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小川洋前知事の辞職に伴う福岡県知事選は11日投開票され、無所属の新人で元副知事の服部誠太郎氏(66)=自民、立憲、社民推薦=が99万2255票(得票率81%)を獲得し、無所属の新人で元福岡市議の星野美恵子氏(70)を破って初当選しました。
福岡県知事選挙(2021年4月11日投票)投開票結果
服部氏は中央大学法学部卒。福岡県庁に入庁し、総務部次長、福祉労働部長などを歴任、2011年から副知事を務めました。任期は4月11日から4年間です。
当日有権者数は418万8591人。投票率は前回(2019年)を13.11ポイント下回る29.61%でした。
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「良心に従って職務遂行」256人が誓い 京都府警察学校で入校式、過去10年で最多
京都府警に採用された警察官と一般職員の入校式がこのほど、府警察学校(京都市伏見区)であった。本年度は、団塊世代の大量退職を受けて過去10年で最多となる256人が入校し、真新しい制服姿で府民の安全を守ることを誓った。
府警は2026年までに女性警察官の割合を12%以上に高める目標を掲げており、本年度は新人警察官235人のうち41人が女性だった。入校生は1~10カ月間、法律の知識や基礎体力を身に付ける。
9日に開かれた式では、新型コロナウイルスの感染防止策として保護者の参列を取りやめた。入校生代表の藤田駿伍巡査(19)は「何ものにもとらわれず、恐れず、良心に従って職務の遂行に当たる」と宣誓した。
茨城・筑西市で住宅火災、3人死亡 住民の夫婦と息子と連絡取れず
12日午前2時15分ごろ、茨城県筑西市小栗の住宅から火が出ていると近隣住民から119番通報があった。約4時間後に鎮火したが、木造2階建て住宅約117平方メートルと物置が全焼し、焼け跡から3人の遺体が見つかった。
県警筑西署によると、この家で暮らす60代の夫婦や30代の息子と連絡が取れておらず、同署が遺体の身元確認を急いでいる。現場はJR新治駅から4キロほど北の住宅街。【森永亨】
歴史問題持ち出し言いたい放題の中国 反論できない日本政府
中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル族を弾圧している問題について、米、英、カナダなどEU(欧州連合)は制裁に踏み切り、オーストラリアとニュージーランドも制裁賛成の共同声明を出した。 しかし、日本政府はG7(主要7か国)の中で唯一、制裁に加わっていない。米国から制裁参加を要求されても菅政権が及び腰なのは、与党内に制裁に極めて慎重な二階俊博・自民党幹事長と公明党という頑強な親中国派勢力がいるからだ。 また、中国経済に依存する日本は、中国内での組織的な不買運動も恐れている。実際に、中国では新疆ウイグルでの人権問題を懸念する声明を出したスウェーデンの「H&M」や米国「ナイキ」製品への不買運動が広がり、SNSでは無関係の日本の衣料メーカーをターゲットにする動きまであるのだ。 五輪ボイコットがコワイ 拓殖大学日本文化研究所客員教授の宮崎正弘氏は、「次は五輪で、日本は中国と米国の双方から踏み絵を迫られる」と指摘する。 「欧米では人権問題で来年の北京冬季五輪のボイコットを求める動きがあるが、日本政府はそんなことを言えば中国が東京五輪に不参加となるかもしれないと恐れている。日本は欧米と中国の板挟みになってなんとか制裁をせずにやりすごそうとするでしょう。強い外交にはバックに軍事力と情報力が必要だが、日本にはどちらもない」 もし、日本が人権問題で制裁に加わるならば、それ以上の報復が待ち受けている。 「中国は日本企業の駐在員を拘束するといった逆制裁をやってくると思われる。過去にも関係がこじれた相手国の国民を拘束して自国の言い分を飲ませる人質外交を繰り返してきた。中国に進出した日本企業は無防備だから、かつて反日暴動で現地企業が襲われた。