自民党の鈴木幹事長は21日、日本維新の会との連立政権樹立後、初めて大阪入りし、自民の大阪府連大会に出席した。鈴木氏は「これまで維新と、政策や選挙で大変厳しい関係にあったことは承知している。不満は十分受け止めている」と述べ、連立への理解を求めた。昨秋の衆院選で、自民は府内の小選挙区で維新に全敗を喫している。
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衆院定数、次期選挙は削減困難=自民選対委員長が見通し
自民党の古屋圭司選対委員長は21日、岐阜県中津川市で講演し、来年の通常国会で衆院定数削減法案が成立した場合でも、次期衆院選を新たな定数で実施するのは難しいとの見通しを示した。与野党の協議、区割り改定などが任期満了の2028年秋ごろまでかかると指摘し、「それまでに解散があれば現行制度でやる。(次回選での適用は)正直言って厳しい」と述べた。
衆院解散の時期については「(高市早苗首相は)思い入れの強い政策がいくつもあり、通常国会でやる。一つ一つ成果を挙げ、国民から評価され、最も良いタイミングで解散に打って出るだろう」と語った。 [時事通信社]
H3ロケット8号機、再び発射地点に 22日午前の打ち上げに向け、改めて最終段階の作業
機体や打ち上げ設備の不具合による2度の延期を経て、22日に打ち上げられる日本の主力ロケット「H3」8号機は21日夜、格納されていた種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)の大型ロケット組立棟を出て再び発射地点に戻り、改めて打ち上げに向けた最終段階の作業に入った。
37分かけて400m移動
機体は午後8時半、組立棟から移動発射台でゆっくりと移動を始め、約37分かけて約400メートル離れた発射地点に到着。配管の接続や燃料の充、電気系統のチェックなどの作業に取りかかった。
8号機は、日本版の衛星利用測位システム(GPS)を担う国の準天頂衛星「みちびき」5号機を搭載。22日午前10時51分30秒に打ち上げられ、発射から約30分後、みちびきを軌道に投入する。
2度の打ち上げ延期
当初計画の打ち上げ日は7日だったが、機体の部品に不具合が見つかったため、原因究明と部品の交換が必要となって17日に延期された。
さらに、17日には打ち上げ時刻の16・8秒前、エンジンが燃焼を開始すると発する高温の噴流を冷やすため、発射台側から水を噴射する装置に不具合が判明。打ち上げのカウントダウンが緊急停止されて再度の延期が決まり、機体は発射地点から組立棟へと戻された。
「心1つに、全力尽くす」
H3プロジェクトを統括する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有田誠プロジェクトマネージャは、種子島宇宙センターで20日に開いた記者会見で、「他に同様の不具合がないことを確認しており、より信頼性が高まった状態で打ち上げに臨める。スタッフ一同、成功に向けて心を1つにして全力を尽くし、何としても皆さんの期待に応えたい」と話した。
スクープ 大手出版社に重大なコンプラ違反 女性仕事関係者らにセクハラ・パワハラで問題社員が退社
フジテレビ問題、芸能界の性加害問題等を糾弾している大手出版社Xの若手エース編集者Yが、数年に渡って性加害事件を起こしていたことが、当サイトの取材により判明した。
加害者の編集者Yは、仕事の発注者という優越的地位を悪用し、グラビアモデル、ヘアメイクフリーライター等に性的な関係を強要し、私的な欲望の捌け口にしてきた。パワハラ、セクハラの権化がどんだけのエロ爺かと思えば、あどけなさの残る平成生まれの若手社員で、社長賞も受賞するほど、仕事もデキる男だったという。裏顔の闇は深い。
不同意性交問題で、四年前に刑事告訴されたものの、出版社が被害者と和解させた。しかし、被害者及び関係者を出禁にし、同様の手口で関係を持ち続けてきたことが、今年のコンプライアンスアンケートで発覚し、仕事を引き継がずにYはいきなり、退社した。
ロケ地のホテルから、打ち合わせの居酒屋まで会社の経費で、歪んだ性的欲望を満たしてきた。「あの作家は、セフレです」等と自慢をしながら、被害者の女性達と秘密を共有してきたという。
