山林の女性遺体身元判明 同居の52歳男「妻を殺害した」主旨の説明 首と手首に切り傷 奈良・大淀町

奈良県大淀町の山林に女性の遺体を遺棄したとして52歳の男が逮捕された事件で、遺体には首と手首に切り傷があったことがわかりました。
先週金曜日(24日)、奈良県大淀町の山林で、女性の遺体を遺棄したとして、滋賀県大津市の小松茂容疑者が逮捕された事件で、警察は27日、遺体の身元について小松容疑者と同居をしていた池田裕美子さん(57)と判明したと発表しました。
池田さんの死因は分かっていませんが、司法解剖の結果、遺体には首の右側と左手首に切り傷があったということです。また、死亡時期は4月20~22日ごろだとみられるということです。
小松容疑者は死体遺棄の容疑を認めていて、逮捕前、警察に対し「妻を殺害した」という趣旨の説明をしていたということで、警察は、殺人の疑いも視野に捜査を進めています。

住民「1ミリでも多く降って」 山林火災の大槌町、待望の雨

岩手県大槌町で22日午後に発生した山林火災は6日目となった27日、一定量の雨が出火以来初めて降ったことで火の勢いは弱まった。延焼面積は拡大した一方、住宅地などへの広がりは食い止められている。今後は火の勢いを抑えつつ、消火薬剤の使用や熱源の確認作業などを進める。
町によると、上空からの目視で推定した延焼面積は26日朝は1373ヘクタールだったが、27日朝に1618ヘクタールに拡大した。内訳は吉里吉里地区が約1172ヘクタール、小鎚地区が約446ヘクタール。また新たに地元の消防団員の40代男性が打撲の軽傷を負い、負傷者は計2人になった。避難所は町内や釜石市、山田町に8カ所あるが親戚宅に身を寄せるなどして減少傾向にある。
消火の状況については「24時間態勢で切れ目なく消火任務を遂行している」とし、面積は拡大しているものの、住宅への延焼を食い止めている状態で、設備や車両は足りているとの認識を示した。また27日以降、再燃を防ぐための消火薬剤を散布することを明らかにし、「国内で使用が規制されている物質は含まれず、人体や環境への影響に配慮したものを採用する」としている。
また町は同日、社会福祉協議会に災害ボランティアセンターを設置した。活動はまだ始まっておらず、協議会のホームページで登録を受け付けるとしている。
町内では、待望の雨を喜ぶ住民の声が聞かれた。中心部で土産物店を営む70代の男性は、「1ミリでも多く降って、少しでも早く火が消えてほしい」と願っていた。
ウニ漁解禁日を延期
新おおつち漁協は、27日に予定していたウニ漁の解禁日を延期した。大槌町内の山林火災の影響で組合員が避難したり消防団員として活動中だったりして、漁に必要な人手が確保できないという。
養殖ワカメも出荷時期の最中だが、収穫や加工ができなくなっている。漁協職員は「いつ作業が再開できるかわからない」と話した。【工藤哲、奥田伸一】

被告人「幼少期から殺人衝動あった」 神奈川の承諾殺人公判

横浜市やさいたま市で2人の女性を同意を得た上で殺害したとして、承諾殺人などの罪に問われた無職、斎藤純被告(32)の公判が27日、さいたま地裁(井下田英樹裁判長)で開かれた。被告人質問で、斎藤被告は事件までの経緯を語り、殺人への衝動が「幼少の頃からあった」と述べた。
被告の説明によると、小学校の高学年ごろから人を殺したい願望があったという。ただ、過去に住宅街で女性に忍び寄り刃物を突きつけた際は抵抗され、断念したという。それを機に「明日に向かって生きていく人間を突然殺すのはよくない」と考え、インターネット上で自殺希望者を探すことにしたという。
検察側から、被害者2人とSNS上でやりとりしたデータを保存していた理由を尋ねられると、被告は「(殺害に)了承があったことを証明するため」と答えた。
遺族代理人の弁護士から、犯行に及んだ罪悪感について問われた被告は、約1分間黙り込んだ後、「ただちには答えられない」と述べた。
次回は6月17日、論告求刑公判が開かれる予定。【板鼻歳也】

