毎日新聞の記事980件を市役所などの内部ネットワーク(イントラネット)に無断で共有したとして、毎日新聞社は6日、愛知県蒲郡市に約2200万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。共有された記事を多数の職員が閲覧できる状態が10年以上続いていたとし、著作権が長期にわたり侵害されたと主張している。
著作権法は、著作者の許諾を得ずに、著作物を複製したり、インターネット上で共有したりする行為を禁じている。市は当初、著作権侵害の疑いを認めていたが、その後の協議で違法性を否定するようになったため提訴に至った。
訴状によると、市は遅くとも2012年以降、新聞記事をPDF化したデータを内部ネットワークの共有フォルダーにアップロードするようになった。データは市役所や消防署、市民病院などで使われていた市所有のパソコン計約1000台で閲覧することができたとしている。
蒲郡市は24年7月、内部通報を受けて鈴木寿明市長が毎日新聞中部本社(名古屋市)を訪れて謝罪した。謝罪文には「著作権法に対する理解認識が不十分だった」などと記載されていた。しかし、市は約3カ月後、代理人弁護士を通じて著作権侵害には当たらないと毎日新聞に通知。共有された記事件数の問い合わせにも回答を拒否した。
著作権法には行政の目的のために必要と認められる場合には許諾なしに著作物の複製や共有を認める除外規定がある。毎日新聞は訴状で、蒲郡市の事務遂行と無関係な記事も共有されていることなどから除外規定は適用されないと主張。記事の無断利用に関する社内規定に基づき請求額を算定した。
新聞記事の無断共有を巡っては、社内の電子掲示板で日本経済新聞社と中日新聞社の記事を全従業員が閲覧できる状態にしていたとして、つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京)に計約829万円の賠償を命じた2件の判決が23、24年に確定している。この訴訟で、知財高裁は「新聞記事には表現の工夫があり、無断共有は著作権侵害が認められる」との判断を示した。
蒲郡市は「訴状が届いていないのでコメントできない」とした。
毎日新聞社社長室広報ユニットの話
新聞社にとって、記事は最も重要なコンテンツであり、貴重な知的財産です。法令を順守すべき行政機関が著作権を侵害していた行為は極めて遺憾です。訴訟で市の法的責任を明らかにしてまいります。
読売新聞も提訴
読売新聞社の東京、大阪、西部各本社も6日、記事849件を内部ネットワークで無断共有されたとして、愛知県蒲郡市に約6100万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
読売新聞は、蒲郡市は少なくとも2024年までの約12年間、職員ら1200人超が共有された記事を閲覧できる状態にしていたと主張。市長から法令順守を徹底するとの考えが示された3カ月後、市は代理人弁護士を通じて「著作物に該当しないものも含まれる」などと著作権侵害を否定する見解を示してきたという。請求額は同社の規定で算定した。
読売新聞グループ本社広報部は「蒲郡市による記事の無断利用や責任を否定する対応を看過できないことから提訴した」とコメントした。
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山上被告の手製パイプ銃「殺傷能力」実験で下限の12倍超と確認 13日には母の証人尋問
令和4年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判第6回公判が6日、奈良地裁(田中伸一裁判長)で開かれ、奈良県警科学捜査研究所の男性研究員の証人尋問が行われた。研究員は被告が作ったパイプ銃の構造や威力などの鑑定を担当。事件で使われた銃の発射実験では、殺傷能力の下限値と比べ、最大12倍超の威力が確認されたと証言した。
被告は4年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、パイプ銃1丁を2回発砲したとされる。自宅マンションの家宅捜索ではほかにも6丁のパイプ銃が見つかっており、いずれも被告が自作したとみられる。
証言によると、パイプ銃は引き金にあたるスイッチを押すと、バッテリーから実包に通電され火薬に着火、実包内の6個の鉛玉が飛び散る仕組み。安倍氏に対して使われた銃は2本のパイプが束ねられており、計2回の発射が可能だった。
