13年前の殺人事件で娘失った母「とかしあった髪、今でも切れない」…大勢の前で初めて思い語る

2011年に熊本市の商業施設で起きた殺人事件で、清水心(ここ)ちゃん(当時3歳)を亡くした母、真夕さん(51)が初めて講演した。事件とその後の家族のこと、娘が触れ、切ることができないでいる髪のことを語り、「娘は亡くなってしまったが、今後事件に巻き込まれる子がいなくなる力になりたい」と被害者支援への理解を求めた。(中村由加里)
「被害者の力になりたい」

熊本市のホテルで11月、くまもと被害者支援センター(熊本市)主催のシンポジウム「被害者支援を考える~母からのメッセージ」があり、約80人が聞き入った。登壇した真夕さんは大勢の人の前で初めて、事件の日のことを打ち明けた。
11年3月3日、心ちゃんは両親、当時5歳だった三男と一緒に買い物に来ていた。1人でトイレに向かい、父親が追ったが見つからず、障害者用トイレに連れ込まれて殺害された。
事件後、インターネットには「ちゃんと見てなかった親が悪い」「ざまあみろ」といった誹謗中傷も書き込まれた。真夕さんは残された3人の息子の前では、とにかく笑って食事を取り、絶対に泣かないようにした。「子どもたちに心配させないようにという思いだった」と振り返る。
子どものケアに心を配った。三男は真夕さんと2人きりになると、「僕が死ねばよかった」と泣き叫び、中学生の頃に高熱を出した時には、「心ちゃん、助けてあげれなくてごめん」とうなされたという。真夕さんは「事件から10年たっても、心に傷を負っているんだ」と思い知らされた。
髪は事件の日から伸ばし続け、腰ぐらいまでの長さになった。お風呂上がり、互いに髪をとかし合った。「お守りみたいなもの」だったが、来年、長男が結婚式を挙げる予定となり、「式で髪を結った後に切るのなら」と思うようになった。心ちゃんも「やっと切ったね」と言ってくれるかな、と感じている。
シンポジウムでは子どもたちとともに歩んだ経験から、残された子どもたちの心をケアすることが大切だと訴え、「微力ながら被害者支援に携わっていきたい」と語った。

所沢男性殺害 事件起きた部屋から逮捕された女の複数指紋が見つかる

埼玉県所沢市のマンションで男性が殺害された事件で29日、福井県で不法残留の疑いで逮捕された女の指紋が、事件が起きた部屋で見つかっていたことが新たに分かりました。
この事件は今月26日、所沢市のマンションの1階で松本悠斗さんが倒れているのが見つかったもので、松本さんは、3階の部屋で刃物のようなのもので殺害されたとみられています。
警察は、犯行時間帯にマンションを立ち去った30代の中国人の女を29日、福井県で不法残留の疑いで逮捕していますが、その後の捜査関係者への取材で、事件があった3階の部屋からこの女の指紋が複数見つかっていたことが新たにわかりました。
部屋の契約者は、女とは別の女性だということです。
警察は女が松本さん殺害についても何らかの事情を知っているとみて調べる方針です。

「ウルトラセブン」作曲家が死去 冬木透さん、89歳

特撮テレビ番組「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」などウルトラシリーズの音楽を多数手がけた作曲家の冬木透(ふゆき・とおる、本名蒔田尚昊=まいた・しょうこう)さんが26日午後10時51分、誤嚥性肺炎のため東京都の病院で死去した。89歳。旧満州(現中国東北部)出身。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻良子(りょうこ)さんと長女和可女(わかな)さん。
エリザベト音楽短大、国立音楽大で作曲を学んだ。1956年、ラジオ東京(現TBS)に入社し、社員ながら連続ドラマ「鞍馬天狗」の音楽を任され、作曲家デビューした。
67年からの「ウルトラセブン」では冒頭「セブン~ セブン~」と繰り返す主題歌で子どもたちを魅了。「帰ってきたウルトラマン」では、防衛チームMATの出撃時に流れ「ワンダバダバダバ…」のコーラスが入るBGMが「ワンダバ」と呼ばれ、後に続くウルトラシリーズでの出撃BGMの方向性を決定づけた。
本名名義では賛美歌「ガリラヤの風かおる丘で」などを作曲。桐朋学園大で長年、後進を指導した。

