「敗北認めざるを得ない」立花氏 NHK党、「引退」は撤回

政治団体「NHK党」は全45選挙区と比例代表に候補者を擁立し、公選法上の政党要件に必要な全国の得票率2%を目指して活動を繰り広げた。支持者とともに開票状況を見守った立花孝志党首は21日未明、「2%は厳しい。国政政党に戻ることは99%ない。敗北を認めざるを得ない数字になっている」と悔しさをにじませた。
兵庫選挙区に立候補した立花氏は公示後、自身が落選し政党要件も満たさなければ「政治家を引退する」と宣言したが、投開票日直前に撤回。20日夜は神戸市内で記者団の取材に応じ、自身の当選は望めないと述べた。

参政「日本人ファースト」が奏功=自公連立入り否定【25参院選】

参政党は、参院選で10議席以上を確保し、予算を伴わない法案の単独提出が可能となった。「日本人ファースト」を旗印に、外国人規制の強化などをアピール。SNSを駆使して自民党支持の保守層に浸透を図ったことが奏功した。
神谷宗幣代表は21日未明の記者会見で、自公政権との連立について「今のところ全く考えていない」と否定。野党連携に関しては「いい枠組みをつくり、国民のためになるなら党員に諮る」と述べた。
これに先立つNHK番組では「次の衆院選で合計50、60議席を取ることができれば、欧州のような小政党の連立内閣が実現する。その一角を目指したい」と展望を語った。
参政は、2022年の参院選で神谷氏が初当選し、国政進出を果たした。昨年の衆院選で3議席、今年6月の東京都議選で3議席を獲得。今回の公示前に現職の参院議員が1人加わり、テレビ討論などへの出演が増えた。全選挙区に候補者を立て、発信を強めた。
排外主義を連想させるキャッチフレーズや教育勅語の尊重、男女共同参画の否定など、参政の主張は主要メディアで批判的に取り上げられる場面も目立った。一方、SNSなどでは支持者が擁護論を展開。神谷氏は会見で「明らかに切り取りもあり、国民が『これはおかしい』と疑問を持つきっかけになった」と強調した。
米国ではトランプ大統領が「アメリカ・ファースト(米国第一)」を唱え、欧州各国でも厳しい移民政策を掲げる右派政党が拡大傾向にある。参政躍進の背景には、既存の主要政党に対する世論の不満もあったとみられる。 [時事通信社]

自公、過半数に微妙な情勢 与党大幅減、首相は続投表明

第27回参院選は20日、投開票された。自民、公明両党は計66の改選議席を大幅に減らした。非改選75を含め参院全体で過半数(125議席)を割るかどうかは微妙な情勢だ。物価高対応への批判が響いた。石破茂首相(自民総裁)は続投する意向を表明した。野党第1党の立憲民主党は改選22からの上積みを図るが不振。国民民主党は改選4から増やし、16議席を確保した。参政党は改選1から12議席まで伸ばした。
選挙戦では米政権の高関税措置への対応も争点となり、事実上の政権選択選挙と位置付けられた。昨年の衆院選で大敗し少数与党に転じた自公が参院でも過半数を割れば、首相の政権運営は一層困難になる。自公が参院全体の過半数を確保するためには50議席獲得が必要で、首相は「必達目標」としていた。
首相はテレビ番組で、8月1日に日米関税交渉の期限が来ると言及し「全身全霊で立ち向かっていかなければならない」と述べた。
一方、立民の野田佳彦代表はテレビ番組で「石破政権に国民はノーという意思表示をした」と強調。野党の非改選は野党系無所属議員を含め48で、77議席を得れば与党の過半数割れが実現する。
自民は改選52、公明は改選14からそれぞれ後退し、計10以上減るのは確実だ。日本維新の会は改選6を維持した。共産党は改選7から減らした。れいわ新選組は改選2から3に増やした。日本保守党は2議席、政治団体の「チームみらい」は1議席を得た。社民党、政治団体の「NHK党」は議席獲得の可能性がある。みんなでつくる党は議席に届かなかった。
立民、維新、共産、国民は全国32の改選1人区で候補者の一本化を進め、17選挙区で自民と野党による事実上の一騎打ちに持ち込んだ。政権批判票の分散を防ぐ効果があったとみられ、自民は14勝18敗と負け越した。参政は全選挙区に擁立した。国民、参政両党は交流サイト(SNS)の活用も奏功した。
今回の参院選は、改選124(選挙区74、比例代表50)と東京選挙区の非改選欠員1補充の計125議席を争った。
共同通信社が21日午前2時現在で集計した推定投票率(選挙区)は58.52%となった。最終的な投票率は、前回2022年の52.05%を上回る見通しだ。

