日本の宇宙開発に暗い影を落とす、痛恨の失敗だ。今回の主力大型ロケット「H3」8号機の打ち上げ失敗について、原因究明や対策完了にはかなりの時間がかかるとみられる。それまでは当然、新たなH3の打ち上げは見送られるはずだ。
先代の主力大型ロケット「H2A」が6月に引退し、日本はH3を代替できる機体はなく、当分は大型ロケットを失う。H3が目指す、民間企業の衛星打ち上げなどで急拡大中の宇宙輸送需要の獲得も遠のきそうだ。
H3は、来年度に予定されている火星衛星探査計画「MMX」の打ち上げにも使われる予定だが、探査計画に影響が出る可能性はゼロではない。
一方、日本には現在、利用できる小型ロケットもない。小型の固体燃料ロケット「イプシロンS」を開発中だが、新開発の第2段エンジンが、令和5年7月と6年11月の燃焼試験で2回連続で爆発。打ち上げの見通しが全く立っていない。
H3とイプシロンSはともに、情報収集衛星や気象衛星など、国の重要な衛星の打ち上げに使用する「基幹ロケット」で、安全保障上も重要な位置付けだ。だが今回のH3の失敗で、日本の基幹ロケットは全滅状態だ。
なぜ今回の失敗が起きたのか検証し、今後はどうするべきかを学び、萎縮せず挑戦を続けていくことが重要だ。(伊藤壽一郎)
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ヒグマ駆除で発砲し猟銃所持の許可取り消し処分、最高裁が弁論へ…ハンターの敗訴見直しの可能性
北海道砂川市の要請でヒグマを猟銃で駆除した際に民家付近で発砲したとして、道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消す処分を受けた猟友会の男性(76)が、道に処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は22日、原告側と被告側の双方から意見を聞く弁論を来年2月27日に開くことを決めた。男性の敗訴とした2審判決が見直される可能性がある。
処分を巡っては、ハンターの責任が重すぎると猟友会関係者らが反発し、自治体の駆除要請を拒否できるとの方針が道内の猟友会で示される契機になった。市街地に出没したクマによる被害が多発する中、最高裁の判断が注目される。
昨年10月の2審・札幌高裁判決によると、道猟友会砂川支部長の男性は2018年8月、市の要請を受けてライフル銃でヒグマを駆除した。道公安委員会は19年4月、クマの後方に土手を挟んで民家があったことから、発砲した行為が銃刀法違反にあたるとして、銃の所持許可を取り消した。
21年12月の1審・札幌地裁判決は、男性が市の要請で出動したことなどを踏まえ、「所持許可の取り消しは、社会通念に照らして著しく妥当性を欠く」と処分を取り消すよう命じた。これに対し、2審判決は「弾丸が周辺の建物に到達するおそれがあった」と指摘。市の要請などの事情を考慮しても処分は妥当だとし、男性側の逆転敗訴とした。
柏崎刈羽原発の“再稼働” 事実上決まる 県議会が知事を「信任」《新潟》
県議会は12月22日、東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働を容認した花角知事を信任する決議案を賛成多数で可決しました。これにより事実上決まった柏崎刈羽原発の再稼働。花角知事は23日、経済産業相に再稼働の容認を伝え、原発をめぐる「地元同意」の手続きは完了します。
12月22日、迎えた県議会最終日。
(リポート)
「花角知事が議場に入ります。再稼働を容認した知事を信任するかまもなく決着がつきます」
一方、県庁前には市民団体など約300人が集まり、抗議の声を上げました。
「県民の意思を聞いてから再稼働を決めてもらいたい」
「手続き的におかしい」
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発。知事が就任から7年をかけて出した結論は再稼働への「同意」でした。
〈花角知事〉
「新潟県としては(再稼働に)了解するとしたい。「信任できない」「知事の職務を続けるべきでない」と県議会が判断されるのであれば辞めたい」
