17日午後7時35分ごろ、熊本市中央区の繁華街で「刃物を持った人を取り押さえた際に負傷者が出た」と熊本県警から同市消防局に通報があった。消防によると、30代男性1人が軽傷だが、救急搬送はしていない。県警は、はさみを示したとして暴力行為法違反の疑いで、住所不詳の自称清永邦光容疑者(79)を現行犯逮捕した。県警が詳しい状況を調べている。
逮捕容疑は、同市中央区辛島町の公園で、男性にはさみを示して脅迫した疑い。
現場はJR熊本駅から北東に約1.8キロ。
電車内で女子高校生に20分間性的暴行 法廷で明かされた元市職員の私生活と身勝手な動機
電車内で当時高校1年の女子生徒に性的暴行を加えたとして、不同意性交等罪に問われた元滋賀県守山市職員の被告(42)に対し、京都地裁は10月28日に判決を言い渡す。検察側は「卑劣な犯行」として懲役5年を求刑。一方弁護側は「アルコールの影響もあった」などと執行猶予付き判決を求めている。恐怖で助けを求められなかったという女子生徒。京都府警はスマートフォンの画面で被害を伝えることができる「痴漢ヘルプミーカード」の活用も呼び掛けている。
2人掛けシートで犯行
「恐怖と驚きで声が出せなかった」。性的暴行の被害に遭った女子生徒は、京都府警南丹署の捜査員にこう打ち明けたという。
起訴状によると、木曽俊也被告は5月15日夜、JR山陰線の電車内で、隣に座っていた帰宅途中の女子生徒の下半身をさわったとしている。
検察側によると、女子生徒は京都駅から乗車。当時乗客は少なく、2列掛けシートの窓側に座って居眠りをしていた。
被告は同じく京都駅から乗車。電車が嵯峨嵐山駅付近を通過したあたりで女子生徒の隣に座り、眠っているのを確認した上で犯行に及んだとされる。
恐怖から身動きが取れずにいた女子生徒は約20分後、電車が駅で止まったタイミングで走って逃げ出し、直後にSNSで友人へ「痴漢された」とメッセージを送信。翌日、高校の教諭に相談し発覚した。
被告は事件後、女子生徒と同じ駅で降車し構内から出た後、再入場して反対方向の車両に乗車。その様子が駅構内の防犯カメラに捉えられていたほか、被告の交通系ICカードの乗車記録でも一連の行動が裏付けられ、7月に同容疑で逮捕された。
被告は「酒に酔って気が大きくなっていた」などと供述。その後起訴され、懲戒免職となった。
不倫や酒に溺れ
公判では、被告の身勝手な動機や私生活が露呈された。検察側は冒頭陳述で事件に至る動機として、「数年前に不倫をして以来、妻に夜の営みを拒まれていた」と指摘した。
守山市によると、被告は20年近く同市で勤務。事件前までの勤務態度に問題はなかったという。 だが、弁護側の被告人質問では被告がアルコール依存症をわずらっており、過去に酔ってタクシー運転手とトラブルになり、警察に通報されたことも明らかに。妻からは飲酒をやめるように再三にわたり注意されていた。
被告は法廷で「被害者に多大な恐怖と不快感を与えた。自らの身勝手さを痛感している。心を入れ替え、一生反省し続けたい」と謝罪した。
検察側は論告で「自らの身勝手な行動を機にすさんだ夫婦関係が原因の一つ」と指弾し、懲役5年を求刑。弁護側は最終弁論で「被害者と和解が成立している」として、執行猶予付き判決を求めた。
性被害、法整備で認知件数増加
被告が問われている不同意性交等罪は令和5年の改正刑法で強制性交等罪に代わり新設された。性交渉の解釈も拡大され、より被害者側の視点に立った法整備が行われた。
こうした背景から、被害の認知件数は同年の2711人から6年は3936人、今年は1~8月だけで2705人(昨年同期比6%増)となった。平成29年7月に強姦罪(ごうかんざい)が強制性交等罪に改正された際にも認知件数は同年の1109件から、平成30年の1307件へと増えた。
性暴力被害者の支援に取り組む特定NPO法人「しあわせなみだ」(東京)の千谷直史代表理事は「認知件数の増加は法改正前に見過ごされてきた被害者を救済できるようになったと捉えるべきだ」と指摘。性暴力を減らすためには刑法の厳罰化だけでなく「相手が嫌がる性的な行動はすべて性暴力につながるという認識を広げる必要がある」とし、幼少期からの倫理教育の重要性を訴えている。
電車内でSOSどうすれば…