科捜研はこの銃と、押収品の火薬を使って被告の供述通りに再現した実包を用い、4度の発射実験を実施した。その結果、弾速は秒速200メートル台で、威力は殺傷能力を有する下限の数値より8~12倍ほど大きかった。ほか6丁も全て弾丸を発射でき、「殺傷能力を有する」と確認された。
これまでの公判によると、被告は当初、安倍氏の約7メートル後方で発砲したものの、6個の弾はいずれも安倍氏に当たらず、約5メートルに近づいた2発目で5~6個が安倍氏に当たった。実験では、6個の弾は5メートルの距離であれば約10センチ四方、7メートルであれば約20センチ四方に着弾し、この距離でもベニヤ板4枚(計16ミリ)を貫通するほどの威力があると分かったという。
また、銃刀法の発射罪が適用されるのは「拳銃」や「砲」を発射した場合で、検察側は安倍氏を撃ったパイプ銃が砲に当たると主張している。砲は口径20ミリ以上の武器だとされるが、法律上明確な定義はなく、弁護側は散弾ではなく、直径20ミリの大型弾を撃つ能力も要件だとして発射罪の成立を争っている。研究員はこの点について、パイプ銃の性能や耐久性を踏まえ、大型弾も「発射できる」と述べた。
第7回公判は13日午後に開かれ、旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)に入信した被告の母親の証人尋問などが行われる。
水道水が茶色く濁り…約2700世帯に影響 「ご飯も作れない」 水道管のサビ混入か 給水活動や市営の温泉施設を無料開放 三重・亀山市
三重県亀山市の一部の地域で水道水が茶色く濁り、市による給水活動が行われています。
水道水が濁っているのは、亀山市阿野田町や菅内町などの一部の地域です。市によりますと水が濁る状態は11月1日から続いていて、亀山市内の約2700世帯に影響が出ているということです。
原因はまだ特定できていませんが、市によりますと水道管のサビが混入しているおそれがあるということです。きょうは市内4か所で給水活動が行われているほか、11月10日までは対象地区の市民向けに、市営の温泉施設を無料で開放しています。
(亀山市民) 「きょうで4日目なので、ご飯も作れない」 「小さい子どもがいる家は、お風呂が濁り水だと入れないので大変だと思う」
水の濁りは徐々に解消しているということですが、亀山市は必要であれば、あす日以降も給水活動を行うとしています。
無人機を大量運用…高市首相、安保3文書の前倒し改定巡り「新たな防衛体制」盛り込む考え
高市首相は6日の参院代表質問で、国家安全保障戦略など3文書の前倒し改定を巡り、無人機の大量運用などロシアのウクライナ侵略を踏まえた新たな防衛体制を盛り込む考えを示した。
首相は「無人機の大量運用をはじめとする新しい戦い方や、長期戦に耐えうる継戦能力の必要性を踏まえた上での検討を進めていく」と語った。「インテリジェンス(情報収集、分析)に関する国家機能の強化が急務だ」とも指摘し、政府の司令塔「国家情報局」の創設などに向け、早急に論点を整理する考えも示した。
南鳥島(東京都)周辺のレアアース(希土類)開発では、「日米間の具体的な協力の進め方を検討していく」と明らかにした。日本政府は、来年夏に水深6000メートルからレアアースを引き揚げるための実証試験を予定している。
一方、労働時間規制の緩和を検討するよう上野厚生労働相に行った指示について、首相は「撤回はしない」と強調した。選挙期間中の偽情報を防止するためのSNS利用規制に関しては「各党・各会派での議論に期待している」と述べた。
「診療所の4~5割は赤字」…診療報酬圧縮の議論に日本医師会・松本会長が反論
日本医師会の松本吉郎会長は6日の記者会見で、診療所に支払われる診療報酬の圧縮が財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で議論されたことに対し、「診療所の4~5割は赤字で大変な状態だ」と反論した。
5日の財政審の分科会で財務省は、来年度の診療報酬改定に向け、診療所の報酬を「適正化の方向で検討すべきだ」と指摘。一定機能を有しない場合には初診・再診料を減算する案や、基準を満たせば初診料に上乗せできる「機能強化加算」を廃止する案を提示した。
松本会長は「財政的な観点のみから個別の診療報酬を議論することは看過できない」と不快感を示した。
