物価高対策で消費税減税を掲げた立憲民主党の野田佳彦代表は、与党の苦戦ぶりに「国民が石破内閣に不信任を突きつけた」と強調した。立民が議席微増の情勢には表情を変えず「激戦区も多い」と述べるにとどめ、結果を見守りたいとした。
政権交代に関する質問に「まずは野党連携だ。各党と誠意ある対話をしたい」と語った。参院選後の物価高対策については「最大公約数を見つけて減税まで持って行く。それをまとめるのが野党第1党の責任だ」と意欲を見せた。
午後9時45分ごろ、東京・永田町の党本部では、野田氏が当選を決めた候補者の名前が書かれたプレートをボードに掲げた。カメラマンから「笑顔で」と声をかけられても、応じなかった。
続投宣言も政局流動化=自民内、強まる「石破降ろし」【25参院選】
自民、公明両党は20日投開票の参院選で、非改選を合わせた過半数の維持が微妙な情勢だ。石破茂首相(自民総裁)は「謙虚に真摯(しんし)に受け止めなければいけない」としつつも続投の意向を宣言。ただ、両党で「50議席」の獲得目標を下回る結果になれば、自民内で辞任論が強まるのは必至だ。「ポスト石破」を見据えた動きも水面下で始まっており、政局は不透明さを増しつつある。
「国家に対する責任、比較第一党としての責任は果たさなければならない」。首相は20日夜、テレビ各局の番組出演でこわばった表情を浮かべつつ、続投の考えを繰り返した。「今さえ良ければいいという話には絶対にならない」とも述べ、消費税減税で足並みをそろえた野党への対抗心をむき出しにする場面もあった。
首相はこの日、慌ただしく動いた。午前は東京都内のキリスト教会で礼拝に参加。午後は衆院議員宿舎に入り、自民の森山裕幹事長と1時間余り会談したもようだ。その後、首相公邸に移って赤沢亮正経済再生担当相から日米関税交渉の報告を受け、林芳正官房長官とも会談。政権幹部と擦り合わせ、続投方針を固めたとみられる。
昨年の衆院選で少数与党に転落した自公にとって、参院選での非改選と合わせた過半数維持は「最終防衛線」(自民関係者)の位置付け。突破されれば衆参とも野党が多数を握り、自公による政権維持自体が危ぶまれる。
ただ、野党内も一枚岩とは言い難い。衆参とも少数与党になれば、政権運営は困難を極めるのは避けられず、「誰が代わりになっても展望が開ける見通しはない」(政府関係者)ことも、首相の判断を後押ししたようだ。
一方、自民内では首相に批判的な議員らが近く、緊急に会合を開く予定で、総裁選を視野に入れた動きが活発化しつつある。20日夜から21日未明にかけては麻生派が都内で会合を開催。麻生太郎最高顧問は終了後、記者団から「首相は続投の意向だが」と問われたが、無言を貫いた。
「あまりにも変数が多すぎて、この先どうなるか誰にも分からない」。麻生派会合に出席した鈴木俊一総務会長はこう語った。 [時事通信社]
首相続投で不信任案提出を視野 立民野田氏、野党連携強化図る
立憲民主党は物価高を巡る石破政権の対応を「無策」と批判し、原則1年の食料品の消費税率0%やガソリン税の暫定税率廃止を前面に訴えた。改選1人区は主要野党間で候補者すみ分けに努め、比例代表と合わせて改選22議席からの上積みを目指す。野田佳彦代表は目標とした与党の改選過半数割れを果たした上で、他の野党との連携強化を図る考えだ。
野田氏は20日の民放番組などで、続投の意向を示した石破茂首相は辞任すべきかどうかを問われ「民意として政権にノーの意思表示が表れた。それを受け止めていくべきだ」と指摘。首相が続投する場合の内閣不信任決議案提出について「当然視野に入ってくる」と述べた。
維新「全国的には厳しい結果」 吉村代表
国民民主党や参政党の野党が大きく議席を伸ばす中、改選6を維持した日本維新の会の吉村洋文代表は20日夜、大阪市内で開いた記者会見で「全国的には非常に厳しい結果」と述べた。関西の選挙区では3議席の獲得を確実にし「土俵際で踏みとどまった」と評した。
開票センターを設置した大阪市北区のホテルには多くの報道陣が詰めかけた。昨年の代表就任後初の国政選挙となった吉村氏と前原誠司共同代表、岩谷良平幹事長が午後9時過ぎから記者会見し、当選確実が伝えられた立候補者名と花が印刷されたボードを硬い顔つきで掲げた。
山梨、国民新人の元知事国政復帰 自民現職は敗北