今回のように電車内で性的被害に遭い、身の危険を感じた場合、どうSOSを出すべきか―。
京都府警鉄道警察隊は、府警のホームページからダウンロードできる「痴漢ヘルプミーカード」の活用を呼びかけている。被害者はスマホの画面上に「痴漢です。助けてください」などのメッセージを表示し、周囲に助けを求めることができる。
また、痴漢を目撃した人に向け、被害者に「ちかんされていませんか」と尋ねる「痴漢ヘルプユーカード」もある。
同隊の担当者は「警察としては通報していただくことが最善だが、現実的には難しいこともある。周囲の人に助けを求めるのも有効だ。自分で通報することが難しい場合は犯人の特徴や写真、乗車駅、降車駅などを覚えているとその後の検挙につながりやすい」としている。
市税滞納者から差し押さえたフィギュア140体を公売に、入札の最低価格は1体500円…福岡・春日市
福岡県春日市は、市税などの滞納者1人から差し押さえたフィギュア140体を公売にかける。市によると、フィギュア限定の公売会は全国でも珍しく、年代物で希少性が高いものが含まれている可能性があるという。
市は今年度、滞納者の自宅を捜索し、山積みになった段ボール箱を発見。その場で開けたところ、「スター・ウォーズ」「ハルク」「エックスメン」「スポーン」など、映画やアメリカンコミックに登場するキャラクターのフィギュアが出てきた。
入札の最低価格は1体500円。22日午前9時~28日午前11時に電子入札を受け付け、最高額で入札した人が落札できる。25、26日を除く同期間、市役所に現物を展示する。どこからでも入札できるが、31日までに代金を納付し、市役所で受け取る必要がある。
詳細は市のホームページへ。
年内の補正予算案成立「ぎりぎりの攻防」…臨時国会21日召集、首相指名選挙の日程固まらず危機感
臨時国会は、石破首相の退陣表明を受けた自民党総裁選から17日後となる21日に、ようやく召集されることが決まった。政府・自民党の当初の想定から約1週間遅れた上、首相指名選挙の日程は固まらないままだ。経済対策の裏付けとなる2025年度補正予算案を年内に成立できるかどうか、ぎりぎりの攻防となりそうだ。(荒木香苗)
「日程がタイトになっている。できるだけ時間をかけずに新政権を作り、今ある問題に対応していかなければいけない」
衆院議院運営委員会の浜田靖一委員長(自民)は15日、議運委理事会後、記者団に危機感をあらわにした。
理事会では、自民が首相指名選挙を21日に行う日程を提案したが、立憲民主党が「与党も野党もまだ(政権枠組みの)協議中だ」(青柳陽一郎筆頭理事)と反対し、合意に至らなかった。16日に改めて協議する。
自民の前執行部は当初、15日に国会召集して直ちに首相指名選挙を行い、新内閣を発足させる段取りを描いていた。今月下旬からは東京でのトランプ米大統領との首脳会談など外交日程が目白押しで、その前に新首相による所信表明演説や与野党による代表質問を終えるためだった。
その目算は完全に狂った形で、代表質問は11月4日以降に先送りされる可能性が大きくなっている。
政府・自民内では「新政権発足が遅れれば、日米首脳会談の準備にも支障を来す」(政府高官)として、想定より日程がずれ込んでいる状況に危機感が強い。自民は21日中の新内閣発足に向け、同日の首相指名選挙実施は譲らない構えだ。自民の高市総裁は、首相に就任すれば、直ちに経済対策と補正予算案の策定を指示する方針を示している。補正予算案は策定指示から国会提出まで約1か月かかるとされる。少数与党のままでは成立に野党の賛成が不可欠で、仮に連立政権が樹立できた場合でも提出前に連立相手との事前の政策協議が必要になる。
補正予算案の提出や成立の見通しが立たない中、自民は15日の議運委理事会で、会期を示すことができなかった。補正予算案の提出は12月にもつれ込むとの見方が強いが、12月下旬には26年度予算案の編成作業があり、審議日程は窮屈だ。
自民内では「野党の抵抗などにより、さらに遅れれば補正予算の年内成立は相当厳しくなる」(幹部)との声が出始めている。
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま。お召しになったドレスやアクセサリーなどはメーカーに注文が殺到し、たちまち売り切れが続出する”佳子さま売れ”も頻繁に起きている。
