台風18号で空の便の欠航相次ぐ 全日空と日本航空では計289便が欠航の見通し

台風18号の接近に伴い、全日空と日本航空では合わせて289便が欠航となる見通しで、空の便に影響が出ています。
全日空は、沖縄の那覇・宮古・石垣を発着する▼きょう(25日)の43便と、▼あす(26日)の100便、▼あさって(27日)の8便に欠航がでる予定で、合わせておよそ3万人に影響するとみられています。
日本航空は、沖縄や鹿児島を発着する▼きょうの75便、▼あすの63便の欠航を決めていて、1万3000人以上に影響がでる見通しです。
また、日本航空系の日本トランスオーシャン航空・琉球エアコミューターや、ジェットスター、ソラシドエアなどでも欠航が相次ぐ予定です。
航空各社は、最新の運航情報を確認するよう呼びかけています。

住宅倒壊級の暴風も…台風18号が奄美最接近へ 線状降水帯発生の可能性

非常に強い台風第18号は、「奄美南部を暴風域に巻き込み西寄りに進んでいて、25日遅く奄美地方に最接近する見込みです。
25日夜から26日朝にかけ、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる恐れがあります。
台風18号の接近に伴い、奄美地方では風が強まっています。龍郷町の手広海岸では、白波が次々と打ち寄せ海は荒れた状態となっています。
台風の最接近は、25日夜遅くになる見込みです。伊仙町では、25日午後、最大瞬間風速35.9メートル、天城町では32.9メートルの猛烈な風を観測しました。徳之島町亀津付近では、倒木により車のフロントガラスが割れる被害がありました。
25日午後5時現在、奄美市・与論町・和泊町など9の市町村に警戒レベル4の避難指示が出されています。また、停電も発生しています。奄美地方では25日午後5時現在、約2800戸が停電していて、復旧の見通しは立っていません。停電していない地域でも懐中電灯や携帯電話の充電など、早めの準備が必要です。
台風18号は、強い勢力を維持したまま今夜遅く奄美地方に最も近づく見込みです。暴風やうねりを伴う高波、土砂災害に厳重に警戒してください。
交通への影響です。空の便は26日も、県本土と離島を結ぶ便や、離島同士を結ぶ便など、一部の便の欠航が決まっています。日本エアコミューターは、37便の欠航を決めました。海の便は、フェリー屋久島2やフェリーはいびすかす・フェリーきかいなどが26日の欠航を決めています。最新の情報をご確認ください。
荒場気象予報士の解説です。強い勢力で奄美地方に近づく台風18号は、沖縄の東の海上まで進んでいて、25日午後6時現在、奄美地方の一部地域が暴風域に入っています。
奄美南部への最接近が、夜の遅い時間ですので、不安のある方は、早めに頑丈な建物への避難をしましょう。26日にかけて予想される最大瞬間風速は60メートル。一部住宅が倒壊する恐れもあるほどの猛烈な風が吹く恐れがあります。
今後の進路の予報円の中心は、沖永良部島付近です。25日夜遅くから、26日の朝にかけて、線状降水帯が発生して、大雨災害の危険度が急激に高まる恐れがあるでしょう。
雨・風のピークは、26日正午までの見込みです。

防衛装備庁、テラドローンと迎撃ドローンの量産契約を正式締結 国産機「Terra B1」を調達へ

防衛装備庁は8月25日、短期間での迎撃ドローン確保を目指す「迎撃ドローン早期取得プログラム」に基づき、テラドローン(東京都渋谷区)と量産調達契約を結んだと発表した。調達するのは、同社の国産迎撃ドローン「Terra B1」。
契約に先立ち、7月15日から8月6日まで、海上自衛隊が企業に委託する形で4機種の実証試験を実施しており、その結果を踏まえて契約に至った。テラドローンによると、実証試験を通過したのはTerra B1のみという。Terra B1は、長距離攻撃用自爆型無人機への対処を想定した機体だ。
契約を受け、テラドローンはTerra B1の量産を開始するほか、国内の生産・調達体制の整備や、部品・電池・通信・管制装置を含むサプライチェーンの強化などを進める。今回の海上自衛隊向けの導入を起点とし、今後は航空自衛隊や陸上自衛隊での展開も視野に入れる。
防衛装備庁はXで「募集開始から契約締結まで約3カ月という、これまでにないスピードで調達を進めている」と説明。変化する脅威に対応するため、今後もスピードを重視した装備調達に挑戦するとしている。

