれてきた。精神疾患を持つ人、自殺未遂の患者が救急車で搬送される場合、受け入れを断られやすい。診察や治療に手がかかるうえ、手術や入院で診療報酬を得られるわけではないからだ。病院や医師たちの負担は大きい。それは「断らない救急」の負の面といえるかもしれない。
それでも同院ERは、ここで全ての患者を受け入れる。
だからこそ地域住民は、「何かあれば、いつでもこの病院が受け入れてくれる」と、この地で安心して暮らしていける。
この3回の連載で、私は日本で最も救急搬送患者を受け入れる湘南鎌倉総合病院ERの様子を伝えつつ、この地域をモデルとし、トップダウンで各地の病院機能の役割分担を進めてほしいと願いながら筆を進めた。
大規模病院に医療資源と患者を集約させ、周囲の病院がその後方支援をする。それは医師をはじめとした医療従事者と、住民の両方を守ることになる。今回の密着取材で改めてその確信を得ている。
コロナ禍は長年無視されてきた医療業界の問題点を露見させた。非常時の今だからこそ、改革は進めやすいはずだ。「医療崩壊」といわれる危機を繰り返さないためになにをするべきか。このリポートが一助になることを願っている。
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(ジャーナリスト 笹井 恵里子)