衆院定数法案「削減確実に」=自維幹部、時期・幅を調整へ

自民党の鈴木俊一幹事長と日本維新の会の藤田文武共同代表は20日、自民党本部で会談した。衆院議員の定数削減法案について、確実な実施を目指して「実効性のあるものを作る」方針で一致。両党は実務者協議で削減する時期や数について検討を進め、今国会への提出を急ぐ。
自民は実際の削減時期は来年以降に先送りすることを検討している。会談に同席した萩生田光一幹事長代行は記者団に「どう実効性あるものにしていくか話し合った」と説明した。
藤田氏は削減規模について、衆院定数465の1割に当たる「46~50くらいだろう」と記者団に語った。削減時期に関しては「現場(実務者)で調整してもらう」と述べるにとどめた。 [時事通信社]

古都ルアンパバーンを訪問した愛子さま「私も日本とラオスとの架け橋の一端を担うことができれば」

【ビエンチャン=戸田貴也】ラオスを訪問中の天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは20日、同国北部の古都・ルアンパバーンを日帰りで訪問された。
午前に首都ビエンチャンを臨時列車で出発した愛子さまは、民族衣装に着替え、同国が王政時代に宮殿だった国立博物館を視察された。王室ゆかりのシェントーン寺院にも足を運ばれた。
地元の県書記主催の昼食会にも出席。2012年にルアンパバーンを訪れた皇太子時代の天皇陛下が、伝統や人々の優しさに心を動かされたというエピソードを紹介し、「私も、日本とラオスとの架け橋の一端を担うことができれば幸いに存じます」と語られた。
東京のNPOが共同運営する小児病院を視察後、「ラオス随一の美しさ」とも言われる景勝地・クワンシーの滝に足を運ばれた。同日夜にはビエンチャンに戻られる。

和田政宗氏が自民離党届=宮城知事選対応など批判

自民党の和田政宗元参院議員は20日、党本部を訪れ、離党届を提出した。
和田氏は10月の宮城県知事選に出馬。参政党の実質的な支援を得て村井嘉浩知事を猛追したが、及ばなかった。和田氏は「知事選で自民県連に支援を要請したが、たなざらしにされた」などと離党届提出の理由を記者団に説明。今後の活動については「まっさらな形で、若い人と政治塾を開いたりしたい」と語った。 [時事通信社]

立憲・鎌田さゆり氏、他の議員の質疑中の「態度が悪い」 SNSで批判「ふざけた姿勢で話を聞く」

立憲民主党・鎌田さゆり衆院議員が2025年11月19日の衆院法務委員会で、ほかの議員が質問している最中に不適切な態度を取っていたとして、「態度が悪い」「ふざけた姿勢で話を聞く」などと批判する声がSNS上で相次いでいる。
机に肘をついて腕を組みながら参政・吉川里奈氏の質疑を聞く
衆院インターネット審議中継では、質疑を行う議員の後方の委員席に座る鎌田氏の姿が映っている。SNS上で批判が相次いだのは、参政党・吉川里奈衆院議員が質疑に立った際の鎌田氏の姿勢だった。
発言台に立った吉川氏はまず、外国人受け入れ拡大に伴う現場の問題に関して質問。検挙件数など統計上の数字に現れない国民の不安や「体感治安の悪化」に対する政府の対応を追及していた。
この質疑中、吉川氏の後方にいた鎌田氏は、机に肘をついて腕を組みながら話を聞き、そのまま頭を伏せる場面もあった。このシーンがSNSで拡散し、「態度が悪い」「国会議員にふさわしくない」「国会で何だよ、この態度は!」「ふざけた姿勢で話を聞く」などと批判が相次いだ。なお、吉川氏のほかの質問の際には、こうした姿勢は見られなかった。
法相には「態度!態度!?態度って何ですか!」
SNSでは、鎌田氏自身の質疑も注目を集めた。鎌田氏はこの日、機械メーカー「大川原化工機」をめぐる冤罪事件などを平口洋法相に質問。SNSでは、鎌田氏が「態度って何ですか」と追及する場面が話題になった。
いわゆる「人質司法」に関する質疑の中で、平口氏が「あくまで一般論として言えば、被疑者や被告人の供述態度は、証拠隠滅行為や逃亡することについての被疑者や被告人の主観的意図を判断する資料として重要な意味を持つとの指摘がある」と答弁。
すると、鎌田氏は「態度!態度!?態度って何ですか!」と追及。平口氏が「態度というのは立ち振る舞いのことだと思います」と答えると、鎌田氏は「ちょっと、態度、立ち振る舞い?立ち振る舞いが取り調べの時に、検察官による事情聴取の時に、立ち振る舞い、態度をもって拘留するかどうか、決まるの?ちょっと法務大臣として、その態度、立ち振る舞いっていうのが議事録に残りますよ」と詰め寄った。
平口氏が「態度というのは供述態度ということでございます」と述べると、鎌田氏は「供述態度って何ですか」と改めて質問。これに対し、平口氏は「供述する時の態度だろうと思います」と再び回答した。こうした一連の場面がSNS上で注目を集め、「何を見せられてるんだろうと思います」「会話がひどすぎる」などの批判が上がっている。

