「ずさんな現場で信じられない」…同志社国際高校調査の第三者委が会見で指摘 辺野古転覆

同志社国際高校の研修旅行中に沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し同校2年の武石知華さん(17)ら2人が死亡した事故を巡り、同校を運営する学校法人同志社が設置した特別調査委員会(第三者委員会)は31日午後、大阪市内で記者会見を開き、同校側の安全管理について「あまりにずさんな現場で信じられない思い。ことごとく安全管理の意識が抜け落ちている」と指摘した。
会見にはいずれも大阪弁護士会に所属する渡辺徹委員長と秋山洋委員、谷明典委員の3人が出席。冒頭で渡辺委員長が事故の原因や背景などについて、関係者48人への聞き取りやデジタルフォレンジック(電子鑑識)などをもとに調査してとりまとめた報告書の要旨を読み上げた。
報告書では、武石さんについては遺族の意向を反映して実名で記載。その他の関係者については匿名で表記した。転覆した「不屈」の金井創船長についてもアルファベットと数字を組み合わせた形で読み上げられた。
その後の質疑応答で、記者から同校の安全管理に対する受け止めを問われた渡辺氏は「(乗船プログラムが始まった)令和4年度から多くの場所やポイントで『危ない』、『止めておくべき』と気付くポイントがあるのに、なぜかスルーされた。ことごとく安全管理意識が抜け落ちている」と批判した。
報告書は学校側が金井船長を「盲目的に信頼」し生徒の安全管理や出航判断を一任したことが事故の背景にあると指摘した。記者から金井船長が研修旅行に関わったことが適切だったかを問われた渡辺氏は「適切でなかった部分がある。抗議活動をし、海上保安庁に拘束されたと礼拝で話していた。いろいろな安全管理の不備も見受けられる」と評価した。
一方、報告書は学校側が金井船長とそうした関係性に至った理由を「何らかの客観的ないし合理的な根拠は見いだせなかった」として踏み込んでおらず、谷委員は「関係者間で認識に食い違いがあり認定できなかった。(本人が)亡くなっていることも事実解明を困難にした」と振り返った。

「教員には不満」「何度も止める機会」辺野古報告書で武石知華さん両親がコメント<全文>

沖縄県名護市辺野古沖の船転覆事故で死亡した同志社国際高校(京都府)の武石知華(ともか)さん(17)の両親は31日、同校を運営する学校法人同志社の特別調査委員会(第三者委員会)の調査報告書の公表を受けてコメントを出した。コメントの全文は次の通り。

本日公表された調査報告書を、全文読みました。
安全管理の実態と、辺野古コースをめぐる過去からの経緯について、踏み込んだ調査がなされていると受け止めています。聴き取りに応じてくださったすべての関係者、そして調査にあたられた委員会に、まず感謝申し上げます。
報告書を読みますと、辺野古コースに関わった多くの学校関係者の当事者意識のなさが、際立っているように思いました。何度も止める機会があったのに、その全てが素通りされてきたこと。読み返すたびに、本当にやりきれない思いが募ります。
下見や計画策定に関する記述など、この報告書は、昨日の会見で唐澤英城弁護士から説明した過失の組み立て、すなわち私たちの告訴状の論理と矛盾するものではなく、むしろ支えとなるものであると考えています。
ただ、この報告書は、個人の刑事上・民事上の責任には言及しない立場を取っています。その性格は理解しますが、個人の責任の重さについて、もう一歩踏み込んでほしかったという思いは残ります。また、引率教員2名の説明が食い違い、委員会としても事実を認定できなかった点をはじめ、いくつかの点については、不合理に感じる供述も見受けられ、関係する教員には不満を感じています。
これらの点については、捜査機関に委ねるほかなく、更に徹底した踏み込んだ捜査を期待いたします。
また、報告書の再発防止策の提言は、実行されて初めて意味を持ちます。学校側が、いつまでに、何を実行するのか。具体的な計画と経過の公表を求めます。
知華が一度、コースの変更希望を出していたこと、そして抽選に外れて辺野古コースに残ることになったことを、私たちはこの報告書で初めて知りました。この点については、まだ心の整理ができていません。
最後に、調査に協力し、つらい記憶を語ってくれた生徒の皆さんにも、心から感謝します。学校には、生徒たちの心のケアを最後まで続けていただきたいと思います。