また、医療介護分野で働く現役世代の賃上げが実現できない状況に触れ、「財政審の議論には、人材流出と経営悪化によって、医療介護の提供体制が維持できなくなるという危機感が感じられない」と批判した。
【代表質問】参政・神谷氏、高市首相に“外国人の受け入れ制限すべき”と訴え 立憲は「働き方改革」追及
国会では参政党の神谷代表が質問に立ち、高市首相に外国人の受け入れを制限すべきと訴えました。一方、立憲民主党は首相の「働き方改革」について追及しました。
長年、自民党のパートナーだった公明党は6日も「政治とカネ」の問題を追及。
公明党 西田議員
「総理は、不記載議員は『内閣には入れない』とおっしゃっておられたと記憶しておりますが、それに準じる副大臣や政務官には複数の不記載議員が任命されています。どのような判断基準なのでしょうか」
高市首相
「党役員や副大臣、政務官につきましては全員参加、全世代総力結集の考え方のもとで、適材適所の人事を行いました」
高市首相はいわゆる“裏金事件”について改めて陳謝しましたが、不記載のあった議員は「説明責任を尽くした」として起用を続ける考えを示しました。
一方、初めて代表質問にのぞんだのは、参政党の神谷宗幣代表です。参政党といえば…。
参政党 神谷代表
「日本人が貧しくなって外国人に来てもらわないと、経済が回らないということになっているわけですよ。アンポンタンですよ」
夏の参院選では「日本人ファースト」を掲げ躍進。6日の質問でも…。
参政党 神谷代表
「外国人政策について伺います。今、国民が削減すべきと感じているのは議員の定数ではなく、外国人の受け入れ数だと我々は考えています。今後も外国人の受け入れを拡大していくのか。それとも抑制的に運用していくのか、総理の見解をお聞かせください」
高市首相
「人口減少に伴う人手不足の状況において、外国人材を必要とする分野があることは事実でございます。(制度ごとに)受け入れ上限数を設定するなどして、適切に運用していく考えです」
また、「消費税減税」をめぐっては…。
参政党 神谷代表
「日本経済の血流を最も止めていると考えられるのが消費税です。なぜ消費税の廃止や減税を検討しないのか、総理の見解を伺います」
高市首相
「消費税率の引き下げについては、これは連立政権合意にも食料品の消費税率に限ってですが、2年間停止する、引き下げるということでこの検討が含まれておりますので、選択肢として排除しているものではございません」
消費税の減税は「排除はしていない」としつつも、実現するには時間がかかるとの認識を示しました。
立憲民主党の塩村議員が追及したのは「働き方改革」です。高市首相といえば…。
高市首相(10月)
「働いて働いて働いて働いて、働いてまいります」
今年の新語・流行語大賞にもノミネートされました。
高市首相は、働く人が自ら「選択」することと「健康の維持」を前提に、厚労相に対し「労働時間規制の緩和」を検討するよう指示しています。
立憲民主党 塩村議員
「労働基準法に基づく残業時間の上限は、命を守るための規制です。厚労大臣への指示を撤回されるのか、お伺いいたします」
高市首相
「私自身も過労死に至るような残業を良しとはしません。ただ残業代が減ることにより、生活費を稼ぐために無理をして慣れない副業をすることで健康を損ねる人が出ることについても心配をいたしております。指示の撤回はいたしません」
衆議院では7日から予算委員会が開かれ、高市首相にとって初めての野党との本格論戦がスタートする予定です。
8道県、クマ被害で国に緊急要望 ハンター確保への財政支援など
クマによる人的被害が相次ぐ中、北海道、東北6県、新潟の8道県は6日、国に対する緊急要望をまとめた。ハンターの確保に向けた制度の検討や財政支援、国による実態調査などを求めた。
要望したのは、自治体が実施する緊急銃猟の体制整備や、ハンターの育成・確保への支援など。捕獲の際にハンターらが負傷した場合は、公務災害が適用される制度の検討も求めた。
このほか、空き家に放置された柿や栗などの木を伐採できる制度の検討や、クマの捕獲や被害対策のための国の交付金を弾力的に運用できるよう求めた。国が定期的に実態を調査し、クマの分布状況や個体数を把握することも要望した。
緊急要望は、青森県むつ市で同日開かれた「北海道東北地方知事会議」に8道県の知事らが出席しまとめた。
また、東北森林管理局は6日、冬眠に備えたツキノワグマの主な食料となるブナの実が2025年度、青森、岩手、宮城、秋田、山形の5県で「大凶作」だったと発表した。管轄区域の5県全てで大凶作となるのは、人身被害が多発した23年度以来。餌を求め、人里での出没が増えたとみられる。
