15歳男子高校生 多目的トイレのベビーシートを燃やした疑いで逮捕 落ち葉をのせて火をつけたか 「シートに燃え移ることはわかっていた」

27日に愛知県豊橋市で公園内のトイレに火をつけた疑いで、男子高校生が逮捕されました。
28日に逮捕されたのは、豊橋市に住む15歳の男子高校生です。警察によりますと男子高校生は27日午後6時過ぎ、豊橋市内の公園の多目的トイレで、「ベビーシート」の上に枯葉をのせて火をつけた、器物損壊の疑いが持たれています。
警察の調べに対し男子高校生は、「暖を取ろうと落ち葉に火をつけた。ベビーシートに燃え移ることはわかっていた」などと容疑を認めているということです。
警察は引き続き、犯行のいきさつなどを詳しく調べています。また、今回事件のあった公園の場所について、警察は「捜査に支障が出る」として明らかにしていません。

【2025年政界予測】石破茂首相の支持率低空飛行で「女性総理」誕生への期待が再燃か 戦いは高市早苗氏、上川陽子氏、小渕優子氏の三つ巴

総裁選出馬“5度目の正直”で、総裁の座を射止めた石破茂首相が掲げた2024年の漢字は「謙」だった。「2024年後半はひたすら謙虚にとかみしめながら」と、その漢字の意味を語ったが、実際、意気揚々とした船出ではなかった。
「外交マナーやおにぎりの食べ方など、なにをしても炎上してしまうような状況で支持率も急落して低空飛行を続けています。2025年夏には参議院選挙が控えていますが、党内からは“石破首相で勝てるのか”という声も聞こえてくる。石破首相自身が、求心力確保のために動き出す可能性もゼロではありません」(全国紙政治部記者)
政治評論家の伊藤達美さんが話す。
「可能性として、いちばん早いのは3月の2025年度予算成立時。本予算を成立させた後に解散総選挙に打って出る。その次が、参院選に合わせたダブル選挙です。都議会選挙を含めたトリプル選挙となり、民意を問うということもないことはありません。こうして解散すれば、自民党への逆風が厳しいいま、負ける可能性も高い。そうなれば、総理退陣も視野に入ってくるでしょう。
もう一つのパターンは、石破総理が解散に踏み切ろうとしたときに党内からの強い反発で退陣を求める動きが出てくること。抵抗はかなり強いと思います。この場合は解散することなく、総裁選が行われます」
その場合、2024年9月の総裁選で高まった「女性総理」への期待が再燃することは間違いないだろう。
「総裁選の決選投票で石破総理に敗れ、2位となった高市早苗氏はいまでも、総理・総裁候補であることは変わりません。固い支持があることを明確に示していて、自民党員の期待感もあり、党内からも総理候補だとみられています。本人も気を緩めず、党で汗をかいている。
最近も、闇バイト対策の提言を行い、高市氏が会長を務める自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会は、警察の潜入捜査の実現に向けた提言を出すなど国民のための政策に積極的に取り組んでいる状態です」(伊藤さん)
2024年の総裁選では、高市氏のほかに、上川陽子前外務相も出馬した。
「上川氏は官僚からの信頼は厚いものの、9月の総裁選では推薦人集めに苦心した経緯があります。財務省からは小渕優子氏をプッシュする動きもありますが、本人が消極的で、後ろ盾になっていた“長老”たちもひとり、またひとりといなくなったいま、“小渕総理”は不透明です」(永田町関係者)
国民の生活を守り、この国の舵をとってくれる強い女性総理の誕生なるか。
※女性セブン2025年1月2・9日号