九州自動車道の通行止め続く 専門家は「開通までに数か月かかる」 八代市内の3つの橋で路面に段差など被害 鹿児島

熊本地震の影響で通行止めが続く九州自動車道について。道路などのインフラに詳しい専門家は「開通までに数か月かかる」との見方を示しています。
宮崎の「えびのインター」から熊本の「松橋インター」の間で通行止めが続く九州自動車道。
ネクスコ西日本によりますと、八代市内にある九州道などの3つの橋で、路面に段差ができるなどの被害が発生。そのほか路面のひび割れや隆起などが数十か所で確認されています。
現在も現地確認などが行われていますが、通行止め解除の見通しは立っていないということです。
「復旧には時間がかかる」インフラの構造に詳しい専門家は
道路などインフラの構造に詳しい鹿児島大学理工学研究科の審良善和准教授は、「復旧には時間がかかる」とみています。
(鹿児島大学・インフラ構造など専門 審良善和准教授)「(橋の土台が)断層の影響かもしれないが動いているはず、大きな橋の土台がある部分が盛り上がった形になっている。一番の問題は土台の方」
「橋桁が曲がり、床板(車が通る床部分)との接合も切れている、直すのに時間がかかる。(上下線)両方の橋で起こっているので心配」
お盆休みを目前に控え 再開はいつ
お盆休みを目前に控え、九州の大動脈ともいえる九州自動車道の再開はいつになるのか…審良准教授は10年前の熊本地震の復旧状況から、影響の長期化は避けられないとの見方を示します。
(鹿児島大学・インフラ構造など専門 審良善和准教授)

「すぐにお盆までになおすのは難しい。応急復旧で車両の限があると思うが、開通のめどがたつのが数か月」
「完全復旧には年単位もおかしくないというのが個人的意見」
一方、九州新幹線でもレールの破断などの影響で、31日も鹿児島中央と熊本の間で終日運転を見合わせています。こちらも復旧のめどは立っていません。

避難所に9000人超 10年前課題の健康被害懸念高まる 熊本地震

激震、停電、断水、そして連日の猛暑が、熊本地震の被災者を苦しめている。各地の避難所に身を寄せる人は依然9000人を超え、熱中症で搬送される人も出ている。クーラーが備わっていない避難所を避けて車中泊を選ぶ被災者も多く、10年前の熊本地震で課題となったエコノミークラス症候群のような健康被害への懸念も高まる。一方、停電は多くの場所で解消し、九州新幹線も博多―熊本間で運行を再開した。被災地にわずかながら復旧の兆しが見えてきた。
3日は酷暑日の予想
熊本県は31日、地震による死者が災害との関連を調査中の2人を含め36人になったと発表した。重症者は6人。県によると、複数の煙突が倒壊するなどした日本製紙八代工場(同県八代市)で、心肺停止状態で見つかった1人の死亡が新たに確認された。
住宅被害は1526棟(午後7時時点)で、内訳は全壊182棟、大規模半壊20棟、半壊225棟、一部破損1032棟――など。避難所は午後7時現在、348カ所開設され、9532人が避難している。
気象庁によると、熊本県内では最高気温が35度以上の猛暑日が続いており、31日も八代市と熊本市で最高気温35・7度を記録。熱中症による搬送が相次いでいる。今後も厳しい暑さが続く見込みで、3日には40度以上の酷暑日も予想されている。
4カ月の息子抱いて給水に並び
車中泊を続けている氷川町の堀内和彦さん(71)は「毎日暑い。何をするにも水は必要だし、熱中症になってはいけないと水分を多くとろうと思うと、給水に来ても足りなくなってしまう」と話した。
また、断水は氷川町や八代市、宇城市など10市町の計7万9100戸で続いており、復旧のめどは立っていない。
氷川町の町役場では、朝から給水を待つ人が列を作った。同町の藤田寿子さん(38)は4カ月の息子を抱いて列に並んだ。「何度も来ては申し訳ない気がして毎朝1回だけ来ている。母乳で育てているので本来は水をたくさん飲まないといけないが、控えてしまっている。風呂に入れないと子どもの首がかぶれて困った」と話した。
停電は解消
一方で復旧の兆しも出ている。九州電力によると、熊本県内の停電は住宅の断線などによる停電を除き、31日午後までに全て解消した。また、JR九州は地震の影響で見合わせていた九州新幹線の筑後船小屋(福岡県筑後市)―熊本間の運行を再開した。ただ、熊本―新水俣間の8月中の運行再開は難しいという。
11人が建物内に閉じ込められた日本製紙八代工場では全員が救助され、うち9人の死亡が確認された。同社は6人が同社社員、3人は協力会社の社員だったと明らかにした。11人が閉じ込められた理由については、煙突が折れて落下したことが原因とみられると説明している。
地震発生後に爆発があったショッピングモール「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)では12人が救助され、うち死者数は7人となった。イオンによると、亡くなったのはいずれもテナントの従業員で、3人はアパレル大手「オンワードホールディングス」(東京)の従業員だった。【久野洋、川畑岳志、池田一生、山田豊、井土映美】