それと同じことが起きる懸念があるから日本政府は弱腰になる」(宮崎氏) 習近平がコワイ そんな日本政府の足元をみて中国側は言いたい放題だ。中国外務省の華春瑩・報道局長は3月25日の会見で、加藤勝信官房長官が「深刻な懸念」と発言したことについて、こう反論した。 「日本は慰安婦問題という人道上の犯罪で言葉を濁している。彼らは人権を尊重していると言えるのか」 「日本の侵略戦争で3500万人を超える中国人が死傷し、南京大虐殺で30万人以上が犠牲になった」 ──と“中国側の歴史認識”を持ち出して非難したうえで、日本に「歴史を直視し深く反省し、言葉を慎むように望む」と居丈高に言い切った。
中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル族を弾圧している問題について、米、英、カナダなどEU(欧州連合)は制裁に踏み切り、オーストラリアとニュージーランドも制裁賛成の共同声明を出した。
しかし、日本政府はG7(主要7か国)の中で唯一、制裁に加わっていない。米国から制裁参加を要求されても菅政権が及び腰なのは、与党内に制裁に極めて慎重な二階俊博・自民党幹事長と公明党という頑強な親中国派勢力がいるからだ。
また、中国経済に依存する日本は、中国内での組織的な不買運動も恐れている。実際に、中国では新疆ウイグルでの人権問題を懸念する声明を出したスウェーデンの「H&M」や米国「ナイキ」製品への不買運動が広がり、SNSでは無関係の日本の衣料メーカーをターゲットにする動きまであるのだ。
五輪ボイコットがコワイ
拓殖大学日本文化研究所客員教授の宮崎正弘氏は、「次は五輪で、日本は中国と米国の双方から踏み絵を迫られる」と指摘する。
「欧米では人権問題で来年の北京冬季五輪のボイコットを求める動きがあるが、日本政府はそんなことを言えば中国が東京五輪に不参加となるかもしれないと恐れている。日本は欧米と中国の板挟みになってなんとか制裁をせずにやりすごそうとするでしょう。強い外交にはバックに軍事力と情報力が必要だが、日本にはどちらもない」
もし、日本が人権問題で制裁に加わるならば、それ以上の報復が待ち受けている。
「中国は日本企業の駐在員を拘束するといった逆制裁をやってくると思われる。過去にも関係がこじれた相手国の国民を拘束して自国の言い分を飲ませる人質外交を繰り返してきた。中国に進出した日本企業は無防備だから、かつて反日暴動で現地企業が襲われた。それと同じことが起きる懸念があるから日本政府は弱腰になる」(宮崎氏)
習近平がコワイ
そんな日本政府の足元をみて中国側は言いたい放題だ。中国外務省の華春瑩・報道局長は3月25日の会見で、加藤勝信官房長官が「深刻な懸念」と発言したことについて、こう反論した。
「日本は慰安婦問題という人道上の犯罪で言葉を濁している。彼らは人権を尊重していると言えるのか」 「日本の侵略戦争で3500万人を超える中国人が死傷し、南京大虐殺で30万人以上が犠牲になった」
──と“中国側の歴史認識”を持ち出して非難したうえで、日本に「歴史を直視し深く反省し、言葉を慎むように望む」と居丈高に言い切った。
子どもの心・尊厳を傷つける精神的暴力をいかに止めるか 「叱る教育」は必要ない
子どもたちが教師による暴言や過剰な叱責によって追いつめられ、自死に至るケースは「指導死」と呼ばれる。最近、この指導死に当たるのではないかと、問題化する子どもの自死が増えている。これらの自死の背後には、どれほどの数かは分からないが、自死には至らないまでも、教師に叱られることで深く傷ついている子どもが多くいると考えられる。
こうした「叱る教育」は、子どもの心・尊厳を傷つける精神的暴力である。しかし、学校現場でも、わたしが長く研究してきた教育学の世界でも、叱ることそのものを問う動きは乏しい。(早稲田大学名誉教授=喜多明人)
▽みんなの前で叱ることは効果的か
今でも忘れられない光景がある。
