【極右化する日本の政治家たち】参政党の神谷宗幣、梅村みずほ、自民党の西田昌司…「ファクトや真っ当な議論を重視しない」人々が溢れる時代だからこそ学びたい、本当の沖縄戦

敗戦から今年で80年。戦争の中でも悲惨をきわめた沖縄戦では、県民の4人に1人が犠牲になった。降伏を許されず「集団自決」させられたり、日本軍にスパイ扱いされて殺された県民もいた。にもかかわらず、参政党の神谷宗幣代表が「日本軍の人たちが沖縄の人たちを殺したわけではない」と発言したり、自民党の西田昌司議員が、沖縄戦で犠牲となった「ひめゆり学徒隊」に関するひめゆりの塔での説明について、「歴史の書き換えだ」と主張するなど、国会議員による問題発言が続いている。【画像】2025年7月、参議院選挙直後の新橋での参政党集会 そんな中、「沖縄戦の真実とは何だったのか?」ということに関心が集まり、沖縄戦研究の第一人者・林博史氏が今年4月に上梓した新書『沖縄戦 なぜ20万人が犠牲になったのか』が早くも5刷の増刷となった。その林氏と、元文部科学省事務次官で、辞任後は政権の欺瞞と闘ってきた前川喜平氏が対談。戦争と教育の責任について語り合った。
島田叡知事についての認識は目からウロコでした
前川 この本は沖縄戦に関する歴史入門書の決定版だなと思います。沖縄戦に関わるあらゆる論点が網羅されていて、必要なことが全部書いてある。 私も沖縄戦についてはある程度の知識を持っていたつもりですが、この本を読んで、認識を改めた部分も相当あります。たとえば当時の沖縄県知事・島田叡(しまだ あきら)についての評価は、今まで言われているものと大分違いました。彼についてはドキュメンタリー映画も劇映画もできていて、「軍に抗って沖縄の住民を生き延びさせた」というイメージがあるけれども、そうじゃない、と。この島田知事に対する評価は、目からウロコでした。
しかし、それはそうでしょうね。権力側にいたわけだし、戦争遂行のために仕事をしたのは間違いないでしょうし。そして当時の日本軍が、守るべきものは国体であり天皇であり、「住民を守る軍隊」ではなかった。それに協力した県知事も決して住民を生かそうと努力したわけではなかったと。
もう1つはいわゆる集団自決についてです。歴史学の世界では「強制集団死」という言葉を使う人も多いと思いますが、この「強制集団死」という言葉にも、林さんは批判の目を向けておられる。単に「強制集団死」と言ってしまうと、内面化された皇国民意識みたいなものが説明し切れないということだと思うんですが、これもなるほどと思いました。 この辺は当時の学校教育との関係も十分あると思いますが、「集団自決」というのは、大日本帝国によって教え込まれた人たちが、追いやられたということだと思うんです。
この本の中にも「死なないで投降しよう」と言った人たちが出てきます。アメリカなどに移民して帰ってきた人たちが「米軍は投降した者を虐待したりしないから、白旗を掲げて投降しよう」と言った。これは当時の日本の教育を受けていない、あるいは軍の宣伝に毒されていない人たちだったから、まともな判断ができた。
もう1つは、日本の学校教育を受けていない、特に女性、お母さんたちが、一般には無学と言われているけれど、教育を受けていないがゆえに人間本来の「生きよう」とする気持ちが素直に出てきて、投降して生きられたという人が多いんじゃないか、と。これは教育のあり方を考える上で大きいと思いました。 あとは、軍隊の中にも、軍隊の統制が崩れたときに、「こんなところで死ぬんじゃない」と言う人たちが出てきた、と。「軍の統制が崩壊したときに本来の人間性が現れる」ということもあるんだなと思いました。
歴史教育や道徳教育に口を出してきた自民党のタカ派
前川 私は38年間国家公務員として、国の論理に縛られて生きてきましたが、8年前にそこから解放されたので言いたいことを言って暮らしています。でも国家公務員時代は結局、上の権力に従わざるをえなかった。
自民党を中心とする政治権力です。特に「文教族」と言われた議員たちは安倍派が多い。森喜朗さん以来ずっと、自民党内でもタカ派と呼ばれている人たちが文教族で、タカ派の人ほど教育政策に関心を持つ。特に歴史教育と道徳教育にものすごく関心を持って口を出そうとする。その人たちがずっと権力を握ってきていて、私はその下で仕事をしていたものですから、心ならずもやらざるをえない仕事がありました。