八代市長単独インタビュー「水が一番困っている」断水2万5千戸 復旧は長期化の見通し

八代市の小野泰輔市長に、被害の状況や復旧の見通しについて話を聞きました。
■被害の状況は
ライフラインは水道が大きな被害を受けていて、2万5136戸で断水しています。停電は減ってきたものの800戸で続いていますが、九州電力の発表では31日中にすべて解消する見込みです。ガスも九州ガスが8月3日を目途に供給を再開する見込みです。避難所も減ってきていますが、4000人程度の避難者がいる状況です。
今回の地震では、水が一番困っていることです。特に暑い中なので、水がないと困ります。小売店が再開できない、シャワーが浴びられないなど、大きな問題となっています。10年前の熊本地震を経験しましたが、その時は春でした。今回は夏の暑さもあり、避難生活が苛酷になっています。
■水不足 解消に向けた取り組み
自衛隊による入浴支援も始まったので、利用してほしいです。水道はどうしても長期間かかってしまいます。市民の皆様にご理解いただきたいのは、上流から点検していく必要があるということです。道路と違い、あちこちで修繕していくという作業ができません。熊本地震でも宇土市は時間がかかりました。八代市は宇土市よりも範囲が広く、困難を極める状況です。日奈久の水系のほうが早く終わる可能性があります。どこかで水をためておいて風呂などに活用することが将来的に考えられるかもしれませんが、長期になると考えています。
建物に免震装置がついていますが、西側の積層ゴムがちぎれています。ダンパーは通常元に戻りますが、あまりの地震の強さに切れてしまい、免震装置がなくなってしまった状態です。いまは鉄骨だけで保っている状態で、このまま使い続けられるのか難しい問題です。31日に国の免震の専門家が来て、状態を確認しました。2週間から3週間で、庁舎にいるべきかどうか結論を出してもらう予定です。私も職員の命を預かる身として、専門家の意見に従って次の手を考えていく必要があります。
Q復旧への影響は?庁舎は危険なので使えないと専門家が判断すれば、ほかの場所へ移らなければいけません。その移転作業が加われば復興のスピードにも影響する可能性があるので、できればこの庁舎にいたいですが、危険な場所でやるわけにはいかないので、専門家の判断を待ちたいと考えています。
■避難者に応じたきめ細かい対応を
今後、避難者に合った対応をしていかなければいけません。最初はとにかく地震が起きて逃げ出すということでしたが、これだけの暑さもありますので、避難者の課題に応じたきめ細かい対応が必要だと思います。今後、物資が集まってきます。政府、民間からも支援の申し出をいただいています。きめ細かいニーズを聞きながら対応していきたいです。
■ボランティアの受け入れは
木村知事もコメントしている通り、渋滞につながりますし、車中泊をしている人はガソリンが必要です。外から来た人がガソリンを使うと、被災者の命にかかわります。ただ、私も経験がありますが、燃料や食料なども含めてすべてにおいて自己完結できるボランティア団体もいるので、そういった方には来てもらいたいです。お年寄りで自分では片づけられないという方もいるので、そういう団体には協力をお願いしたいです。
本当に苦労されていると思います。大切な財産を失い、落ち込んでいる状況だと思います。厳しい暑さもあります。これまでの日本で経験したことがないような厳しい災害だと思います。そんな中でみんなで助け合い、われわれも皆さんの声を丁寧に聞きながら、やれる手をすばやく打っていきます。落ち込んでいる暇はないと思っていますので、一緒になって復興に向かい、歩んでいきましょう。
KKT「金チカっ!」で放送