山梨選挙区は国民新人の元山梨県知事後藤斎氏が、3選を目指した自民現職の森屋宏氏らを破り、初当選を確実にした。自民が同選挙区で敗北するのは2016年以来。後藤氏は15年の知事就任前に衆院議員を4期務めており、国政復帰が確実となった。
後藤氏は元知事の知名度と好調な党勢を生かし、無党派層に浸透。玉木雄一郎代表ら党幹部も連日応援に駆け付けた。
森屋氏は、かつて対立関係にあった長崎幸太郎知事の協力も取り付け、県内全域で総力戦を展開。派閥裏金事件以降続く自民への逆風がやまず、届かなかった。
政権交代、24%が期待=自公継続は18%―参院選出口調査【25参院選】
時事通信が20日に行った参院選の出口調査で、どのような政権の在り方を選挙後に期待するか尋ねたところ、「野党中心の政権に交代」が24.3%で最多だった。「自公政権が継続」は18.4%にとどまった。今後、政権枠組みを巡る与野党の駆け引きに影響する可能性がある。
3番目に多かったのは「自公政権に国民民主党が参加」の9.6%。「自公政権に立憲民主党が参加」7.0%、「自公政権に日本維新の会が参加」5.1%と続いた。35.5%は「この中にはない、分からない」と答えた。
比例代表で投票した政党別にみると、自民党に投票した層では自公政権継続が61.2%に上り、以下、国民民主の政権参加6.6%、立民の政権参加4.7%、維新の政権参加4.1%、政権交代2.0%の順だった。立民に投票した層では、同党が自公政権に参加する大連立が34.3%とトップで、政権交代は31.2%だった。
参政党に投票した層では政権交代が40.1%と最も多かった。 [時事通信社]
関税交渉「選挙結果影響なし」=訪米向け、石破首相と面会―赤沢担当相
赤沢亮正経済再生担当相は20日、日米関税交渉について、「国益最優先でやってきており、(参院選の)選挙結果が特に影響することはない」と述べた。石破茂首相と公邸で面会した後、記者団の取材に応じた。赤沢氏は8回目の関税交渉のための訪米に向けた準備状況などを報告。首相からは日米双方が納得する合意ができるよう、精力的に協議を続けるよう指示されたという。
赤沢氏は記者団に対し、関税交渉のため週明けにも訪米する意向を改めて示す一方、具体的な日程については「調整中」と述べるにとどめた。米国は8月1日に日本に対し25%の相互関税を課す方針。「交渉事は期限までにまとめようとした方の立場が弱くなる」と述べ、同日を交渉の期限とは見なさない考えを示した。
石破首相は20日夜の民放番組で、赤沢氏から「あす(21日)訪米すると聞いている」と明かした上で、「とにかく国益を懸けて全力で交渉に臨むということだ」と述べた。 [時事通信社]
東京選挙区で牛田茉友さん初当選「現役世代の声を政策に実現」…元NHKアナウンサー
初当選を決めた国民民主党新人の牛田茉友さんは、新宿区の会場で支持者らと万歳して喜びを分かち合い、「選挙活動でいただいた現役世代の声を政策として実現する」と宣言した。
NHKアナウンサーとして自殺防止の取り組みなどを取材するうち、「ニュースを伝えるだけでなく、根本的な解決を図りたい」と国政挑戦を決意。選挙戦では若者の孤独・孤立対策を主張したほか、いじめを受けた自身の体験も紹介し、「当事者の気持ちがわかる私をこの問題に向き合わせてほしい」と訴えた。
大分選挙区、元社民党党首で立憲民主党の吉田忠智氏が当選…341票差で敗れた補選の雪辱果たす
参院選大分選挙区(改選定数1)で、立憲民主党の吉田忠智氏が当選した。
吉田氏は当選3回目。大分県職員や県議を経て、2010年参院選に社民党公認で出馬し、比例で初当選した。同党党首や幹事長を務めたが、20年に離党。立憲民主党に合流し、現在は県連代表を務めている。
23年の参院補選では、今回選挙でも立候補している自民党の白坂亜紀氏に341票差で敗れた。
石破首相、消費税減税に改めて否定的な考え…「社会保障ないがしろにしてはいけない」
石破首相(自民党総裁)は20日夜のフジテレビの番組で、消費税減税に関して「社会保障の財源は一体どこから持ってくるのか。恒久的な財源として確保できなければいけない。社会保障をないがしろにしてはいけない」と述べ、改めて否定的な考えを示した。
日本テレビの番組では、米国が日本に課す「相互関税」を25%に引き上げる期限が8月1日に迫っていることに言及し、「それまでに全身全霊で立ち向かっていかなければならない」と語った。