そのくびきから解放されると本来の人間に戻れるわけで、私も今は普通の人間に戻っていると思うんですけど、組織の中にいる間は、まともな人間性を保つのがなかなか難しかった。特に第二次安倍政権ができてから、バランスを保つために始めたのがツイッター(現・Ⅹ)です。匿名でいろいろつぶやいていたんですが、自分の上司に当たる大臣や大臣政務官らを批判するようなことを書いていました。そうやって精神のバランスを保つことが必要だったんです。
そうした権力がなかなか崩壊しなかった体制が、参院選が終わり、ここへきてちょっと崩壊しかかっていますが、どっちのほうに崩壊するかが問題ですね。今、参政党などというとんでもないウルトラ・ライト(極右)政党が出てきましたから、それがもし政権に参加するようなことがあれば、もっとひどいことになると思っています。
ファクトや真っ当な議論を重視しない傾向
林 たしかにそうですね。以前の本書をめぐる対談でも少し触れましたが、これまでは、歴史的な事実を否定しようとする人々も、それなりに勉強して資料や文献を調べ、根拠を示して議論してきていた。それに対して我々は「いや、その資料の読み方は間違っている」とか「もっとこういう資料があるのに無視している」と反論したりして、そこで議論が成り立ちえたんです。
ところが今はもう、この前の参政党の神谷代表の発言や、自民党の西田昌司議員の発言にしても、根拠は何も示されないんです。ただ「自分はこう思っている」ということだけボンと出して、それが変に支持を得てしまう。それでは議論にならないんです。
民主主義は「考え方が違っても、対話が成り立ちえる」ということが一番の基本だと私は思っています。ですから、研究者の中で考え方が違う人はいますが、たとえば資料に基づいて議論を組み立てる人とは話ができる。もちろん考え方が違えば、解釈において対立することはありますが、対話が成り立つんです。しかし今はもう「自分はこう思う」というだけで、何の根拠も示さない。これはもう民主主義じゃないです。
トランプ現象などもそうだと思います。「事実はこうだ」という批判をしても全然通じない。これが一番怖い。これに対してどう対処すればいいのか? 研究者の議論ではちょっと対抗できなくなっている。そういうことに対して、社会全体としてどう考え、どう対処するのか。これはたとえばインターネットを含めたリテラシーの問題にも関わってくるんですが、その辺りは私もどう対処できるかわからないので……。
前川 私もそこは本当に心配しています。参政党が大きく議席数を増やしてしまったのは本当に怖いです。維新が出てきたときに「ひどい党が出てきた」と思いましたが、「まだ維新のほうがマシだ」と思えるような党が現れるとは……。
以前維新に所属していた梅村みずほ(*)という人が今度、参政党から立候補して当選してしまいました。その梅村議員は先日テレビの討論番組に出演した際、共産党の山添拓議員に、選挙期間中の梅村氏らの外国人をめぐる主張の誤りをファクトを挙げて指摘されると、「選挙で民意を得たのは私たちだ」と開き直るんです。
要するに、事実でないことを主張して民意を誘導したのに「有権者の票をたくさん得たのは自分たちだ」と。これは全然反論になっていません。要するに、「数は力であり、力は正義だ」という言い方ですよね。「選挙で勝ったんだから自分たちのほうが正しい」という言い方、これがまかり通るのは本当に怖いと思います。 *梅村議員は日本維新の会所属時の2023年5月の参院本会議で、21年に、入管施設で病気になって体調が最悪なのにもかかわらず入院させてもらえずに死亡したスリランカ人女性ウィシュマさんについて、「彼女が亡くなったのは支援者のせいだ」とする主旨の発言をし、党員資格停止6カ月の処分を受けて、維新を離党し、参政党に移籍。今回の参院選では参政党から立候補して当選。
「歴史は国民の物語だ。フィクションでかまわない」と言う議員
前川 官僚時代、私は自民党の下でずっと仕事をしてきましたが、自民党には「歴史は科学だ」と考える人があまりいませんでした。でも歴史というのは、歴史学という科学で解き明かすべきものだと私は思うし、科学が進んでいけば、同じ事象を扱った歴史でも、塗り替えられることはあるし、歴史の教科書だって書き換えられることがあるんですが、でもそれは様々な資料に当たりつつ、ロジカルに検証していって見出していくということだと思います。
しかし「歴史は国民の物語だ。だからフィクションでかまわないんだ」というような言い方をする人たちが政権与党である自民党内にいたわけです。そういう人たちには話が通じません。