Y被害者の会も発足し、集団訴訟の準備にも入っているという。被害者の会を取材すると
「『ムラムラしちゃって』と可愛く迫りながら、『すれば、仕事も増やすし、ギャラの単価もUPします。しないなら、もう、仕事はできないですね。』と条件をつけるのが常套句でした」
出版業界斜陽の時代でも、大手出版社の仕事は、単価が高いのでフリーランスにとっては、大口のクライアント。背に腹はかえられないので、Yの命令に従う女性は大勢いたようだ。関係を持つとYは、欲望が赴くまま、スマホで指示を出したという。
「『テレビ電話できないですか? ●●●●が見たいんです。』とHな写真を送るように要請したり、性関係を拒んだ女性には、「『ムラムラしちゃったので、困りましたよ。トイレで一人でしちゃいました」
「シングルマザーのライターはお金に困っているから、セフレにしやすいとか、新婚なのにセフレ何人もいるとか、自慢が好きなナルシストでした。優遇されてるライターは僕のセフレだから、分かるよね?と匂わせて最低でした」
と唖然とするようなエピソードが続々と。
「四年前に刑事告訴された後に、グラビア担当から連載担当になりましたが、Yが担当した執筆者の中には世間を騒がせた性加害問題の渦中の被害者もいらっしゃいましたから、X社は最強の緘口令を出しています。偉そうにテレビマンや芸能人をバッシングしているのは
筋違いですよ。女性や児童を読者にして稼いだお金を経費の形で、Yに与えて性加害の軍資金にしていたX社も許せません」と被害者の会は怒り心頭。来年からの展開が注目される。(文@編集部)
《官邸幹部の核保有発言》河野太郎も苦言に国民の賛否、オフレコ破りの一斉報道に波紋
「私は核を持つべきだと思っている」
12月18日、首相官邸の安全保障担当幹部が記者団との非公式取材で、冒頭の発言をしたことが共同通信や朝日新聞などで一斉に報じられ、大きな議論を呼んでいる。この発言はオフレコを前提とした懇談の場で飛び出したものだが、複数のメディアが報道に踏み切った。こうした報道姿勢に対し、河野太郎氏が疑問を呈したことで、メディアの取材倫理をめぐる論争にも発展している。
「日本は核兵器を保有すべき」の真意
発言をした官邸幹部は、高市早苗首相に安全保障政策について進言する立場にあり、中国の核戦力増強やロシアによる核の脅し、北朝鮮の核開発など厳しい安保環境を背景に、米国の核抑止の信頼性にも言及しながら「日本は核兵器を保有すべきだ」との考えを示したと、朝日新聞の報道で明らかになった。
「問題となっているのは、首相官邸幹部が記者団とのオフレコ懇談の中で発した言葉です。 共同通信など複数のメディアは、この幹部が個人的な見解としつつも、『核兵器を持つべきだと思っている』といった趣旨の発言をしたと一斉に報じました。 被爆国である日本において、政権中枢の人間が核武装に肯定的な考えを示したとなれば、物議を醸すのは当然のことです」(全国紙政治部記者、以下同)
しかし、この取材の前提には、発言者を特定せず、場合によっては発言内容そのものも表に出さないという「オフレコ」の合意があったとされる。
この報道を受け、河野太郎氏も反応した。 河野氏は自身のXで「そもそもオフレコの場での発言を、相手の了解も取らずに報道する姿勢が大きな問題で、次からはそうしたメディアがオフレコの場から排除されてもしかたがないのでは」とメディア側の対応を厳しく批判した。
河野氏の主張に国民からは「内緒だよと言われた事を勝手に報道するマスコミ。もう取材に来られても皆何も言わなくなるんじゃないの」「いくらオフレコの場であっても、重大な発言ならば記事にするのは報道機関として当然」と賛否が相次いだ。
しかし、政治家や官僚がオフレコ取材に応じるのは、公式見解としては言えない背景事情や本音を共有することで記者の理解を深め、より正確な報道に繋げてもらうためでもある。その信頼関係を一方的に破棄されれば、今後、取材源は口を閉ざし、結果として国民に届く情報がやせ細ってしまうという危惧もありそうだが……。
オフレコ取材
