個人情報の取り扱いに関する悪質な事業者を対象とした課徴金制度の導入を柱とする個人情報保護法改正案は26日の衆院本会議で、与党と国民民主党などの賛成多数で可決された。中道改革連合や参政党は反対した。参院の審議を経て、今国会中に成立する見通しだ。
改正案では、個人情報の不正取得や不適正な利用を重ねた事業者に対し、利益の「相当額」を課徴金として国庫に納付させる規定を設けた。個人情報悪用の抑止が狙い。従来は事業者が国の個人情報保護委員会から勧告や命令を受けた後に違反行為をやめれば、不正に得た利益を保持できた。
ただ、「企業のデータ活用を萎縮させる」とする経済界の懸念を踏まえ、被害者が1000人を超えるなどの重大事案に限定。人工知能(AI)開発を巡る国際競争に対応するため、統計作成目的に限っては本人の同意がなくても個人情報を取得・提供できるようにした。
改正案について中道は、個人事業主を含む広範な事業者に個人情報が提供され、悪用されるリスクに対応し切れていないと指摘。消費者団体が個人情報利用の差し止めなどを個人に代わって求める団体訴訟制度が盛り込まれていない点も問題視した。 [時事通信社]
【旭川・女子高生殺害】スマホから復元された動画が法廷へ 服を脱がせて土下座、欄干に乗り謝罪する被害者の姿…内田梨瑚被告は「殺意はなかった」と否認
女子高校生を北海道旭川市の橋から川に落下させ殺害した罪などに問われた女の裁判員裁判の2日目が行われ、高校生が欄干に乗り謝罪する動画などが証拠として示されました。
旭川市の内田梨瑚被告は、2024年4月、当時17歳の女子高校生を監禁し、服を脱がせて撮影したうえ、川に落下させ殺害した罪に問われています。
25日の初公判で、内田被告は「私に殺意はありませんでした」などと殺人などの罪を否認。
一方、検察側は、一連の行為が殺人行為にあたると主張しています。
2日目の26日は、女子高校生のスマートフォンから復元された動画から女子高校生が衣類を着けずに土下座し、欄干に乗り謝罪する様子などが証拠として示されました。動画は事件後に削除されていました。
裁判は午後も続きます。
議員会館への紙資料の配布廃止 小泉防衛相「時代遅れ」を改善
小泉進次郎防衛相は26日の記者会見で、防衛省職員による国会議員会館への紙の資料配布を原則取りやめたことを明らかにした。職員の負担軽減が狙いで、個別の問い合わせには引き続き応じる方針。小泉氏は、国会関連の業務など「時代遅れ」の部分があると指摘。「トップが決定しないとやめづらい。業務改善につながるよう進める」と述べた。
防衛省によると、主に若手職員が東京・市谷の防衛省から永田町の国会議員会館に出向いて配布。資料は予算案など、防衛省のホームページや交流サイト(SNS)で公表しているものと基本的に同じ内容だった。土日や祝日にも対応していた。長年の慣習だったが、職員の訴えを受け廃止した。
小泉氏は自身のSNSに「安全保障環境の変化や防衛省の役割が増す中、職員の負担を軽減し、本来やるべき仕事に集中できる環境を整えることは国防に直結する重要な課題だ」と投稿していた。
安保3文書の改定、「集団的自律性」の確保を明記へ…「経済の武器化」に同志国と連携して対処
政府は、年内に改定する国家安全保障戦略など安保3文書に、経済安保に関する新たな戦略概念として「集団的自律性」の確保を明記する方向で検討に入った。重要物資の輸出規制など特定国への依存を利用した「経済の武器化」などに、同志国と連携して対処するものだ。日本が主導してサプライチェーン(供給網)強化や国際経済秩序の構築を図る決意を示す。
複数の政府・与党関係者が明らかにした。
重要物資を巡っては、中国がレアアース(希土類)の輸出規制による経済的威圧をかけている。イラン情勢の緊迫でホルムズ海峡が事実上封鎖され、中東からの輸入に依存する原油調達の代替ルート確保に迫られている。
こうした状況も踏まえ、政府は、重要物資の調達から製品化に至る供給網維持など、社会・経済活動の「自律性」を一国のみで確保することが難しく、同志国と連携や分業を行うことによる集団的な対処が必要と判断している。
自民党の安全保障調査会で25日に大筋で了解された党の提言案でも、従来の同志国連携を「集団的自律性」の確保策として位置づけ、経済安保の取り組みを強化するよう求めていた。