住宅と犬舎2棟が全焼、犬100匹焼け死ぬ…熊本・菊池市の繁殖業宅

20日午後2時20分頃、熊本県菊池市原の木原哲也さん(63)方から出火、木造平屋の住宅1棟と犬舎2棟(延べ約340平方メートル)を全焼し、犬舎で飼われていた犬約100匹が死んだ。けが人はなかった。
県警菊池署などによると、木原さんは犬の繁殖業を営んでいたという。近くの山林にも燃え移ったため、県の防災消防ヘリコプター1台が出動し、約4時間後に鎮火した。

大分・佐賀関の大規模火災、「鎮圧状態」も「鎮火」の見通し立たず…被害は新潟・糸魚川上回る170棟

大分市佐賀関(さがのせき)で18日に発生した大規模火災で、市消防局は20日、焼損した住宅地と周辺の山林を含む佐賀関半島について、これ以上延焼する恐れのない「鎮圧状態」になったと発表した。被災住宅地から約1・4キロ南東の無人島・蔦島(つたしま)は鎮圧状態に至っていない。
市消防局が現場を目視で調査し、鎮圧状態を確認。市災害対策本部の会議で報告した。ただ、完全に火が消えた「鎮火」までの見通しは立っていない。
同本部によると、住宅地と一部山林の焼損範囲は約4万8900平方メートル。約130世帯が被災し、空き家も多い。避難所には20日午後6時現在、73世帯113人が身を寄せている。火元について消防は、焼損エリア北西部とみている。西寄りの強風で南東側に燃え広がった可能性がある。大分県警は同日、実況見分を始めた。
一方、県災害対策本部は、建物被害を「170棟以上」から「約170棟」に修正した。総務省消防庁によると、2016年の新潟県糸魚川市の火災(147棟焼損)を上回るという。

東京・杉並区の前顧問が不適切発言 「職員の尊厳を著しく侵害」

東京都杉並区は20日、区の前顧問(文化行政担当)が区立施設の指定管理事業者の職員に対し、「人格を否定し、尊厳を著しく侵害する発言をした」と公表した。7月に公益通報を受けた区公益監察員の弁護士が調査し、9月に調査結果を区長に報告した。前顧問は既に退任している。
区が公表した調査結果や監察員の意見によると、前顧問による不適切発言があったのは2023年5月ごろ。具体的な発言内容は明らかにしていないが、「職場での孤立や萎縮を招くもので、社会通念上許容される範囲を明らかに逸脱するもの」「その精神的な苦痛を軽視することはできない」とした。
前顧問は「指導の一環として行ったもので、人格を傷つける意図はなかった」と弁明しているという。
前顧問は07年に就任し、23年6月に任期満了で退任した。岸本聡子区長は「(前顧問は)退職しているが、区政に対する信頼低下を招くことに変わりはなく、心よりおわびする」とのコメントを発表した。【古瀬弘治】