【12月30日あすの天気】大晦日は北日本や北陸では雪や雨が強まり暴風となるところも 元旦は太平洋側を中心に晴れ、初日の出が期待できる天気に

あす大晦日は、低気圧が発達しながら北日本を進む見込みです。北日本や北陸では雪や雨が強まり、暴風となるところもありそうです。北海道の太平洋側など、普段雪の降らないところでも大雪となるおそれがあります。東日本と西日本の太平洋側は、午後ほど晴れるところが多くなりそうです。
予想気温です。最低・最高気温ともに、この時期としては高めですが、次第に風が冷たく吹く見通しです。関東は比較的暖かいでしょう。東京は16度まで上がって、日差しにぬくもりを感じられそうです。
週間予報です。元旦は太平洋側を中心に晴れて、初日の出が期待できそうです。大晦日は暖かい関東も、1日はこの時期らしい寒さになるので、初詣などは暖かい服装がおすすめです。年明けからも冬型の気圧配置が続き、日本海側では雪の量がさらに増えるでしょう。4日土曜日を中心に、大雪や吹雪にお気をつけください。
車や電車で移動を予定されている方は、大雪の情報や交通情報に注意をしてください。

元行員の貸金庫窃盗、金品売却か 警視庁が捜査、三菱UFJ支店

三菱UFJ銀行の元行員が東京都内の2支店で貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んだ問題で、元行員が盗品の貴金属などを複数の買い取り店で売却していたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁が窃盗容疑で捜査している。盗んだ資金や売却で得た金は投資に使っていたとみられる。
同行によると、元行員は店頭業務責任者の40代女性で、11月14日付で懲戒解雇した。当時、貸金庫を管理する立場で、店舗で保管していた合鍵を悪用したという。
2020年4月~24年10月に練馬支店(練馬区)と玉川支店(世田谷区)で約60人が被害に遭い、総額は時価で十数億円に上る。

元文化放送のアナウンサー・戸谷真人さんが大腸がんで死去 72歳 同放送局が名実況場面で追悼

ラジオのスポーツ実況で長年親しまれた元文化放送アナウンサーの戸谷真人(とや・まこと)さんが12月27日に大腸がんのため亡くなったことを30日、文化放送「かわのをとや スポーツの巣」(月曜午後5時45分~同6時30分)の生放送で伝えた。78歳だった。

番組の途中で「ここで訃報をお伝えします」とし「文化放送OB戸谷真人さんが今月27日、大腸がんのためお亡くなりになりました。78歳でした」と伝えた。

また「戸谷さんは神奈川県鎌倉市のご出身で、早稲田大学を卒業後、1969年に文化放送に入社。プロ野球や大相撲の実況など文化放送スポーツアナウンサーのエースとして長らくご活躍されました」などと紹介して、戸谷さんの名実況場面を放送して追悼した。

秋田新幹線の雪の中の立ち往生、回送列車のパンタグラフ衝突が原因か…帰省客ら3650人に影響

29日午後10時35分頃、JR田沢湖線刺巻(秋田県仙北市)―奥羽線神宮寺駅(同県大仙市)間で停電が発生し、同じ線路を走る秋田新幹線が盛岡―秋田駅間で運転を見合わせた。停電で下り2本が立ち往生し、30日までに上下線計16本が運休・区間運休して帰省客ら計約3650人に影響した。
JR東日本秋田支社によると、停電で秋田行きの「こまち43号」と後続の「こまち45号」が停止した。43号は車両の一部が鶯野駅(大仙市)に入った状態で、電気や暖房も止まったため、乗客約260人を駅に降ろし、タクシーなどで近くの駅に避難させた。
45号は田沢湖駅(仙北市)に停止し、電気が使えたため乗客約230人は車内で過ごし、午前8時10分頃からバスで目的の駅まで移動した。大仙市の実家に帰省する途中だったという東京都の20歳代女性は「車内の照明が明るくてなかなか寝付けなかった。実家に着いたらベッドに飛び込みたい」と疲れた様子だった。
同支社によると、停電の発生前後に秋田駅に向かっていた回送列車のパンタグラフが破損していたことから、パンタグラフが何かに衝突したことが停電の原因とみて調べている。