ハンター発砲も…「その人めがけて」体長約2メートルのクマが反撃 “最速”警報各地で続々

連日各地で目撃され、被害も相次いでいるクマ。秋田県や岩手県などでは、過去最速のタイミングで「警報」が出されています。北海道ではハンターの男性がヒグマに襲われ、頭などにケガをしました。
秋田市で25日、高齢者施設「養護老人ホーム松寿園」の敷地内に1頭のクマが出没しました。
従業員「いた、草を食べてる」
人とクマの間には、ガラス1枚しかありません。
従業員「怖い怖い怖い」
その後、クマの行方は分かっていません。
秋田県がまとめた情報で、クマの動向を見てみると。
大藤歩楓(every.取材班)
「高齢者施設でクマが目撃されたのは土曜日の朝。日曜日の朝には少し南でも目撃情報が投稿されています」
さらに。
大藤歩楓記者(every.取材班)
「その数時間後には、より市街地に近い北側で目撃情報が」
冬眠から目覚め、空腹を満たすために食べ物を探し回るクマ。環境省によりますと、「大量出没した年の次の春は、出没が多い傾向がみられる」といいます。
そのためでしょうか、東北各地では“かつてない事態”が起きています。
現在、青森県、秋田県、岩手県、宮城県で出されているツキノワグマの出没に関する警報。いずれも、過去最速のタイミングでの発表となっています。
そして、警戒が必要なのは東北だけではありません。ツキノワグマより凶暴なヒグマが生息する北海道では、ヒグマによる人的被害が、今年初めて確認されました。
警察によりますと、現場は北海道島牧村。襲われたのは、猟友会に所属する69歳のハンターです。
26日夕方、島牧村の山中で活動中だったという猟友会のハンターら5人がヒグマを発見。ハンターが発砲し、弾は命中したといいます。しかし、クマは絶命せずに斜面を転がり落ち、反撃してきたということです。
同行していたハンターは。
花田雄二さん
「ケガした人が発砲しているので、クマに向かって。発砲しているから、その人にめがけてきたと思う。見た時にもうでかかった。『こいつでかいよ』と話していました」
クマは体長およそ2メートル、体重は300キロにも迫る個体だったといいます。
――手負いだからこその反撃
同行していたハンター・花田雄二さん
「そういうこと。こういう感じで防御、その上に(クマが)かぶさっている状態。だから撃つこともできない、中に人がいるので」
その後、クマは駆除されましたが、男性ハンターが頭や顔から出血するケガをしました。
ハンターら5人は、冬眠明けのクマを人里から遠ざける「春期管理捕獲」の活動中でした。
まもなく迎えるゴールデンウイーク、私たちが注意できることは。
岩手大学農学部・山内貴義准教授
「人間が山の方に行く機会が非常に増える。クマもエサを探して行動域を広げる時期ですので、山に入る際は最大限警戒する。音の鳴る鈴やラジオや笛、場合によってはクマ撃退スプレーを持参、そういう準備が必要」

中古の防衛装備品、無償・安価での供与が可能に…フィリピンへの護衛艦の輸出念頭・中国の強引な海洋進出に抑止力

政府は、不用となった防衛装備品の海外輸出を巡り、殺傷・破壊能力のある武器を無償や安価でも特例で供与できるよう、自衛隊法を改正する方向で検討に入った。フィリピンへの護衛艦の輸出などが念頭にある。中国が強引な海洋進出を続ける中、同志国と連携を強化し、抑止力を高める狙いがある。
年内に改定する国家安全保障戦略など安保3文書に必要性を明記し、来年の通常国会での法改正を目指す。複数の政府関係者が明らかにした。小泉防衛相は5月の大型連休中にフィリピンとインドネシアを訪問し、中古装備品の輸出について協議する予定だ。
財政法上、装備品は中古でも国の財産として扱われ、無償や安価で供与することはできない。現行の自衛隊法116条の3では、開発途上地域の政府には不用品を時価より安く譲渡できると定めているが、ヘルメットなど非殺傷の装備品に限られ、護衛艦などの武器や弾薬は除外されている。
政府は今月21日、装備品の海外輸出に関するルールを定める防衛装備移転3原則の運用指針を改定し、殺傷・破壊能力のある武器を原則輸出できるようにした。輸出が可能な17か国にフィリピンとインドネシアも含まれている。
見直しに合わせ、こうした中古の装備品を無償や安価でも供与できるようにする法改正が必要だとの声が高まっていた。自衛隊が使用しなくなった装備品で同志国の防衛力が向上すれば、双方の抑止力・対処力が強化され、地域の安保環境の安定につながることが期待される。
同志国では、自衛隊の中古装備品に関心が集まっている。フィリピンは、就役から30年以上が経過した海上自衛隊「あぶくま型」護衛艦(順次退役予定)の導入を検討している。中古護衛艦の輸出が実現すれば、初の事例になるとみられる。インドネシアは、中古の「おやしお型」潜水艦の導入に意欲があるとされる。ただ、「高値で中古品を買う財政的な余裕がない国が多い」(防衛省幹部)ことが課題となっていた。
3文書改定に向け、自民党は政府への提言の論点整理を進めており、中古装備品について「無償譲渡の対象に自衛隊の武器を加えるべきだ」と指摘していた。