ICC赤根所長が制裁対象、高市首相「日本の立場と相いれない」「弱腰との批判当たらない」…赤根氏へ支援強調

高市首相は25日、米国が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長を制裁対象に加えたことに関し、「日本の立場と相いれるものでなく、大変深刻に受け止めている」と述べた。首相官邸で記者団に語った。日本政府のこれまでの対応について、「弱腰との批判は当たらない」とも語った。
首相は米国への取り組みに言及し、「累次にわたり、様々なレベルでギリギリまで働きかけを続けた」と説明した。「赤根氏が直面する危機感、懸念は共有している」と述べ、赤根氏を支援する考えを強調した。
また、茂木外相は同日の記者会見で、外務省の中村和彦国際法局長がオランダで赤根氏と面会したと明らかにした。

下地氏、沖縄知事選に不出馬=自民と協定

下地幹郎元衆院議員は25日、沖縄県知事選(27日告示、9月13日投開票)に出馬しない方針を自身のX(旧ツイッター)で表明した。立候補の意向を示していたが、自民党と政策協定を結んだと説明した。26日に記者会見する。
これにより、知事選は米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が推す現職の玉城デニー氏と、自民などが推薦した新人で前那覇市副市長の古謝玄太氏の事実上の一騎打ちの構図が一段と強まった。
下地氏の撤退表明を受け、自民の西村康稔選対委員長は「保守系が一本化して県政奪還を目指していく」と語り、古謝氏への追い風となることに期待を示した。党本部で記者団の取材に応じた。
政策協定は子どもの貧困対策予算の確保や沖縄本島への鉄軌道導入などの内容。西村、下地両氏が25日に東京都内で面会し、合意したという。
2022年の前回知事選で、下地氏は約5万4000票を集めた。自民推薦候補の得票と単純に合計すれば玉城氏に迫っており、自民は今回も保守票の分散に懸念を強めていた。 [時事通信社]

危険感じる暑さ続く被災地、生活再建の足かせに 熱中症リスクで「長時間作業できない」

7月の地震で最大震度7を観測した熊本県の被災地は連日、命の危険を感じさせるような暑さに見舞われている。県内では25日、最高気温が40度以上の「酷暑日」に迫る暑さとなった。猛暑は熱中症リスクだけでなく、復旧作業の遅れを招く恐れもあり、被災者の表情は険しい。
25日午後3時過ぎ、同県氷川町内の小学校には、各地から届けられた食料品を求める被災者で長蛇の列ができていた。同町の70代女性は支援物資を手にすると安堵(あんど)の表情を見せたが、屋外に出ると表情を一変させて「暑い…」。肌に突き刺さるような強烈な日差しを浴びた女性は大粒の汗をタオルで拭った。
気象庁によると、25日は県内各地で猛暑日となり、八代市では観測史上最高となる39.1度を観測。猛烈な暑さは連日続いており、日常を取り戻そうとする被災者の足かせになっている。避難所に身を寄せながら自宅の片付けを進める宇城(うき)市の無職女性(74)もその一人だ。女性宅の冷房機器は故障したままといい、「暑さ対策をしても長い時間の作業はできない」とこぼす。
一方、八代市では生活用水として使用している井戸の水が途絶えたことで痛手を受ける世帯も。同市の男性会社員(63)は「何をするにも水がいる。打撃は深刻だ」とうつむいた。
厳しい暑さにどう立ち向かえばよいのか。熱中症に詳しい医師で総合南東北病院救急集中治療科の平山一郎科長は「暑い環境に長時間いないことが重要だ」と指摘。可能な限り涼しい場所で過ごすことと、水分補給の際には電解質(ナトリウム)を含む経口補水液などの摂取を勧める。
熱中症が疑われる場合の対応で明暗が分かれる可能性もあるとして、平山医師は「意識がはっきりしていて自分で水分を摂取できる場合は経口補水液などを飲んでもらう」と対策を話す。
仮に意識がもうろうとしていたり、反応がおかしいと感じたらすぐに体を冷やす対応が必要となるという。災害時には体を冷やす資材が不足している可能性もあるとして、「水でぬらしたタオルや衣服を体に当てて、うちわなどで風を送る方法も有効だ」と語った。(星直人、浦柚月、藤澤拓光)