「オフレコ取材は、情報の出所を秘匿することでより深い真実に迫るための『取材ツール』ですが、それは記者と取材対象者の信頼関係の上に成り立っています。 今回のケースで言えば、確かに『官邸幹部の核武装論』はニュースバリューが高いです。しかし、それが具体的な政策変更に向けた動きを伴うものではなく、単なる放言や個人的な感想のレベルであったならば、オフレコを破ってまで報じる『公益性』が勝るかどうかは議論の余地があると思います」
日本新聞協会編集委員会は、オフレコについて「ニュースソース側と取材記者側が相互に確認し、納得したうえで、外部に漏らさないことなど、一定の条件のもとに情報の提供を受ける取材方法」と定義している。その上で「その約束には破られてはならない道義的責任がある」としつつ、「乱用されてはならず、ニュースソース側に不当な選択権を与え、国民の知る権利を制約・制限する結果を招く安易なオフレコ取材は厳に慎むべき」との見解を示している。
国民の反応を見ても「こうした発信によって日中関係がさらに悪化したら、官邸筋の責任ではなく報道したメディアの責任ではないかと思う」といった意見も散見された。
19日午前、木原官房長官は記者会見で核兵器に対する政府の立場に「非核三原則を政策上の方針として堅持している。核兵器のない世界の実現に向け、現実的かつ実践的な取り組みを進めていく」と主張。さらに公明党の斉藤代表は国会内で記者団に「被爆80年の節目の年に官邸幹部から発言が出たことに驚きと怒りを感じている」と批判。
非核三原則を国是としてきた日本で、政権中枢からこうした発言が出たことの意味と、それがどのような経緯で報道されるべきだったのか。今後も議論が続きそうだーー。
東海大福岡の高2自殺、元上級生に賠償命令…福岡地裁がいじめでのわいせつ認定「犯罪行為だ」
2021年に自殺した東海大付属福岡高(福岡県宗像市)2年で剣道部の男子生徒(当時17歳)が、いじめで精神的苦痛を受けていたとして、生徒の母親が同部の元上級生に損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、福岡地裁であった。加藤聡裁判長は生徒へのわいせつ行為を認め、「尊厳や性的羞恥心を大きく損なうものだった」として元上級生に165万円の賠償を命じた。
生徒は「侑大(ゆうだい)」(名字は非公表)さん。判決によると、元上級生は19年6月、あおむけに寝かせた侑大さんを粘着テープで固定し、下着を脱がせてわいせつ行為を行い、他の部員にスマートフォンで動画撮影させた。わいせつ行為は男子部員ほぼ全員の前で行われ、動画は一部部員にSNSで送信された。
元上級生側は「部員同士の遊びの一つ」などと主張したが、判決は「お仕置き」だったと認定し、「強制わいせつ罪に当たるような犯罪行為だ」と述べた。
現金引き出した直後に…信用金庫で44歳女性が男に刃物で脅され約10万円入った鞄奪われる 警察が目撃情報に似た男を確保
愛知県刈谷市の信用金庫で19日夜、女性が男に刃物を突き付けられ鞄を奪われる強盗事件がありました。 警察によりますと、19日午後7時前、刈谷市恩田町の岡崎信用金庫一ツ木支店の駐車場で、市内に住む会社役員の女性(44)が車に乗ろうとしたところ、突然、男に包丁を突き付けられ鞄を奪われました。 女性にケガはありませんでしたが、ATMで現金を引き出した直後で、鞄には現金およそ10万円が入っていたということです。 男は南へ徒歩で逃走しましたが、警察がその後現場近くで目撃情報とよく似た男を確保していて、事情を知っているとみて現在事情を聴いています。
【事件の全貌】87歳入所者男性の暴行死 老人ホームで何が…男性の腰に両足を乗せた36歳介護士の男の「著しく危険」な犯行【判決詳報】
2025年5月2日、佐賀市の老人ホームで、入所者の柳瀬忠雄さん(当時87)に腰や胸を足で複数回踏み付けるなどの暴行を加え、死亡させた介護士・下津浦弘平被告(36)の裁判。
佐賀地裁は「生命侵害のおそれが非常に高く、著しく危険な態様であった」と厳しく指摘した。
未明~早朝の事件 老人ホームに入所する87歳男性への暴行
判決によると下津浦弘平被告(36)は2025年5月2日午前4時ごろから午前6時30分ごろまでの間に、佐賀市北川副町にある「有料老人ホームちとせ」1階静養室で、ベッド上でうつ伏せにさせた柳瀬忠雄さん(当時87)に対し、その腰付近を足で複数回踏み付けた。