九州新幹線の熊本県内「8月の運行再開は困難」 在来線は2日に一部再開 地震被害からの「今後の見通し」出る

JR九州が九州新幹線や鹿児島本線の一部区間で8月中の運行再開が困難であるとの見通しを発表しました。
九州新幹線の一部「8月中の運行再開は困難」
JR九州は2026年7月31日、同月28日に発生した「令和8年熊本地震」の影響で運休している一部区間の今後の運行見通しについて発表しました。
九州新幹線の「熊本~新水俣」と、在来線の鹿児島本線「宇土~八代」については、当面の間、運行を取り止めるとのことです。いずれの区間も、現時点では8月中の運行再開は困難であると見込んでいます。
特に九州新幹線の熊本~新水俣間では、日奈久断層交差部における地盤変状(推定)により、橋りょうやレールに大きな変状が発生していることが確認されています。鹿児島本線の宇土~八代間でも、広範囲にわたって設備の被害が確認されている状況です。
なお、新幹線の「新水俣~鹿児島中央」は運行再開に向けた検討が進められています。また、鹿児島本線の「熊本~宇土」と三角線(宇土~三角の全線)は8月2日に運行を再開する予定です。
JR九州は、運休区間のバスなどによる代行輸送は現時点で未定とし、運行再開見込みの全容については8月中に改めて知らせるとしています。
ちなみに、九州新幹線では地震により熊本~鹿児島中央間で200か所以上の損傷が見つかっています。(乗りものニュース編集部)

自衛隊が仮設風呂開設 熱中症対策で浴槽は設けず 4日ぶり入浴の被災者「全て流れた」

熊本市南区の「火の君文化センター」に31日、陸上自衛隊による仮設風呂「火の国の湯」が開設された。断水が続く地域の被災者らは4日ぶりのシャワーで疲れを癒やした。
第8後方支援連隊が県の要請を受けて実施したもので、当分継続する見込みだという。男湯と女湯のテントに各10台のシャワーを設置。午後6~10時に利用できる。待機者の熱中症対策として回転率を上げるため、浴槽は設けなかった。
31日のオープンに合わせ、避難者や近隣住民らは長い列を作った。「地震のことで頭がいっぱいだったが、シャワーで全て流れていった」。近所で暮らす岩切智子さん(54)は、長女の怜佳さん(13)とともに4日ぶりの風呂を満喫した。
28日の地震で自宅のブロック塀は崩れ、屋根も変形した岩切さん宅。部屋中にものが散乱し、片付けに追われている。「汗だくになってもシャワーを浴びられず、きつかった。自衛隊の方々に感謝しかない」と笑顔を見せた。
陸自第8師団司令部の新田繁1等陸尉は「大変な思いをされている方々の心を少しでも癒やせるよう、全力で活動していく」と語った。(永礼もも香)