1960年代前半、中学生のときであった。ある寒い日の朝。千人余りの全校生を校庭に集めた朝礼で、以前から乱暴が目立っていた男子生徒が呼び出され、朝礼台の上に立たされ、体育の教師からビンタを浴びた。生徒全員がひれ伏し、おびえた。心が凍てつく場面だった。
もう一つの思い出を紹介する。70年代後半、大学院生のころ、ある著名な教育学者が懇談の席で自慢げにこう語った。「私は若い人を叱る時は、みんなの前で叱るようにしています。それが実に効果的であり、いい意味で見せしめにもなるからです」
学校には今も「みんなの前で叱る」ことを是とする発想が残っている。叱られた子どもが恥ずかしい思いをし、尊厳を傷つけられていても、その人権侵害性に気づかず、それこそが効果的な教育方法なのだと思い込み、半ば公然と行われてきた。
しかし、このような叱り方に関して、日本も1994年に批准した子どもの権利条約28条2項は、こうくぎを刺している。
「締約国は、学校懲戒が子どもの人間の尊厳と一致する方法で、かつこの条約に従って行われることを確保するためにあらゆる適当な措置をとる」
今日、体罰を見せしめ的に使う手法はさすがに影を潜めている。しかし、今も行われている「みんなの前で叱る」という教育方法もまた、明らかに「子どもの人間の尊厳」を損なう行為であって、条約28条違反である。
ちなみに、国連「人権教育の10年」行動計画(95年~2004年)においても、教育方法の人権性、民主性について改善していくことが提言されてきた。
▽子どもの尊厳を損なう叱責は本当に必要か?
ところで、子どもの権利条約では、学校懲戒が人間の尊厳と一致する方法でなければならないとしたが、では果たして「人間の尊厳と一致する方法での懲戒、叱責」があり得るのだろうか。懲戒、叱責という行為自体、上から目線で諭す行為には違いなく、その圧迫感自体が、子どもの尊厳を損なうリスクを伴う。そのようなリスクを冒しても、叱責が必要なケースは、あり得るのだろうか。
叱る行為は主として、それによって不正を正し、秩序・規律の維持することを目的とした指導・しつけの方法であろう。だとしたら、その目的を達成できれば、叱責という手法は不要となる。
前述した権利条約の「学校懲戒」は「school discipline」が原語である。わたしが代表を務める国際教育法研究会が、当時、親や教師の懲戒権を意識してそのように訳したが、現時点では狭すぎた感は否めない。親の懲戒権の見直しが進んでいる現在にあっては、「学校規律」といった訳の方がふさわしいように思われる。
学校規律という言葉で28条2項を捉え直せば、子どもの人間の尊厳と一致する方法として、子どもたちの参加、自治をベースにおいた主体的な規律形成を図る実践こそが要求される。子ども自身の力で、あるいは子ども同士で「自省」し、自主規律を形成できる機会さえあれば良いのではないか。
2015年11月、鹿児島県奄美市立中1年の男子生徒が自死した問題で、再発防止策を求め記者会見する父親。第三者委の報告書は、同級生に嫌がらせをしたと誤認した担任の指導が原因だったとした=鹿児島県庁、2018年11月
▽子どもの自主規律・叱らない教育をめざす学校へ
「実験学校(オルターナティブスクール)」が法制化された台湾では、「叱らない教育」を教育方針としている実験学校がいくつかある。筆者も訪問した小学校では、子どもの自治的な規律を生活討論会で議論し、さらに学校法廷で運営していた。
子どもの権利条約の淵源をたどれば、条約の精神的父といわれたヤヌシュ・コルチャックの存在がある。彼が経営していた孤児院は、子ども共和国と呼ばれ、その社会秩序の維持は、子ども憲法下で子ども法廷によっていた。
ワルシャワ市内のユダヤ人墓地に建てられたヤヌシュ・コルチャックの記念像落成式=2002年8月
日本でも戦後の教育改革期、新制高校の一部に、新憲法公布に触発されて「三権分立型の生徒自治会」が誕生した(神奈川県、静岡県など)。立法=生徒総会、行政=生徒会執行部と並んで、生徒による司法委員会などが置かれ、学校規律(懲戒)への生徒参加が始まった。こうした動きは、その後「リンチになる」などとして、学校現場の支持を得られず衰退していく。そして、教師主導の懲戒体制が定着してしまった。