注目されるなかで、”心配の声”があがることも。10月8日、滋賀県彦根市で行われていた「第79回国民スポーツ大会」の総合閉会式に出席された際、佳子様はロイヤルブルーのドレスを着用。ウエスト部分は斜めに折り重なるようなプリーツがデザインされた気品ある1着だったが、当日撮影された写真についてSNSを中心に「ボディラインを拾いすぎているように見える」との指摘が相次いだ。皇室ジャーナリストが解説する。
「〈生地が薄すぎるのでは〉〈なんでこの服にしたの?〉との声もあがっていた今回のドレス。原因は、ドレスの立体感をクッキリさせるための『ダーツ』と呼ばれる縫い線の部分にクセがついていたためと思われます。
こちらのドレスは世界的セレブも認める由緒ある国産ブランド『TADASHI SHOJI』のものと見られています。9月6日の秋篠宮家・悠仁さまの成年式後に行われた夕食会でもお召しになっていましたね」(皇室ジャーナリスト)
海外からの注目集まる
今回のドレスはSNSを中心に海外でも注目が集まっており、様々な意見が寄せられている。
「中国で流行するSNSのREDでは〈日本の皇族の服は保守的と知られる〉と紹介されたほか、〈ダーツが気になるのは日本人特有の感覚だ。私にはよく分からない…〉〈彼女が可哀想だ。スタイリストはいないのか?〉といったさまざまな声があがっています。
一方、ヨーロッパの皇族を中心にまとめた海外のウェブサイト『New My Royals』でも取り上げられましたが、こちらでは〈完璧に作られた傑作デザイン〉〈王女に相応しいドレスだ!〉との声もあがっています」(同前)
皇室ファッションは、海外においても注目の的だ。
「特に”ファッションリーダー”として、国民から注目を集めているのが、イギリスのキャサリン皇太子妃です。キャサリン妃のお召し物はその愛称から”ケイト効果”と呼ばれて飛ぶように売れ、年間1480億円以上の経済効果があるとも言われています。日本でよく耳にする”佳子さま売れ”のような現象ですね。
もちろんキャサリン妃のファッションに対しても、現地ではさまざまな意見があがります。否定的な意見の多くは『イメージに沿った服を着てほしい』というもの。キャサリン妃は純白のドレスや、クリスタルやお花のモチーフが全体に散りばめられたドレスなどをよくお召しになり、その姿は”ディズニープリンセス”に喩えられることもある。
そのため、逆にカジュアルな格好をしていると、皇族としての品格を保ってほしいとの意見があがります」(同前)
佳子さまのドレスについての心配もいわば”皇族としての品格”を望む声だろう。
「ただし、こうしたエレガントなデザインは、キャサリン妃のような海外の皇族がお召しになるものでもあるので、ヨーロッパでは好意的に捉えられたのでしょう。国も違えば、皇室ファッションへの反応も変わってくるということですね」(同前)
今後の佳子さまのファッションにも注目したい。
一度に3面の小型鏡を製作、量産用鋳型が出土…福岡・「奴国」王都の須玖遺跡群で全国初の確認
福岡県春日市は15日、魏志倭人伝が伝える「奴国(なこく)」の王都・須玖(すぐ)遺跡群で、一度に3面の小型鏡を作れる石製の鋳型の破片が出土したと発表した。小型鏡が普及した弥生時代後期(1~2世紀)頃のものとみられ、市は量産用の鋳型の確認は全国で初としている。
発表によると、鋳型は小学校の運動場になっている須玖坂本B遺跡で出土した。約9センチ四方、厚さ約4センチの板状で、縁の内側に細かな斜線が引かれた直径4センチほどの鏡の型が3点(2点は部分)刻まれていた。3点は溝でつながり、溶かした青銅を鋳型に流すと同時に製作できる構造。裏側の面には直径約7センチの鏡の型が1点彫られていた。
鋳型を調査した田尻義了・九州大教授(考古学)は「弥生時代の鏡の鋳型は13点確認されているが、一度に複数枚作れる鋳型は今回が初めて。他地域に供給するために大量生産していたと考えられる」としている。
須玖遺跡群は福岡平野南部の大規模遺跡群。前漢鏡など卓越した副葬品を持つ王墓、豪華な銅剣、銅矛などが出土し、瀬戸内海沿岸や朝鮮半島まで青銅器が供給される全国屈指の生産拠点だった。