桶川ストーカー殺人事件25年「もういいよ、という詩織の声が聞こえてこない」 がん患った父が続けた講演120回、娘が愛した「ひまわり」に込めた願いは―

およそ25年前の1999年10月、埼玉県桶川市で大学生の猪野詩織(いの・しおり)さん=当時(21)=が元交際相手の兄らに刺殺された「桶川ストーカー殺人事件」が起きた。この事件をきっかけに、ストーカーの対策強化を求める社会の声が高まり、翌2000年には「ストーカー規制法」が成立。その後も法整備が進んできたが、警察への被害相談件数は近年、年間2万件前後と高止まりの状態が続く。詩織さんの父憲一(けんいち)さん(74)は事件後、2度のがんを患いながらも、当時浮き彫りになった警察の不適切な捜査や、報道被害について120回に及ぶ講演活動を続けてきた。心の拠り所となったのは、笑顔が絶えなかった娘が愛した「ひまわり」の花。そこに込められた願いとは―。(共同通信=井上昂星)
▽警察「告訴はテストが終わってからでも」
猪野詩織さんと写真に納まる父憲一さん(左)と母京子さん(右)=撮影年月日、場所不明
事件のきっかけは1999年6月、詩織さんと当時交際していた男との別れ話だった。その後、男や兄、知人らが集団で詩織さんの自宅へと押しかけ両親を脅迫。自宅周辺では詩織さんを中傷するビラが大量にまかれたり、憲一さんの勤務先に300通以上の手紙が届いたりと、嫌がらせやストーカー行為は執拗に続いた。 詩織さんや両親は、近くの埼玉県警上尾署に何度も被害を訴えたが、対応した署員が言い放ったのは、余りにも冷たい言葉だった。 「嫁入り前の娘さんだし、裁判になればつらい目に遭うことがありますよ」 「告訴はテストが終わってからでもいいんじゃないですか」 詩織さんと両親が、それでもあきらめずに被害を訴え続けた結果、上尾署は名誉毀損容疑で告訴状を受理。だが、告訴した詩織さんの調書を上尾署員がその後に改ざんし、告訴取り下げを要請していたことが事件後、発覚することになる。 そして、悲劇は起きてしまった。
詩織さんが殺害されたJR桶川駅周辺=2024年11月、埼玉県桶川市
1999年10月26日、埼玉県桶川市のJR桶川駅前。詩織さんはいつものように駐輪場に自転車を止めていたところ、背後からナイフで刺され、死亡した。 首謀したのは交際相手だった男の兄で、元東京消防庁消防士の小松武史(こまつ・たけし)受刑者(58)=殺人などの罪で無期懲役確定=だった。ほか殺害の実行役ら3人も、後に懲役18~15年が確定。交際相手だった男は指名手配中、自殺した。
▽埼玉県警「極めて不適切」
事件後、埼玉県警が公表した調査報告書
埼玉県警は事件後の2000年4月に公表した調査報告書で、詩織さんへの対応についてこう総括した。 「事態の重大性を認識せず、告訴事件捜査の業務負担を回避しようという意識によるもので、被害者の訴えに対する真摯な姿勢が全く欠如しており、極めて不適切だった」 県警本部長らが責任を取る形で処分され、調書の改ざんに関与した元上尾署員3人は、後に虚偽有印公文書作成罪などに問われ有罪が確定した。 また捜査に問題があったとして憲一さんと妻京子(きょうこ)さん(74)が起こした民事訴訟では、県警に名誉毀損に関する捜査怠慢があったと認定し、県に550万円の賠償を命じた判決が確定している。
▽小松受刑者「心からめいふく祈る」
小松武史受刑者が共同通信に宛てた手紙
共同通信は今年9月、複数回にわたって千葉刑務所にいる小松受刑者と手紙をやりとりした。 小松受刑者は「ココ(刑務所)から生きて出(ら)れると思っておりません」などと現在の心境をつづった。遺族に対しては「直接お会いしてからでなければお話はできません。ごめいふくを心からお祈り申し上げます」と記した。 一方、猪野さんの調書改ざんに関わり有罪となった元上尾署員3人のうち2人は、いずれも取材に「思い出したくない」と口を閉ざした。
▽今も納骨できぬまま
詩織さんの両親を取材する記者(右)=2024年11月、埼玉県上尾市
今年11月、憲一さんは埼玉県上尾市の自宅で、取材に応じてくれた。話を聞いた私は記者1年目で、桶川事件が起きた後に生まれた世代だ。 居間の棚には、詩織さんの七五三や成人式の写真がたくさん並び、周りをひまわりの花の飾りが彩っている。25年がたった今も、納骨はできていない。「一緒の空気を吸って、妻か私、先に亡くなった方と一緒に入ろうと思って」。憲一さんは静かな口調で語ってくれた。 事件から半年後、絶望の中で暮らしていた憲一さんは、弁護士に勧められて講演活動を始めた。あの時、何度も救いを求めた警察は「そんなの痴話げんかでしょ」と取り合ってくれなかった―。講演では当初、そうした怒りや悔しさを聴衆にぶつけるように語っていたという。 それが変わったきっかけは、不思議な体験をしたことだった。2005年から立て続けにがんを2回患い、体重が一時17キロ減るほど心身ともに衰弱していた頃のこと。 「詩織の元に行きたい」。そんな弱気な思いに駆られた時、「まだ駄目」と詩織さんに止められたように感じたという。 この体験を機に、憲一さんは「娘の犠牲を無駄にしないため、何を伝えるべきか」を考えるようになった。特に訴え続けているのは「一人で抱え込まないこと」の重要性だ。 警察にストーカー被害を相談する際も、友人や家族、職場の同僚などが付き添うことで、被害者が孤立しない環境を作る必要があると語る。また地域の住民や学校の先生、職場の上司などに遠慮なく頼り、全体で「安全の壁」を築くことが、被害防止の鍵だと強調している。