現在、日本の学校では「ブラック校則」が社会問題になるなど、学校・教師による子どもへの統制が強まっていて、生徒側の自主規律は望むべくもない状況である。しかし、だからといって、教師の過剰な叱責や暴言で傷つく子どもたちを放置することはできない。
これらを人間の尊厳を傷つける人権侵害ととらえ、歯止めをかける立法・行政措置を強く求めたい。立法・行政措置のあり方については、稿を改めて論じたい。
「首里城」精巧に再現…東武WS「正殿再建の力添えになれば」
世界の有名建造物の模型を展示する栃木県日光市のテーマパーク「東武ワールドスクウェア」に24日、那覇市の「首里城」がお目見えする。公開を前に、2019年10月の火災で焼損した正殿など琉球王国を象徴する精巧なミニチュアが搬入された。
首里城は、琉球王国(1429~1879年)の政治、文化の中心となった王宮。1945年の沖縄戦で全焼した後、復元工事が進められ、92年に正殿などメイン部分が完成し、首里城公園として一般公開された。2000年に首里城跡を中心とする「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は世界文化遺産に登録されたが、正殿などは世界遺産に含まれない。
ワールドスクウェアの日本ゾーンでは最大の展示物となるミニチュアは、25分の1サイズで再現した。広さ120平方メートルの敷地に正殿(高さ約62センチ)や北殿(同約36センチ)、城壁など24棟を配置。開園当時から展示していた「守礼門」は、首里城の入り口に移設した。事業費は約1億円。
根本幸央・総支配人は「首里城は開園当時から展示物候補の一つ。少しでも火災のショックを癒やし、正殿再建の力添えになればと製作した。多くの人に、美しい首里城や琉球王国に思いをはせてもらえるとうれしい」と話した。
ワクチン2回接種者がコロナ感染も「発症や重症化リスク下げる効果期待」日本医科大・北村義浩特任教授
65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が12日、全国各地の自治体で始まる。人口の3割近くに当たる約3600万人が対象で、政府は重症者や死者の抑制をもくろむが、石川県では11日、ワクチンを2回接種した医療関係者の感染が明らかになった。
2月17日から始まった医療従事者に次いで、高齢者にもワクチンの接種がいよいよスタートする。65歳以上の高齢者は重症化リスクが高いことから、優先対象とされた。
ワクチンは5日の週に計100箱(1箱約500人分、計約5万人分)が各都道府県にまず送られた。第2、第3弾は12日の週と19日の週で、配送量はそれぞれ5倍に増える。26日の週には全市区町村に各1箱配送され、接種が本格化。その後は自治体の需要に応じて配布する。
ワクチンを担当する河野太郎行政改革担当相は9日の会見で、6月中には高齢者に接種する分のワクチンが確保できるとの見通しを示した。その上で「ワクチンには高い有効性がある。1人でも多くの方に打っていただきたい。1~2週間で(対象者全員に)打ちきれるものではないが、順番を待っていただきたい」と話していた。
また、河野氏は11日のNHK番組で新型コロナの情報管理システムを自治体の要望に応じて随時、更新していく考えを示した。全国知事会で社会保障を担当する平井伸治鳥取県知事が、厚生労働省が開発した「ワクチン接種円滑化システム(V―SYS)」について「ややこしい。自由なワクチンの流れを止めるようになっては困る」と改善を求めたことに応えた。
一方で気になる情報も。石川県ではこの日確認された18人の新規感染者の中に、ワクチンを2回接種した病院勤務の派遣社員1人が含まれると明らかにした。県などによると、派遣社員は県立中央病院に勤務。3月13日と4月3日に接種を受けていた。
その後、感染者の濃厚接触者として検査した結果、感染が判明。患者と接する業務はしていないという。ワクチン2回接種後の感染判明について、県の担当者は「一般的に、ワクチンを接種してから抗体ができるまでは時間がかかる」としている。