傍聴席は満席となり、立ち見も出る中、県議会に問われた「信任」のゆくえが見守られました。
〈未来にいがた 大渕健県議〉
「「信を問う」なら県民に直接問うのが筋です。自ら表明してきた「信を問う」このことについて公約違反です」
〈リベラル新潟 小泉勝県議〉
「国と自民党、そして知事らが水面下でシナリオを描き県民投票、知事選、議会議決という選択肢の中から最も確実に通る議会決着へと誘導してきた構図があきらかになっている。県民の意思をくみ取らない政治的決着にほかなりません」
県議会は知事を支持する自民党が県議会の過半数を占めます。このことから野党会派は、知事の「信任」は問われる前から確実になっていると反発しました。
その自民党…
〈自民党 高橋直揮県議〉
「県知事の職務を続けていく是非については「是」すなわち県知事の職務を続け、今後のかじ取りをになっていくべきという意味で「是」という意思を表明するものであります」
〈議長〉
「傍聴人は静粛に願います」
ヤジも飛び交う中、自民党と公明党は原発の安全対策の広報費に関する3142万円の補正予算案に付帯して、知事を信任する決議案を提出。そして…
〈議長〉
「本案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数よって本案は可決いたしました」
再稼働を容認した花角知事への信任は自民党や公明党などの賛成多数で可決。東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働が事実上決まりました。
東日本大震災発生の翌年、2012年から全号機が停止する柏崎刈羽原発。東京電力が運転する原発として福島第一原発の事故後、初めて再稼働することになります。
〈花角知事〉
「私は信任をいただいたと思っています。一つの区切りではありますけれどもこれが終わりではない。県民の安全安心を確保していくという意味では終わりがないきりがない話です」
閉会後、自民党の県議団からは来年行われる知事選挙を意識した声も上がりました。
〈自民党県連 岩村良一幹事長〉
「長い期間この問題に取り組んできて熟議議論が尽くされた結果だと考えている。早めとも言われている知事選にも対応していかなければならない」
野党系会派はこの結果に大きく反発しました。
〈未来にいがた 大渕健県議〉
「(知事は)あたかも自分の存在が議会によって支えられていると納得できるものではないですし、これで通ってしまうんだということに唖然としてしまう」
〈リベラル新潟 小泉勝県議〉
「春の県知事選挙に向けて首長の候補を立てられるように、原発は止められないんだけれども我々と意を同じくして県民目線で県民のための県政を確立しなきゃいけない」
柏崎刈羽原発が立地する柏崎市の桜井市長は…
〈柏崎市 桜井雅浩市長〉
「ようやくここまで来たのかなとまず感想です。あと1月ある訳ですのでその間、何もなく再稼働に進んでもらいたいと思っています」
知事は23日、赤沢亮正経済産業大臣に再稼働の容認を報告。関係者によると、東京電力は来年1月20日を軸に再稼働する方向で調整しているということです。
柏崎刈羽原発の全号機停止から13年あまり…県が出した「再稼働容認」の結論は日本のエネルギー政策の大きな転換点となりそうです。
近鉄奈良線の人身事故で54歳男性死亡、自殺か 一時運転見合わせ約4万人に影響
22日午後5時10分ごろ、大阪府東大阪市山手町の近鉄奈良線の踏切で、近鉄奈良発尼崎行きの普通電車(6両編成)と同市の男性(54)が接触した。男性は病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。
大阪府警枚岡署によると、運転士が踏切内に男性がいるのを発見し、ブレーキをかけたが間に合わなかった。運転士は「警笛を鳴らすと(男性が)しゃがみこむのが見えた」と説明しているという。同署は自殺の可能性があるとみて調べている。
