高級かんきつ中国流出疑い 農水省がブランド保護の新機関設立へ

約20年かけて愛媛県が開発した高級かんきつが中国に流出したとみられる問題で、鈴木憲和農相は12日の閣議後記者会見で「愛媛県と緊密に連携して海外流出の抑止に取り組む」と述べた。農林水産省は、日本で開発された独自ブランド品種の保護を強化し海外に無断で流出させないよう、今夏に官民連携の機関を設立する。
高級かんきつは愛媛県が開発した「紅プリンセス(品種名・愛媛果試第48号)」。鈴木氏は「昨年、類似の名称の苗木が中国で販売されている事実を把握して、愛媛県とも共有をしている」と明らかにした。
産地にちなんだブランド農産品を守る「地理的表示」を巡っては、農水省は現在、海外での模倣品の調査をしている。模倣品の情報を確認したら、ブランド品種を開発した県や研究機関などへ情報提供するなどの対策をしている。
さらに、電子商取引(EC)サイトで模倣品が取引されていれば、運営者に削除要請をしている。
鈴木氏は今回の中国への流出疑いも「この(対策の)一環で把握できた」と話した。
また、ブランド品種を保護するために設立する官民連携の機関では、ブランド品種を開発した県や研究機関に代わり、海外への品種登録の出願や海外契約、無断栽培者への損害賠償請求などを進める。【鶴見泰寿】

国への賠償命令確定=立証活動の違法認定、双方控訴せず―名古屋

検察官が証拠を故意に隠したため詐欺罪で有罪判決を受けたとして、その後に無罪が確定した名古屋市の男性(63)が国に損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地検は12日、国に110万円の賠償を命じた名古屋地裁判決について、控訴しない方針を明らかにした。男性側も控訴せず、賠償命令が確定した。
地裁は5月29日の判決で、証拠が起訴内容と矛盾することを把握できたのに検察官が訴因変更などの対応を取らなかったのは違法と判断した。
地検は「控訴審で判決を覆すほどの新たな主張や立証が見当たらない」と説明。男性は「この判決で冤罪(えんざい)防止に役立つ有意義な方向に進むことを切に願う」とコメントした。 [時事通信社]

「名大祭」の自衛隊ブース、中止に 実行委「見立て甘かった」

名古屋大の「名大祭」で13日に予定されていた自衛隊ブースが、急きょ出展中止となったことが判明した。学生でつくる実行委員会が明かした。出展を巡っては、名大職員組合が12日に「名大祭の開催趣旨から外れる」などとして中止を求める声明を出していた。
自衛隊ブースは、実行委メンバーが「災害派遣などの活動を知ってほしい」との思いで初めて誘致。高機動車の展示や防災知識の紹介を予定し、大学からも承認されていた。
一方、職員組合は12日、「自衛隊の本質が軍事組織であることを覆い隠し、学生や地域住民に『かっこよさ』や『安心感』を植え付ける一面的な宣伝活動だ」などとして中止を求める声明を出した。
実行委によると、大学側から同日、「声明が出た以上、安全に開催される保証がない」として中止を求められたという。実行委は取材に「(全企画が中止になった)東大の五月祭のようになる恐れもあり少しでもリスクを取り除きたい。見立てが甘かった」と話した。【川瀬慎一朗】

禁止薬剤、調製時混入の可能性=10代患者死亡で報告書―埼玉県立小児医療センター

埼玉県立小児医療センター(さいたま市)で、抗がん剤の「髄腔(ずいくう)内注射」を受けた患者1人が死亡するなどした問題で、同センターの医療事故調査委員会は12日、報告書の概要を公表した。患者の髄液から髄腔内注射で使用が禁じられている抗がん剤「ビンクリスチン」が検出されたことについて、薬の調製時に混入した可能性は否定できないとした。
報告書は、髄腔内注射薬の調製時にビンクリスチンとの分離がなされていない工程があったと指摘。混入を防ぐ観点からは、作業環境として十分とは言い難い状況だったとした。
再発防止策として、髄腔内への投与が禁じられる抗がん剤との分離や薬剤師2人によるダブルチェック体制の導入などを提言した。
記者会見した岡明病院長は「院内でも話し合うなどし、意識を変えていかないといけないと強く思う」と話した。事案発生後、中止している髄腔内注射の再開については「(さいたま市の)保健所や県と相談していく」とした。 [時事通信社]