少なくとも歴史学者と呼ばれる人たちの間では一定の作法があると思いますが、政治家には話の通じない人がたくさんいる。そして参政党はそんな人ばかりが集まって作ったような政党です。歴史だけの問題じゃなく、陰謀論みたいなものも、いろいろちりばめられている。根拠のないことをたくさん主張して、それで人々の支持を集めている政党なので、ものすごく危ないと思います。
これは学校教育にも責任があると思います。「事実と論理を理性でちゃんと考えて組み立てていき、結論を出していく」というような、「科学の作法」を身につけるのが学校教育の大事な目的だと思うのですが、それがまるでできていない人たちが集まってこういう政党を作ってしまった。
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をはじめとするカルトも全く反科学ですが、カルトが広がっているのと根っこが同じなのかなという気がします。カルトにハマった人には全然話が通じません。
そして戦時中の日本は国全体がカルト教団みたいなものだった。理性を保っている人もいたでしょうが、その人たちは思っていることを話すと「非国民」と言われて迫害されるから、黙っているしかなかった。抵抗した人もいるけれど、治安維持法違反とかで逮捕される。それで実際に多くの国民がカルトに巻き込まれた。
私の父は98歳でまだ存命なんですが、戦時中は旧制中学の生徒でした。旧制中学の4、5年生のときにはずっと名古屋の軍需工場で働かされて、空襲を受けて仲間が何人か死んだりしています。今はまともな判断のできる人ですけど「中学生の頃は、絶対日本は勝つと信じていた」と言っていますし、そう信じていた国民は非常に多かったと思います。
「日本は神の国だから必ず神風が吹く」などと教え込まれて、全く根拠のないことを信じ込んでいた。だから日本中が1つのカルトになっていた。 そこから脱却する、脱カルトというのは、敗戦でいや応なしに経験せざるをえなかったと思うんですが、多くの人は、そこで憑き物が取れたようにカルトから脱したのかもしれません。
しかし日本の支配層の中にはカルトを引きずったままの人が相当残った。これはアメリカの占領政策もあるでしょう。冷戦構造が強まっていく中で、民主化から反共へと占領政策が変わり、共産主義に対して「日本を反共のとりでにする」ということで、古い日本のカルト国家を率いたような人たちが生き残ってしまった。昔の軍人や東条内閣の閣僚や官僚だった人たちが日本の支配層の中に残ってしまった。
日本の戦後の不幸は、そういう戦前を引きずったところにあるんじゃないかと思います。何よりも「国体が護持された」というのが……。終戦の詔勅の中で昭和天皇が「国体を護持し得て」と言っていますよね。ポツダム宣言を受諾するかどうかという際にも、さんざん議論したのは国体が護持できるかどうかです。だから戦後の出発点からして、国体が護持されたことになってしまっている。「日本は神の国だ」という全く根拠のない、神話に根拠を持つような観念、国体思想が生き延びる余地ができてしまった。 沖縄戦では明らかに、「日本の軍隊は人を守るためではなくて国体を守るためにある」と。だから、何のためらいもなく人を犠牲にした。それがハッキリ出ています。
この本の中でも林さんがお書きになっていますが、今、日本には軍はないはずなんだけども、陸海空軍に限りなく近い自衛隊がある。その自衛隊が「本当に日本の人たちを守るためにあるのか?」というのは、本当に突きつめていかなきゃいけない問いだと思います。「あなたたちは本当に人を守るためにいるのか? 人を犠牲にして国を守るなどと考えていないか?」と。
参政党の議席が伸びた要因は、経済政策の失敗による「集団的不安」
前川 参政党のような政党が伸びた背景には、集団的な不安があると思います。 日本が経済大国だと言われていた頃は皆、あまりそんなところに飛びつこうとは思わなかった。でも世界の中での日本の経済的地位がどんどん後退していき、GDPで中国にもドイツにも抜かれ、まもなくインドやインドネシアにも抜かれる、と。1人当たりGDPでは韓国や台湾より少なくて、経済的に衰退しています。 でもこれは経済政策の失敗によるところが大きい。小泉構造改革やアベノミクスのなれの果てです。この約30年間の日本の経済・財政・金融政策の失敗をちゃんと検証し「他の国に比べて日本国民がこれだけ貧しくなったのは、このせいじゃないか」というのを、経済や財政の学者たちが実証的・科学的に解明すべきです。でも、それがされていない。