近鉄によると、事故の影響で同線瓢箪山-石切間の上下線で約1時間15分間運転を見合わせた。帰宅ラッシュの時間帯と重なり、計41本が運休や部分運休したほか、計8本が遅れ、約4万人に影響した。
「運転代行に事故られてとんずらこかれた」と虚偽説明か 酒気帯び運転で会社役員の男逮捕 名古屋・守山区
20日朝、名古屋市守山区で酒を飲んだ状態で乗用車を運転し、単独事故を起こした会社役員の男が逮捕されました。
逮捕されたのは日進市に住む塗装会社・役員の男(52)です。警察によりますと、男は20日午前6時40分ごろ、名古屋市守山区の路上で酒を飲んだ状態で乗用車を運転した疑いがもたれています。
男はハンドル操作を誤り中央分離帯に衝突する事故を起こしましたが、けが人はいませんでした。呼気からは基準値を超えるアルコールが検出されましたが、男は駆け付けた警察官に対し「運転代行に事故られてとんずらこかれた」などと説明し、現場から立ち去っていました。
その後の捜査で、車には男しか乗っていなかったという目撃情報や、携帯電話に代行を依頼した履歴がないことなどが分かり逮捕に至りました。男は警察の調べに対し「運転した記憶はない」と容疑を否認しています。
網走監獄の雑居房からメモ発見、耐震工事中に…「教養持った」受刑者の備忘録か
網走刑務所の旧建造物を移築復元した国の重要文化財「博物館網走監獄」で、受刑者が書いたとみられるメモ13枚が見つかった。メモには列車の時刻や温泉地の名前、本のリストなどが書き込まれ、同博物館の今野久代副館長(60)は「読みたい本、(出所したら)行きたい場所を備忘録として書き留めたのではないか」と話している。
メモは、今年6月から耐震工事が始まった「五翼放射状舎房」の雑居房で、床板の隙間に小さく丸められた状態で見つかった。今野さんは、低温アイロンをかけて伸ばして読み進めると、B5判の紙に「急行まりも」などの列車名や具体的な時刻、料金、定山渓や蔵王などの温泉地名がびっしり書かれ、「流転の王妃」や「にあんちゃんの日記」などベストセラーになった本の題名、地理などの本の名前があった。
今野さんは「書き方が丁寧で字もきれい。漢字も多く、教養を持った人物」と推測する。本がベストセラーになった時期や列車の料金などから、1959年から63年に服役した26歳以上の再犯者で、書かれていた時計修理をした店の名前から東京に住んだことのある受刑者の可能性が高いが、特定はできないという。
博物館は移築の際、部材を一つずつ外すことはせず、2部屋ずつブロックにして搬送された。そのため、今回の耐震工事で初めて外される床や壁があり、耳かきなど、板の間に隠されたものが出てきている。今野さんは「時代背景をしのぶものがあり、工事終了後に建築ラボのようなコーナーをもうけ、見つかったものと一緒にメモも公開できれば」と話している。
網走監獄は1890年設置の網走囚徒外役所を前身に1903年の監獄官制発令で網走監獄になった。09年の火災で建物のほとんどを焼失したが、12年に再建された、数少ない明治期の木造監獄建築物。81年以降に現在地に順次移築保存され、2件8棟は2016年に国の重要文化財に指定された。
女子高校生(15)が横断歩道でトラックにはねられ死亡 運転手(50)を逮捕 千葉市美浜区
20日夜、千葉市の交差点で横断歩道を渡っていた女子高校生がトラックにひかれて死亡し、50歳の運転手の男が逮捕されました。
警察によりますと、20日午後9時半前、千葉市美浜区の交差点で、青信号の横断歩道を渡っていた歩行者が、右折してきた4トントラックにひかれました。
ひかれたのは15歳の高校生・今福心美さんで、病院で死亡が確認されました。アルバイトからの帰り道だったということです。
警察は、トラックを運転していた花岸純容疑者を過失運転致傷の疑いで逮捕しました。
花岸容疑者は、勤務先の駐車場にトラックを戻すところだったということで、警察の調べに対し、「交通事故を起こしたことに間違いありません」「安全確認をしたつもりだったが不十分だった」と容疑を認めているということです。
警察は、容疑を過失運転致死に切り替えて詳しく調べる方針です。