日本医科大・北村義浩特任教授 大前提として、ワクチンは「接種すれば感染しなくなるもの」ではありません。発症リスクを下げたり、感染した場合の重症化リスクを下げる効果が期待されるものです。また、接種から抗体ができるまで2~3週間程度の時間を要することも考えておかなくてはいけません。ですから、12日に始まる高齢者の接種で「ワクチンを打ったから大丈夫」と考えるのは間違いで、引き続きマスクの着用など予防の継続は絶対に必要です。接客業の方などは特に。
日本のメディアが作った「ムラ社会」 朝日新聞記者が憂う“ジャーナリズムの後進性”
スポーツ選手を国の英雄として担ぐ演出は「異様」 朝日新聞記者が綴る“メディアへの提言” から続く
憲法9条、皇室、原発、沖縄……日本社会の大きな論点について、朝日新聞は「リベラル」の立場から主張を打ち出してきた。しかし、リベラル勢力の主張には、何の矛盾や欺瞞もないのだろうか。リベラル派の主張について、現役朝日記者が内部から検証した書籍が『 さよなら朝日 』(柏書房)だ。
同書は、朝日新聞への広告掲載依頼時に、「社内外において掲載リスクが高い」という理由で、通常料金の3.3倍の出稿料を提示されたことも波紋を広げている。朝日新聞への提言を綴った同書の「第1章 正義の暴走」より、一部を転載して紹介する。 ( 【スポーツ選手を国の英雄として担ぐ演出は「異様」 朝日新聞記者が綴る“メディアへの提言”】 より続く)
(全3回の3回め/ #1 、 #2 を読む)
◆
ジャーナリストが死亡すれば美談。その一方で報道への圧力も
メディアの話に戻せば、紛争地や危険地を取材するジャーナリストが遭難した際の瞬間風速的な報道の嵐も、この国のジャーナリズムの課題を検証する好材料だ。
フリージャーナリスト後藤健二氏がシリアで「イスラム国(IS)」に拘束され殺害された事件(2015年1月30日)では、遺体の映像が流れた途端、報道が弾劾調のものから、ジャーナリスト魂を称揚する美談調のものへと一転した。自己責任論との落差は、さながら「生きて虜囚の辱めを受けず」と「戦死すればみな英霊」の手のひら返しのようで、見ていて目が眩む思いがした。イラクで武装組織に襲撃され死亡した橋田信介氏と小川功太郎氏(2004年5月27日)、ミャンマーで政府軍兵士らしき男に射殺された長井健司氏(2007年9月27日)らの事案についても、追悼報道が落ち着くと、当初あった「避けられた死」だったのでは、という疑問はメディアから姿を消した。 取材手法や状況判断、事前の安全対策や危機管理に問題がなかったのかという、組織人とフリーランスの垣根を越えて行うべき検証とノウハウ共有の試みは、一部のフリー記者有志の動きを除き、その後もなされてはいない。
一方で、安倍政権下では、報道への圧力や分断の動きが強まった。2015年にはシリア行きを表明していた新潟市在住のフリーカメラマンが「生命、身体、財産の保護のため」との理由でパスポートを返納させられ、外務省は記者クラブ加盟各社や日本新聞協会、日本雑誌協会などにシリア渡航を見合わせるよう要請した。これに呼応するように、某紙記者が敢行した現地取材をライバル紙が批判するという、メディアが報道の独立を自ら放棄したとしか言いようがない異様な事態も起きた。ほかならぬ安田純平氏も、帰国後に申請したパスポートの再発給を外務省に拒否されている。安田氏は、 同省の措置は行政の裁量を逸脱しているうえに憲法が保障する居住移転の自由を侵すものだとして東京地裁に提訴したが、報道の自由を脅かすこの深刻な事態に、立場を超えて共闘すべき報道人たちの動きはきわめて鈍い。2020年末時点で4回開かれている公判で、新聞やテレビの記者を見かけたことはほとんどない。
日本におけるジャーナリズムの機能不全