熊本地震、死者34人 迫る72時間、救助続く

熊本県で起きた最大震度7の地震に関し、県は30日、関連調査中を含め死者が34人に上ったと発表した。日本製紙八代工場(八代市)で8人、爆発が起きた大型商業施設「イオンモール熊本」(嘉島町)は7人が死亡。同工場で安否が不明だった1人が救助されたが、容体は不明とした。水道や電気が途絶した被災地は多くの家屋が倒壊。不明者の生存率が下がるとされる発生から72時間が31日夕に迫る中、被害の全容把握を急ぐ。県内約400カ所の避難所に9千人超が身を寄せた。
県の集計では同工場とイオンモール以外の死者は、宇城市2人、甲佐町1人、八代市3人、氷川町4人。災害との関連を調べているのが9人。重症者は県全体で5人。
関係者によると、同工場の安否不明者はいなくなったとみられる。イオンによると、イオンモールで死亡した7人はいずれもテナントの従業員。これにより、全従業員の安否が確認できたとした。警察などが取り残された人がいないか確認を進める。

【熊本で最大震度7】30年発生確率「ほぼ0%~6%」だった日奈久断層帯で起きた可能性が高い 10年前の熊本地震では28時間後に「本震」が発生 気象庁「最大震度7程度の地震に注意」

28日に発生した「令和8年熊本地震」。熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震で宇城市と氷川町で震度7を観測し、気象庁は「今後1週間は最大震度7程度の地震に注意」と呼びかけています。30日午前6時までに震度5弱を4回観測するなど現在も地震活動が活発な状態が続いています。
10年前の熊本地震では2度の震度7を観測。10年前の地震との関係や今後の影響を解説します。(MBS 気象・災害担当解説委員 福本晋悟)
専門家「日奈久断層帯の可能性が99%」
2016年の熊本地震では、4月14日に震度7の「前震」が起き、2日後(28時間後)に、震度7の「本震」が発生しました。本震はおもに布田川断層帯で起きたとされています。
京都大学防災研究所の西村卓也教授(地震学)は、「10年前の熊本地震では日奈久断層の北端部分も動いたが、残りは動いていない。断層の中央部や南の部分で大きな地震が起きる可能性が高まっていたのではないか」といいます。
また、今回の震源が日奈久断層帯あたりに位置していることについて、西村教授は「日奈久断層帯とみて、ほぼ間違いない。99%」と話します。
日奈久断層帯の30年発生確率 最も高い区間で「ほぼ0%~16%」
政府の地震調査研究推進本部によりますと、日奈久断層帯は、3つの区間に分類されます。
北から「高野―白旗区間」、「日奈久区間」、「八代海区間」があり、今回の震源位置からすると、今回の地震は「日奈久区間」とみられます。
断層は、一か所ずれる、つまり地震が起きると、周りの断層もずれやすくなる傾向があります。西村教授は「断層の割れ残りに警戒する必要がある。日奈久区間に割れ残りがあるかは議論が分かれるが、八代海区間はまだ動いていない」、「28日と同程度の地震の可能性は排除できない」と、地震への警戒を呼びかけます。
また、今後30年以内の地震発生確率では、日奈久区間は「ほぼ0%~6%」、八代海区間は「ほぼ0%~16%」とされていました。なお、「高野―白旗区間」は断層の活動間隔が「不明」のため、30年以内の発生確率も「不明」となっています。
近畿のSランク活断層は? 大阪の「上町断層帯」の30年発生確率は2~3%
南海トラフ地震への対策が進められている近畿地方にも、30年以内の発生確率が3%以上(Sランク)の活断層があります。大阪府豊中市~岸和田市の地下にある「上町断層帯」の30年発生確率は2~3%とされています。最後に発生したのは9000年以上前。つまりは縄文時代です。
滋賀県高島市~大津市の「琵琶湖西岸断層帯」の「北部」区間は、1~3%とされ、京都市山科区~奈良県桜井市の「奈良盆地東縁断層帯」は、ほぼ0%~5%とされています。いずれもマグニチュードは7クラス想定です。
「活断層があること自体に地震のリスク」熊本地震が突きつけた事実
南海トラフ地震は、過去に100~150年間隔で発生しているため、30年発生確率も「60~90%程度以上」とされています。一方で、内陸の活断層は、活動間隔が数百年~数千年のため、30年発生確率の数値は小さくなります。
仮に、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)が起きる前に、発生確率の計算方法があったならば、その確率は0.02~8%だったとされています。
内陸の活断層地震は、発生間隔が長いことから発生確率の想定は非常に難しいのが実情です。
数%の発生確率にどう向き合うべきか―。10年前と今回の熊本地震が、「活断層があること自体に地震のリスクがある」と、私たちに改めて突き付けています。
◆取材 福本晋悟