西谷正・九州大名誉教授(東アジア考古学)は「鏡の大量生産には高い技術力が必要。当時の先進技術地だったことを改めて示す発見だ」と話している。
「そもそも増税したのお前!」立憲・野田代表が“消費税軽減チーム”立ち上げに国民大激怒
高市早苗新総裁が誕生したかと思えば、10月10日には公明党が自公連立政権離脱を表明するなど、混乱が続く自民党。公明党が離脱したことによって、野党連結による政権交代もあり得ない話ではなくなってきている。各党の思惑が揺れる中、この状況に意気込みを見せているのが立憲民主党の野田佳彦代表だ。
野党連携に積極的な野田代表
「10月14日に立憲・国民・維新の3党による幹事長会談が行われました。それに先立ち、野田代表は過去に自民党から政権を取ることができた1993年の細川護熙連立政権、そして2009年の民主党を中心とした政権を引き合いに出し、“十数年に1回しかチャンスがない”と述べたのです。野田代表は今がそのチャンスとの思いからか、野党連携に積極的に取り組む姿勢のようですね」(政治ジャーナリスト)
7月の参院選で大敗を喫した自民党。公明党離脱によってさらに議席を減らし、現在は衆院議席196(過半数233)、参院議席101(過半数125)と共に過半数を下回る事態となっている。
このまま野党同士が連結すれば自民党政権を覆すのも夢ではないと思われるが、気になるのは各党の政策の不一致だ。
日本維新の会・吉村洋文代表は外交や防衛に関して「基本的な考え方が違う」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表も、安全保障政策や原子力発電についての意識がバラバラだと懸念を示している。
「元凶のくせに」消費税めぐり批判殺到
そんな中、野田代表が14日に自身のXで「消費税負担軽減対策チーム」の立ち上げを発表した。
「これは食料品の消費税ゼロ化を中心に据え、5兆円規模の負担軽減を目指すというもの。来年4月からの実施を予定していて、国民1人あたり約4万円の効果を生むとのことです。野田代表は《責任ある減税》《あなたを守り抜く政治》を掲げ、《共に政治を取り戻しましょう》と呼びかけています」(前出・政治ジャーナリスト)
しかしながら、かつて消費税の増税を主導した人物こそ、野田代表である。2012年の旧民主党政権時、当時5%だった消費税を8%、そして10%へと引き上げる方針を彼が決めたのだ。自ら引き上げた消費税を、今度は一転ゼロにするという野田代表に、世間からは批判が殺到。
《そもそも増税したのお前だからな!》
《元凶のくせに何言ってんだ。ふざけるな!》
《だったら最初から上げんなよ!説得力なさすぎ》
などの声が噴出している。
中には《どうせ“消費税は下げるけど、ほかの税金上げます”とか言うんだろ》といった声もあるが――。トータルで暮らしが良くなるよう、消費税だけにフォーカスするのでなく、“責任ある減税”に取り組んでほしいと願う国民は多い。
道頓堀ビル火災、導火線になった屋外広告幕 規制緩和でリスクに 炎で退路失った消防隊員
大阪ミナミの繁華街・道頓堀川沿いで8月、消防隊員2人が犠牲になったビル火災では、屋外広告が導火線のように作用し、一気に上層階に燃え広がった。現場はにぎわい創出のため広告物規制が緩和され、大型看板が林立する大阪屈指の観光名所だが、火災時の危険性があらわに。行政によるチェック体制の不備も指摘されている。(木下倫太朗)
大阪市消防局によると、火災は8月18日午前9時45分ごろ、大阪市中央区宗右衛門町の道頓堀川沿いのビルで発生。東西に隣接するビル2棟のうち、西側ビル1階から出火し、2棟で計約100平方メートルを焼損した。この火災で東側ビルで消火活動をしていた消防隊員2人が死亡した。
同局は延焼経路について、西側ビルの外壁に設置された装飾広告(縦8・62メートル、横4・16メートル)を伝って火が上方へ広がり、東側ビル5階の窓ガラスから建物内に燃え移ったと推定。装飾広告が延焼を加速させた可能性が高い。
大阪市屋外広告物条例では、広告物の設置・更新時に許可申請するよう規定。火災で焼失した装飾広告は平成24年に大阪府内の食品会社が新規申請し、これまでに5回更新されていた。
建築基準法は、高さ3メートルを超える広告物について、不燃材料の使用を義務付けてはいる。だが実際にそうした材料が用いられているかどうか、現地で確認する手続きは定めていない。