東京新聞の望月衣塑子記者の空気を読まない質問をきっかけに政権幹部と官邸記者たちの「癒着」ぶりが露わになったが、日本の組織メディアは永らく、参入の自由に対して高い障壁をめぐらせたムラ社会を保持してきた。これも小さな「世間」である。カルロス・ゴーンの逃亡劇(☆1)があらためて世界に知らしめた人質司法の悪習も、政治記者と同じくアクセスジャーナリズムの軛から逃れられない各社の司法記者にとっては、決して追及できない問題というだけでなく、その温存に手を貸してきたという意味で共犯(少なくとも共謀共同正犯)の関係にある。この前近代国家ばりの人権侵害が世紀を越して20年も経たいまの世に残り続けていること自体、ただただこの国のジャーナリズムの機能不全と後進性を傍証している。
東京五輪報道にも観察できる日本のメディア企業と組織ジャーナリズムの足枷の問題については、巻末の本間龍インタビューを併せてお読みいただきたい。
「表現の自由」と「公共の福祉」
小論「『ピエール瀧』は視聴者に悪影響を与えるか」は、コロナ自警団とはまた別の、正義の暴走の問題に目を向けた。
2019年秋、日本赤十字社が人気漫画のキャラクターを起用した献血キャンペーン用ポスターに「過度に性的だ」などと批判が寄せられる騒動があった。女性キャラの胸を強調した(ように見える)デザインを人権派弁護士らが問題視し、それに対して「保守的な風紀委員に成り下がったリベラル」と反発する声が上がり、SNS上で論争を巻き起こした。
ポスターを指弾した側の主張に「これは間違いなく環境型セクハラ。理由は私が不快と感じたから」というものがあったが、これは、昨今世界中で吹き荒れているポリティカル・コレクトネス旋風(というよりハリケーン?)の性格の一面を示しているかもしれない(あくまで一面だが)。
あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」問題をめぐって愛知県が設置した検証委員会の報告の中で、個人的に最重要と思われるのは次の指摘だ。
「単に多くの人々にとって不快だということは、展示を否定する理由にはならない。芸術作品も含め、表現は、人々が目を背けたいと思うことにも切り込むことがあるのであり、それこそ表現の自由が重要な理由」
「表現の自由は重要な人権であり、制限が許されるためには、それに見合った理由(どのような意味で『公共の福祉』に反するのかを明確に特定する必要がある)が必要である。単に、漠然と『公共の福祉』に反すると思うとか、一定範囲の人々が不快に感じるという理由では表現の自由を制限することはできない」
「表現行為」は誰かしらを傷つける可能性を持つ
公共施設での展示と公的補助の是非が絡んだ不自由展の問題と、日赤ポスターの騒動は同列には扱えない部分もあるし、これを持ち出すことで、ポスターを擁護したいわけでもない。ただ、一般論として、表現行為はすべからく誰かを傷つける可能性を持つ。不自由展の慰安婦像などの作品を名古屋市長は「日本人の心を踏みにじる」と批判したが、誰の気にも障らない表現の自由なら中国にも北朝鮮にもある。また、特定の宗教や文化や国への誹謗、憎悪の表現は、褒められたものではないかもしれないが、ヘイトスピーチ(☆2)や差別とは言えない(本人が主体的に選べない特定の属性に基づいて個人や集団を攻撃、中傷し差別を煽るのがヘイトである)。パリのシャルリ・エブド事件(☆3)の直後には「あの風刺は行き過ぎ」「表現の自由は大事だが節度が必要」といった言説が広がったが、これは、この国の表現の自由の現在地を示すものだったかもしれない。
表現行為そのものの否定や抹殺について
日赤ポスター問題について言えば、特定の身体パーツの強調が女性を性的なものに還元しており無意識な女性蔑視を投影している、という批判は確かに成り立ち得るだろう。「胸の強調は女性蔑視だ」と批判したり「私はこのポスターを支持しない」と表明したりする表現の自由は、もちろん保証されている。しかし、表現内容への評価と、これが本当に「環境型セクハラ」(☆4)の定義を満たすものなのかという疑問、そして不特定多数の目に触れる場所に置くことの是非論は、せめていったん切り分けて論じたい。そのうえで、安易に作品の撤去・回収を求めたり先回りの自粛をしたりして表現の機会を奪うことには、禁欲的でありたい。表現への批判は旺盛に行うべきだが、表現行為そのものの否定や抹殺はすべきではない。さらに控えめに付け加えれば、「○○の尊厳を傷つけている」が、その実「私の感情を害している」に過ぎないのではないか、という可能性に自らの心を開いておく程度には、謙虚でありたいものだ。「表現の自由」の価値を高く掲げる「リベラル」であるのなら。
