検事総長を12日付で退任した畝本直美氏(64)が、東京・霞が関の最高検で記者会見した。約2年間の任期中に相次いだ不祥事について「検察運営の最終責任者として誠に遺憾であり、申し訳ない」と謝罪した。同日付で就任した川原隆司氏(61)も会見し、「国民の皆さまの信頼に応えられるよう、全力を尽くしたい」と語った。
畝本氏は、就任直後から取り調べ適正化に力を入れ、在宅事件にも録音録画を導入したと振り返り、「真実の追究と手法の公正を両立すべきだ」と指摘。検事のモラルが問われる不祥事には「徹底した研修で倫理観を意識付けていくことが大事だ」と語った。
静岡一家4人殺害事件の再審を巡り、控訴断念時に発表した総長談話については「判断のプロセスを示したもので、(袴田巌さんを)犯人視するものではない」とした。
初の女性総長としての成果を問われると「女性ならではの視点というものはない。短期的課題の対処に追われ、中長期的な課題に対応できなかった」と悔しさをにじませた。
一方、川原氏は相次ぐ不祥事への対応を問われ、「高い倫理観を持ち、適正に検察権を行使することが重要だ」と強調。匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による凶悪事件を挙げ、「警察など関係機関と連携協力し、安全安心な社会の実現に努めたい」と抱負を語った。 [時事通信社]
倒壊した自宅の前でピース 新聞掲載写真を加工・拡散された被災男性、ネットで中傷被害
最大震度7を観測した7月の熊本地震で被害を受けた男性が、勝手に加工された写真をインターネット上に流布される二重被害に苦しんでいる。新聞社の取材を受け、唇をかみしめる表情を捉えた写真がネット記事に掲載された後、何者かによってピースサインをして笑ったような表情に加工された画像がSNSで拡散。本人だけでなく被災地全体を冒(ぼうとく)するようなコメントもある。
自宅倒壊、弟は生き埋めに
二重被害を受けたのは、最大震度7を観測した熊本県氷川町に住む男性(72)。「二度と同じことが起きないようにしたい」と産経新聞の取材に応じた。
男性は、母(96)と弟(69)の3人暮らし。スーパーで買い物中に地震が発生した。急いで帰宅すると、木造2階建ての1階部分が完全につぶれていた。
近所の人から弟が中にいると聞き、男性は必死に呼びかけた。「どこさえー」。中は暗く姿は見えなかったが、玄関前の廊下あたりから「ここ」と返事があった。
隙間は20センチほど。消防や警察に通報したがつながらなかった。「自分たちしか助けられない」。男性がリフトを借りてきてがれきを持ち上げると、周囲の人がチェーンソーで木材を切り隙間に立てて空間を作ってくれた。弟の右腕はタンスのようなもので挟まれ骨折し大きく変色していたが、4時間がかりで何とか救出できた。
警察に被害届
その後、男性には多くの取材依頼があり「現状を伝えて支援につなげられれば」との思いで積極的に引き受けた。
「おっちゃん、こんなのが出てるよ」。取材から数日後、近所の人から1枚の写真が載ったSNSの投稿を見せられた。写っていたのは、倒壊した自宅の前で笑顔でピースサインをする自分の姿。毎日新聞に掲載された写真が何者かによって加工されていた。人工知能(AI)を使ったとみられ、自分自身でも信じてしまうようなリアルさに衝撃を受けた。
投稿にはこんな文章も添えられていた。《もっとたくさん被害出たらいいのにな》《熊本のやつらタダで飯食ってるんじゃねーよ》。度を越した言葉に耐えかね、警察に被害届を出した。
亡くなった知人、地域を背負って戦う
男性はさらなる二次被害を生むのを恐れ、取材を断るようになった。
だが、地震で亡くなった知人の葬式で心が変わった。近くに住み、散歩時などによく言葉を交わす間柄だった。遺影を前に、投稿に書かれた言葉を思いだし、「好きで死にたい人なんかいない」と怒りが込み上げてきた。「自分ひとりの問題ではなく地域が侮辱されている。なんとか逮捕できないか」。地域を背負って戦う覚悟を決めた。
男性は「災害にあった人や地域を傷つける行為が今後は起きないようにしたい」と力を込める。そして、犯人にはこう問いただしたいという。
「あなたはここに来て、この惨状を見ても同じことができますか?」
(長谷川毬子)