一方、同法は広告物の高さが4メートルを超える場合に、設計図や建築工程を審査する「工作物確認」が必要と規定している。この工作物確認の過程で不燃材料のチェックを行うことも可能といえば可能だ。
ただ今回の装飾広告は金属製のフレームにロープ状のもので広告幕を取り付ける構造になっており、同法を所管する大阪市計画調整局は「工作物確認の対象はフレームであり、そもそも幕は対象になっていない」との見解を示す。つまり、延焼予防の観点から義務付けられた不燃素材の使用の有無は事実上ノーチェックだったことになる。
また同局によれば、既存のフレームに新しく広告幕を設置する際には、枠の工作物確認も不要だという。今回のフレームは24年の広告設置以前から存在していたとみられるが、工作物確認がいつ行われたかについて、同局は「不明」とした。
火災現場となった道頓堀周辺は「グリコ看板」に代表されるような大型看板・広告物が多数設置され、華やかな景観を生み出している。にぎわいの創出を目的に、市が昭和62年以降、広告物規制を緩和する措置をとってきた結果だ。
従来の規定では、設置できる広告物の大きさは建物壁面の3分の1が上限だったが、道頓堀川に面するビルの壁面については、5分の4以下までと大型化が可能になっていた。
ただ今回の火災で明らかになったように、広告の大型化は急速な延焼拡大のリスクと隣り合わせだ。大阪市は道頓堀川沿いの広告物について、掲示状況の確認など点検を進めるとしている。横山英幸市長は「手続きの厳格化や申請の際に(部局間で)連携を密にできる方法を模索する。もし条例改正が必要なのであれば改正していく」と話している。
■延焼広告に使用された「ターポリン」軽量性や安さが特徴 火災後高まる設置者の遵法意識
建築基準法に基づく規制とは別に、大阪市は屋外広告物条例に基づき、広告物の設置・更新を許可制にしている。ただ大阪市建設局の担当者によると、申請や更新は原則書面のみで、広告の構造や材質について「現地確認は、基本的には行わない」とした。
申請時には、屋外広告士などの資格を持つ管理者による「点検報告書」の提出が必要だが、広告板の腐食や支柱の老朽化など広告物としての耐用性の点検に主眼が置かれており、防火面での項目は見られなかった。
今回、延焼拡大の原因になったと指摘される装飾広告には、不燃素材の使用が義務付けられていた。大阪府内の食品会社が平成24年の設置時に提出した申請書では、「ターポリン」というポリエステル製の布などを合成樹脂で挟んだものが使用素材と記載されていた。
屋外広告の企画・設置などを行う大阪府池田市の「ワイロード企画」の藤原和俊社長によると、ターポリンは他の素材と比べて安価で軽く、丸めて運搬できることから、施工費が抑えられるメリットがある。
市が火災後、広告素材について食品会社側に改めて問い合わせたところ「防炎製品とされているターポリンだ」と説明したという。焼失した広告の構造について、食品会社側は取材に対し「お答えできない」とした。
■元東京消防庁麻布消防署長、坂口隆夫氏「行政による現地確認の義務化を」
屋外広告物を経由して屋内に火災が延焼した事例は珍しい。耐火構造の建物では、上階や隣接する建物に火が燃え移る可能性は低い。広告物の介在により、消防隊にとっても想定外の延焼経路となったのではないか。
何より、条例をもとに広告物の設置許可を出す行政側の現地確認が不十分で、書面や写真だけのチェックになっていたことが一番の問題だ。防炎材料でも経年劣化により性能が落ちることは十分考えられる。規制緩和され、広告が立ち並ぶ道頓堀周辺は、定期的に現地確認を行うべきだった。
建築基準法では広告物を工作物としてとらえ、構造上の強度を重視しているが、防火面にもさらなる重きを置くべきだ。今回の火災を教訓に、広告物に関しても定期的な確認を義務付ける必要がある。
万博の汚点となった黒ミャクミャク万引事件 窃盗団に堕ちた撮り鉄集団が法廷で誓った償い
約半年間にわたった大阪・関西万博は13日、大団円で幕を閉じたが、期間中、万博に絡んで悪名をはせたのが「大宮赤ラン軍団」と呼ばれる「撮り鉄」の集団だった。東京から新幹線を無賃乗車して万博会場を訪れ、転売目的で限定グッズなどを万引した。大阪府警は窃盗容疑で東京都内の大学生ら男6人を逮捕。うち2人は万博が駆け込み需要にわいた最終盤、ひっそりと大阪地裁の法廷に立っていた。