「人殺しやないか」兵庫県知事の会見でフリー記者が発言 斎藤知事が名誉毀損の疑いで刑事告訴

兵庫県の斎藤元彦知事が、記者会見中の発言で名誉を傷つけられたとしてフリージャーナリストの男性を刑事告訴しました。 フリージャーナリストの男性は、今月3日の斎藤知事の定例記者会見で、知事の疑惑を告発する文書を作成し、その後亡くなった元県民局長の懲戒処分をめぐる別の記者の質疑応答の最中に「人殺しやないかお前は」などと発言していました。 知事の代理人弁護士によりますと、この発言について兵庫県警生田署に名誉棄損の疑いで刑事告訴し、9日付で受理されたということです。 斎藤知事は当時の会見で「発言を取り消さない限り退室する」などとしたうえで、記者会見を今後開かない可能性にも言及していました。 一方、兵庫県政記者クラブはフリージャーナリストの男性について、会見中に不規則な発言があったとして、翌週の定例会見から当面の間、出入り禁止の処分にしています。

物流センターの井戸水からPFAS検出 指針の1200倍 千葉

千葉県市原市は12日、素材大手「AGC」の千葉物流センター(同市五井金杉2)の敷地内で採取された井戸水から、国の指針値の最大1200倍に当たる有機フッ素化合物(PFAS)の一種が検出されたと発表した。
市によると、井戸は飲用には使われていないという。市が物流センター周辺に設置した観測用井戸の検査でも指針値を超える値が検出されており、市は周辺の民家に井戸がないか確認する。
市によると、AGCが昨年7月、敷地内の井戸2カ所で指針値(PFOS、PFOAの合計値が水1リットル当たり50ナノグラム)を超える値を検出したと市に報告した。外部機関が詳しく分析したところ、1リットル当たり6万ナノグラム、同3900ナノグラムを検出した。
これを受けて、市が近くの公園に観測用井戸を設置して水質調査したところ、同1600ナノグラムの値が検出された。【宮田哲】

栃木・那須町長の当選無効=全票再点検で逆転―県選管

栃木県選挙管理委員会は12日、現職・平山幸宏町長が1票差で勝利した3月22日投開票の同県那須町長選について、平山氏の当選を無効とする裁決を発表した。次点だった新人・小山田典之氏の異議申し立てを受け、全票を再点検した結果、小山田氏が2票上回ると判断した。首長選を巡っては、茨城県神栖市長選でも県選管が4月、現職の当選を無効とする判断を示している。
同町長選投開票時点の得票数は平山氏5099票に対し、小山田氏5098票。小山田氏側は町選管に異議を申し立てたものの平山氏勝利は変わらず、県選管に審査を申し立てていた。
審査の結果、小山田氏が5106票となり、平山氏の5104票を2票上回った。両氏の下の名前を「平山のりゆき」「小山田ゆきひろ」と取り違えて誤記した投票用紙を県選管が有効と判断し、複数票がそれぞれに上積みされるなどしたことで逆転した。
裁決に不服がある場合、30日以内に東京高裁に訴訟を提起できる。裁決を受け、平山氏は「内容を精査し、訴訟を起こすか検討する」とのコメントを出した。 [時事通信社]