交通課の警察官、酒気帯び運転の疑い…酒飲んだが酔っ払った感覚ないと否認

千葉県警我孫子署は25日、我孫子市湖北台、松戸署交通課巡査長(28)を道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕した。
発表によると、巡査長は同日午前1時20分頃、同市湖北台の市道で、酒気を帯びた状態でバイクを運転した疑い。「あまり酔った感覚がなく、まっすぐ家に帰れると思いバイクを運転してしまった」と話し、酒は飲んだが酔っ払った感覚はないなどとして、容疑を否認している。
現場近くの住宅に駐車されていた乗用車に巡査長のバイクが衝突し、目撃者が110番した。駆けつけた警察官が呼気検査を実施し、基準値を超えるアルコール分が検出された。
逮捕を受け松戸署の福岡文利署長は「署員の逮捕は極めて遺憾。署員への指導を徹底していきたい」などとコメントした。

「3人も殺しといて、3年ぐらいで罪の償いできるとか言うな」飲酒運転で娘の命を奪った男への判決は懲役3年 遺族が直面した法律の壁と飲酒運転撲滅活動【大庭茂彌さん講演会・後編】

福岡県糸島市に住む大庭茂彌さん(78)の次女・三弥子さん(当時21)は1999年12月26日の未明、中央線をはみ出した飲酒運転の車により命を奪われた。
鳥取市から岡山県倉敷市にクリスマスイルミネーションを見に行った帰りだった。
葬儀が終わって年が明け、大庭さんは鳥取県の智頭警察署に調書作成のため出向いた。
「今の法律の中では最高でも5年しかない。だけど今、裁判で5年の求刑があったことないです」

警察官の言葉に大庭さんは愕然とした。
実際、三弥子さんたち3人の大学生の命を奪った男の裁判では、懲役4年の求刑に対し懲役3年の判決が言い渡された。
この法律の壁が大庭さんのその後を方向づけることとなった。
※祐誠高校(福岡・久留米市)で開催された大庭茂彌さんの講演は前・中・後編で掲載しています。(この原稿は後編)
「3人亡くなっとうけど、今の法律の中では最高でも5年しかない」警察官の言葉
大庭茂彌さん「智頭署から鳥取のホテルまで車で乗らせてもらったんです。それでそのときに言われたことに『大庭さん、今回ね、3人亡くなっとうけど、今の法律の中では一番最高でも5年しかない。だけど5年の求刑があったことないです』って。なんでそんなことがあるとかいなと。やっぱそこで憤りを感じるわけですよ」
飲酒運転で中央車線をはみ出し、三弥子さんたちが乗る軽乗用車に衝突した男に対する求刑は懲役4年、言い渡された判決は懲役3年だった。
大庭茂彌さん「3人も殺しといて、なんで3年ぐらいで、ね、罪の償いできるとか言うなと思ったんです。でもね、やっぱ今までそういう、判例がなかったっていうことで、またこれを控訴しても、結局は同じことになるかもしれんから、もう一応、もうそのままで受け止めて3年の、おー、実刑にしてもらったけど、でもね、もうちょっと早かったんですよ。あのー、仮出所っていうのが。そこの中で行いが良かったりなんかしたら刑務所の所長が仮出所を申請するんです。で、実際には2年8か月ぐらいで出たんじゃないかなと思います」
懲役3年に対する憤りを行動に 危険運転致死傷罪新設へ署名運動
三弥子さんたち3人の命を奪った男に対する判決は懲役3年。
大庭さんは憤りを行動に転換した。
危険運転致死傷罪の新設を求める署名運動に加わり、大庭さんとその協力者とだけで6000人あまりの署名を集めた。
大庭茂彌さん