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毎日新聞社は11日、産経新聞の取材に対し「問題の画像は毎日新聞デジタルに掲載された写真を改変したものである可能性が極めて高いことを確認した。当社の著作権を侵害する行為である上、被災者の尊厳を傷つけるものだ。法的措置も視野に対応を検討している」との見解を明らかにした。
辺野古「反対の民意守り抜く」=玉城氏が政策発表―沖縄知事選
沖縄県の玉城デニー知事(66)は12日、那覇市で記者会見し、県知事選(9月13日投開票)に向けた基本政策を発表した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について「反対の民意を守り抜く」と改めて訴えた。
玉城氏は「辺野古(の代替施設)はいつできるのか、(費用が)いくらかかるのかを政府は明言できない」と批判。「政府との対話の場をしっかり構築するよう、これからも強く求めていきたい」と強調した。南西諸島での自衛隊増強や長距離ミサイル配備に反対する立場を明確にした。
既存の支援制度の対象とならない生活困窮者を支える基金の設置なども掲げた。
知事選には3選を目指す玉城氏のほか、自民党などが推薦する古謝玄太・前那覇市副市長(42)や下地幹郎元衆院議員(64)らが立候補を表明している。 [時事通信社]
イオンモール熊本爆発で2人犠牲「ハビタ」、遺族への「補償を模索」 第三者委も「検討」
7月28日に最大震度7の揺れが襲った後にイオンモール熊本(熊本県嘉島町)が爆発し、従業員2人が亡くなった同施設内の雑貨店を運営する「ハビタ」が12日、産経新聞の電話取材に応じ、「遺族への補償を模索していく」との考えを明らかにした。同社は今後、第三者委員会の設置についても検討する。
同社管理部の担当者は「2人が犠牲になった責任を重く受け止め、遺族に寄り添っていく。どういった形になるかわからないが、補償を模索していく。イオンとの協力も含めて考える」と述べた。
また、外部の専門家による第三者委員会の設置について、「爆発の事実関係について社内調査し、内容に公平性を保つために第三者の目を入れることを検討中。ただ、実施についてはまだ決定段階ではない」と説明した。
同社によると7月28日の地震発生後、イオンモール外に避難した従業員に対し、売上金を金庫に移すよう指示。その後の爆発で従業員だった大竹玖瑠美さんら2人が亡くなった。
公明・坂口力氏死去、92歳=初代厚労相、ハンセン病控訴断念
元公明党衆院議員で初代の厚生労働相を務めた坂口力(さかぐち・ちから)氏が7日午後11時54分、老衰のため高松市内の老人ホームで死去した。92歳だった。三重県出身。葬儀は近親者のみで行った。喪主は次女の喜多廣美(きた・ひろみ)さん。同党が12日に発表した。
医師出身。1972年衆院選の旧三重1区で初当選。細川内閣で労働相として初入閣した。森内閣で省庁再編後の初代厚労相に就き、小泉内閣でも留任。2001年5月、国が被告となったハンセン病訴訟の控訴断念で、小泉純一郎首相(当時)の決断を後押しし、原告団らに謝罪した。
当選11回。党では副代表を務めた。12年衆院選に出馬せず政界を引退した。がんを患った自身の経験を踏まえ、16年に「免疫の力でがんを治す患者の会」を設立し、免疫療法の普及に努めた。
公明の竹谷とし子代表は「どこまでも民衆に寄り添い抜いた姿は後進の者が永遠に範とすべき道しるべとなっている」とのコメントを発表した。 [時事通信社]
「交番ができてうざかった」 警察官に向け花火発射、盗難バイクで襲撃 男子中高生逮捕
原付きバイクを盗み、交番に打ち上げ花火を発射したとして、警視庁西新井署は12日、窃盗と公務執行妨害の疑いで、いずれも東京都足立区の、高校1年の少年(15)と中学3年の少年(14)を逮捕した。いずれも調べに対し、「最近、交番ができてうざかったので痛い目に遭わせてやろうと思った」などと容疑を認めている。
逮捕容疑は7月4日午前2時ごろ、埼玉県草加市の駐車場から40代の男性の原付きバイクとヘルメットを盗んだ上、約3時間後に東京都足立区の西新井署島根交番で立番警戒中の警察官へ花火を発射。その約5分後には同区の竹の塚署竹の塚駅前交番でも同様に発射し、警察官の職務執行を妨害したとしている。
西新井署によると、両容疑者はバイクをドライバーなどで解錠したという。事件後はバイクで逃走したが、同日午前5時45分ごろ、区内のアパート敷地内で西新井署員に確保された。現場では別のバイクが追随するような様子も確認されており、関連を調べる。