さらに、下津浦被告は柳瀬さんを仰向けにさせた上で、その胸付近を足で複数回踏み付けるなどの暴行を加えた。
87歳男性 右の腎臓の破裂による外傷性ショックで死亡
介護士・下津浦被告の暴行により、柳瀬さんは右の腎臓破裂・肋骨多発骨折の傷害を負い、2日午前8時5分ごろ運ばれた病院で右の腎臓破裂に基づく外傷性ショックにより死亡した。
裁判所「生命侵害のおそれが非常に高く、著しく危険な態様」厳しく指摘
12月17日の判決で佐賀地裁(山田直之裁判長)は犯行態様について
「下津浦被告と柳瀬さんとの体格差や柳瀬さんが高齢で介護を要する身であったことのほか、とりわけ柳瀬さんの腰付近に両足を乗せた状態で100kg以上もの強い負荷をかけ踏みつけて飛び降る暴行にまで及んでいることに鑑みると、生命侵害のおそれが非常に高く、著しく危険な態様であったといえる」
と厳しく指摘した。
この判決は全2回に分けて掲載しています。①【事件の全貌】87歳入所者男性の暴行死 老人ホームで何が…男性の腰に両足を乗せた36歳介護士の男の「著しく危険」な犯行【判決詳報】
拉致被害者・蓮池薫さんが語った大物工作員の実像「後ろから襲われ…袋詰めにされ工作船へ」思想教育で北朝鮮に忠誠を誓える人間に…狙われた函館出身の男性”背乗り”の手口とは
毎年12月は、国連が定めた「国際人権デー」もあり、日本国内では「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」も設けられています。しかし、拉致という暴力によって、人権が踏みにじられた数々の被害は、今も未解決のままです。
23年前、北朝鮮から帰国した被害者の一人、蓮池薫さんが間近で見た大物工作員とは、どんな人物だったのでしょうか。日本人拉致の目的と、スパイ活動のため、実在の日本人に成りすます”背乗り”という工作員の手口が見えてきました。
《工作員「たばこの火を貸して」と接近…北朝鮮へ男女を拉致》
拉致被害者・蓮池薫さん(68)「何人かが付いてくるな…という感じでした。海岸で拉致のターゲットを狙っていたという感じなんでしょうね」
1978年7月31日、新潟県・柏崎市の海岸で、若い男女が拉致された。北朝鮮に連れ去られた被害者は、当時、大学生だった蓮池薫さんと、交際中だった奥土祐木子さんだ。
拉致被害者・蓮池薫さん(68)「あの辺で腰を下ろしていたら、波打ち際の方から、チェ・スンチョルがやってきて…まぁ『たばこの火を貸してくれ』と注意を引いて、その間に拉致実行グループが後ろから接近して、私たちを襲ったという流れですね。そこで袋詰めにされたまま、暗くなるのを待って…そして沖合から工作船の迎えが来た、それが全てです」
拉致実行犯の中心人物は、チェ・スンチョル。北朝鮮・対外情報調査部の大物工作員だった。
拉致被害者・蓮池薫さん(68)「柏崎市の街の明りが見えて、遠退いていきました。工作船に乗りながら、私は街の明りを最後に見たというのは記憶にあるんです」
《北朝鮮へ忠誠を誓わせるように育てる…24年に及んだ拉致生活》
2002年9月17日、北朝鮮はそれまで一切否定してきた日本人拉致を初めて認めた。日本政府が認定する拉致被害者は17人。そのうち蓮池薫さんと、蓮池さんの妻となった祐木子さんら5人が、同年10月15日に帰国を果たした。しかし、横田めぐみさんら8人については「死亡」。ほか4人は「入国が確認できない」との主張を、北朝鮮は今も続けている。
蓮池薫さんの24年にも及んだ北朝鮮での暮らし。「招待所」と呼ばれる施設で、朝鮮語の勉強や思想教育などを強いられた。
拉致被害者・蓮池薫さん(68)「拉致の目的は工作員にさせることなので、北朝鮮のために忠誠を誓うような人間に育てなければならないんです。スパイ学校に行くにしても、朝鮮語ができないといけないわけですから、思想的にも、忠実になるような2本線で、招待所の生活というのは動いて行きました」
「具体的に言えば、外部との接触しないよう、警備が行われている所に入れられる。必要に応じて外部に出るときは、しっかり監視が付いた状況で店に行ったりする…こういう状況です。結局、北朝鮮の秘密工作の活性化、その質を高めるために、トップの指示の元に拉致が行われたということですね」