宮崎県日南市に2.4億円の賠償命令 規制の説明義務違反を認定

宮崎県日南市の国定公園内に建物を新築したコンサルティング会社(東京)が、市が公園内の建築に関する説明を怠ったことで違法建築として撤去を余儀なくされたとして市に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は25日、ほぼ請求通り約2億4600万円の賠償を命じる判決を言い渡した。舟橋伸行裁判長は市に説明義務違反があったと認定した。
判決などによると、コンサル会社は2021年、日南市の海岸近くの土地に2階建て約300平方メートルの住宅建設を計画し、23年に建物が完成した。しかし、現場は自然公園法で新規の建設が規制されていることが県の調査で判明。違法建築だとして県は25年にコンサル会社に建物の撤去を命じた。
判決は、設計会社の建築士が22年6月に規制の有無や手続きの確認のために市を訪れた際、交付された書面には規制に関する記載がなかったと指摘。市の担当者には規制の知識も不足しており、市側が規制について説明しなかったと結論付けた。適切な説明がなされていればコンサル会社は公園内に建築しなかったとし、工事代金2億2000万円や設計費用などが損害に当たると判断した。
日南市は「判決内容を精査して今後の対応を検討する」とコメントした。【菅健吾】

関東から西で猛暑日続出日田は39℃予想 北日本は日本海側から雨雲のエリア広がる 台風の影響で大東島地方は夜から暴風のおそれ

【関東から西で猛暑日続出日田は39℃予想】 太平洋高気圧の勢力が強まっていることで、東日本や西日本では35℃以上の猛烈な暑さとなるところが多くなるでしょう。大分県の日田は39℃の予想で、酷暑日に迫るおそれがあります。東京都心もきのうより3℃高い、34℃まで上がる見込みです。炎天下を避けて涼しい場所で過ごすようにしてください。
きょうの各地の予想最高気温は、 札幌 :31℃ 釧路 :26℃ 青森 :32℃ 盛岡 :31℃ 仙台 :31℃ 新潟 :32℃ 長野 :34℃ 金沢 :35℃ 名古屋:37℃ 東京 :34℃ 大阪 :37℃ 岡山 :37℃ 広島 :37℃ 松江 :37℃ 高知 :35℃ 福岡 :36℃ 鹿児島:34℃ 那覇 :33℃
【北日本は日本海側から雨雲のエリア広がる】 北海道の北には低気圧や前線があり、湿った空気が流れ込む北日本の日本海側では午前中から雨の降るところがあるでしょう。午後は北海道や東北で雨雲の範囲が広がります。また、晴れる東日本、西日本も中国、四国から関東にかけて午後は急な激しい雷雨に注意が必要です。
【台風18号の影響で沖縄の大東島地方は夜から暴風のおそれ】 非常に強い勢力の台風18号は、午前6時の時点で日本の南にあって、西北西に進んでいます。今夜には沖縄の大東島地方が暴風域に入る見込みで、あすの夜には沖縄本島にもかなり近づくでしょう。大雨や暴風、高波、高潮に警戒が必要です。