復興へ1票、鶴保発言に歯がゆさ 能登半島の有権者

ブルーシートで覆われた建物に、ひび割れた道路。昨年の地震の爪痕が今も残る石川県能登半島の有権者たちは、未来を託し、参院選に1票を投じた。だが復興に関する論戦は埋没気味で、期間中には自民党の鶴保庸介参院議員が「運のいいことに能登で地震があった」と発言。憤りや歯がゆい思いをにじませる。
珠洲市の80代男性は、石川選挙区で当選した自民党現職の宮本周司氏(54)に投票した。「能登では昔から自民党が強いから、ずっと投票している。簡単に気持ちは変わらない」と明かす。
地震で自宅が全壊し、現在は仮設住宅で暮らす。鶴保氏の発言に「あり得ない。被災地の現状を見たら、あんな発言が出てくるはずがない」と憤りを隠さない。それでも「復興には政策を実現できる強い政党が必要だ」と話し、現政権下での復興の継続を望んだ。
被災地で店を営む40代男性は復興の遅れに不満があり、落選した野党候補に1票を託した。「人口の少ない能登で地震が起きたと思っているから出たのだろう。自民党の本音ではないか」。鶴保氏の発言の背景には、国会のある東京と被災地との温度差があると指摘する。

「衆参両院で負けた石破総理は辞めるべき」自民党大阪府連会長の青山繁晴氏が石破総理を痛烈批判 自身の会長辞任意向も表明

自民党で大阪府連会長を務める青山繁晴参議院議員が参議院・大阪選挙区での自民候補の落選を受け、会長を辞任する意向を明らかにしました。
20日に投開票された参議院選挙で大阪選挙区に出馬した元衆議院議員の柳本氏の落選が20日深夜、決まりました。自民が大阪選挙区で議席を失うのは27年ぶりです。
この結果を受け、取材に応じた青山氏は「大阪における敗北の責任はすべて府連会長の私にある」などとして府連会長を辞任する意向を表明しました。
その上で、自民が大幅に議席を減らし与党で過半数割れする可能性が高いことについては、「(石破政権は)衆参両院で負けたことになる。石破総理は身を処されるべきであり辞めるべきだ」と話し、退陣を求めました。
また、石破総理が続投の意向を示していることを受け、「衆参両院で有権者から否認された政権が、どうやって日本国益を代表して米・トランプ大統領と交渉するのか」と痛烈に批判しました。

国民新人に自民18年ぶり敗北 改選1の富山選挙区

国民新人の庭田幸恵氏が初当選した。富山県選挙管理委員会によると、衆参合わせて県内選挙区で女性が勝利したのは初めて。自民現職の堂故茂氏は3選を果たせなかった。自民にとっては、2007年以来、18年ぶりの敗北となった。
庭田氏は、党幹事長の榛葉賀津也氏が公示後に計3回、選挙区入りするなどのてこ入れが奏功。国民支持層を固めた上、立民の支持層にも浸透した。
堂故氏は、足元の支持層固めが進まなかった。6月末には高岡市長選が保守3分裂選挙となり、自公推薦の現職が敗北。衆院富山1区選出の田畑裕明氏を巡る不適切な自民党員登録問題も影響したとみられる。

