九州自動車道で22日午前、スポーツクラブの大型バスが中央分離帯に衝突し、乗っていた中学生9人がけがをしました。
鹿児島県警によりますと、22日午前9時半ごろ、九州自動車道の栗野インターとえびのジャンクションの間の上りで、県内のスポーツクラブの大型バスが中央分離帯に衝突しました。
大型バスには、運転手とスポーツクラブに通う中学生17人の合わせて18人が乗っていました。
このうち中学生9人が病院に搬送され、1人がけがをしたほか、ほかの8人が打撲などの軽いけがをしました。
現場は2車線で、大型バスは追い越し車線を走行中に中央分離帯に衝突したとみられ、警察で運転していたスポーツクラブの従業員の68歳の男性から話を聞くなどして、事故の原因などを調べています。
茂木外相、ホルムズ海峡への自衛隊派遣「停戦状態になって機雷が障害だという場合に考える」
茂木外相は22日のフジテレビ番組で、事実上封鎖されているホルムズ海峡での機雷を除去するために自衛隊を派遣する可能性について問われ、停戦後に検討するとの認識を示した。「日本の機雷掃海の技術は世界最高だ。停戦状態になって機雷が障害だという場合には考えることになる」と述べた。
茂木氏は米ワシントンで19日に行われた日米首脳会談に同席した。自衛隊派遣を巡り、茂木氏は「具体的に約束をしたり、宿題を持って帰ってきたりしたことは全くない」と強調した。日米首脳会談で日本側から「アラスカ産原油を倍増するために日本も投資する」と伝えたとも明らかにし、「かなりトランプ大統領に響いた」と語った。
製材所で火事、被害は計10棟に 福井・あわら市
22日未明、福井県あわら市で製材所や隣接する住宅などを全焼した火事で、周辺の建物の部分焼などを含めると被害はあわせて10棟に及んでいることがわかりました。
警察と消防の調べによりますと22日午前0時10分ごろ、あわら市二面の島﨑製材所から火が出て、木造2階建ての事務所兼作業場と木造平屋建ての倉庫を全焼しました。
また製材所と隣接する住宅や飲食店などにも燃え移り、あわせて5棟が全焼しました。火はおよそ10時間後に消し止められましたが、周辺の建物の部分焼なども含めるとあわせて10棟に被害が及んでいます。
これまでの調べで火が出た当時、製材所には誰もいなかったということで、警察と消防では実況見分をして火事の原因を詳しく調べています。
高市首相ワシントン同行記者が見たウラ側 熱烈ハグ「ドナルドだけ」までの激動5日間
イラン情勢が緊迫化する中、日米首脳会談まで残り5日となった3月14日。日本政府を揺るがしたのは、トランプ大統領の「日本にも艦船派遣を期待する」との投稿だった。高市首相は、「憲法の壁」を背負いながら、いかにしてトランプ氏の懐に飛び込んだのか。政府専用機内でも重ねた推敲、ホワイトハウスで見せた熱烈ハグ、そして会談冒頭で放った“決めゼリフ”。高市外交の舞台裏を解説する。(政治部官邸キャップ・矢岡亮一郎)
3月14日午後11時4分、トランプ大統領の投稿が、太平洋を隔てた日本政府関係者にも衝撃を与えた。
One way or the other, we will soon get the Hormuz Strait OPEN, SAFE, and FREE! President DONALD J. TRUMP
いずれにせよ、我々はまもなくホルムズ海峡を「開放」し、「安全」で「自由」な状態にする! ドナルド・J・トランプ
Hopefully China, France, Japan, South Korea, the UK, and others
トランプ氏は投稿時、とりわけ声高に主張する際、大文字を好んで使う。日本を名指しして、イランが事実上封鎖するホルムズ海峡を開放し、安全で自由な航行ができるよう、強く求めた。
そもそも当初は、トランプ氏の中国訪問を前に「日本政府の中国への立場を改めて打ち込みに行く(外務省関係者)」ことが首脳会談の主眼だった。イラン情勢が緊迫化しても、3月上旬の段階である政府関係者は「日本が特別に貢献を求められる感じはない」と語っていた。