同管理局は9~10月、5県の計137カ所で、ブナの結実状況を目視により調査した。秋田県は48カ所のうち46カ所、岩手県は24カ所のうち21カ所で結実していなかった。【松本信太郎】
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
長年にわたり未解決だった名古屋市西区主婦殺人事件が10月31日、急展開を迎えた。発生からおよそ26年の時を経て、被疑者が殺人罪で通常逮捕されたのだ。
逮捕されたのはこの日の前日、県警に出頭してきたアルバイト・安福久美子容疑者(69)。実は、被害者の高羽奈美子さん=1999年11月13日に逝去。当時32=の夫である高羽悟さんの同級生で、面識もある人物だった。
26年目の突然の逮捕に驚きの声があがる一方で、容疑者が被害者の夫と同じ地区に長年居住していたということに衝撃を覚えた人も多いだろう。逮捕時の容疑者の自宅住所は、名古屋市の大通りに面する一軒家で、悟さんが事件後に引っ越した家から車で10分程度の距離にあった。
この自宅周辺では容疑者の目撃証言がほとんどなく、メディア各社は取材に難航しているようだ。自宅の隣で工場を営む住民も「ここは空き家だと思うよ。だって、ほとんど住人を見かけないから。安福容疑者はまったく見たことない。たまにご主人だと思われる男性を見るくらい」と首を傾げていた。
一方、事件発生時に安福容疑者が住んでいたのは別のマンションだ。事件現場から南に10キロほどの場所にあった。
「事件当時、容疑者は40代前半で既婚者。名古屋市港区の分譲マンションで夫と子供と暮らしており、学校のPTA役員や地域のこども会の仕事も担った事もあった。関係者によると、事件後は長い間その分譲マンションに住んでいた」(地元紙記者)
約10年前にこのマンションから逮捕時の住所に引っ越したこともあり、同マンションに安福容疑者に関する記憶が残っている人は少なかった。しかし「同じ時期に安福さんの隣の部屋に住んでいた」という、現在は別の地区に住む高齢男性から話を聞くことができた。
「私は2005年にこのマンションに引っ越してきたんですが、安福さんはマンションが建ったばかりの1994年頃から住んでいるようでした。家族は、旦那さんと息子さんがいたと思います。当時はもう大学生くらいじゃなかったかな……。
引っ越しの挨拶をしに行ったら、安福さんが『どうも、よろしくお願いします』っていう感じで対応してくれて、いい奥さんでしたよ。優しそうな、ごく普通の人でした。報道に高校時代の顔写真が出ていたけれど、あのまま大人にしたような雰囲気ですね。身長は160センチ前後で、少し小太りだったかな。
一度、うちにいる大学生の娘を見て『綺麗な方ですね』って羨ましそうに言っていたのが印象的だったね。娘は確かに背は高いほうでスラッとしていて、当時20歳で若くもあったからかもしれないけど……。それは妙に覚えているね」
強い毒を持つ特定外来生物『セアカゴケグモ』岐阜県庁前の公園で見つかる メス5匹と卵のう6個でその場で殺処分
岐阜県庁前の公園で4日午後、強い毒を持つ特定外来生物「セアカゴケグモ」が見つかりました。県は、見つけても触らずに自治体などに連絡するよう注意を呼び掛けています。 県によりますと、岐阜県庁前にある公園「ぎふ結のもり」のベンチで4日午後3時半ごろ、職員がセアカゴケグモらしきクモを見つけました。 通報を受けた担当課の職員が現場を確認したところ、メスのセアカゴケグモ5匹と卵のう6個と判明し、その場で殺処分したということです。 セアカゴケグモは特定外来生物で、毒を持っているメスに噛まれると、痛みが全身に広がり、筋肉麻痺などの症状が出ることもあります。 現場近くでは、今年7月にもセアカゴケグモのメス1匹が確認されていて、県は疑わしいクモを見つけたら触らないよう呼びかけています。
線路内にいた2人が特急「しなの」にはねられ死亡…4時間半後に運転再開
4日午後8時50分頃、長野県塩尻市宗賀のJR中央線の長瀬踏切付近で、線路内にいた2人が、長野発名古屋行きの特急列車「しなの」(6両編成)にはねられ死亡した。乗客と運転士、車掌の計約110人にけがはなかった。
JR東海によると、現場は洗馬―日出塩駅間。同列車は約4時間半後に運転を再開したが、上下線計6本に遅れが生じ、約290人に影響が出た。県警塩尻署が身元や事故の原因を調べている。