「人間、クズはクズのまま変われないと思う」少年院出所直後に21歳女性を包丁で殺害…被害者遺族からの“悲痛な本音”を知った加害者一族の“まさかの対応”とは

2023年12月1日、刑務所や少年院を通じて犯罪被害者、遺族の思いを担当刑務官、加害者に伝えられる「心情等伝達制度」が始まった。希望すれば加害者からの返答を書面で受け取ることもできる同制度。実際に利用した犯罪被害者の切実な声とは――。
ここでは、犯罪被害当事者、被害者遺族を長年にわたって取材する藤井誠二氏による『 「殺された側」から「殺した側」へ、こころを伝えるということ 』(光文社新書)の一部を抜粋。21歳の娘を少年院出所直後の15歳少年に殺された遺族の体験を紹介する。(全4回の1回目/ 続きを読む )
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少年院を出たばかりの15歳の少年に
2024年8月、福岡市内のある法律事務所。会議室のテーブルを挟んで、筆者の目の前に固まったように座る、小柄な女性。マスクをしているが、視線は前方の一点を凝視したままだ。
山本直子(仮名)、年齢は50代。彼女は4年前、当時21歳の娘を、少年院を出たばかりの当時15歳の少年に殺された。加害者は、福岡市内のショッピングモール内でたまたま出くわした被害者に、包丁を持って襲いかかり、首などに突き立てた。殺人罪などで懲役10年以上15年以下の不定期刑が確定し、服役中である。私見だが、あまりにも短い刑期だ。
テーブルの上に置かれた数枚の用紙。見出しに「心情等伝達結果通知書」とある。日付は令和6(2024)年7月19日。書類に目を通すと愕然とした。「いったいなんだ、これは。加害者は何を言っているんだ……」と、私は心の中でつぶやいた。
山本は心情等伝達制度を利用して、加害者である元少年の返答を受け取ったのだった。彼女は録取の際に、加害者への激しい怒りを刑務官に託していた。
「娘の写真をたくさん持っていったので、その写真を見せながら、うちの娘がどういう子だったのかとか、そういう話から始めました。そのあとに加害者の少年が憎いという話をしていったんですが、具体的にどういう話をしたのか、覚えていません。娘には夢がいっぱいあったんだとか、そういうことをいろいろと話して、それをすべて壊したことについて、加害者はどう考えているのか、裁判後の心境の変化はあるのか等を聞いた(刑務官に加害者への心や質問を伝えた)と記憶しています」
被害者担当刑務官にはのべ数時間、話し続けた。加害者は遠方の刑務所に収監されているので、被害者担当刑務官以外にも数人がプリンターまで持って訪れてきて、山本の言葉を丁寧に聴き取り、何度も入力と出力を繰り返した。
場所は山本の希望もあり、例外的に弁護士事務所の一室を提供するかたちとなった。出来上がった「心情等伝達書」には多くの山本のこころが盛り込まれた。山本が加害者にぶつけたい、ありったけの言葉が並んだ。聴取には山本の代理人弁護士が立ち会った。
「クズはクズのまま」
以下、まずは山本が刑務官に述べ、「心情等録取書」に記された言葉を記していきたい。
〈 やるせない、許せない気持ち。いったいどうしてくれるのか。憎い。夢や希望を奪われた。悔しい。娘の夢は「やりたいノート」(筆者註:渡米したいという夢や手に入れたい品物が記されたノート)に記し、その一つは私のような会社員になることだった。早い時期に働き始めて、夢のために転職してそれを叶える準備を進めていたところでの事件だった。私は、これからも喧嘩はしただろうけど、会話をしながら娘と生きていきたかった。娘の祖母は「孫(申出人の娘)の顔が見たい」と言っていた。