通常の日米首脳会談は、事務方がシナリオを描き、当日は大統領と首相による“セレモニー”になることが多い。しかし、トランプ大統領の投稿で、そのシナリオは一気に練り直しを迫られることとなった。政府関係者の一人はこう唸った「前代未聞の日米首脳会談になる」。
16日午後6時、首相官邸に、7時間の国会出席を終えた高市首相と官邸・外務省などの幹部が集まった。かつて安倍外交を牽引し、高市首相の信頼も厚い秋葉内閣特別顧問も加わった。この会議で「法的に出来ること出来ないことをしっかり伝える」との大方針が固まった。
出席者によれば「とにかく耐えるしかない」との意見も出たという。翌日の国会で高市首相は「法的に可能な範囲で何ができるか、精力的に政府内で検討している」と答弁した。
ところが。日本政府が出来うる対応の洗い出しに必死になる中、18日午前0時18分、トランプ氏は一転「支援は必要ない」と表明する。NATOなどから思い通りの協力を引き出せなかったからか、“逆ギレ”したかのような投稿だった。これに日本政府関係者からは「撤回とは全く思っていない」「トランプ流の駆け引きの一環かもしれない」との受け止めが相次いだ。
この日、高市首相は朝10時から国会での予算審議に約5時間出席。官邸に戻ると午後6時前からシンガポール・ウォン首相との首脳会談に臨み、合間には訪米前の打ち合わせもねじ込んだ。そして夜、10時12分、いよいよ高市首相を乗せた政府専用機が日本を出発した。
機体が水平飛行に入ると、ほどなくして首相は、随行員・記者団が座る機体後方に姿を見せた。外国訪問に向かう首相が、出発後の機内で挨拶に回ることは慣例。笑顔で一人一人と目を合わせ、リラックスした表情で「テレビで見てますよ」などと記者に語りかける場面もあった。
高市首相はこの後、国益をかけた首脳会談に向け、スイッチを切り替える。ワシントン近郊の空軍基地まで約13時間のフライト。機内の個室で、トランプ大統領に語りかける自身の原稿に、ペンを入れたという。首相は、国会答弁や自身の演説にじっくりペンを入れるこだわりを持つ。何をトランプ大統領に語りかけるべきか、機内で寸暇を惜しんで推敲を重ね、後述する“決めゼリフ”も固まった。
18日米東部時間午後10時前、政府専用機がアンドルーズ空軍基地に到着。実はこの機中で、ホワイトハウス側からの最新情報が首相一行に入った。当初、提案があったワーキングランチ(昼食会)と晩餐会の2回の食事のうち、ワーキングランチは取りやめるとの意向だった。
大統領の日程は“奥の院”と言われる首席大統領補佐官が管理する。内政から外交までを統括し、政権運営は内政中心に動く。外交日程は、直前まで確定しないことも多い。
当初、午前11時15分から45分までの30分間予定だった首脳会談を、1時間予定していたワーキングランチを取りやめることで拡大、首脳会談を当初の3倍の1時間30分かけて行いたいとの米側の申し出だった。政府関係者によれば、トランプ大統領の強い意向が働いたという。
首相周辺は「食の細い高市首相にとって、ランチ取りやめはラッキーだった。お陰で投資案件についても十分に話せた」と振り返る。高市首相は午後10時半すぎ、ホワイトハウスに隣接する要人の宿泊施設「ブレアハウス」に入った。
19日午前11時9分、高市首相は車列でホワイトハウス敷地内に到着。大統領警護隊が慎重にドアを開けると、出迎えたトランプ大統領に駆け寄ってハグをした。両手を広げて抱擁するトランプ大統領。首相周辺は「総理のハグを見た瞬間に、成功したと思った」と振り返った。
午前11時37分「オーバル・オフィス」と呼ばれる大統領執務室。暖炉の前に並べられた椅子に、トランプ大統領と高市首相が腰掛け、首脳会談がスタート。記者団は部屋の外で待機させ、招き入れるまでの5分間、トランプ大統領は、高市首相に、衆院選での圧勝を称える言葉を贈ったという。
11時42分、米メディア・日本メディアの記者やカメラマンが執務室になだれ込む。トランプ大統領は会談冒頭、カメラに向けて自由に発言することも多い。果たして自衛隊派遣要請はあるのか、注目の「冒頭撮影」が始まった。