「善悪判断まひしていた」
「集団での犯行で善悪の判断がまひしていた」。万博会場での万引を計画し、知人らに声をかけた先導役とされる大学生の男(20)は、窃盗罪に問われた自身の公判で、当時の心境をこう振り返った。
逮捕された6人はいずれも「大宮赤ラン軍団」と呼ばれる撮り鉄グループのメンバーだった。JR大宮駅(さいたま市)を中心に、無賃乗車で改札機を不正に突破して赤ランプを点滅させる行為を繰り返したことから、この呼び名がついた。捜査段階で、一部メンバーは「仲間内では無賃乗車は当たり前だった」と述べたとされる。
男らは6月26日午後、大阪市此花区の万博会場内のオフィシャルストアでグッズを手提げかばんに大量に詰め込み、万引した。
男らが狙ったのはミャクミャクが黒一色で統一された通称「黒ミャクミャク」や、子供服メーカー「ファミリア」とコラボした扇子など限定品ばかり。公判で男は「金になる、売れる商品を選別した」とその狙いを説明した。
「扇子が高く売れる。再販がないから売ったほうがいい」。事件前日、限定グッズの販売スケジュールを踏まえ、男は同じく窃盗罪に問われた男子大学生(22)にラインを送信。翌日の大阪行きを決めた。
検察側は、男らが無賃乗車に加え、12~17歳を対象とした割安のチケットで万博に入場していたとも指摘した。
公判では、男らが6月26日以前にも万博会場で万引していたことが明らかにされた。「バレなきゃ大丈夫」(男子大学生の被告人質問)。万引を重ねるにつれ、罪の意識は薄れていった。
転売利益は20万円
撮り鉄集団が「万引転売ヤー」と化したのは単純に金銭が目的だった。先導役の男は「メルカリで売って金にするため」と動機を述べた。
盗んだ商品の約7割はすでに売却、約20万円の利益があったという。無賃乗車や不正入場したのも「経費」を減らして、より多くの利益を得るためだった。
一方、男の誘いに乗った男子大学生は金策が必要な事情があった。
男子大学生によると、昨年12月に物損事故を起こし、5月末までに約30万円、以降8月末までに月10万円ずつの示談金を支払わなければならなかったという。
当初は、アルバイトで積み立てた貯蓄から払っていたが、徐々に余裕がなくなった。「以前にも親に金を借りており、迷惑をかけられない」。5月末に約30万円を用意することはできたが、6月以降の支払いに苦慮する中で誘いを受け、転売で手にした金を示談金に充てようとした。
自分のための貯金が「償い」
二度と同じような事件を起こさないために、今後は長期貯金をするとし「緊急用に金を残すことが自分自身のためであり、被害者への一番の償いだ」と述べた。
大阪地裁は「換金目的で入手困難な人気商品を狙って犯行に及んだ動機は身勝手」としつつ、前科がないことなどを考慮し、それぞれに執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
逮捕された6人のうち3人は罰金30万円の略式命令を受け、残り1人の公判は続いている。(木下倫太朗)
30年前の東京・大田区の強盗傷害事件海外逃亡していた男(62)がフィリピンから強制送還きょう午後に日本に到着予定
1995年に東京・大田区で起きた強盗傷害事件に関与したとして海外逃亡していた男がきょう、フィリピンから日本に強制送還されることとなり、先ほどフィリピン入国管理局の施設を出発しました。
フィリピン入国管理局などによりますと、きょうフィリピンから日本に強制送還されるのは相原久仁雄容疑者(62)です。
相原容疑者は1995年2月、他の男2人と共謀し、東京・大田区蒲田のゲーム喫茶で経営者の男性にナイフを突きつけ、蹴るなどしてけがをさせて、現金およそ70万円を奪った疑いがもたれています。
他の男2人は事件当日、警視庁に逮捕されましたが、相原容疑者は事件後に海外に逃亡していたということです。
相原容疑者は今年6月にフィリピン・マニラの路上で不法滞在の疑いで拘束されていて、強制送還されるため入管施設を出発したということです。
きょう午後に日本に到着次第、警視庁による取り調べが行われるものとみられます。