リビジョニズムは必然なれど
スペインでは、学校図書館から『眠れる森の美女』や『赤ずきんちゃん』などの童話を撤去する動きが進んでいるという。性的分業観やジェンダー意識を植えつけるおそれがあるからというのが理由だ。並行して、BLM運動の隆盛とともに、欧米では白人中心史観やユーロセントリズム(西欧中心主義)にも批判の矛先が向けられている。コロンブスやレオポルド二世の像が破壊されたり米南部の地名変更が議論されたりと、植民地支配や奴隷制に関する「負の遺産」を見直す動きが進む。
過去はまったく完結していない。フェミニズムやポストコロニアリズムの流れで、字義どおりの意味におけるリビジョニズム(歴史の見直し)が今後も広がっていくことは、必然だろう。それは、これまで無視し抑圧してきた「他者」の存在を回復することでもある。
しかし、「政治的な正しさ」だけを追い求めることは、独善のまどろみに陥る危うさを常に抱えている。
なにごとによらず疑いの精神は必要だが、十分ではない。疑いの精神そのものを疑うことになれば、退歩しかない。
注釈 ☆1 2018年11月以降、金融商品取引法違反容疑など4件で逮捕・起訴された日産自動車前会長のゴーン被告が、海外渡航禁止の保釈条件を破り、翌年12月29日、関西空港からレバノンに逃亡。翌々日、日本の司法制度を「有罪が前提で、基本的人権が否定されている」などと批判する声明を発表した。 ☆2 法務省の定義によれば「特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動」を指す。2016年5月24日にいわゆる「ヘイトスピーチ解消法」が成立し、同年6月3日に施行された。 ☆3 2015年1月7日、イスラム過激派とされるアルジェリア系フランス人の兄弟が預言者ムハンマドを風刺したパリの週刊新聞「シャルリ・エブド」編集部を襲撃し、風刺漫画家や記者ら12人を殺害。8日には、連携した男も警察官を殺害して逃走。9日、立てこもった兄弟と男が射殺され、その際に人質4人も犠牲になった。テロを非難する市民の行進は370万人にも及んだ。 ☆4 厚生労働省の定義によれば「職場におけるセクシュアルハラスメント」には「対価型」と「環境型」がある。「対価型」は、労働者の意に反する性的な言動に対して、その労働者が拒否や抵抗をしたことにより、解雇、降格、 減給、労働契約の更新拒否などの不利益を受けること。「環境型」は、労働者の意に反する性的な言動により、その労働者の置かれる就業環境が不快なものとなり、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、看過できない支障が生じることを指す。
(石川 智也)
宮崎謙介〈政界“魑魅魍魎”ウォッチ〉「厚労省が宴会で発散する『労働環境』」
元衆院議員の宮崎謙介氏が足掛け5年の議員生活の経験をもとに、政治家ウオッチングやオフレコ話、政治にまつわる話を適度な塩梅で、わかりやすく「濃口政治評論家」として直言!
一時期の「センテンススプリング」が不貞ネタばかりを追っていたかのように、最近のメディアは、こぞって政治家や役人たちの会食探しに躍起になっているように見えます。ちょっとくらいご飯食べに行ったっていいじゃない、と思うけど。とはいえ、厚労省の23人での大宴会開催はいかがなものか。
このスキャンダルは3月24日夜の話。その時点では、緊急事態宣言は解除されていました。おそらく「解除、待ってました。早く飲みに行きましょう」の流れでしょう。さらに厚労省によれば、このドンチャン騒ぎは人事異動に伴う送別会だったとか。この時期にそれだけの人数が集まってまで送らないといけない人物とは、いったい誰!?