「車が炎上していた」阪神高速新神戸トンネルで車両火災 けが人なし

30日午後5時半ごろ、神戸市北区内の阪神高速32号北行きの新神戸トンネルで「北行き左車線で車が炎上していた」と目撃者の男性から110番があった。
兵庫県警神戸北署や神戸市消防局によると、新神戸トンネルの北行き4・8キロポスト付近で、乗用車1台から出火したという。約30分後に火はほぼ消し止められ、この車の運転者を含めけが人はなかった。

神奈川・海老名で子ども3人死亡…自殺しようとしていた母親を殺人容疑で逮捕

29日午後10時55分頃、神奈川県海老名市の住宅で、「子ども3人がぐったりしている」と、帰宅した父親から119番があった。3人は病院に搬送されたが死亡が確認された。海老名署は30日、長男を殴るなどして殺害したとして、自宅にいた母親(49)を殺人容疑で逮捕した。調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めている。
発表などによると、3人は小学4年の長男(9)のほか、中学3年の長女(15)、中学1年の次女(13)。長男と長女は頭部から出血があった。母親は、自殺しようとしていたところを救急隊員に発見された。
同署は動機のほか、長女、次女への殺人容疑でも今後調べる。

被災住宅の再建「全壊で300万円」 26道府県知事「不十分」

災害で住宅が全壊(損害割合が50%以上)した世帯に最大で300万円を支給することなどを定めた被災者生活再建支援法について、毎日新聞は全都道府県の知事を対象にアンケートを実施した。その結果、青森県や徳島県など26道府県の知事が300万円では「不十分」と答えた。
住宅の再建に当たり、専門家は「原則(住民による)自助」と指摘するが、能登半島地震の被災地では「もう少し支援があれば」という声もある。その中で、行政による公助を充実させた方がいいと考える知事が多く、国会での議論が期待される。
この法律の対象となる災害は、一つの市町村内で全壊が10世帯以上あった場合や、都道府県内で全壊が100世帯以上あった場合などだ。
全壊世帯のほか、大規模半壊(損害割合が40%台)の世帯に最大250万円、中規模半壊(同30%台)に最大100万円が支給される。支給額の半分は全都道府県が拠出する基金から出され、残りの半分を政府が補助する。
この法律は1998年に制定された。当初は全壊世帯に100万円だったが、国会での議論を踏まえて法改正され、2004年に300万円に引き上げられた。
アンケートは11~12月に実施。全壊世帯に支給される300万円について「十分」「不十分」「どちらでもない」という選択肢で質問した。その結果「十分だ」と答えたのは、岐阜県知事のみ。18県の知事が「どちらでもない」を選んだ。
東京都知事は「選択肢により単純に回答できるものではないため回答を控える」、福井県知事は「どちらかと言えば不十分だ」とした。
「不十分」を選んだ26道府県の知事に、その理由について尋ねると、多くは物価高の影響や300万円という支給額が04年から変わっていない点を挙げた。
石川県知事は「被災した世帯にとって現時点の支援額では新たな住宅を再建する際の自己負担が大きいことや、近年の物価高を踏まえて引き上げが必要と考える」、茨城県知事は「04年以来据え置かれており、当時と現在の住宅建設費用を考慮すると不十分」と答えた。
さらに、いくらに引き上げるべきか質問した。山形県や群馬県など11県の知事は「300万~600万円」、富山県知事は「600万円」とした。
他の知事は「全国知事会でのこれまでの議論の積み重ねや経緯などを踏まえ、検討していく必要がある」(福島県)、「(支給額が300万円に引き上げられた)04年以降の消費税率の改正や物価上昇を考慮した金額」(京都府)などと答え、具体的な金額は示さなかった。
一方、最初の質問で「どちらでもない」を選択した18県の知事に理由を聞くと「財源となる基金を拠出する自治体の財政負担の増加が懸念されるため、その財源確保と併せた検討が必要」(秋田県知事)、「地震保険・共済などの取り組みと併せて考えるべきだ」(長野県知事)などと回答した。
災害法制に詳しい山崎栄一・関西大教授は「自然災害から財産を守るための原則は自助だ」と話す。
その上で「物価高を踏まえると、支援法が創設された当時のお金の価値ではなくなっている。法の支援内容を維持しようとすると、物価高と並行して金額を引き上げることはごく自然な対応だ。国会は金額の引き上げについて議論をすべきだ」と指摘した。【洪香、中田敦子、面川美栄】