▽警察批判だけでなく、激励も
京都府警からの依頼で、警察での講演が初めて実現したのは2017年のこと。その後は各地の警察学校などで、桶川事件を知らない世代の生徒たちにも向き合ってきた。講演中は、詩織さんがプレゼントしてくれたネクタイピンを欠かさず身につけている。「詩織とともに伝えたい」との思いからだ。 講演では、事件当時の捜査を厳しく批判する一方、若い警察官たちに「警察なくしてストーカー犯罪の撲滅は不可能」と激励のメッセージを伝えることも忘れない。講演を聴いた生徒からは「どんなに小さな悩みでも、寄り添える警察官になりたい」といった声が寄せられたという。 事件を機に、ストーカー被害を防ぐための法整備が繰り返されてきた。事件翌年の2000年には、つきまといや待ち伏せ行為を罰するストーカー規制法が成立。その後も法改正がされ、2021年には衛星利用測位システム(GPS)を利用した位置情報の追跡や見張り行為も規制対象となった。 ある埼玉県警幹部は事件当時、男女関係に関する相談は「警察が介入しにくい時代だった」と振り返り、「事件は確実に警察改革の要因になった」とも語る。 ただストーカー被害の相談件数は減少しておらず、課題は山積している。こうした状況について、憲一さんは「ストーカー行為をためらわせる罰則の強化が必要だ」と話し、さらなる法整備の必要性を訴えている。
▽「もういいよ」の声が聞こえるまで
事件では、報道機関の問題点も浮き彫りになった。 遺族は事件後、多数の報道陣に自宅などに押しかけられるメディアスクラムに苦しんだ。記者たちは早朝から深夜まで居座り、写真を撮り続け、おびただしい質問を浴びせた。詩織さんの名誉を傷つけるような虚偽の内容の報道も流されたという。 「報道機関には正確な情報を伝え、被害者や遺族に寄り添う役割を果たしてほしい。国民の知る権利を背負う責任を忘れないでもらいたい」と憲一さんは語る。 25年の間、全国各地の警察や行政、報道機関、学校など積み重ねてきた講演活動は約120回に上る。心身を患いながらも、長年講演を続ける理由を問うと、憲一さんはこう答えてくれた。 「お父さんもういいよ、今まで頑張ってくれてありがとう、という詩織の声が聞こえてこない」 長年、憲一さんと妻京子さんを支えてきたのは、詩織さんが愛した「ひまわり」の花だった。事件が起きた後、詩織さんの友達がみな、ひまわりの花を持って自宅へやってきた。2人はそこで初めて、詩織さんがひまわりを好きだったことを知ったという。 そして、事件が起きる直前の夏。家族の誰も植えた覚えのないひまわりの大輪が、自宅の庭に突然咲いたこともあった。「強いもんね、ひまわり。勇気づけられ、私も好きになった」と、京子さんは振り返る。
▽7歳の詩織さんが書いた手紙
亡くなった猪野詩織さんが7歳の時に未来の自分宛に書いた手紙の模写=2024年11月
2人がずっと大事にしている手紙を見せてくれた。詩織さんが7歳の時、家族で行った「つくば万博」で、未来の「2001年の自分」へ宛てて書いたものだ。 事件から2年後、突然自宅に届いたその手紙は、こんな内容だった。 「2001年のわたしはどんなひとになっているのかな。すてきなおねえさんになっているかな。こいびとはいるかな。たのしみです。」 詩織さんが夢見ていた未来は、卑劣な事件によって、断たれてしまった。手紙の文言は、知人の書道家に書き写してもらい、額に入れて大切にしまっている。
2024年11月に猪野さんの自宅前に置かれていた手紙
詩織さんの命日から、少し日がたった今年の11月1日、うれしい出来事があった。自宅の玄関先に、憲一さんと京子さんを気遣う内容の手紙と、詩織さんへの花束がふと置かれていたのだ。「こうした反応が、活動を続けていく力になる」と憲一さん。
「ひまわりの種」という言葉が書かれた猪野憲一さんの名刺
憲一さんは事件後、自分の名刺に「ひまわりの種」という言葉を刻んでいる。いつかストーカー犯罪が根絶し、安心して暮らすことができる社会がやってきた時、この種が芽吹き、大輪の花を咲かせる日が来ることを信じて。 ストーカー被害を防ぐために何をすべきか、そして社会はどう変わるべきか―。娘を失った悲しみを抱えながらも、憲一さんは未来への希望を胸に、訴えを続けてきた。 25年の歳月を経ても、未だ花開くことのないひまわりの種に、思いは募る。 「いつ咲くかは分からない。でも、大きな花に育ってほしい」