MBS報道情報局解説委員(気象・災害)。東日本大震災や西日本豪雨、能登半島地震などの被災地を取材。神戸学院大学現代社会学部客員准教授や「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」特別研究調査員も務める。

高市早苗首相“寝てないアピール”不発も、変わらぬ“自宅好き” インド訪問では要人との会見や工場視察に難色 支持率が急落する内閣の足元では内調職員に関する「不穏な話」

歴史的大勝に終わった解散総選挙から約半年。空前の”サナ活ブーム”にも陰りが見え、政権の支持率が急降下している。窮地の首相は内閣改造を検討中だが、その目玉候補たちにも不安は尽きないようで──。【前後編の前編】
笑みを浮かべて「反省点はありません」
「数字に一喜一憂することなく謙虚に真摯にとにかく国家、国民のためにコツコツ仕事をしていく」
7月27日、昼間の国会で着用していた温かみのあるコーラルピンクのジャケットから一転、オフホワイトのセットアップで記者会見に臨んだ高市早苗首相(65才)。支持率急落の要因を問う記者の質問にこう答え、「(国会対応の)反省点はありません」と笑みを浮かべる余裕も見せた。
しかし、発足当初は80%を超えた高市内閣の支持率は各社の世論調査で軒並み急降下。なかでも毎日新聞調べの最新の支持率は前回から10ポイントも急落し、初めて5割を切った。特に、ここ最近で不評を買ったのが7月20日に首相がXに投稿した内容だ。《総理就任以来、0時間~3時間睡眠が常態化》という”寝ていないアピール”が逆効果となった。
「睡眠時間を削って激務をこなしていることを伝えたかったのでしょうが、世間の反応は冷ややかでした。この投稿は”鉄の女”の異名を取り、高市首相が敬愛するイギリスのサッチャー元首相を参考にしたとされています。
英国紙『インディペンデント』は《サッチャーも一晩に4時間しか眠らなかったことで知られており、首相在任中でさえ首相官邸のスタッフに食事をつくり、夫に朝食を用意し、アイロン掛けまでこなしていたと伝記に記されている》と紹介し、高市首相はサッチャー氏と自身を重ね合わせたのではと報じています」(政治部記者)
不眠不休を訴える一方、”自宅好き”の傾向は変わっていない。
「相変わらず会食の機会は最低限で、週末は終日、公邸で過ごすことが多い。そもそも高市首相は、歴代の首相に比べて国会の集中審議への参加時間が短いという指摘もあるのです。野党や識者からは、一国のリーダーが家事に追われる状況は好ましくなく、慢性的な睡眠不足は判断力を鈍らせるのではないかという心配の声も寄せられています」(前出・政治部記者)
外出を控える姿勢は海外でも同様で、今年7月にインドを公式訪問した際には、「要人との会見はできるだけ入れないでほしい」「屋外にも出たくない」と周囲に要望していたという。
「インドでは大手財閥による半導体工場の新設が予定され、日印経済協力の期待が高まるアッサム州への訪問が調整されていましたが、直前で取りやめになりました。最終的には先方の都合が原因でしたが、高市首相は事前調整の段階で『アッサムには行きたくない』と難色を示したそうです。首都ニューデリーからアッサム州までは約2000kmも離れていることに加えて、屋外の工場を視察することに二の足を踏んだのではないかとされています」(政府関係者)