急増するパキスタン人に相次ぐ攻撃…ロケット花火やバット 「嘘だと思われる」直撃したユーチューバーを取材 見えた目的と誤情報 地域社会での共生に深い影
北海道江別市に住むパキスタン人をめぐり、SNSで「不法移民」というデマが拡散されただけでなく、危険な嫌がらせにも発展しています。
10月、江別市角山の”ある場所”を捉えた映像がTikTok上に投稿され、波紋を呼びました。
パキスタン人が経営する、中古車の販売店。
近づくと石を投げられる…。そうした印象を与える投稿です。動画は既に削除されていますが、この動画を転載した投稿は150万回以上再生されました。
ところが、店の防犯カメラには異なる事実が記録されていました。
《「不法移民」などとするデマが、SNSで拡散》
投稿された映像の約1分前、店の前に1台の車がとまりました。すると、車の助手席から突然、店に向かって爆竹を投げつけます。映像からは、少なくとも3人の人物が確認できます。
その後、店の従業員が現れ、投稿された場面になります。車は逃げるように走り去っていきました。
店の従業員によりますと、実際に石は投げておらず、追い払う目的で投げるそぶりをしただけだということです。
しかし、この場面だけが意図的に切り取られ、投稿されていました。
《ロケット花火が撃ち込まれたことも》
さらに別の日には、ロケット花火が打ち込まれたり、手にバットのようなものを持った人物がうろつくことも…。こうした嫌がらせは、毎日のように続いたということです。
江別市内に暮らすパキスタン人は224人と、ここ10年で7倍に増加。主に中古車の輸出業を営んでいます。
正当な在留資格や許可を得て仕事をしているにもかかわらず、「不法移民」などとするデマが、SNS上にいくつも投稿されました。
《急増するパキスタン人 地元住民の印象は…》
一方で、地元住民のパキスタン人に対する印象は大きく違います。
江別市民 「自分が知っているパキスタン人は、一生懸命勉強するし、いいイメージ」
地元のタクシー運転手 「フレンドリーで金払いもいい、いいお客さん」
誤った情報が拡散されたのは、ある問題がきっかけでした。
《なぜ誤情報が拡散?きっかけは違法建築物》
荒木颯太記者 「江別市の郊外、角山地区です。国道を挟んでこちら側は市街化調整区域となっていて、建築は原則禁止となっています」
江別市内で確認されている違法建築物は現在76件。なかにはイスラム教のモスクも違法建築物として、指導を受けています。
事情を知る男性は…
パキスタン出身の男性 「(モスクが違法建築だと)知ったのは市から言われた時。内部では早く移動しなきゃという話は出ていたんです。ただ…次の土地とかにもお金かかるから、ちょっと時間がかかるんです」
市によりますと、違法建築物76件のうち、外国人が所有するものは一部にすぎず、大半は日本人のものだということです。
しかし、76件すべてがパキスタン人による建築物であるかのような誤った情報が拡散されました。
《事実と異なる投稿をした男性ユーチューバーを取材》
男性ユーチューバー 「江別市議会の動画では(違法建築が)『角山で76件』と言う表現に感じた。『角山に76件あるとすれば全てパキスタン人のものだろう』と誤解していた」
「パキスタン人に囲まれ、モスクに連れていかれた」 そう投稿したユーチューバーの男性が、取材に応じました。
男性ユーチューバー 「江別市議会の動画を見て、ノースサファリの違法建築や倶知安の違法伐採といった話題がある中で、江別にも違法建築があると知り、実際にどういう状況なのかを見てみようと行った」
「外国人問題は行政問題だという信念で行政に気づいてもらいたいというか、意識改革を持ってもらいたい思いで発信しています」
動画のコメント欄では「スマートフォンを取り上げられ、パキスタン人に囲まれた時の場面を削除された」と男性ユーチューバーは説明していますが…
男性ユーチューバー 「(実際に削除した事実は?)ない。証拠映像がないと(視聴者から)うそだと思われる。うまくいなさないと、『うそついてる』と変な方向に炎上しちゃうので。でも『消せ』って言われたのは事実」