自宅に届く偽の逮捕状 特殊詐欺、ビデオ通話から変わった手口

兵庫県内で警察官などをかたって偽の逮捕状を送りつける特殊詐欺が今年に入って増加している。偽の逮捕状をビデオ通話で見せる手口などは従来もあった。県警は、ビデオ通話に慣れていない高齢者をターゲットにしている可能性もあるとみて注意を呼び掛けている。【山下理恵】
6月までに相談件数20件
県警によると、今年6月までの相談件数は20件。被害届は8件あり、うち5件で現金がだまし取られた。
三木市内の80代の女性宅には1月、固定電話に検察官や警察官を名乗って「あなたに犯罪の容疑がかかっている」とうその電話があった。その後、逮捕状のような文書が送りつけられた。女性は指示されるままに現金を入れた袋を4回にわたって自宅前に置き計3165万円をだましとられた。
登場人物多く、手が込んだケースも
尼崎北署によると、尼崎市内の80代男性は6月下旬、郵便局員を名乗る人物から「睡眠薬が100錠届いている。取りに来てほしい」と電話を受けた。その後、検察庁をかたる人物から「薬物所持で逮捕状が出ている」と電話があり、連絡が来ていることを家族に話さないよう口止めされた上で、住所や氏名、預金残高などを細かく質問された。
数日後、男性宅に差出人不明の速達郵便が届き、近くの交番で警察官とともに中身を確認。男性の名前が書かれた偽の逮捕状などが入っていたという。
一方、同市内の70代女性は6月中旬から毎日のように「東京であなた名義の口座が開設されている」と警視庁の警察官を名乗る人物から電話を受け、同月下旬にLINE(ライン)のビデオ通話などへ誘導された。口座や残高を聞き出され、一日の間に複数回の通話を求められた。女性が「娘がよく様子を見に来る」と話すと「何時ごろ」と詳細を聞きだそうとされたという。
署によると、家族に相談する時間も与えずに孤立させようとしていたとみられるが、女性は娘に相談。この人物からのラインの受信を拒否した。すると、女性宅に偽の逮捕状が入った差出人不明の速達郵便が届いた。
この2人に届いた郵便物は同一のもので、いずれも都内の郵便局の消印で送られてきた。書類にあった警察署や裁判官の名前は実在したが、所属が違うなど誤っている部分もあった。偽の逮捕状も本物と比べると枠の大きさや文書内容が異なっていた。
県警によると、警察官などをかたり「逮捕される」と現金を要求する手口の標的は20、30代が中心で、ビデオ通話で逮捕状などを見せて信用させていた。だが、ネットリテラシーがある若者は被害防御力も高いため、ビデオ通話に慣れていない高齢者に狙いを変更。実際に送って信頼性を高めている可能性があると推測する。ビデオ通話ができても郵送されたのは特殊詐欺グループのマニュアルに従っていたとみられるという。
県警は「事前に逮捕されますよと予告することも、逮捕状を送りつけることも絶対にない」と注意を呼び掛けている。
被害、歯止めきかず
県内の特殊詐欺の被害件数は6月末時点で前年同期比98件増の1517件。被害総額は同34億2000万円増の115億6000万円に上り、被害に歯止めがかかっていない。