しかし、ここでもトランプ氏は再び、高市首相の“選挙大勝”を称えた。「私が支持を表明していたことを大変誇りに思う」。トランプ氏は日本の衆院選の期間中、自身のSNSに高市首相を支持する投稿をしていたが、それが高市首相を歴史的大勝に導いたと言わんばかりに賞賛した。「非常に人気があり、力強く、素晴らしい人物だ」
これに呼応するように、高市首相は、機内で練り上げた決めゼリフを紡ぐ。「世界に平和と繁栄をもたらすことができるのは、ドナルドだけ。きょう私はそれを伝えにきた」。トランプ氏は、満面の笑みを返した。
カメラの撮影が始まってから、10分ほど。大統領は「Any Question?」と記者に質問を促した。日本政府が、最も警戒する時間帯に入る。米メディアの記者は、すかさず核心に迫った。「掃海艇も含めて、イランの問題への日本の支援に満足しているのか?」。
するとトランプ大統領は「彼らは本当に役割を果たそうとしてくれている」さらに「NATOとは違って」と日本を評価してみせた。トランプ大統領が、ホルムズ海峡への艦船派遣で否定的見解を示した欧州各国と、「法的にできることを検討する」とした日本への評価を鮮明に分けた瞬間だった。
公開された約30分間でトランプ大統領は日本に「日本のより積極的な貢献に期待する」とも述べた。カメラ退出後、会談の出席者によれば、高市首相は“正式な停戦合意までは自衛隊の派遣は難しい”との認識を伝え、トランプ大統領も日本側の説明に理解を示した。また複数の政権幹部は、高市首相が自衛隊の派遣は難しいと説明する際に、憲法9条の制約にも触れたという。
ただトランプ大統領は会談後、米FOXニュースの取材の中で「日本には憲法上の制約がある」としつつ「アメリカが必要とあれば支援してくれるだろう」「日本はNATOよりも優れた同盟国だ」とまで語り、日本の「貢献」に強い期待感を示している。
政権幹部の一人は語る。「この戦争は大失敗だ。イランの体制転覆なんて無理なのだから、早く収めた方が良い」「いま日本が考えなければならないのは、今回の戦争は、日本としてアメリカ・イスラエルと一緒に戦うべき戦争なのか。協力すべきなのか。そこを考えるべきだ。私は違うと思う」
日米首脳会談「評価する」約7割 「評価しない」を大きく上回る【NNN・読売新聞 世論調査】
NNNと読売新聞が行った世論調査で、日米首脳会談を「評価する」と答えた人は、およそ7割で「評価しない」を大きく上回りました。
世論調査で、高市内閣を「支持する」と答えた人は、前回、先月の調査からほぼ横ばいで、71%、「支持しない」と答えた人は20%でした。
日米首脳会談を「評価する」と答えた人は69%で「評価しない」の19%を大きく上回りました。
高市首相が、首脳会談で、イラン情勢の安定に向けて、日本が法律の範囲内で対応する考えを示したことについては、「評価する」が82%で、「評価しない」が13%でした。
イラン情勢を踏まえ、中東に海上自衛隊を派遣することについては、「賛成」が24%、「反対」が67%でした。
また、日本がアメリカに対して、11兆円を超えるエネルギー分野への投資をすることで合意したことについては、「評価する」が49%で、「評価しない」が36%でした。
高市首相が、国や石油会社などが備蓄する石油の放出を決めたことについては「評価する」がおよそ8割でした。
一方、来年度予算案については、「年度内の3月末までに成立させるべき」が30%、「年度内の成立にこだわらず、国会で十分に審議するべき」が64%でした。
政党支持率は、自民党が39%、連立を組む日本維新の会は2%でした。中道改革連合は2%、参政党は5%、国民民主党は4%、チームみらいは3%でした。
■NNN・読売新聞緊急世論調査
3月20日から22日 全国有権者に電話調査
固定電話 393人 回答率56%
携帯電話 619人 回答率33%
合計1012人が回答
高市総理日米首脳会談など終え帰国の途へ 最大の懸案「中東情勢」は課題残る
高市総理はトランプ大統領との首脳会談など一連の日程を終え、アメリカを出発しました。会談の成果と残った課題について同行した中島記者の報告です。
中東情勢が緊迫化する中、世界から注目された首脳会談ですが、「無傷で乗り切った」と評価する声が上がる一方、トランプ大統領からの要求に今後もどう応えていくのか、課題は残りました。