この男性は、パキスタン人に囲まれた場面は撮影しておらず、映像が無い理由として「スマートフォンを取り上げられた」と事実と違う説明をしたということです。
《「モスクに連れていかれた」投稿 実際は…》
「モスクに連れていかれた」という男性ユーチューバーの投稿について、実際にモスクを訪ね、取材しました。
パキスタン出身の男性 「(投稿者が)『イスラムに興味ある』『中を見てもいいですか』みたいなこと言われて『いいですよ』と言って案内してあげた」
なぜ、「連れていかれた」と投稿したのでしょうか。
男性ユーチューバー 「とにかく怖かったから、いろいろ理由をつけて、『モスクが気になったとかイスラム教が気になってた』と言ったかもしれない」
恐怖心から「違法建築について取材する」という本来の目的を言えずにモスクに入ったといいますが…。
男性ユーチューバー 「(自分より)前に来たユーチューバーが、ひどいやり方でネットに上げたから、パキスタン人は(ユーチューバーを)もう信用しないとなっていて、パキスタン人の警戒心が強まっていた。『こういう目的で来ました』『こういう撮影させてください』と話をしたかったが、それすらもできない」
「良くない部分も私にもあるんですけれど、ただ感情的にもなっていたので、伝え方も良くなくなりますよね」
誤った正義感や根拠のない不安感が生んだ、外国人への攻撃。切り取られ、ゆがめられた情報は、地域社会での共生に深い影を落としています。
高市自民と別れて正解だった公明党 与党に残っていたら日中関係悪化で“股裂き”状態に
【永田町番外地】#57
高市自維連立政権がスタートして初となる臨時国会が17日、58日間の会期を終えて閉会した。
無事成立した総額約18兆3000億円に上る補正予算は、高市色を前面に出した「危機管理・成長投資」関連予算と、2万円の子ども給付金バラまきなど、予算案に反対していた公明、立憲民主にも配慮したものになった。連立組み替えと併せ、与野党それぞれ手探りが続くねじれ国会だった。
この高市政権と、石破政権までの大きな変化は何かといえば、長年自民党に寄り添ってきた公明党の連立離脱の影響だろう。二階元幹事長や菅元首相に連なる自民党内の親中、親創価学会政治家の発言力が一気に低下し、「弱腰」といわれてきた対中外交が大きく転換してしまったことだ。
「台湾有事の高市発言が象徴的でしたね。公明が連立内にいたら、自民党の親中派と一緒になり、“中国を刺激するな”と騒ぎ立て、高市発言を撤回するのかしないのか、政権内は真っ二つの大混乱で、みっともないところをさらしていたと思う。それを考えれば、公明党の支持率も上がっているようだし、お互いに別れて正解だったのでは」(自民党ベテラン職員)
公明党が、2カ月前に今日の事態をいち早く予想して政権離脱を決めたとしたなら、股裂き状態を回避したたいした危機予知能力であり保身術だったと言うべきか。
公明党や二階元幹事長がいなくなったことで、中国も遠慮なくいじわるをしかけているが、政権内には意外と危機感はない。「これまでの日本政府の中国人観光客や留学生に対する過剰な“おもてなし”がなくなり、せいせいした」なんて声が飛び交う自民党内である。
■後釜の維新からは次々とタチの悪い話が…
一方、公明の後釜に収まった維新は、評判通りの“性悪”ぶりが次々暴かれ、高市首相の脳裏に不安がよぎる臨時国会でもあったろう。
「法の抜け穴探しが大好きな地域政党・大阪維新の体質は救いようがないところです。つい最近も“名義貸し”で維新府議の関与が指摘されたり、維新府議主催のゴルフコンペの景品を民間企業が無償提供していたことが明るみに出ています」(全国紙デスク)
チマチマした悪ばかりだが、問題はこのタチの悪い地域政党(大阪維新)が国政政党(日本維新の会)を突き上げ、吉村大阪府知事に「連立離脱」を言わせ、勝手気ままに振る舞っていることだろう。極端な話、高市政権は一握りの地域議員に国家権力が振り回されるいびつな3重構造下にあるわけだ。
高市首相もそろそろ決断のときが迫っているのではないか。 (特命記者X)
政府推奨おこめ券に二の足、「手数料高い」と現金給付や商品券選ぶ自治体…農水省「コメ以外にも使える」PR