元プロテニス平木理化容疑者を再逮捕=詐欺未遂、容疑否認―高知県警
SNSを利用した詐欺に関与して現金をだまし取ろうとしたとして、高知県警宿毛署は12日、元女子プロテニス選手の会社員、平木理化容疑者(54)=千葉県白井市堀込=を詐欺未遂容疑で再逮捕した。「全く心当たりはありません」と容疑を否認しているという。
再逮捕容疑は2022年2月上旬~5月30日、氏名不詳者と共謀し、山梨県に住む当時70代の女性から現金約140万円をだまし取ろうとした疑い。
同署によると、女性は22年2月上旬、国際医師としてウクライナの戦地で働く男を名乗る人物とSNSで知り合った。「日本に帰りたい」「荷物を送りたいので、運送会社に私の妻として連絡を取ってもらいたい」などと頼まれ、「荷物を受け取るには300万円が必要」と伝えられたため、約140万円を平木容疑者名義の銀行口座に振り込んだが、取引停止されていたため返却されたという。
平木容疑者は7月、鹿児島市の当時50代の女性から現金30万円をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕されていた。 [時事通信社]
日航機墜落事故から41年 墜落時刻の午後6時56分に黙祷 朝から162人の遺族が慰霊登山 高齢化で「記憶の継承」に課題も
520人が犠牲となった日航機の墜落事故からきょうで41年。墜落現場の近くでは慰霊式典が行われています。取材を担当した寺島記者が現場からお伝えします。
事故から41年となりました。2日間、取材をしていて感じた課題は「記憶の継承」です。背景には遺族の高齢化もあります。
御巣鷹の尾根への道はとても険しく、「いつ登れなくなるかわからない」と話す人も少なくありません。「若い人は事故を知らない人も多いのでは」と風化を心配する声も聞きました。
一方、取材の中で印象に残ったのは、ある遺族の「ここで遺族がお互いに笑いあえる日が来るなんて思わなかった」という言葉です。
慰霊登山には日航機墜落事故の遺族だけでなく、東日本大震災や「津久井やまゆり園」の事件など、さまざまな遺族が訪れています。「8月12日」はそうした多くの人にとって、悲しみを共有し、広く安全を願う大切な日になっています。
二度と事故を起こさないために、「何十年」の節目だけでなく41年目も、42年目も忘れないことが大切だと感じた2日間でした。
首相、終戦の日靖国参拝見送りへ 中韓米に配慮、亀裂回避
高市早苗首相は、15日の終戦の日に合わせた靖国神社(東京・九段北)参拝を見送る方向で調整に入った。複数の関係者が12日明らかにした。参拝すれば改善基調にある韓国との関係や、日米韓3カ国の連携に深刻な亀裂を生む恐れがあった。中国の強い反発も予想されたため、外交上の配慮が必要だと判断したもようだ。熊本地震の復旧・復興対応に専念する。
首相は就任前、保守層を意識し、閣僚在任中を含めて終戦の日や、春秋の例大祭に靖国神社を参拝してきた。一方、首相就任直前だった昨年10月の秋季例大祭と今年4月の春季例大祭は参拝を見送った。いずれも私費で玉串料を奉納した。
日本国旗損壊罪法が施行 拘禁刑2年以下か罰金
日本の国旗を傷つける行為を処罰する日本国旗損壊罪法が13日、施行された。「人に著しく不快、嫌悪の情を催させる方法」で公然と国旗を損壊、除去、汚損した場合に2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科す。国会審議では、憲法が保障する「表現の自由」の侵害や、拡大解釈による適用への懸念が指摘された。警察庁は、立件の可否を慎重に検討し組織的に判断するよう都道府県警に通達している。
国旗損壊罪の創設は高市早苗首相が首相就任前から提唱し、昨年10月の自民党と日本維新の会との連立政権合意書に盛り込まれた。「国旗を大切にする国民感情の保護」を目的に、自民、維新、国民民主、参政4党が先の特別国会に共同提出し、7月17日に成立した。
処罰対象は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案すると規定。適用に当たって表現の自由など憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないよう留意するとされた。付則では、施行後3年をめどに状況を勘案し、必要がある場合は所要の措置を講じるとした。