高市総理 「幅広い分野におきまして、同盟の質をまずさらに高める。多くの具体的な協力を確認することができました」
高市総理とトランプ大統領の首脳会談はおよそ1時間半おこなわれ、成果として、日本からアメリカへの総額5500億ドルの投融資の第2弾となる次世代の原発と呼ばれる小型モジュール炉の建設などで新たに合意に至りました。
また、日中関係が悪化する中、習近平国家主席との会談を前にしたトランプ大統領と対中国での認識を一致させました。
一方、課題が残るのが、最大の懸案だった「中東情勢」です。
ホルムズ海峡への艦船の派遣をめぐり、高市総理は「法律の範囲内でできること、できないことをハッキリ説明した」と話しましたが、トランプ大統領からどのような要求があったのか、詳細は明らかになっていません。
海外メディアは「高市総理は無傷で乗り切った」などと評価していて、ある政権幹部も「会談は成功した。良い会談だった」と安堵の表情は見せていました。
ただ、トランプ大統領は「日本には、より積極的に関与して欲しい」と話すなど、今後、さらに日本に対する要求が出てくることが予想されます。
帰国の途についた高市総理ですが、国益をどのように守っていくのか、今後も難しい選択が迫られることになりそうです。
「女性の斡旋を断った途端、嫌がらせがエスカレート」風俗店オーナーか告白、最凶スカウト集団「ナチュラル」との“絶縁”後に起きたこと《改正風営法でどう変わった?》
「法律云々とかではなく、スジの問題」。2025年6月施行の改正風営法で禁止された性風俗店からのスカウトバック。法令遵守の徹底を図るオーナーに、最凶スカウト集団「ナチュラル」の担当者はこうまくし立て……。
「私たちは法改正を機に、今後ナチュラルとは一切、付き合わないと決めたのです。ところが、女性の斡旋を断った途端、彼らの嫌がらせは日に日にエスカレートしていった。風俗店の中にはこれに耐えられず、違法行為と知りながら密かにスカウトバックを支払い続けている店もあるそうです」
こう語るのは、広島市の風俗店を経営するグループ企業代表のX氏だ。警察当局が「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の象徴として壊滅を図る史上最凶のスカウト集団「ナチュラル」。反社会的組織との決別を決意したX氏に対し、グループは執拗な嫌がらせを重ねていく――。
「スカウトバック」
中国地方最大の都市、広島市の歓楽街。人目につかない道路脇で待機していたデリヘルの送迎車に、若い男が乗り込んだ。帽子にマスクとサングラス、手には手袋がはめられていた。
素顔は見えないが、口調や雰囲気から2、30代だろう。運転手から分厚い封筒を手渡されると、中から札束を取り出した男は指紋を残さぬよう手袋をはめたままの指先で丁寧に1枚1枚数え始める。枚数確認を終えると、鞄から領収書を取り出し、金額に加えて自身の住所と名前、電話番号を記入。領収金額に応じた収入印紙を貼り付け、運転手に渡した。男は、運転手に礼を告げると、足早にその場から立ち去った。
これは、X氏の経営するグループ傘下のデリヘル店が、女性を紹介してもらう見返りに、ナチュラルの関係者へ紹介料として通称「スカウトバック」を手渡す場面である。
人を変え、場所を変え、毎月25日頃になると全国の歓楽街で風物詩として繰り返されてきたこうしたやりとりはしかし、ある時を境にパタリと途絶えた。
2025年6月28日。この日、施行された改正風営法は、スカウトたちの生態系を脅かすには十分過ぎたようだ。
「改正風営法では、性風俗店からスカウトに支払われる『スカウトバック』が禁止になりました。違反した場合は6カ月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、もしくは両方が科せられます」(社会部記者)
日本屈指の繁華街、東京・歌舞伎町の風景も一変。ハイエナの如く彷徨う無数のスカウトたちは激減し、ナチュラルをはじめ、食い扶持を奪われたスカウト集団の一部は、闇に潜り、先鋭化していったのだ。