物価高対策として政府が推奨する「おこめ券」について、「配布しない」と表明する自治体が相次いでいる。経費がかさむことなどが理由で、現金給付や商品券といった別の支援策を打ち出す動きが広がっている。(渡辺星太、原聖悟)
「おこめ券には致しません」。東京都立川市の酒井大史市長は13日、自身のユーチューブチャンネルにこんなタイトルの動画を投稿し、「手数料が高いおこめ券ではなく、現金振り込みが一番いい」と話した。
16日に成立した政府の補正予算では、物価高対策として「重点支援地方交付金」を2兆円拡充し、うち4000億円を食料品価格高騰に対応する特別加算とした。1人当たり約3000円相当を利用できる。
使い道や対象は約1700ある市区町村の判断に委ねられており、農林水産省は、一例として米穀店やスーパーなどで使えるおこめ券の配布を推奨している。
しかし、自治体からは、1枚500円の従来のおこめ券で、実際にコメと引き換えられるのは440円分にとどまることに批判が出ている。12%に相当する差額の60円は、利益を含む「手数料」として発行元の全国農業協同組合連合会(JA全農)と全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)に入る仕組みだ。
福岡市の高島宗一郎市長は9日の記者会見で、「国民に配る前にすでに1割以上コストがかかっているということに、国はもっと意識を持つべきだ」と苦言を呈した。おこめ券の代わりに、商工会議所や商店街によるプレミアム付き商品券の発行支援に取り組む。
大阪府交野市の山本景市長も5日の記者会見で、券の郵送費なども含めれば経費の割合は2割に上ると説明し、「おこめ券は選んではいけない選択肢。(業界への)利益誘導と言われても仕方がない」と語った。交付金は学校給食の無償化に充てるという。
自治体からの反発を受け、JA全農は11日、物価高対策として配る場合には、手数料分の60円を2~3割値引きすると発表。全米販も、利益を差し引くなどして販売価格を477円に引き下げることを決めた。
鈴木農相は10月の就任時、物価高対策としておこめ券の有効性を強調。今月12日の記者会見では、「おこめ券はコメしか買えないわけではなく、利用店が認めた商品の購入も可能であるため、物価高対策にうまく適合すると考えている」と説明した。
農水省も今月3~5日の自治体向けの説明会で、コメ以外にも使えるというメリットをPRした。
政府は交付金を活用した支援について、年内の予算化を検討するよう各自治体に求めている。農水省によると、おこめ券の配布を検討している自治体は、現時点で数十程度を把握しているという。
埼玉県川島町と吉見町では、町民1人当たり7枚(コメ3080円分)のおこめ券を25日にも発送する。年内には各世帯に届く。
川島町の担当者は「町はコメの産地で農家も多く、コメの消費を促進したい」と話した。
近畿大の増田忠義准教授(農業資源経済学)の話「交付金の還元方法としては手間や経費がかからない手段が望ましく、おこめ券の配布を選ぶ自治体は少ないだろう。物価高に伴う国民の家計は苦しい状況にあり、おこめ券の配布にせよ別の手段にせよ、各自治体にはスピード感を持った対応が求められる」
コメ高騰収まらず…備蓄米減少も影響
コメの価格は高止まりが続いている。
農水省によると、全国のスーパーで8~14日に販売されたコメの平均価格(5キロ・グラム当たり)は前週より10円高い4331円。2週ぶりに上昇し、11月につけた最高値(4335円)に迫っている。4000円台は15週連続だ。
昨夏から続くコメ価格の上昇は「令和の米騒動」と呼ばれて問題になった。政府による備蓄米の放出によって今年7月に一時3500円台まで下落したが、銘柄米は高値に張り付いたままで、備蓄米流通量の減少とともに再上昇している。
2025年産米の生産量は747万トンで、需要の高まりに伴って前年から68万トン増えた。今後は、供給の増加で価格が下がるとの見方が出ている。政府がおこめ券配布を推奨する背景には、「コメ余り」への懸念もある。