「それが全国にすれば36~7万の署名が集まって、2001年に危険運転致死傷罪の法律ができたんです。これが、うーん、だいぶね。でもね、これもね、なかなかね、難しいとこがあってね、法律の壁っていうのはあるんですよ。だから僕は今、0.15以上含まれてれば、逮捕されたりなんかしますけど、もうそれをなくしてもいい。もうちょっとでもアルコールが検知されれば、もう飲酒運転として、いや、罰せればいい」
法律は変わった。
しかしそれで十分だとは、大庭さんは考えていない。
飲酒運転「しない・させない・許さない」だけでなく「見逃さない」
飲酒運転撲滅に向けて、大庭さんが特に強調したのは「見逃さない」という行動だ。
福岡県の飲酒運転撲滅条例には、「しない・させない・許さない」に加えて「見逃さない」が盛り込まれている。
すべての県民に対し不審な車を目撃したら110番通報することを義務づけたものだ。
大庭茂彌さん「これができてからね、ここ2~3年、警察署のほうに通知があったのはね、2000件超してるんです。2000件ですよ。そしてその中の約1割は逮捕されてます。端的に言うなら、その分だけが事故が減った、減ったっちゅうことに考えれば、いいんですけど、だけどね、逮捕されたらね、やっぱその人の人生終わります。自分の一生をそのために棒に振ったような。だからそのためにもやはりちゃんと、飲酒したらハンドルを握らないっていうことをね、守ってもらえれば、飲酒運転、今、福岡県内では飲酒運転事故が大体90件ぐらいあります。もっと減ります」
大庭さんは、生徒たちに直接声をかけないよう伝えることも忘れなかった。
大庭茂彌さん「君たちから直接ね、あなた酒飲んだら運転しよらんですかっていうことはだめです。やめておく。そうすると逆上される場合があるんです。だからこれはあくまでも警察のほうに頼んで、今どう、どこの方面に、どこ、今どこどこですけどどっちの方向にどういった車が、車をナンバー覚えてればナンバーもいいし、色とか車種とか覚えてればそういったふうで、こういうふうに、で、捕まえてくださいっていうふうに言ってください。今までね、家庭の中から行った報告があって捕まえられた、逮捕された人もおります。今、息子が酒飲んで車で出ていった。早く捕まえてくださいって。やっぱね、事故を起こしてからじゃだめなんです。事故を起こす前にやっぱ止められなきゃいかん」
飲酒運転撲滅への覚悟「健康管理をせないかん。生涯現役で(講演活動を)やらないかん」
78歳となった今も講演会で飲酒運転撲滅を訴える大庭茂彌さん。
大事にしているのは自らの健康管理だ。
大庭茂彌さん「私もね、(今年)79になりますからね、もう講演が終わってね、帰るときにいつまで講演できるとかいなって思うときはあるんです。だけどやっぱり自分はその講演があるために自分の自己管理を、健康管理をせないかん。そして、生涯現役で(講演活動を)やらないかんっていうふうに思ってます」
三弥子さんの死から27年。
法律が変わり、条例が整備され「見逃さない」通報制度も根づきつつある。
しかし、飲酒運転ゼロにはほど遠いのも現実だ。
大庭さんはこれからも飲酒運転撲滅へ向けた活動を続けていく。
大庭茂彌さん「生きとることが当たり前じゃないんです。それも考えてたら。生きとればなんでもできます。今の時間を大事にするっていうことも大事なんだ。そしてやっぱやっていかないかん。皆さんの力を借りて飲酒運転が、ゼロは難しいけどなるべくゼロに近い数字になりますように、皆さんの力を借りてやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします」

「滑落しました」下山中、約50メートルにわたり滑り落ちる 69歳の男性を救急搬送 登山に同行していた友人が通報

きのう(25日)午後、香川県高松市の上佐山を登山で訪れていた男性(69)が下山中に滑落し救急搬送されました。
「滑落しました」と通報
警察によりますと、午後3時すぎ高松市池田町の上佐山(うわさやま)を登山で訪れていた男性(69)が滑落しました。男性は山の斜面約50メートルを滑り落ちたということです。一緒に登山をしていた男性の友人が「滑落しました」と通報、男性は消防により救急搬送されまた。搬送時には会話もでき命に別状はないとみられています。
警察で男性から事情を聞くなどし、滑落した原因を調べています。