東京・江戸川区で連続コンビニ強盗 白いビニール袋に入れた刃物のようなもので店員を脅した男が逃走中…60~70代でサンダル姿の同一犯か 警視庁

きょう未明、東京・江戸川区のコンビニで、男が刃物のようなもので店員を脅してたばこを奪い、逃走しました。近くのコンビニでも強盗未遂事件が起きていて、警視庁は同一人物による犯行とみて捜査しています。
午前3時半ごろ、東京・江戸川区のコンビニエンスストア「ローソン江戸川平井3丁目店」で「強盗が入った」と男性店員から通報がありました。
警視庁によりますと、入店した男が白いビニール袋に入った刃物のようなものをちらつかせて、「金、金」と店員を脅しました。
店員が事務室に逃げ込んだところ、男はレジを開けて現金を奪おうとしましたが、開かなかったため、たばこ数点を奪って逃走したということです。
男は60代から70代くらいで、白色のマスクと黒色のパーカー、ズボン、サンダル姿で自転車で北西へ逃げたということです。
およそ1時間半前には、600メートルほど離れた「セブンイレブン平井6丁目店」で、同じような姿の男が白いビニール袋に入れた刃物のようなもので店員を脅して現金を奪おうとする強盗未遂事件が起きていました。
いずれも店内に客はおらず、店員にけがはありませんでした。
警察は、手口や服装が似ていることなどから、同一人物による犯行とみて男の行方を捜しています。

留置場で警察官の顔面に唾をかける 傷害容疑で逮捕、留置されていた24歳の男をその場で逮捕「唾をかけたことは間違いない」

28日午後、北海道の旭川東警察署の留置場で、警察官の顔面につばをかけたとして24歳の男が逮捕されました。
公務執行妨害の疑いで逮捕されたのは、旭川市神楽岡7条6丁目に住む24歳の無職の男です。
男は28日午後9時前、旭川東警察署内の留置場で、38歳の男性警察官の顔面につばをかける暴行を加え、男性警察官の職務執行を妨害した疑いが持たれています。
警察によりますと、男は26日に傷害事件の容疑者として逮捕されていて留置中でした。
男は、留置場内の何らかの規則に違反したため、警察官が注意しようとしたところ唾をかけてきたということで、その場で逮捕されました。
取り調べに対し、24歳の無職の男は「唾をかけたことは間違いない」と話し、容疑を認めているということです。
警察は、詳しい状況を調べています。