具体的には、高市首相が2日にベトナムで表明した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の戦略的な進化を通じて、域内での連携を深める。環太平洋経済連携協定(TPP)の拡大を通じた自由貿易体制の構築も進める。政府が創設する経済安保上の重要な海外事業を支援する制度「海外経済安保事業展開支援(OESA)」も活用する。
中東情勢に対応するため日本が主導する東南アジアなどのエネルギー調達確保に向けた金融支援の枠組み「パワーアジア」などを先行事例とし、重要物資の供給網強化に向けた同志国のネットワークを強化する。
経済的威圧への対抗に向けた検討を始めている各国とも足並みをそろえる。欧州連合(EU)とは、安価な物資流入に対応するため、安全性や持続可能性など、価格以外の調達基準の検討を進めており、こうした取り組みを推進する。
米国も安定的な供給網確保のため、特定の重要鉱物の最低価格を設定するなどの多国間協定「重要鉱物貿易協定(ATCM)」を提案している。
国際会議の主催などを通じ、将来的には経済安保を推進する新たな国際機関の設立も視野に入れている。
神戸「客を取られた」…万博3兆円の経済効果は大阪が「独り勝ち」、周辺への波及効果は限定的
約2558万人が訪れた大阪・関西万博(昨年4~10月)の経済波及効果が相次いで発表されている。国や調査研究機関は3兆円台の効果があったとするが、大阪の周辺府県への波及は限定的で、「大阪独り勝ち」と指摘する声も出ている。(神戸総局 森克洋、鳥取支局 久保田万葉)
神戸の中華料理店「2~3割減った」
神戸市の中華街・南京町にある中華料理店「昌園」の店長・陳明恵さん(50)は、万博期間中は来店者が「2~3割減った」と感じた。「万博会場を回ることに精いっぱいで、神戸まで来る余裕がなかった人が多かったのでは。万博の効果があるどころか、客を大阪に取られてしまった」と訴える。
経済産業省の推計では、万博の経済波及効果は約3・6兆円。会場建設に投じられた費用に加え、来場者による会場内外での買い物などの消費が大半を占めた。アジア太平洋研究所(APIR)も3兆541億円と推計する。
APIRによると、兵庫県では、買い物や飲食などの「来場者消費」が996億円に上った。ただ、県が万博中に観光イベントを実施した個人・団体にアンケートを行ったところ、76%がビジネス効果は「なかった」と回答した。
神戸市の有馬温泉街にある老舗旅館「上大坊(かみおおぼう)」代表の堂加雅丈さん(68)は、万博中の客足は「前年並み」だったと振り返る。子どもの頃にあった1970年大阪万博では、観光バスが温泉街に押し寄せた記憶があるが、今回は「万博ついでに立ち寄る人がたまにいる程度だった」との印象を持ったという。
「ストロー現象」指摘も
実際、観光客は大阪に偏った。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京)は携帯電話の位置情報データを活用し、万博来場者(訪日客のぞく)がどれだけ、大阪、京都、兵庫、奈良4府県の主要観光地を訪れたのかを調べた。
大阪城が前年同期の来訪者数と比べて9・2%増えたのに対し、南京町は18%減、有馬温泉は6・3%減、清水寺(京都市)は22%減だった。大阪経済大の下山朗教授(経済学)は「周辺のレジャー消費が大阪に吸い上げられる『ストロー現象』が起きた可能性がある」と説明する。
京都市観光協会によると、清水寺などの観光地では万博の時期、日本人宿泊者の減少を上回る数の外国人が宿泊した。訪日ブームが万博の影響を見えにくくしたようだ。
APIRの推計では、来場者消費の総額1兆6439億円のほぼ半分にあたる7697億円が大阪府に落ちた。下山教授は「大阪の独り勝ちだった」とし、大阪中心に活発化した経済・消費活動の恩恵が隅々に及ぶ「トリクルダウン」は期待ほどには起きなかったとみる。
ただ、一定の経済効果が周辺にあったのも事実だ。
60億円の恩恵があったとされた徳島県。JR徳島駅近くで土産物店を営む森竹啓介さん(60)は売り上げが前年より1割ほど増えたといい、「万博はありがたかった」と言う。万博会場で配布された高速バスなどの割引券で約1万3000人が来県した。県の担当者は「万博効果を実感した」と受け止めている。
大阪でも「特需は終わった」
閉幕から7か月超。大阪でも万博の効果は薄れてきた。
東京商工リサーチによると、万博中は減少傾向にあった大阪府内の企業倒産(負債額1000万円以上)は今年に入ってサービス、建設業などで相次ぎ、1月から4か月連続で前年同月の倒産数を上回った。同社担当者は「万博特需は終わった」と分析する。