そして、経済財政政策の失敗による不満や不安というものが日本に充満していて、トランプのアメリカじゃないですが、「メイク・ジャパン・グレート・アゲイン」みたいに「今は苦しいかもしれないけど、もともと日本は立派な国なんだ」と、ことさら強調する考えに惹かれてしまう。
日本という国に自分のアイデンティティを埋没させ、日本人であるということを自分の支えにする。その上で「日本は立派な国なんだ」「これまで悪いことなどしなかったんだ」という気持ちにさせてくれるのが、いわゆる歴史修正主義です。ただ「歴史修正主義」というと「間違っている歴史を正しくする」ように聞こえますが、そうではなく根拠のないことを言っているのだから、「歴史改ざん主義」とか「歴史歪曲主義」とか「歴史捏造主義」と呼ぶべきでしょう。
今回、参政党で新しく当選した初鹿野裕樹(はじかの ひろき)参議院議員は、「南京大虐殺が本当にあったと信じている人がまだいるのかと思うと残念でならない」とXに投稿しています。 参政党は全体がそうなんですが、初鹿野議員は「日本軍は『焼くな、犯すな、殺すな』の三戒を遵守した世界一紳士な軍隊である」と投稿し、「日本は悪いことなどしなかったんだ」と主張しています。
こういうことを言う人たちは以前からいましたが、そういう人たちだけで作った政党が参政党です。私は、安倍晋三さんが亡くなった反動で出てきたのかもしれないという気がします。安倍さんがいる間は、自民党の中で、安倍さんという求心力の中にそういう人たちがくっついていたけれど、安倍さんがいなくなったので、より過激な形で別の党として現れたのかな、と。
おそらく背景にはそういった「皇国史観」を広げたいと思っている勢力がいるんじゃないか、と。それをバックアップしたいと思っている経済人もいますから、そういう人たちが参政党の選挙運動にお金を出しているのか、と。相当お金がないとあれだけのキャンペーンはできません。あれだけの数の候補者も立てているし、3年ぐらい前からあちこちにポスターを貼ったり、いろんなSNSでの発信をしたりしていましたし。あれは代表の神谷宗幣氏だけでできることじゃない。相当資金力がある組織があると見ています。
構成/稲垣收
沖縄戦 なぜ20万人が犠牲になったのか
県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦から80年。 膨大な史料と最新の知見で編み上げた沖縄戦史の決定版! 1945年3月末から約3か月間にわたり、米軍と激しい地上戦が繰り広げられた沖縄戦。 軍民あわせ約20万人もの命が失われた。戦後、日本は平和憲法を制定したが、沖縄は米軍の軍事支配に委ねられ、日本に返還後、今なお多くの米軍基地が存在している。 また、近隣国を仮想敵とし、全国で自衛隊基地の強靭化や南西諸島へのミサイル配備といった、戦争準備が進行中である。 狭い国土の日本が戦場になるとどうなるのか? 80年前の悲劇から学び、その教訓を未来に生かすために、国土防衛戦の実相を第一人者が膨大な史料と最新の知見を駆使し編み上げた、沖縄戦史の決定版。 ◆目次◆ 序 なぜ今、沖縄戦か 第1章 沖縄戦への道 第2章 戦争・戦場に動員されていく人々 第3章 沖縄戦の展開と地域・島々の特徴 第4章 戦場のなかの人々 第5章 沖縄戦の帰結とその後も続く軍事支配
権力は腐敗する
権威を疑え。自分の頭で考えろ。 さもなくば、民主主義は終わる。 政権の「嘘」を暴き、糾弾し続ける元文部科学事務次官、 待望の最新書き下ろし! 『面従腹背』から新たな闘争へ。 学ばない国民は政府によって騙される。 愚かな国民は愚かな政府しか持つことができない。 愚かな政府は腐敗し、暴走する。 安倍政権から菅政権へと、露骨な国政私物化が続いている。 菅政権になっても、「官邸官僚」主導の政治体制は変わらない。 しかし、官邸官僚が「一本化」されたことで、安倍政権よりも支配構造がさらに強くなってしまった。 愚かな国民は、愚かな政府しか持つことができない。賢い国民が育つために決定的な役割を果たすのは、メディアと教育だ。メディア関係者と教育関係者が権威主義や事大主義に毒され、同調圧力に加担し付和雷同に走るなら、日本国民はますます蒙昧の淵に沈んで行くだろう。 安倍政権下で加計学園問題の疑惑を追及した自らの体験を交え、腐敗した日本の政治を問い質し、打開策を提示する。 【目次】 ■第1章 安倍晋三氏による国政私物化――加計学園問題 ■第2章 私物化の継承と暗躍する官邸官僚 ■第3章 安倍・菅政権における政と官 ■第4章 人災だった全国一斉休校 ■第5章 奪われ続ける自由 ■第6章 主権者を育てる