自民、閣僚経験者ら相次ぎ落選 森氏は当選、明暗分かれる

自民党は、閣僚経験者らが相次いで敗れた。選挙区で武見敬三前厚生労働相(東京)や平野達男元復興相(岩手)、官房副長官を務めた森屋宏氏(山梨)が敗北した。一方、自民の森雅子元法相(福島)は当選を決め、明暗が分かれた。比例代表では、立憲民主党の元職蓮舫氏が返り咲いた。
国民民主党が公認を見送り、東京選挙区に無所属で立候補した山尾志桜里氏は負けを喫した。参院選前に日本維新の会を離党し、参政党の比例代表で立候補した梅村みずほ氏は当選が決まった。
維新の政調会長を務めた音喜多駿氏(東京)は落選。立民の長浜博行参院副議長(千葉)は当選した。

大阪選挙区で当選の参政党・宮出千慧氏「しがらみのない政党として期待されたのでは」

参院選大阪選挙区(改選定数4)で参政党新人の宮出千慧氏(40)は20日夜、当選を決め、大阪市内で支援者らを前に「これまでの政治を変えてという声を多くもらった。しがらみのない政党として期待されたのではないか」と述べた。
昨秋の衆院選では大阪1区から立候補するも、当選に及ばなかった。参院選への出馬が決まると、府内で街頭演説をこまめに実施し、知名度向上につなげてきた。
選挙期間中、神谷代表も大阪入りして無党派層にアピール。SNSでも「行くで!やるで!宮出!」を合言葉に発信を強化し、浸透を図った。
党が掲げる「日本人ファースト」を前面に打ち出した。消費税の段階的な廃止や社会保険料の見直しで、低迷している経済の立て直しを図ると訴えた。

【参院選】各党のトップ、平日最後の訴え 第一声との変化は

参院選の最終盤、各党のトップの訴えには第一声から変化が見られました。
与党・自民党は、かつてない大逆風にさらされています。
自民党 石破総裁
「今度の選挙は、日本国中極めて厳しい。私たちは、その場限りのいいかげんなことは申しません。次の時代に責任を持つ。そして地域から新しい日本をつくる」
石破総裁は、選挙戦の初日には「物価高・経済」を最も訴えていました。終盤の情勢分析では与党の過半数の議席維持が厳しい情勢となっていて、この終盤戦、最も訴えたのは政党や候補者のアピールでした。
第一声で「コメ政策」におよそ半分を費やした、立憲民主党の野田代表は…
立憲民主党 野田代表
「(今)どんどん、どんどん値上げラッシュ(の状態)。食料品では消費税8%かかっている、それを8→0にしようと。ガソリン税の暫定税率の廃止。物価高の折だからこそ、決断すべき時じゃありませんか」
半分近くを割いて訴えたのは食料品の消費税0パーセントなどの「物価高・経済」でした。
日本維新の会の吉村代表は地元・関西で演説しました。
日本維新の会 吉村代表
「身を切る改革をやり、改革で財源を生み出す。赤字を黒字に変え、そして未来に投資をする。これをやってきました。何をやったか、ぜひ見てもらいたい」
公示日と同じく「身を切る改革」など、これまでの実績をアピールしました。
目標の16議席を上回る可能性がある国民民主党は…
国民民主党 玉木代表
「日本に生まれた子供たちに『日本にようこそ』と言ってあげたい。偉そうに『困ってるんだったら2万円配ってやる』そうじゃなくて、取って配って無駄が生じるんだったら最初から取らない。取らないで残す、皆さんの懐に」
玉木代表は「物価高・経済」を最も訴えつつ、「教育・子育て」など他の政策に触れる変化もありました。
公明党は「改選14議席」の確保が厳しい情勢のなか…
公明党 斉藤代表
「今の状況は9回裏2アウト。皆様がバッターです。私もバッターです。どうか一緒に逆転ホームランを打とうじゃありませんか」
訴えに大きな変化がありました。「物価高・経済」について触れず、演説の7割が政党や候補者アピールでした。
堅調な戦いぶりのれいわ新選組は、一貫して…
れいわ新選組 山本代表
「れいわ新選組が1丁目1番地で、皆さんにぜひこれをやらせてくださいというのは、消費税の廃止です。消費税の廃止は可能です」
変わらず「消費税廃止」を掲げて、主に2つのテーマに絞って支持を訴えました。
不振が続く共産党の田村委員長は…
共産党 田村委員長
「まさに宝の議席です。今、追いついてきた。あと1歩、あと2歩、あと3歩、あと10歩どんどん広げて、この選挙、自民党に打ち勝っていこうではありませんか」
消費税の減税・廃止など「物価高・経済」が減り、現職候補のアピールなどに力を入れました。
支持を急速に拡大し、今回の参院選の“台風の目”となった参政党は…
参政党 神谷代表
「日本人なめるなよ。日本を愛する日本人をなめるなよ。日本を強くする。今までの戦後のやり方を全部変える、教育を変える」
「日本人ファースト」などの政党アピールが最も多く、また他の党の批判がおよそ2割にのぼるという特徴も見られました。
保守的な政策を掲げる日本保守党の百田代表。
日本保守党 百田代表
「日本人はね、世界最高の民族だと思いますよ。この日本人がね、これだけ一生懸命働いてるのに、その日本が30年間全く国民の所得は平均所得が上がらない」
「物価高・経済」や「外国人政策」が多い傾向は変わりませんでした。
そして、政党として後がない社民党…
社民党 福島党首
「社民党、崖っぷちの選挙です。2%比例区で取れないと、実は政党要件を失います。なんとしても国会に残り、憲法を守り、いかして生活を応援する」
福島党首は初日と変わることなく、「党の生き残り」などを強く訴えました。
このほか、「NHK党」「再生の道」「チームみらい」などが、選挙区と比例代表に候補者を擁立。参院選の投開票は、20日(日)に行われます。
※7月19日(土)午前0時05分(金曜深夜)放送『news zero』より