《特急スペーシアX・4人死亡》「見張りがちゃんとしてたら…納得できないよ」作業員と同居する兄が激白「弟は朝5時に弁当を持って出勤」「特に日光線は気をつけないと」

〈《特急スペーシアX・4人死亡》作業員4人が線路内にいるのに「退避完了」の合図…見張員同士は“意思疎通できず”、東武鉄道も「なぜ合図が上げられたのか…」〉から続く
栃木県鹿沼市の東武日光線・新鹿沼駅構内の上り線で、特急「スペーシアX2号」が除草作業にあたっていた男性作業員4人に接触し4人全員が死亡した事故で、犠牲者の一人の兄が取材に「見張りがちゃんとしてたら事故なんか起きない」と悲痛な胸中を語った。自身もかつて東武鉄道の線路周辺の作業に従事したことがあるという兄は、列車がそばを通り過ぎる場所での仕事は「おっかない」と話し、仲が良かった弟の死を悔しがった。
《画像》「兄貴って呼んでるような気がして…」目を真っ赤にして取材に応えるAさんの兄
「納得できない」亡くなった2人の作業員と暮らしていた兄
事故では、東武鉄道が除草業務を発注した元請けの東武建設(栃木県日光市)の社員1人と、同社からさらに発注を受けた孫請けのX建設から現場に送り込まれた3人の作業員が亡くなった。
このX建設関係の3人のうち、宇都宮市に住んでいたAさん(65)の兄、Bさん(74)が思いを話した。
事故翌日の21日夜、集英社オンラインがAさんとBさんの兄弟が一緒に暮らしていたマンションの一室を訪ねると、Bさんは当初「どうしょうもない。弟は死んじゃってんだから。話すことはない」と、最初は話すことを拒んだ。だが「(弟の死を)納得できるわけねえだろう」とやり場のない感情を記者にぶつけたのを機に、ぽつりぽつりと弟の記憶を話し始めた。
「うちは、俺が22歳の時に父ちゃんが56歳で亡くなった。弟は小さい時に父ちゃんがいなくなったんだ。姉ちゃんも母ちゃんもいたけど、今は亡くなり、親戚は縁遠いので兄弟2人でやってきたんだ。弟は兄思いで、俺のことを『兄貴』と呼んで、ケンカなんかしたことなかった」(Bさん、以下同)
Aさんは事故現場に近い今市(現日光市)で生まれ、県内の高校を卒業した後、兄とともに長年建設関係の仕事をしてきたという。
「弟もおれも、土建関係ならいろんな仕事をやったよ。なんでもやった。それこそ線路の除草も。だから弟が線路上の作業に不慣れな素人だということではない。この何年かはX建設に働きに出て東武建設の仕事の下請けに入ることが多くて、週に5日は出ていたし、忙しくて頼まれれば土曜日にもよく出勤していたよ」
実は、今回の事故で亡くなったもう一人のX建設関係の作業員Cさん(57)も、AさんBさん兄弟と同じ集合住宅のワンルームで暮らし、毎日Aさんの車で一緒にX建設に言われる現場へ働きに行っていたという。
「C君は同郷で小さい時から知っていて、仲がいいので一緒に暮らしていたんだ。弟とC君は毎日、朝ご飯を食べて弁当を自分たちでつくり、5時か5時半には家を出ていった。夜は俺がごはんを炊いて待っていて、2人が帰ってきておかずをつくり、いつも3人で夕食を一緒に食べていたんだ」
兄の生活を支えてきた弟
Bさんは長年力仕事を続けた末に両膝を痛めて昨年手術し、今年6月には心臓の不調も見つかったために今は働きに出られない体だ。
そして事故があった20日も、AさんとCさんは朝5時ごろに「仕事行ってくる」と言って元気に出かけて行ったという。事故はその約6時間後の午前10時46分ごろに起きた。
「あの日おれは事故のことを知らず、用事があって午後1時ごろに弟に電話したんだ。そうしたらつながらないので『おかしいな』と思っていたら、弟が事故で死んだって知り合いが電話してきてくれたんだ。
車で迎えに来てもらって鹿沼警察署へ行って、遺体確認をさせられたよ。最近は遺体を直接見せると倒れてしまう遺族がいるから遺体の写真を見せるそうで、弟の写真を見せられたよ」
東武鉄道の説明では事故当時、現場には東武建設の社員2人とX建設から送られた5人の他、警備会社2社から来た見張り3人の計10人がいた。
東武日光方向から新鹿沼駅に近づいた列車は、上りホームの手前にある、使われていない旧ホームのそばで4人に接触している。その現場から約80メートル手前には「列車見張り員」が、同315メートル手前の踏切には「中継見張り員」が、それぞれ一人ずつ配置されていた。
このうち中継見張り員は、「(列車見張り員との)意思疎通が取れない状態にあった」と事故後にと東武鉄道の聞き取りに対して供述。さらに列車運転士の話では、中継見張り員のそばを通り過ぎて現場まで約215メートルの地点に差し掛かった時に、より現場に近い位置にいる列車見張り員から、進入可能を意味する「列車接近了解合図」が手旗で送られたという。
この合図は現場の線路上にいた4人の退避完了を確認しなければ発出されないものだったが、実際には4人は退避をできていなかった。時速約52キロで駅構内に入った列車の運転士は直近で4人に気づいて非常ブレーキを作動させたが間に合わなかったという。
「特に日光線は気をつけないと…」
栃木県警や東武鉄道は、作業員が退避していないのになぜ列車に「進入可」のサインが送られたのを中心に調べているもようだ。この状況にBさんも憤りを隠せない。
「おれも鉄道関係の仕事をやったから分かるけど、ちゃんと気を付けてくれなきゃだめだよ。線路のそばの仕事は、下り(列車)が行ったら上りがすぐ来るし、おっかないんだよ。 特に日光線は気をつけないとだめだ。おれは(東武の)鬼怒川線でも宇都宮線でも仕事をやったけど、この2つは単線だった。だけど日光線は複線だから電車も頻繁に来るので危ないんだよ。見張りがちゃんとしてなかったんだよ。ちゃんとしてたら事故なんか起きないよ…」
弟の死を知らされて丸一日以上が経って記者が会ったとき、Bさんはそれまで何も口にしていないといい、「食べられるわけないべ。頭おかしくなってんだから」と焦燥しきった様子だった。
弟とCさんとの3人の生活から突然一人取り残された兄。「生きていくほかねえべ。なにがなんでも死ぬわけにはいかねえから。まいった…」と、自分を奮い立たせる言葉と嘆きを何度も独りごちた。
「弟の魂がずっとそばにいて、『兄貴』『兄貴』って呼びかけているような気がしてるんだ」とも口にしたBさんに、どんな弟さんでしたか、と聞くと「最高だべ」とだけ口にし、目を真っ赤にして言葉を詰まらせた。
※「集英社オンライン」では、今回の事故に関連した情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せください メールアドレス: [email protected] X(旧Twitter): @shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

〈《特急スペーシアX・4人死亡》「なぜ…」事故直前に作業指揮者の“上役”が作業員と危険な場所に入っていた謎…現場の責任者は誰だったのか? 遺族は「取り返しがつかない」〉へ続く