「殺すぞ、てめえ」 45歳父親が10代の息子を脅迫 息子が来署し相談…父親を逮捕 札幌市

札幌・手稲警察署は2025年10月9日、脅迫の疑いで自称・札幌市手稲区の会社員の男(45)を逮捕しました。
男は8日午後8時ごろ、同居する10代の息子とスマートフォンで通話中に「帰ったら殺すぞ、てめえ」などと言い、脅迫した疑いが持たれています。
同日に息子が警察署を訪れ、「お父さんに脅された」と相談し、事件が発覚しました。
警察によりますと、男と息子を巡って過去に相談歴などは無かったということです。
調べに対し男は「息子に言った言葉に間違いない」と容疑を認めています。
警察が動機や事件の経緯などについて、詳しく調べています。

「腹が立って殴ってしまった」公衆浴場で面識のない男性を殴打 自称・無職の男(57)逮捕

札幌・北警察署は2025年10月9日、暴行の疑いで自称・札幌市東区の無職の男(57)を逮捕しました。
男は9日午後8時すぎ、札幌市北区新琴似2条8丁目の公衆浴場の入り口付近で、札幌市西区の無職の男性(57)の左頬を拳で3回殴った疑いが持たれています。
男性にけがはありません。
目撃者から「お客さん同士がもめていて、叩いたりしているようだ」と警察に通報がありました。
警察によりますと、二人に面識はないということです。
調べに対し男は「腹が立って殴ってしましました。反省しています」と容疑を認めています。
警察は動機や事件の経緯を調べています。

【判明】「本格空母」導入を防衛省が検討開始か

今年9月11日、尖閣諸島の魚釣島から北西約200㎞。海上自衛隊のP3C哨戒機が上空から初めて確認したのは、東シナ海を航行する中国の最新空母「福建」の姿だった。
【写真】海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」
この「福建」は中国にとって3隻目の空母である。2012年就役の初の空母「遼寧」、19年就役の「山東」よりもさらに大型で、戦闘機や早期警戒機などを計60~70機搭載できるとされている。
中国の国防予算はこの30年間で28倍に増えている。その急激な軍拡を象徴する軍事アセットが空母だ。日本の防衛白書(25年度版)によれば「将来的な原子力空母の建造計画が存在するとの指摘もある」という。
空母は「一種の外交手段」
活動も活発化している。24年の1年間に、太平洋で中国の空母から艦載機が発着艦した回数は1200回を超えた。最近は危険な行為も目立ち、今年6月には太平洋の公海上で、日本のP3C哨戒機が、空母「山東」から発艦した戦闘機に距離約45mまで接近された。また、約900m前を横切るような飛行もあった。ほとんど例のない出来事とされ、防衛省・自衛隊が警戒を強めている。
そもそも空母は「航空母艦」の略称で、洋上の巨大な基地のような存在だ。有事の際に戦力投入や攻撃の拠点となるだけでなく、軍事プレゼンスを示して相手に圧力をかける「一種の外交手段」(政府関係者)だとの捉え方もある。そうした極めて強力で影響力の大きい軍事アセットを3隻も保有している事実は、中国の軍事大国化の象徴ともいわれる。
一方の日本側はどうか。アメリカ海軍横須賀基地に原子力空母「ジョージ・ワシントン」が配備されているが、日本自身は空母を保有していない。旧海軍はゼロ戦などを空母に搭載して運用していたが、戦後は憲法上の戦力不保持との整合性もあり、保有に慎重な姿勢を取ってきた。
「いずも」「かが」は「多用途護衛艦」