文科省の違反認定の撤回要求 京都弁護士会、辺野古転覆

沖縄県名護市辺野古沖の船転覆事故で、文部科学省が同志社国際高(京都府)の平和学習を教育基本法に違反すると認定したことは教育への不当介入だとして、京都弁護士会(谷口直大会長)は12日までに、文科省に認定撤回を求める会長声明を発表した。
声明は11日付。教育基本法が禁じるのは、特定の政党を支持・反対する目的で、生徒が主体的に考え判断することを妨げるような政治教育や政治的活動だと指摘。同校の平和学習は、学校側が生徒に反対運動への支持を強制したものではなく、同法に違反しないとした。
さらに、学校と運航団体の安全管理体制などを客観的に精査する必要があり、事故原因と教育内容を区別するべきだと主張した。

被害者の家族を“精神的に支配”か 10代男性を監禁した疑いで逮捕された「神の取次者」自称する男ら 父親は「娘の更生を助けてもらった」などと説明

10代の男性を監禁したとして「神の取次者」を自称する男らが逮捕された事件で、男が男性の家族を精神的に支配していたとみられることが分かりました。記者リポート「今、村上有容疑者が出てきました。車に乗り込んでいきます」 横浜市の村上有容疑者(46)と兄夫婦、それに10代男性の両親やきょうだいらあわせて7人は共謀し、先月6日から8日にかけ、男性を男性の姉の家に監禁して全裸で就寝させるなどした疑いが持たれています。村上容疑者の母親が取材に答えました。村上容疑者の母親「ちょっとこれ本当に、嘘だそんな話。だって監禁なんて、どうやってできんの?でたらめばっか言っている。一方的な話じゃないですか。それがね、それで、それが本当に立件できて。向こうから言われて、親のあれ(頼み)ですよ。(被害者は)まだ20歳過ぎてなかったんだから」 男性の父親は、警察に対し「素行が悪い息子を更生するため、村上容疑者に預けていた」と供述。警察によりますと、男性は村上容疑者のもとで住み込みで働き、去年12月に逃げ出して奈良に滞在したものの先月、父親に居場所を突き止められたということです。 さらに父親が警察に対し「数年前に、息子の姉の更生を助けてもらった。会社を立て直してもらった」と話していることが、新たに分かりました。また、村上容疑者との関係について「有先生にお伺いを立てないといけない」と説明していることも判明。 警察は、父親が会社経営や子どもの更生をめぐって「神の取次者」を自称する村上容疑者に心酔し、村上容疑者が男性の家族を精神的に支配していたとみています。

G7サミットで高市首相、エネルギー安保3原則を提唱へ…政府が成果文書反映へ調整

高市首相は、フランスで15日に開幕する先進7か国首脳会議(G7サミット)で、アジアを含む各国の石油備蓄の強化支援などエネルギー安全保障に関する3原則を提唱する意向を固めた。日本が主導するエネルギー調達の支援枠組み「パワーアジア」の理念を国際社会に広げる狙いがある。政府は、サミットの成果文書に提唱内容を反映する方向で調整している。
複数の政府関係者が明らかにした。首相は11日の中東情勢に関する関係閣僚会議でサミットでの3原則提唱を表明する方向だ。
サミットでは中東情勢が主要議題の一つになる。首相はホルムズ海峡の事実上の封鎖で「最も影響を受けているアジア諸国の代表」として、エネルギー安保に焦点をあてる構えだ。
3原則は、〈1〉自由で透明性のある貿易の確保〈2〉国際エネルギー機関(IEA)とも連携した石油備蓄強化への支援〈3〉産油国と消費国の連携――で構成する。
石油備蓄を巡っては、日本はすでに「パワーアジア」で東南アジア各国への支援を強化している。今回は、IEAが加盟国に課している輸入量の90日分の備蓄を目標に据え、パワーアジアと同様に輸入各国での石油備蓄制度の構築に向けた支援強化を呼びかける。
貿易面では、石油市場の安定化に向け、ホルムズ海峡の自由で安全な航海や不当な輸出制限への反対で足並みをそろえたい考えだ。中東などの石油生産国と消費国が代替調達ルートの確保などに向けて緊密に協調することで、供給力の強靱(きょうじん)化にもつなげる方針だ。