下山教授は、今後の課題について「万博で増えたファンに魅力をプラスアルファで示すことが大切になる」と述べ、万博のつながりを生かしていくべきだと指摘する。
動き出している自治体の一つが鳥取県だ。関西パビリオン内の県ゾーンを訪れたタイの財閥関係者と商談にこぎ着け、4月下旬にバンコクでベニズワイガニなど特産品の試食会を実施した。今後、ビジネスマッチングも予定しており、タイ商圏への販路拡大を見据えている。県の担当者は「万博は普段はなかなか出会わない人たちに鳥取をPRできる契機になった。今後も協力を進めていきたい」と話した。
◆経済波及効果=コンサルティング大手「デロイトトーマツグループ」によると、大規模イベントなどがもたらした新たな需要に対し、企業や行政、個人が直接・間接的に使った金額を試算したもの。経産省が発表した万博の推計値は、例えば、万博で昼食に3000円使った場合、普段の昼食代が800円だとすれば、差額の2200円を波及効果とする考え方に沿って計算された。
再審見直し、高市首相「重要な意義」=平口法相、抗告全面禁止に否定的―衆院本会議で審議入り
再審制度を見直す政府の刑事訴訟法改正案は26日の衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。高市早苗首相は「誤判からの確実な救済と、手続きの円滑・迅速化を図るもので、大変重要な意義を有する」と述べ、早期成立を目指す考えを示した。再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)や証拠開示の在り方が焦点となる。
首相は「再審無罪判決の確定までに長期間を要し、当事者に大きな負担を生じる事態を真摯(しんし)に受け止め、その反省の下に必要な改善を行う必要がある」と意義を強調した。自民党の谷川とむ氏、中道改革連合の平林晃氏への答弁。
政府案は、検察による抗告を「原則禁止」とし、「十分な根拠がある場合」に限り例外的に認めた。中道など野党側は「全面禁止」を求めているが、平口洋法相は「全面禁止すれば三審制で確定した有罪判決を1回限りの判断でやり直すことになり、裁判の紛争解決機能が損なわれる」と述べ、否定的な考えを示した。
政府案は、検察側から開示された証拠について、再審手続きやその準備以外の目的で第三者に提供することを禁止した。これについて平口氏は「不当な事態は生じない」とした上で、弁護士らへの罰則対象は「対価として利益を得る目的に限られる」と説明した。
証拠の開示範囲について、裁判所が「相当と認めるとき」に、検察に証拠の提出を命じる規定を新たに設けた。平口氏は「これまでの実務運用よりも証拠の範囲が狭まるようなことはない」と強調。検察が持つ「証拠リスト」の開示については「再審請求の審理の在り方や手続き構造との整合性に欠ける」と述べ、慎重な姿勢を示した。
中道、チームみらい、共産党が共同提出した対案も並行審議された。抗告を「全面禁止」とし、証拠の目的外使用の禁止規定は設けなかった。
提出者の西村智奈美氏(中道)は答弁で「検察官抗告が一般化し、再審手続きが長期化する原因になっている。例外なく禁止する必要がある」と訴えた。 [時事通信社]
同志社国際高“教育基本法違反”認定めぐり 文科相「教育現場を萎縮させるものではない」
文部科学省が同志社国際高校の研修旅行のプログラムを教育基本法違反と認定したことについて、松本文科相は「教育現場を萎縮させるものではない」との考えを述べました。
松本文科相
「政治的中立性を確保した上で、政治的教養の教育や平和に関する学習に取り組んでいただきたいと。特に萎縮効果を生むということは、私は全くないというふうに考えております」
今年3月、名護市辺野古沖での転覆事故で死亡した女性生徒が参加していた研修プログラムをめぐっては、文科省は先週、高校に対して政治的中立性を定める教育基本法に違反しているとする通知を出していましたが、一部で「教育現場を萎縮させる」などと懸念の声があがっていました。
松本文科相は26日の会見で、「平和学習の大切さは学習指導要領に示されていて、萎縮することなく進めていただきたい」とした上で、政治的中立性の確保をあらためて教育現場に求めました。
2月衆院選の「1票の格差」訴訟、広島高裁は2件とも「合憲」と判断…請求を棄却