現在政府は、日本最大の護衛艦である「いずも」「かが」の2隻を改修して、短距離離陸・垂直着陸が可能な戦闘機F35Bを搭載する計画を進めている。それでも政府は、この2隻について、あくまで「多用途護衛艦」であり「空母ではない」との立場を取っている。
ただ、従来の方針とは異なるこうした動きが防衛省内で出ていることが東洋経済の取材でわかった。すでに公表済みの26年度予算の概算要求にも、気づかれにくい表現で本格空母導入の検討に向けた記述が盛りこまれているというのだ。
26年度予算の概算要求に盛り込まれた記述とはどのようなものなのか。本記事の詳報版は東洋経済オンライン有料版記事「【判明】戦後初、本格空母導入の検討が防衛省内で始まる可能性があることが判明。来年度予算の概算要求の一文に防衛省がにじませた意図」でご覧いただけます。
伊藤 嘉孝:東洋経済 記者

高市早苗氏「馬車馬」発言に過労死弁護団は撤回要請、意図せず招いた“波乱と称賛”

10月4日、自民党の総裁選で自民党総裁に選出された高市早苗氏。女性が総裁になるのは初のことであり、注目を集めている。
その中でも、総裁選での勝利後の決意表明のあいさつが波紋を呼んでいる。
高市早苗「馬車馬のように働いていただく」
「スピーチのなかにあった『馬車馬のように働いていただく』『私自身もワークライフバランスという言葉を捨てる』という言葉に対して、SNSでは賛否の声が巻き起こっ ているのです。おそらく、高市氏自身と自民党議員に向けての発言であり、国民に尽くすという決意表明だったのでしょう。しかし、“働いていただく”という言葉は自分以外も含める言い方でもあり、大きな波紋を呼んでいます」(全国紙記者、以下同)
10月6日には、「過労死弁護団全国連絡会議」が「公務員など働く人々に過重労働・長時間労働を強要することにつながる」として、“馬車馬発言”の撤回を要請。これに対して、「揚げ足取りではないか」という指摘がSNS上ではあふれかえった。
また、参議院議員の北村晴男弁護士は自身のXで「こんな説得力ゼロの方々の要請など放っておきましょう」という投稿をするなど、この過労死弁護団に対する批判も相次いで起こっている。
「過労死弁護団全国連絡会議は、そもそも’88年に結成された弁護士のネットワークです。高度経済成長期、働き盛りの労働者が脳卒中や心筋梗塞などで死亡するケースが増える一方、労災認定が下りることが非常に困難な状況でした。そのなかで、弁護士が集まって労災認定を求める運動を起こし、“過労死”という言葉を広めたのです。このような過労死と常に戦ってきた団体なので、シビアになるのも自然な流れだと思います」
高市氏自身もの本人の意思表明や比喩的な意味合いで発言されたのだろう。しかし、自民党総裁の発言の影響力は大きい。参政党の代表である神谷宗幣氏は、10月5日広島での街頭演説で、「高市さんの言う通り、ワークライフバランスとかいってるからおかしくなるんですよ」「国が貧しくなっているのにワークライフバランスもへったくれ もあったもんじゃないですよ」と発言。高市氏の発言を利用し、国民みんなが働くべきだというニュアンスを漂わせた。
「高市さんは、自身の“馬車馬発言”のあとに『皆さんはワークライフバランスをしっかりとってください』とフォローして伝えています。しかし、今回のような騒ぎは、高 市氏の発言を受けて不安に感じている国民がいるということの表れではないでしょうか。実際に、現在SNS上では高市氏の意図に反し、ワークライフバランスを無視する働き方を称賛する投稿も増えてきています。今回のことがきっかけで、ご自身の発言の影響力を自覚されたと思うので、今後は気をつけられると思うのですが……」
初日から大きな波紋を巻き起こしてしまった自民党の高市総裁。彼女自身も休息をとりつつ、心身共に万全な状態で、新しい政治を見せてくれることを期待する。