加害者からの謝罪はパフォーマンスにしか見えず、信用できない。謝罪をされても、許さないし、憎しみが倍加するが、それでも加害者は本心から謝罪すべきではないか〉
ここで遺族は「謝罪」という言葉を使っているが、それは刑事裁判の中で弁護人から「被害者の家族に謝罪の言葉は?」と問われると、「自分が生活を壊してしまったと思います」と加害者は答えたものの、「ごめんなさい、の言葉はある?」と重ねて聞かれると、「とくにないです」と答えるだけで、謝罪の言葉を口にしなかったことを指している。
〈 どうして娘はこんな事件に巻き込まれなければならなかったのか。事件当日に娘が出掛けることを引き止められなかったのかと後悔している。加害者は常軌を逸していると思う。(公判に参加して)胸がえぐられる思いがあった。あんなことをして、しかも謝罪もせずに、よく生きてられますよね。加害者が生きていることが悔しいし、歯がゆい。加害者は一生苦しんで辛い思いをすればいい。幸せになる権利はない。加害者もその家族も呪ってやりたい気持ち。(公判での)「クズはクズのまま」という供述を聞いて、「ふざけているな」と思った〉
「クズはクズのまま」という加害者の発言は、公判中に山本の代理人弁護士から「あなたがこの事件と向き合っているとは思えない」と説諭され、自身の更生について問われたときに出たものである。「人間、クズはクズのまま変われないと思う」「(更生は)できないと思う」と発言したのである。加害少年は刑事弁護人との意思の疎通ができていなかった、いや、加害者にそのつもりがなかったことが私には想像できた。
「心情等録取書」に記された、遺族である山本の言葉は続く。
〈 加害者に「私の気持ちが届かないのでは」と不安。一生、十字架を背負って生きてほしい。加害者は、今のままでは世の中に戻ってきてはいけない人だと思う。娘を加害者のような人間に性の対象として見られたのかと思うと気持ちが悪い。加害者も親との関係も通常ではないと思う。親が親なら子も子だと感じた。加害者には死んでもらいたいくらいの憎しみを抱いている。(加害者が)生きていることが税金の無駄遣いだと思うくらい怒っている。世の中にいらない命があるとすれば、それは加害者とその母親の命だと思うくらいの怒りを抱いている〉
山本は加害者の母親に対して、親の監督義務を問う損害賠償請求訴訟を起こしていた。少年の母親は、「息子を監督する義務に違反していない」と、自らに責任はないと主張し、争う姿勢を見せている。
〈 【判決は…】「娘に抵抗されたとき、どのように思ったか」「娘はどんな表情をしていて、どのような気持ちだったと思うか」「必ず答えてほしい」…少年院出所直後に殺人を犯した少年(15)が被害者遺族の思いに返した“驚愕の言葉”とは 〉へ続く
(藤井 誠二/Webオリジナル(外部転載))

きょうは次第に雪おさまる ただ寒気の影響で全国的に師走並みの寒さに 東京など広く今シーズン一番の冷え込み

強い寒気の影響で、きのうから北日本を中心に大雪となっているところがあります。青森の酸ケ湯では、午前5時現在の積雪が114センチとなっています。また、きのうの夜には長野、きょうの未明には福島から初雪の便りが届きました。
雪のピークは過ぎつつありますが、このあとお昼にかけて、しばらくは北陸や東北の山沿いを中心に雪が残りそうです。午後になると次第に雪はやみ、山陰など日本海側にかかっていた雨雲も抜けていく見込み。天気は回復に向かうでしょう。
一方、太平洋側は朝から晴れて、日中は日差しがたっぷり降り注ぐところが多くなりそうです。そのため、朝から晴れて放射冷却が効く太平洋側を中心に、冷え込みが強まり、今シーズン一番の寒さとなっている所が多くなっています。また、雪が降った地域では、路面の凍結に注意が必要です。
平地に雪を降らせる目安の寒気は、きょう次第に抜けていきますが、山に雪を降らせる目安の寒気は日本列島に居座り続けます。関東地方など、一日を通してすっぽりと寒気に覆われますので、日中もあまり気温が上がりません。
【きょうの各地の予想最高気温】 札幌 :4℃ 釧路 :5℃ 青森 :5℃ 盛岡 :6℃ 仙台 :10℃ 新潟 :10℃ 長野 :9℃ 金沢 :11℃ 名古屋:14℃ 東京 :14℃ 大阪 :13℃ 岡山 :13℃ 広島 :14℃ 松江 :12℃ 高知 :15℃ 福岡 :14℃ 鹿児島:14℃ 那覇 :22℃
全国的に12月並みの寒さのところが多いでしょう。暖かくしてお過ごしください。
季節先取りの寒さは一旦あすまで。あすは次第に寒気が抜けていくため、あす以降は平年並みか平年より気温の高いところが多くなるでしょう。また、北日本の日本海側や北陸などでは雪や雨の降る日がありますが、それ以外は来週にかけて晴れ間の出る日が続きそうです。空気の乾燥も進みますので、火の取り扱いなどにお気をつけください。