長岡市の住宅で火事 焼け跡から3人の遺体みつかる この家に住む小学生含む3人と連絡とれず

29日未明、新潟県長岡市下条町で住宅1棟が焼ける火事がありました。この家は5人暮らしで焼け跡から3人の遺体が見つかり、2人が病院に運ばれています。
火事があったのは長岡市下条町にある住宅です。 警察の調べによりますと29日午前0時ころ、通行人から「建物から炎が出ている」と通報がありました。 火はおよそ3時間後に消し止められましたが、焼け跡から3人の遺体が見つかりました。この家に住む74歳の女性と51歳の男性は病院に運ばれましたが、命に別状はないということです。 小学生を含む3人と連絡がとれていないということで、警察は見つかった遺体が連絡が取れていいない3人とみて身元の確認を急いでいます。

ハードル下がり将来は「再審有罪」も? 相次ぐ再審開始決定、法改正に先駆けた現場の変化

「明らか」=「合理的な疑い」
裁判所の変化の兆しを示すのは、相次ぐ再審開始決定だ。
昨年3月には昭和41年の静岡県一家殺害事件で袴田巌さん(88)の再審開始が決まり、後に再審無罪が確定。今年10月には、昭和61年に福井市で起きた女子中学生殺害事件で懲役7年の判決が確定していた前川彰司さん(59)に対する再審開始決定が出た。
刑事訴訟法は、無罪を言い渡すべき「明らかな証拠」が新たに見つかった場合に限り、再審の開始を認めている。
袴田さんと福井市の事件に共通するのは、裁判所が「明らかな証拠」と認定したものが別の真犯人を示す証拠ではなく、犯人であることに「合理的な疑いを生じさせる証拠」だった点だ。
福井市の事件を巡り名古屋高裁金沢支部は10月、確定判決の決め手の一つとなった被告の知人の証言の信用性を否定。前川さんを犯人とするのに「合理的な疑いを超える立証がされていない」とした。
袴田さんの再審開始を決めた東京高裁も、犯行着衣とされた衣類に関する新たな証拠によって、犯人とするには合理的な疑いが生じるとした。
「限定解釈」で冬の時代に
再審開始の条件である「明らかな証拠」がどんな証拠を示すかについては、そもそも論争があった。
確定判決の事実認定に「合理的な疑いを抱かせる証拠」だとしたのは、昭和50年の最高裁決定。事件名から「白鳥決定」と呼ばれる。
この決定後、54~62年に死刑事件の再審開始決定が4件相次いだ。だが、その間に白鳥決定を限定的に解釈する最高裁調査官の論文が公表されたこともあり、死刑事件での再審は、袴田さんまで途絶えた。
「冬の時代」が続いた原因について、再審に詳しい鴨志田祐美弁護士は「検察側が再審請求審での証拠提出を絞るようになり、裁判所も判断が慎重になった」と指摘。
再審開始が相次ぐ現状について「裁判所が証拠開示を促すようになり、捜査機関が隠していた『無罪を示す証拠』が明らかになるケースが増えた結果ではないか」と分析している。
「不可解な動き」の真意は
一方で、検察の対応が変わってきているとする見方もある。
再審に関する審理は、再審を開くかを決める「入り口」である再審請求審と、判決を下す「出口」である再審公判の2つで行われる。
両方で厳密な審理が行われるため長期化しがちで、「詳細な審理は再審公判に絞るべきだ」とする指摘がある。
検察の変化は、袴田さんの事件での不可解な動きに現れている。
「入り口」である再審請求審で昨年3月、東京高裁が再審開始を決めた際には特別抗告を断念した一方、同10月から始まった「出口」に当たる再審公判では、有罪の主張を維持したのだ。
この動きは、有罪か無罪かの判断を争う主戦場を「再審請求審ではなく再審公判にするべきだ」とする考えを念頭に置いて、初めて説明が付く。
一連の検察側の対応は再審を開始しやすくしたともいえるが、無罪の可能性を精査し切らないまま、審理を再審公判に譲ったともいえる。理論的に「再審有罪」判決が出る可能性が高まることになる。
法務省が来春にも再審制度の見直しを法制審議会(法相の諮問機関)に諮問することを検討するなど、盛り上がる改正論議。再審手続きの改正には、「再審有罪判決の可能性」をどこまで絞るかという視点も求められる。(荒船清太)