もっと言えば、営業リミットが過ぎたのに「もうひとり遅れてくるメンバーがいる」と言って店に居座り、「お客さん、そろそろ」と促されながらも、ようやくラスボスが現れたのが、21時30分頃。そこからテッペン(深夜12時)直前まで続いたというお粗末さですが、そこまで大御所然として登場した最後の「刺客」とは──。
ちょっと興味が湧いて探ってみたのですが、結局お茶を濁され、「送られ人」も「最後の刺客」も判然としませんでした。
表に出ていたのは、主催者である老人保健課の眞鍋馨課長。今回の責任を一手に担った形で減給1カ月の更迭処分となりましたが、自業自得でしょうね。だって、老人からすれば最大の敵がコロナなのに、老人を担う総本山にいる課長が、夜中まで酒盛りというのはイメージが悪いです。
憂うべきは田村大臣。閣僚給与2カ月分の自主返納を表明しましたが、厚労省が勝手に開いた誰かの送別会で、すんなりと責任を取る。田村大臣は少し株を上げたと考えます。
とはいえ、厚労省のコロナ対策室なんて、本当にかわいそうなモンらしいですよ。あらゆる局から人員が駆り出され、狭い座敷みたいな部屋に押し込まれて作業をしている様には、同情の余地ありとのこと。
設置された当初、各所からの差し入れなどの労いもあったけれど、今では誰も見向きもせず。ワクチンも始まったとなると、ひたすらいろんな方面から突かれて、ストレスの塊でしょうし。
コロナ対策をしないといけない人々が、ストレスを溜めすぎて酒で発散する。ここが人間らしいところではありますが、「厚労省がやってるんだったら、別に宴会くらいやっても大丈夫なのだろう」という方向に国民は進まないように‥‥と、アナウンサーが読み上げるたびに、それがかえって「厚労省はあまり気にしていない。コロナはやっぱりただの風邪」というサブリミナルになっていませんか。
コロナを要因とする世間の不整合が際立ち始めています。感染拡大により、宮城県では独自の緊急事態宣言が出される‥‥などのニュースの直後に、オリンピックの聖火ランナーが走り出した華々しい映像が流れる。そんなチグハグな構成をするメディアも、ちょっとおかしい気がします。
さあ、桜の季節も終わっていきます。桜の会はありませんでしたが、厚労省の皆さん、次は眞鍋課長の送別会を開かないと‥‥ですね。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ):1981年生まれ、東京出身。早稲田大学を卒業後、日本生命などを経て、12年に衆議院議員に。16年に辞職し、経営コンサルタントや「サンデー・ジャポン」(TBS系)などに出演。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)ではレギュラーMCを務める。
トカラ列島近海の地震、気象台「過去にも数日間にわたって継続」…今後も警戒を呼びかけ
9日深夜から10日にかけて相次いだ鹿児島県トカラ列島近海を震源とする地震で、規模を示すマグニチュード(M)は最大で5・2と推定され、十島村悪石島では震度4を2回観測した。鹿児島地方気象台は「今後も震度4程度の地震が発生する恐れがあるので警戒してほしい」と呼びかけている。
同気象台によると、9日午後11時30分頃に悪石島で震度1を観測。10日午後8時までに震度1以上の地震を76回観測した。
M5・2の地震は10日午前7時7分頃に発生し、悪石島で震度4、十島村小宝島や奄美市で震度3を観測した。同日午後4時36分頃にもM5・0の地震があり、悪石島で震度4だった。同気象台は「原因については解析中」とした上で、「トカラ列島では過去にも数日間にわたって地震活動が継続したことがある」とした。
村によると、悪石島には39世帯68人が暮らす。村は、現地の消防団に見回りを依頼したほか、防災無線でも警戒を呼びかけている。
悪石島では2000年に震度5強の地震が発生しており、同島で民宿を経営する男性(54)は「これだけ続くと大きな地震が起きないか心配だ」と述べた。