《大物工作員 チェ・スンチョルの人物像に迫る》
招待所で過ごす蓮池薫さんの前に現れたのは、蓮池さんらを拉致した実行犯、北朝鮮工作員のチェ・スンチョルだった。
拉致被害者・蓮池薫さん(68)「彼は朝鮮語を教えたり、北朝鮮の思想を注入したりするため、私のところに来た…私としては、もちろん反抗心というか『なんで?あなたは俺を』という思いは強いですよ。反発はしました…しましたが、反発したところでどうにも拉致された状況は変わらない」
そのチェ・スンチョルに掛けられた言葉を、蓮池さんは著書の中で、こう振り返っている。
『日本は遠からず社会主義国家になる…そのために北朝鮮で大いに学んだらいい』(岩波新書「日本人拉致」蓮池 薫)
拉致被害者・蓮池薫さん(68)「下手をすれば刑務所に入れられる、恐怖は絶えずあるので、腹は立つけれど従わざるを得ない。チェ・スンチョルは、北の状況、秘密工作機関の状況、上の意図をみんな知っているわけです。北朝鮮では、他に誰も話してくれないギリギリの状況なので、チェを利用する。こういうやつを排斥するのは、拉致された自分の身の破滅になる」
《工作員チェ・スンチョルに”背乗り”された函館出身の小住健蔵さん》
そんなチェ・スンチョルは、拉致実行の半年後。1979年初め、蓮池さんの前から姿を消した。そして、北朝鮮工作員のチェは、日本人に成りすます「背乗り」と呼ばれる手口で、函館出身の小住健蔵さんの、公的な身分を奪っていた。
小住さんの妹は、兄の人柄について、こう話している。
背乗りされた小住健蔵さんの妹・遠山明子さん(2014年取材)「優しい人ですよ。一つのお菓子でも必ず分けてくれますからね」
小住健蔵さんは1961年3月、28歳のとき、函館から東京へ向かう。その後、長らく家族との連絡が途絶えていたが、上京から19年が経った1980年、函館に住む妹が、ある不審な動きに気づいた。
兄・健蔵さんの戸籍が、知らない間に、函館から東京・足立区へ移されていた。もう一人の妹が連絡先を調べ、電話をかけてみると、同居人を名乗る人物が電話口に出た。
背乗りされた小住健蔵さんの妹・本郷紀代子さん「小住健蔵で電話は通じた…でも、本人は働きに出ているからって、ただそれだけでした」
電話口の男は、同居人だと告げ、小住健蔵さんは独身で、日雇いの仕事をしているなどと答えた。不審さは拭い切れなかったものの、兄の安否が確認できたことに、小住さんの親族らは安心したという。
だが、警察は当時、この小住健蔵を名乗る男をマークし、行動を監視していた。男に部屋を貸していた大家は、室内を見た時の印象を、鮮明に記憶していた。
部屋を貸していた大家「ベランダ側の、6畳間の座敷の一番窓側に大きなFMラジオが…。アンテナが天井まで伸びて建っていた。(Qほかには?)何も家財道具がない」
《”小住健蔵”名義で身分証を不正取得…消えたチェ・スンチョルは》
北朝鮮はかつて短波放送で、本国からの指令を暗号化して、国外に潜伏する工作員らに送っていた。1985年、その指令を受けていたと思われる、北朝鮮の組織が摘発された。
西新井事件と呼ばれ、組織のアジトからは、ラジオや乱数表などが押収された。数々の押収品の中には「小住健蔵」名義の身分証明書もあった。
事件を担当した元捜査員「私の部下が、函館に行き、小住健蔵さんの親族に最終確認ということで、免許証を見せています。その写真を見せて『どうですか、弟さんですか?』と尋ねたら、親族は『違います』と答えました」
押収された小住健蔵名義のパスポートには、北朝鮮の工作員、チェ・スンチョルの顔写真が貼られていた。チェは、不正に取得した「小住健蔵」名義のパスポートで、渡航を繰り返していたとみられる。
事件を担当した元捜査員「永遠に〝小住〟に成りすますのであれば、本物の小住健蔵さんは邪魔になるので、共和国(北朝鮮)に連れて行ったというのが、チェの協力者Aの考えでした。『じゃあ、どうやって?」と質したが、一切、内偵でも分からなかった…。その辺は、まったく残念ながら出てこなかったんです」
背乗りされた小住健蔵さんの行方は、いまも分かっていない。
《小住健蔵さんはどこに?背乗り後の手口》「殺しちゃいけない」