真夜中のタクシー乗り場、並び順でもめ殴られ62歳死亡…阪急上新庄駅近く

タクシーの順番待ちを巡って男性(62)と口論となり、暴行して負傷させたとして、大阪府警東淀川署は29日、大阪市東淀川区の会社員の男(21)を傷害容疑で現行犯逮捕した。男性は搬送先の病院で死亡し、同署は傷害致死容疑に切り替えて調べる。
男は「暴行を受け、私も殴った」と容疑を認めているという。
発表では、男は同日午前0時10分頃、同区上新庄の阪急上新庄駅近くの路上で、住居・職業不詳の男性の顔を殴るなどしてけがを負わせた疑い。
男性は殴られた弾みで転倒し、頭部を路面で強打した。意識不明の状態で救急搬送され、約5時間半後に死亡した。
男は当時、酒に酔っていた。男性とは面識がなく、タクシー乗り場で並び順を巡って言い争いになったという。

シートベルト、誤着用で凶器に? 小学生は「腹に致命傷」が高割合

シートベルトを着用して車に同乗し事故死した子供の死因を調べたところ、小学生は「腹部」に致命傷を負う割合が中高生らよりも約3倍高かった――。そんな調査結果を公益財団法人交通事故総合分析センター(東京)がまとめた。児童は体格によって正しい位置でシートベルトを着用できないことが一因とみられ、研究員は「ベルトの位置次第で命に関わる可能性がある」と警鐘を鳴らす。
2000年施行の改正道路交通法で6歳未満の子供にはチャイルドシートの使用が義務付けられた。6歳以上は未使用でも違反にならないが、単純に年齢で区切るだけでは事故死の危険を軽減できない可能性が浮かび上がった。
分析センターは、警察庁から提供された過去10年間(13~22年)の交通事故記録を基に、シートベルトを着用して車に同乗し事故死した6~19歳の子供計64人が、体のどの部位に致命傷を負ったかを調べた。いずれもチャイルドシートや、座高を上げるジュニアシートは使用していなかった。
小学生(6~12歳)と、体格が大人に近づく中高生ら(13~19歳)の2グループに分けて比べたところ、両グループとも「頭部」が4割前後を占めて最多だった。割合に差が出たのは「腹部」で、中高生らは51人中5人(9・8%)にとどまったのに対し、小学生は13人中4人(30・8%)で3倍超だった。胸部や頸(けい)部ではグループ間で大きな差はなかった。
分析した研究員の菱川豊裕さんは腹部の致命傷について「全員とは言えないが、腰ベルトにより損傷を受けた人が含まれているはずだ」と指摘。「飛行機の離陸前に『ベルトは腰の低い位置で締めてください』とアナウンスされるように、車でも腰ベルトは太ももに近い位置を巻くように正しく着用しないと意味がない。小さな体格の児童はシートベルトが正しい位置にかからないことがあるため、6歳以上であってもジュニアシートなど補助装置を使ってほしい」と話す。
福岡市では24年8月、シートベルトが凶器となった可能性がある痛ましい事故が起きた。8月18日午前11時10分ごろ、福岡市早良区の国道263号で西鉄の路線バスと軽乗用車が正面衝突し、軽乗用車に乗っていた7歳と5歳の姉妹が死亡した。福岡県警によると、2人はシートベルトを着用していたが、チャイルドシートやジュニアシートは使用していなかった。2人とも死因は出血性ショックで、腹部の内出血が激しく、シートベルトにより強く圧迫された可能性がある。
日本自動車連盟(JAF)は24年9月、チャイルドシートの使用推奨基準を身長140センチ未満から150センチ未満に引き上げた。身長はあくまで目安で、シートベルトが首や腹部にかからないことが重要だという。注意点として、肩ベルトは鎖骨の中央、胸骨、あばら骨の3カ所の硬い骨を通す▽腰ベルトは骨盤(腰骨)を押さえる――ことなどを挙げる。JAFの担当者は「大人は子供のシートベルトが正しく締められているかを十分確認してほしい」と呼びかける。【宗岡敬介】