《この続きでは、風俗店オーナーか告白した“最凶スカウト集団”ナチュラルとの攻防260日について詳しく報じている。記事の全文は現在配信中の「 週刊文春 電子版 」で読むことできる》
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年3月26日号)
19歳男性4人が乗った乗用車が電柱に衝突 2人死亡2人重傷 岡山・倉敷市
20日午後10時50分ごろ、倉敷市田ノ上新町の市道で乗用車が道路脇の電柱に衝突しました。 乗用車には4人が乗っていて、運転していた倉敷市の塗装業の男性(19)と、助手席に乗っていた倉敷市の会社員の男性(19)が全身を強く打って死亡しました。後部座席に乗っていた19歳の男性2人はいずれも重傷です。
電柱は折れ、車は前方や真ん中部分が大きく壊れていて原形とどめておらず、事故の衝撃を物語っています。
現場は見通しの良い片側3車線の直線道路です。警察が事故の原因を調べています。
小学校教諭を逮捕、大阪 78歳男性の腹部蹴り負傷疑い
大阪府河内長野市の駐車場で男性(78)の腹部を複数回蹴ったとして、大阪府警は21日までに、傷害容疑で和歌山県橋本市、小学校教諭大野敦郎容疑者(35)を現行犯逮捕した。府警によると、男性は左手や右膝に擦り傷を負ったが、命に別条はない。「1回しか蹴っていない」などと供述している。
2人に面識はなく、それぞれの知人らと近くのカラオケ店に訪れていた。被害男性が帰宅する際、トラブルになったという。
逮捕容疑は20日午後9時25分ごろ、男性の腹部を複数回蹴り、転倒させ、けがを負わせた疑い。
広島地検「検事自殺」1.94億円和解…元裁判官が疑問視する“ウヤムヤ決着”
―[その判決に異議あり!]―’19年12月、広島地検の男性検事(当時29)が自宅で自殺した。遺族は長時間労働と上司の不適切な指導(パワハラ)を理由に国を提訴。東京地裁は2月13日、国が解決金1億9400万円(遅延損害金含む)を支払う和解を承認し、監督側の対応の不適切さも認めて決着。法務省は再発防止の周知徹底を進めるという。“白ブリーフ判事”こと元裁判官の岡口基一氏は、「広島地検「検事自殺」問題で国が和解」について独自の見解を述べる(以下、岡口氏の寄稿)。◆「検事自死」が早期和解で幕引き、地裁承認は解決金1億9400万 ’19年12月、広島地検の検察官(当時29歳)が自殺した。上司の次席検察官から「こんなもん司法修習生以下だ」と、机を叩きながらどなられ、長時間勤務も重なって精神的に追い込まれた、という。 元同僚だった弁護士が代理人になって法務省に公務災害申請をしたところ、法務省は「長時間労働による公務災害」自体は認めた。だが、上司の言動がどうだったのか、その評価は避けた。ここがまず、いかにも役所的だ。「過労では落ちた」が、「誰の言動が何を壊したか」には踏み込まない。責任の所在だけが、最初から霧に包まれる。 次に遺族らは国に国家賠償訴訟を提起した。すると国は、パワハラを認めるのか否かをはっきりさせないまま和解協議を進める、という訴訟戦略に出た。真相に踏み込まれる前に、出口だけ用意するやり方だ。 遺族側の請求額は遅延利息込みで1億9400万円。国はその全額を「解決金」として支払い、さらに「国が十分な調査をしなかったこと」「遺族への情報提供が不十分だったこと」を認める内容で和解が調整された。加えて国は口頭で、次席検察官らの対応が不適切だったとも言い、検察庁が在庁時間の管理把握に努めること、ハラスメント相談窓口を組織内で周知する通知を出すことも約束したという。遺族側もこれを是として、事件は1審の東京地裁で和解終了となった。 だが、条項に残らない「口頭の約束」は、担当が替われば消える。再発防止を“約束”で済ませるのは、制度としては心許ない。◆「誰が何を誤ったのか」検察庁や検察官の不祥事が相次いでいる 国家賠償訴訟は普通、最高裁まで争われ、時間もカネもかかる。にもかかわらず本件は、早期に遺族側の全面「勝訴」で終わった。代理人は、仕事をしすぎるほどした──そこは認める。 だが俺は、どうにもスッキリしない。結局、何が問題だったのかが、国民には一切わからないまま、ウヤムヤで終わった感が強い。