一方、事件発覚の2年前、チェ・スンチョルは、マレーシアへ出国。その後、足取りは途絶えていたのだが、密かに北朝鮮に戻っていたことが分かった。
新潟県柏崎市の海岸で、交際相手の女性と一緒に拉致された蓮池薫さんが、北朝鮮の招待所に再び現れたチェ・スンチョルと、ある会話を交わしたと証言する。
拉致被害者・蓮池薫さん(68)「北朝鮮の招待所で、チェ・スンチョルと拉致、背乗りについて話をしたことがあって…それは殺しちゃいけないんだと。チェは『自分がやったという話ではない』としていたが、ある日本人に入れ替わった後、その相手を邪魔だから殺すとなると、日本の警察は目の色を変えて捜査してくる。だから、絶対に殺しては駄目なんだと話していました。『じゃあ、どうするか?』と尋ねたら、北朝鮮に連れて来るんだと言っていました」
国連は2025年、北朝鮮に対して、拉致被害者ら行方が分からない日本人、50人の安否確認などを求めた。国連に働きかけたのは、日本の民間団体「特定失踪者問題調査会」である。国連から「特定失踪者問題調査会」に届いた書簡には、チェ・スンチョルによって背乗りされた、小住健蔵さんの名前が筆頭に記されていた。
《拉致被害者・蓮池薫さん「思い通りには絶対なりませんよ」》
日本政府は、拉致問題の解決を、最重要課題と位置づけている。しかし、蓮池さんら5人の帰国後、交渉は進展していない。
拉致被害者・蓮池薫さん(68)「北朝鮮という国は、金正恩一家が完全に支配している。一家の体制が維持されることが、何よりも大切で、それには日本という存在は欠かせないと思います。対局的で長期的な視野で、国内にこもった考え方ではなく、外交的に広く考えて、拉致問題の解決というものを、将来のビジョンの中に入れてほしいと願っています」
「北朝鮮の思い通りには、絶対になりませんよ!と、われわれも北朝鮮に伝えなければならない。横田めぐみさんの母・早紀江さんは来年90歳だし、ずっと待ち続けられるわけではない。日本側として、プレッシャーをかけなければならない」
北朝鮮によって人生を奪われた多くの日本人。2つの国を隔てる日本海を越え、すべての被害者が故郷へ戻る日まで、日本人拉致問題が終わることはない。
森田絹子キャスター) 国連が北朝鮮に送った安否確認の要請には、北海道の関係者10人の名前が記されています。函館出身の小住健蔵さんをはじめ、ヨーロッパで拉致された札幌出身の石岡亨(とおる)さんのほか、北朝鮮による拉致の可能性が否定できない、いわゆる「特定失踪者」の8人です。
堀啓知キャスター) ただひたすらに無事を信じ、帰りを待つ時間は、家族にとって、大きな苦しみです。日本政府には、まさしく最重要課題として、北朝鮮を交渉のテーブルにつかせ、少しでも早く、拉致問題の解決に取り組んでもらいたいと思います。
◆【2025年12月10日「今日ドキッ!」にて放送】
中学校の授業で使うタブレットで別の生徒を盗撮、動画を友人に転送…全校生徒の端末を回収
神奈川県鎌倉市の市立中学校で、生徒が授業で使うタブレットなどで別の生徒を隠し撮りし、その動画を校内の友人らに転送する事案があり、学校側が地元の警察署に相談していることが分かった。学校側は全校生徒からタブレットを回収して動画の有無を確認。保護者にも貸与タブレットや私有スマホの取り扱いに注意するよう文書を配布した。
市教育委員会によると、11月に学校側が生徒が動画を転送しているという話を聞き、その後、警察が動画の存在を確認したという。動画は、貸与されているタブレットや校内での使用が禁止されている私有スマホで撮影されたものとみられ、学校側は今月初めに全校生徒からタブレットを回収して、他に転送されていないかを確認した。その数日間は授業でタブレットが使用できなかった。
学校は今月9日付で保護者に文書を送付。「被写体者に許可なく撮影したり、好ましくない状況を撮影したりすることはもとより、そのような動画を拡散することは断じて許されない行為であり、犯罪ともなりうる行動」と注意を呼びかけ、全校生徒に対して指導を繰り返し、再発防止に努めるとした。
市教委教育指導課は「児童生徒らがタブレットなどの機器に触れる機会が増えており、適切な使用の徹底やITリテラシーを向上させるよう指導していきたい」としている。