役職停止中でも「スポークスマンの一人」として「発信を強化」 立候補打診は「会った人に息を吐くように」【玉木雄一郎氏インタビュー】

2024年11月の衆院選で議席を伸ばした国民民主党は、直後に玉木雄一郎代表の不倫スキャンダルが発覚し、玉木氏は3か月の役職停止中だ。「一兵卒」だが、メディアへの露出は活発で、「スポークスマンの1人」を自任する。他党からの「処分された人はおとなしくしておくべき」という声には「四の五の言われる筋合いはない」と言い切る。
インタビュー後半では、メディア対応のあり方や、25年7月に控える参院選の対応について聞いた。衆院選では候補者不足で他党に3議席を明け渡した国民民主にとって、大量の候補者擁立は急務。「会った人に息を吐くように」声をかけているとする一方で、当選する人が増えてきた分、「身体検査」を強化する必要性にも言及した。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)
公認候補者が決まったことを新聞で知る
――このようにいろいろなことをお話しいただいていますが、役職停止になっても、このインタビューを含めてメディア露出は活発です。処分前に比べて、逆に忙しくなっていませんか。
―― 他党からは「処分された人はおとなしくしておくべき」との声もあがっています。
―― 玉木代表のスキャンダルが「FLASH砲」で報じられたのは、特別国会がスタートした11月11日朝。これで政党支持率は下落すると思っていましたが、逆に右肩上がりです。スキャンダルのインパクトが小さかったのか、それとも政策がそれだけ支持されていたのか……。
―― 個人的には意外でした。
フリー記者「出禁」への対応は
―― 発信力は玉木代表が一番高いと思うのですが、党の公式会見としては、代表会見は停止中です。
―― そこで一部で波紋を広げているのが、フリージャーナリストの横田一さんが「ルール違反」を理由に「出禁」になった件です。横田さんと(フリーカメラマンの)堀田(喬)さんは、昔から「あんな感じ」(横田氏が不規則発言を繰り返し、堀田氏が怒鳴る)なので、このタイミングで出禁になるんだ、という感じもします。
―― 事前にどれだけ警告したのか、というのは議論があるところです。
―― 代表会見はずっとウォッチしていますが、議席が増えてから登場人物も増えましたね。すっかり知名度と比例して……(笑)。
参院選では「少なくとも倍増」目指す
―― 先ほどの178万円をめぐる話題で「それもひっくるめて、参院選で国民の皆さんにご判断いただければ」という発言がありました。衆院選では比例で3議席「取りこぼし」がありましたが、参院選では何人擁立して、何議席の獲得を目指しますか。
―― 選挙区はいかがでしょうか。
―― 擁立する数についてはいかがですか。
―― 「何人立てる」という具体的な目標はありますか。
出馬の打診は「手当たり次第に」「会った人に息を吐くように」
―― 週刊文春に、問題になった人に声をかけた、という記事が出ていました(11月26日「玉木雄一郎代表(55)の不倫相手・小泉みゆき(39)は国民民主党の候補者だった!」)。相当幅広く声をかけている、ということですか。
―― 相当カジュアルなスタイルで声をかけているということですね……??
―― 文春が報じた件については、お相手の人は出馬の意思がなかったので選考プロセスに乗らなかった、と定例会見で反論していました。
―― そこで、もし本人にやる気があって、うまく党内のプロセスに乗ったとすれば……。
―― 安倍政権では、多数当選した世代が問題を起こして「魔の何回生」という言われ方もしました。この点は選考の時にも気を付けるということですね。
―― 野党間の選挙協力、候補者調整についてはどう考えますか。
玉木雄一郎さん プロフィール たまき・ゆういちろう 国民民主党衆院議員。1969年香川県生まれ。東大法学部卒。93年旧大蔵省入省。2009年の衆院選で香川2区から初当選し、現在6期目。旧民進党幹事長代理、旧国民民主党共同代表を経て18年9月から同代表。20年9月に分党を経て新国民民主党設立、代表に就任。