交際相手の10代後半の女性の顔を殴り、頭・腕・尻を蹴ってけがをさせたか 28歳アルバイトの男逮捕

26日未明、佐賀市で交際相手の10代後半の女性の顔を数回殴り、髪をつかんで引きずったうえ頭や尻などを蹴ってけがをさせたとして、28歳のアルバイト(自称)の男が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは佐賀市諸富町徳富のアルバイト(自称)石井弘法容疑者(28)です。
石井容疑者は26日午前0時すぎ、自宅で交際相手の10代後半の女性に対し、顔を数回殴り、髪をつかんで引きずったうえ、頭や両腕、尻を蹴るなどして全治約2週間のけがをさせた疑いが持たれています。
事件後、女性の家族から110番通報。
警察が石井容疑者と女性から事情を聞く、女性の傷の状況を確認するなどの捜査を進めた結果、石井容疑者が関与した疑いが強まったということです。
取り調べに対し石井容疑者は「彼女の顔を叩いたり、髪の毛を引っ張ったりしてけがをさせたことは間違いない」などと話し、容疑を認めているということです。
警察は、動機などについて詳しく調べています。

週刊新潮が「人口減が続いて栄えた国はない」とカミついた高市政権の外国人排斥政策(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】
私の小学生時代は敗戦直後の混乱期だった。家の近くに米軍関係者の家があった。子どもは私と同じクラスで、日本人の悪ガキたちから「あいの子」と呼ばれ、いじめられていた。
私とは気が合って、一緒に通学し、家にも招かれた。日本人の母親からもらったチョコレートを食べたときの感動は、今でも記憶に残っている。
近所で花屋を営んでいた在日朝鮮人一家にも同級生がいた。年中水っぱなを垂らし、店には花の香よりもキムチのにおいが濃く漂っていた。中国人の子どももいた。人種のるつぼとまではいわないが、日本人とは文化も考え方も顔も違う人間たちと机を並べ、交流したことが、私の世界への視野を広げてくれた。
日本は、渡来してきた人たちが、先住民と混ざり合い、時には激しく衝突しながらも、長い時間をかけて「日本人」という形にまとまっていった国である。
そうした流れを突然断ち切り、「移民を排斥せよ」と政策の大転換を宣言したのが高市早苗首相である。
ヒトラーが「生活が苦しいのはユダヤ人のせい」と扇動することで国民の支持を得たように、経済が低迷している今の日本で、高市政権が排外主義を強めている。“普通の人たち”がSNSからの情報を無批判に受け入れてデモに参加し「外国人は自分の国に帰れ」と声を上げる姿に不気味さを感じると、ジャーナリストの池尾伸一が「仮放免の子どもたち『日本人ファースト』の標的」(講談社刊)の中で書いている。
「仮放免の子ども」とは、超過滞在(オーバーステイ)の親のもとに生まれたため、在留資格が与えられていない子どものことだ。在留資格がなければ住民票はなく、健康保険などさまざまな社会保険にも加入できない、就職もできない。「夢を持つことを禁じられた」子どもたちなのだ。
ヘイトスピーチを浴び暴力を振るわれる。重病でも病院に行けない。親と無理やり分断され、突然、言葉もわからない「母国」へ強制送還される。日本という国は、「最も弱い存在である子どもすら、生身の人間としての権利を守ろうとしない国なのだ」(同書から)。
“高市1強政権”におののくテレビ、新聞をしり目に、週刊新潮は2週続けて、高市の愚民政策に「ノー」を突きつけた。4月16日号では「不法外国人」を警察にタレこめば1万円の報奨金を出すというバカな制度を作った茨城県知事を笑った。
イチゴ農園を経営している男性はこう話す。
「大人数の実習生を雇うほどの余裕はありません。かといって外国人がいないと、収穫期に人手が足りなくなる。農家にとって“フホー(不法滞在の外国人)”は必要悪ともいえる存在です」。農繁期になると、彼らのほうから車で乗り付けてきて、「人手要る?」と声をかけてくるという。