自衛隊が「ニセ兵器」本格導入へ! 今もダマせてしまう軍用「かかし」!? 納入先が「川崎重工」のナゼ

防衛装備庁が「バルーンデコイ」の入札を公告しました。ウクライナの戦場でその有効性が改めて証明された「風船兵器」は、すでに自衛隊の一部部隊でも導入が始まっています。
歴史は鎌倉時代から? ハイテク化する「藁人形」
防衛装備庁が2025年9月11日、「バルーンデコイ」の一般競争入札を公告しました。バルーンデコイとは、空気を入れて膨らます、兵器を擬したデコイ(囮)です。
兵器としてのデコイの歴史は古く、鎌倉時代末期の「千早城の戦い」では、楠木正成が兵士を模した藁人形を千早城に並べて、敵対する鎌倉幕府軍をおびき寄せ、集まってきた幕府軍の兵士に大石を落として打撃を与えています。
航空機が偵察手段として普及した第一次世界大戦以降も、自軍が実際より多く兵器を保有していると思わせたり、攻撃目標の選定を妨害したりするために、航空機搭乗員の目や搭載カメラを欺くデコイが多用されています。第二次世界大戦では、名将と評されるドイツのエルヴィン・ロンメル陸軍元帥やイギリスのバーナード・モントゴメリー陸軍元帥が、デコイを有効活用しています。
第一次世界大戦で使用された戦車を模したデコイは木製で、自走機能は備えていなかったため、前線まで馬でけん引していかなければならず、保管や前線への投入に手間がかかっていました。この問題を解決するために開発されたのがバルーンデコイです。
当時のバルーンデコイは現在のものに比べると事故や攻撃でパンクしやすいという難点がありましたが、第二次世界大戦でバルーンデコイを多用したイギリス軍は、ドイツ軍に砲弾を無駄に消費させ、情報収集活動を混乱させたと伝えられています。
「あ、これダマせるな」 実際にみた風船戦車
筆者は2015年に韓国のソウル郊外で開催された防衛装備展示会「ADEX2015」で、韓国企業が出展した、韓国陸軍の主力戦車「K1A1」を擬したバルーンデコイを見ました。
それは間近で見ると「風船だな」とわかるものでしたが、K1A1のフォルムが良く再現されているだけでなく、K1の砲塔上に設置されている情報収集サイトや機銃(ダミー)を装備しており、遠距離からの地上偵察や、高高度を飛行する航空機や情報収集衛星による偵察であれば、十分欺けると感じました。
このバルーンデコイは使用時に電動ポンプで空気を送って膨らませる仕組みで、使用しない時は空気を抜き、折りたためる仕組みとなっており、保管に大きなスペースを必要としません。また折りたたむと容易に多数を輸送できるため、軍の望む場所へ簡単に大量展開できます。
また、バルーンデコイは実物の兵器のように熱を発しないため、赤外線センサーには「風船だ!」と見破られやすいという難点があります。このためK1A1を擬したものを含めた現在市場に出回っているバルーンデコイには、赤外線センサーを欺くため熱源を仕込めるタイプのものが主流となっています。
ウクライナでは「ミサイルランチャーかかし」大活躍 自衛隊もすでに導入
こうした工夫もあって、バルーンデコイは現在の戦場でもその有用性を実証しています。
ロシアのウクライナ侵攻に伴い、ウクライナは欧米諸国から多数の兵器の供与を受けています。とりわけアメリカから供与された多連装自走ロケットランチャー「HIMARS」の効果は大きく、ロシア軍はHIMARSを付け狙っていました。
このためウクライナはチェコのインフレテックが開発した、HIMARSを擬したバルーンデコイを投入してロシア軍に攻撃させ、同国軍に貴重な弾薬の無駄使いをさせたと伝えられています。ロシアが発表したウクライナ軍HIMARSの破壊数の中には、多数のバルーンデコイが含まれていた、とも言われています。
この一件を機に、各国の軍隊はバルーンデコイにより高い関心を示すようになっています。冒頭で述べた防衛装備庁の一般競争入札も、そのトレンドに反応したものと思われますが、実のところ自衛隊の一部の部隊は、すでにバルーンデコイを保有、または調達を開始しています。
陸上自衛隊第1高射特科団は2024年9月に北海道の奥尻島で行われた「令和6年度ホーク・中SAM部隊総合訓練」でバルーンデコイの欺瞞効果の検証を行っています。また2025年1月には陸上自衛隊姫路駐屯地が、バルーンデコイを調達するための一般競争入札を行っています。
第1高射特科団が欺瞞効果を検証したバルーンデコイは、おそらく地対空誘導弾(ミサイル)を擬したものなのでしょうし、姫路駐屯地が発出したバルーンデコイの一般競争入札の公告には「火砲」と明記されています。
これまで自衛隊が導入を明らかにしているバルーンデコイは、陸上自衛隊が運用する装備品を擬したものですが、防衛装備庁が一般競争入札で調達を予定しているバルーンデコイの公告には納地が「川崎重工業株式会社岐阜工場」と明記されています。
川崎重工業の岐阜工場は航空自衛隊のC-2輸送機と海上自衛隊のP-1哨戒機の生産を行っており、今回防衛装備庁が調達を予定しているバルーンデコイは、航空機を擬したものなのかもしれません。