〈コメ最高値〉「農協の吊り上げは異常だった」米業者が明かす価格暴騰と失速の真相「政府も進次郎前大臣も問題だった」

農林水産省が11月14日に発表した全国のスーパーで販売されたコメの5キロあたりの平均価格は4316円。今年5月につけた4285円の最高値を半年ぶりに更新し、過去最高値となった。例年ならこの時期、消費者が手に取るはずの新米はそれより優に1000円以上高い。ブランド米の新米ともなれば、5キロで6000円台も珍しくない。他の食品価格も軒並み高騰する中で、一般消費者がスーパーで選ぶのは古米だろう。「令和の米騒動」から「令和の百姓一揆」、備蓄米放出を経てなお先行きの見えないコメ問題について、集荷業者に意見を聞いた。
(画像)「できるかな?」鈴木大臣の地元の山形県で“けん玉10個”チャレンジする6年前の進次郎前「コメ」大臣
「農協さんがこんなに何度も吊り上げるなんて初めてでした」
証言してくれたのは、千葉県山武郡横芝光町の株式会社向後米穀の向後雅秀代表。同社は地元の農家からコメを仕入れてスーパーや量販店などに新米を卸しており、コメの動向分析には最適のウォッチャーだ。まず、最近のコメ価格の動きについて聞いた。
「価格が下がる方向ではありますが、急に大幅には下がらないでしょう。下がるにしても5キロで100円200円程度かなと思っています。ここにきて新米がだぶついてきた感はあるのですが、8月や9月にはまだどこの小売も『あるだけほしい』という状況が続いていて、価格も上向きだと考えられていました。
新米が出ると、1発目の出荷の勢いがそのまま続くか、もしくは一服して落ちつく場合に分かれますが、今年は後者ですね。また、令和のコメ騒動という異常事態だった時よりは新米の動きが鈍いのはありますね。私のところはおかげさまで毎年、精米量が増えているので、新しい農家さんと折衝して集荷量を増やしていますが、昨年は新米の収穫前に在庫がなくなりましたからね」
今年の集荷状況はどう推移したのか。
「田植えの時期から農家さんのところに色々な買いが入ってきていたので『これはまずいぞ』と思っていました。実際、8月の集荷の時期はだいぶ苦戦しましたよ。農協さんが60キロあたりの買い取り金額を決めてから、うちらはそれに負けないよう300円とか500円とか高く買うという世界なんです。
今年最初、農協さんは29800円でスタートして、ウチらは30000円~30300円で仕入れていました。それから農協さんが2000円上げてきて、ウチらも同額追随し、さらに農協さんが価格をあげて、最終的に個人の農家から仕入れるのは34000円くらいまで吊り上がりましたね。農協さんがこんなに何度も吊り上げるなんて初めてでした」
「小泉前農水大臣も問題だったとは思いますよ」
例年、農協と“仁義なき戦い”を繰り広げてきた業者にとっても、最近までの過熱感は異常だった。
「ウチらが回っている農家さんも『これまで聞いたこともないような業者さんが売ってくれと頭を下げに来た』と言っていました。農協さんとは毎年バチバチの勝負をしてますが、今年はライバルが増えたような過熱感がありましたね。
それから値崩れが起こるんじゃないかという空気が漂いだしたのは、ここ1か月くらいのことです。ただ、仕入れ価格もありますから今のところウチは価格を崩すつもりはありません。次の仕入れ価格が下がっていれば、当然売値も落ちますけどね。農家さんは『こんな年はもうねえだろ』って鼻息荒かったですね。ベースは向後米穀ですが、ウチも関連で農業生産法人を持っていてコメの生産が1200俵くらいあるんで、高ければそっちはありがたいんですけどね」
それが一転、コメ余りにシフトしていった。スーパーなど小売店の状況はどう変わったのか。