24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】

福岡市の自宅にて今年1月、医療的ケアが必要な長女・心菜さん(当時7歳)の人工呼吸器を外し殺害したとして、殺人の疑いで起訴された母親・福崎純子被告(45)。福岡地裁で今月11日、福崎被告の裁判員裁判が始まり、18日に懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決がくだされた。検察側の求刑は懲役5年だった。
心菜さんは「脊髄性筋萎縮症」と診断され、24時間態勢で介護が必要な「医療的ケア児」だった。弁護側は、母親がこれまで努力を重ね、命をつないできたことを考慮するよう求めており、猶予付きの判決はその要求が考慮された結果だと言える。
7月14日の公判で行われた被告人質問で、被告人は我が子の命を奪ってしまった苦しい胸のうちを明かしていた。その内容は、介護現場で起きている問題点の根深さを感じさせるに十分な内容であった。ライターの普通氏がレポートする。【全3回の第1回】
静寂に包まれた分娩室
7月14日の公判で、被告人はゆっくりとした足取りで証言台に立った。そして弁護人からの質問に対して、一言ずつ噛みしめるように答えていった。
31歳で結婚した後、子を授かりたいというのは夫婦の願いだった。しかし、初めての妊娠では胎児に異常が見つかり、中絶の判断をした。2度目の妊娠でも、胎児に同様の異常が見つかったが、紹介された病院でさらに検査をした結果、「中絶する理由はない」と言われたこともあり、正常期に通常分娩で出産した。
しかし出産直後、被告人はすぐに異常に気付いた。赤ちゃんの泣き声は聞こえず、医師も看護師も言葉を発さず、分別室は静寂に包まれたと、被告人はそのときの様子を伝える。心菜さんはすぐに別の部屋に連れて行かれた。
医師から、心菜さんは脊髄性筋萎縮症(以後、SMA)0型と診断された。身体を自身で動かすことはできない、呼吸器がないと生きられない、残された命は長くて2~3年などと聞かされ、夫婦で泣き崩れたという。
「心菜のためならできることはなんでもしてあげたい」
その後、心菜さんは生命の危険もあった肺炎を2度経験。そこで夫婦は、呼吸器のチューブを、ケアが容易となる喉からの挿入とする切開手術を決断する。出産当初は予後が厳しいという意見から、「手術で娘を傷つけたくない」とためらっていたが、心菜さんの「生命力の強さを感じた」ことから手術に踏み切った。
出産から2年ほど経ったころ、それまで1時間に数度鳴っていた呼吸器のアラームが、機器を変えたことにより半減し、自宅で看られると感じるようになった。その後、被告人は約10か月病院に寝泊まりして、機器の使い方、急変時の対応などを学んだ。