沖縄・南風原町長選に琉球大学の学生・赤嶺龍謄氏(24)が立候補表明 8年ぶりの選挙戦へ

任期満了に伴い来年4月ごろに予定される沖縄県南風原町長選に、琉球大学理学部4年で学習塾代表の赤嶺龍謄(りゅうと)氏(24)が立候補を表明した。「学校と地域住民が一体となって部活動を運営し、子供たちを育む環境を整えたい」と決意を語った。前回2022年の町長選挙は無投票で、8年ぶりの選挙戦となる見通し。
赤嶺氏は来年1月に25歳となり、市町村長選挙の被選挙権を得る。現職で2期目の赤嶺正之氏(74)は現在、立候補するかについては「検討中」としている。
赤嶺 龍謄氏(あかみね・りゅうと)2001年1月27日生まれ。南風原町宮平出身。19年3月に知念高校を卒業後、琉大に進学。大学休学を経て、23年4月に「学習塾a-ha」を設立した。

公明、連立離脱の是非判断 高市、斉藤氏が午後会談

自民党の高市早苗総裁と公明党の斉藤鉄夫代表は10日午後、国会内で会談する。斉藤氏は、自民党との連立の条件として派閥裏金事件の真相解明と企業・団体献金の規制強化を挙げており、高市氏からの回答を踏まえて連立離脱の是非を判断する。自民側は「自公連立は基本中の基本だ」としているが、献金規制強化には慎重論が根強く、連立交渉が不調に終わる可能性もある。
公明が連立を離脱すれば自民単独内閣となるため、政権運営がさらに厳しくなるのは必至。自民にとって野党との連携が不可欠となる。石破茂首相の後継を選ぶ臨時国会の召集も20日以降に遅れる公算が大きく、政治空白が長期化する。
斉藤氏は9日夜に開いた党中央幹事会で、連立にとどまるか離脱するかの判断について一任を得た。党幹部は「『政治とカネ』問題に何らかの前進がない限り連立維持とはならない」と話している。
一方、高市氏は9日夜のテレビ番組で自公関係について「26年間も一緒にやってきた。政策合意文書を早く作れるよう頑張る」と述べた。

台風23号、暴風高波に警戒 奄美接近恐れ、気象庁

台風23号は10日、南大東島東付近の海上を、北寄りに進んだ。11日は奄美に接近する見込みで、気象庁は暴風や高波に警戒を呼びかけた。奄美と九州南部は11~12日、土砂災害や低地の浸水、川の増水に注意が必要だ。
気象庁によると、台風は発達しながら奄美に接近後、12日は進路を東寄りに変えて日本の南を東北東に進む見込み。台風に向かう暖かく湿った空気の影響で、沖縄、奄美、九州南部は大気の状態が非常に不安定になる。
予想される波の高さは、いずれもうねりを伴い、10日が奄美4メートル、沖縄5メートル、11日が九州南部、沖縄5メートル、奄美6メートル。

ウクライナ支援で自衛官2人をリトアニアに派遣へ 地雷除去を指導

防衛省は10日、ロシアの侵攻が続くウクライナを支援するため、近隣のリトアニアで行われる地雷除去訓練に陸上自衛官2人を教官として派遣すると明らかにした。
防衛省によると、訓練は11月3日~12月5日、リトアニア中部ルクラの訓練施設で実施され、アイスランドやフィンランド、スウェーデンなどの計6カ国が教官を派遣。自衛官2人はいずれも爆発物処理に精通しており、約20人のウクライナ兵に地雷除去の基礎知識と技能を伝える。
防衛省は2023年末、有志国連合によるウクライナ支援の枠組みのうち、地雷除去とITの2分野について参加を表明していた。この枠組みによる支援活動は今回が初となる。
一方、同様の教育訓練は23年度以降、年4回のペースで続けられてきた。防衛省は参加表明から初参加までに2年近くを要したことについて「自衛隊の知見が生かせるのか教育内容を確認するなど、慎重に検討した結果」と説明している。
IT分野では、ウクライナ兵などを対象に、サイバー攻撃の脅威や対応策を共有するワークショップをオンラインで開く方向で調整している。【松浦吉剛】