「コメが『動かねえなあ。こりゃおかしいな』って思ったのは10月半ばから後半くらいです。量販店やスーパーから注文が来なくなったんですよ。備蓄米もあるし、外米(外国産米)も入ってくる。そもそもふたつ選択肢があるからそのぶん新米は動かなくなりますよね。
この状況が続けば、例えばですが『ウチも3%泣くから量販さんも3%泣いて特売しようよ』みたいな話になっていくんだと思いますよ。まだこの流れにはなっていませんが、来年の1月、2月ごろにはそうなっている可能性はありますね。
業者間でもコメが思ったよりさばけずに、『このままじゃコメが余る』と危機感を訴えるような話も多いです。今回のコメの高騰で損失を一番被るのはウチらみたいな集荷業者兼卸しをやっているところですから。定期的に一定数はけてくれるといいんですけど例年より遅い感じがしますから不安はありますよね。
たしかにコメの価格が倍になると家計に響くだろうし、令和の米騒動からの高騰は、世間一般の感覚の値上がり想定ラインをはるかに超えちゃってますから、やっぱり手出しづらいのもわからなくないです」
はたして「令和の米騒動」による米価の高騰は向後米穀や業界にとって吉と出たのか。
「今年もけっこう利益が出せて設備も色々新しくできるのかなって、そんなスタンスではいたんですけどね。ただ10月の半ばからコメが動かず少し変わってきました。コメ騒動での利益に関して言えば、ウチも新規で値段は上げさせてもらって利益は出ていました。米穀業界はみんな過去最高益プラス最高売り上げに達していると思いますね。
これがね、5年後にこのレベルならいいんですよ。ただ1年で一気にいってバブルになってしまったので、かえって今は読めない状況になっていますね。これはどこが悪いというわけではないと思いますが、出し惜しみした政府も問題だったでしょうし、逆にコントロールせずに一気に出した小泉前農水大臣も問題だったとは思いますよ。
今の鈴木大臣に関しては農水官僚出身なので冷静に状況を見ているなと感じています。ここで少し価格を抑える形にはなるかもしれませんが、5年後の農家さんのことを考えればそちらの方がいいと思いますね」
「まだ上がる」「関東の農協での過熱は異常でした」
短期的な収益にはつながっても、計画を狂わすような急激な変化をもたらす「騒動」は、長期的にはマイナスのようだ。
「収益は出るけどコメ騒動のようなことは望みません。計画も立てられないし。コメ騒動を受けた今年の新米で、特に関東の農協での過熱は異常でしたよ。まだ上がる、まだ上がるってこのまま(概算金)6万円とか行くんじゃねえかってそんな空気でしたから。過熱すると読めなくなるので逆に難しいですよね。最終的には外米と、今より安くなる古米のどっちにするかって状況になると思いますよ。
スーパーとか量販店さんにもよりますけど、備蓄米を大量に買ったところは新米が動かなくても売り上げは確保できると思いますよ。きついのは個人の米屋さんだと思います。備蓄米には最低購入量があったから個人の米屋さんだと買えなかったでしょう。そういった米屋さんは高いコメを買わないとやっていけなかったわけですから、値下げして乗り切るレベルじゃなくて廃業という話になっているところも多いと思います。
農家さんも今年に関しては良かったとしても、来年この状況になることはほぼありえないので、先行きをどう見るか難しいでしょうね。今までコメが安すぎたのは事実ですが、騒動という形で一気に高騰するのではなく徐々に上がっていってほしかったですね」
生産者、集荷業者、小売店、消費者。全てが小さな幸せを実感できるような政策を実行できない限り、高市政権誕生で延命した自民党政権の行く末は暗い。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班