「1票の格差」が最大2・10倍だった2月の衆院選は投票価値の平等を求める憲法に違反するとして、二つの弁護士グループがそれぞれ選挙無効(やり直し)を求めた2件の訴訟の判決が26日、広島高裁であり、末永雅之裁判長はいずれも「合憲」と判断し、請求を棄却した。
二つの弁護士グループが全国14高裁・支部に訴訟を起こしており、判決は6、7件目。全て「合憲」と判断されている。
2月の衆院選では、議員1人当たりの有権者数が全国で最も少ない鳥取1区と、最多の北海道3区の差が2・10倍だった。
ざわつく法廷…主犯格とされる男が証言拒否 裁判が約10分間中断 江別市大学生集団暴行死
【解説】死に直結する行為は誰が…暴行などに関与した程度は “量刑”が争点に 江別男子大学生暴行死
予想外の受け答えに、法廷はどよめきました。
男子大学生が集団暴行をうけ死亡した事件の裁判で、主犯格とされる男が証人として出廷しましたが、自身の裁判を控えているとして証言を拒否し、数分で退廷しました。
5月26日午前11時半ごろ、坊主頭で黒いスーツに身を包み、法廷に姿を現したのは、事件当時18歳の特定少年・川口侑斗被告です。
(川口侑斗被告)「宣誓はしません」
川口被告は主犯格とされていて、証人として出廷しましたが証言を拒否。
わずか数分で退廷し、法廷内はどよめきました。
起訴状などによりますと、川口被告は2024年10月、江別市の公園で、大学生の長谷知哉さんと交際していた八木原亜麻被告らと共謀し、長谷さんに暴行を加えて死亡させたうえ、現金やカードを奪うなどしたとされています。
(長谷知哉さん)「申し訳ないです。すみません」
(川口侑斗被告)「どうしたらいいの、この服は。血ついたじゃん。全額出せ」
服に血が付いたとして川口被告が弁償を求めたことから、暴行はエスカレート。
川口被告は積極的に殴る・蹴るなどしていました。
26日に開かれたのは、強盗致死などの罪に問われている川村葉音被告21歳と当時18歳で特定少年の滝沢海裕被告、少年のあわせて3人の裁判員裁判です。
主犯格とされる川口被告は検察の証人として出廷しましたがー
(裁判長)「名前は?」
(川口侑斗被告)「川口侑斗です」
(裁判長)「宣誓書を読んでください」
(川口侑斗被告)「宣誓はしません。もう少しで自分の裁判があるからです。その時に証言します。ただ、やってしまったことは本当に申し訳ありませんでした」
(裁判長)「場合によっては処罰もありますが、それでも宣誓しないということですか?」
(川口侑斗被告)「宣誓しません」
裁判長が証言で偽りを述べない旨を誓う“宣誓”を求めましたが、川口被告はこれを拒否。
わずか数分で法廷を後にしました。
突然の発言に法廷はざわつき、およそ10分間、裁判が中断されました。
3人が起訴内容を認めている今回の裁判。
量刑が最大の争点となっています。
検察側は「金品を要求してからの暴行は圧倒的で執拗なものである」と指摘。
一方、弁護側は「川口被告に同調しただけで、積極的に加害する意識がない」と主張しました。
26日の裁判で何も語ることが無かった、主犯格とされる川口被告。
27日の裁判では川村被告と滝沢被告の被告人質問が行われる予定です。
当時の状況などについて何を語るのか注目されます。
被告ら撮影…全裸で謝罪動画 女子高校生「やだ」と叫ぶ声 橋から落下させ殺害か 旭川地裁
【解説】転落寸前の動画存在せず…ハードルの高い弁解に 殺人の“実行行為”が争点に 旭川女子高校生転落死
北海道旭川市で女子高校生を橋から転落させ、殺害したなどの罪に問われている女の裁判で、橋の欄干で女子高校生が被告らに対し、全裸で謝罪する動画の音声が法廷に流れました。
殺人などの罪に問われているのは内田梨瑚被告23歳です。
起訴状などによりますと、内田被告は2024年4月、旭川市の神居大橋で留萌市に住む女子高校生を全裸にしたほか、橋の欄干に座らせ「落ちろ」「死ねや」と言うなどして川に落とし、殺害したとされています。
5月26日の裁判では、橋の欄干で女子高校生が被告らに対し、全裸で謝罪する動画の音声が法廷に流れました。
動画は内田被告らが撮影したもので、高校生の「やだ」と叫ぶ声も残されていました。
内田被告は25日の初公判で殺人などの罪を否認した一方で、検察は「被害者を橋から突き落としていないとしても、転落させるに至った行為が殺人罪の実行行為にあたる」と主張しました。
27日には、同じ殺人などの罪に問われ、すでに懲役23年の判決が確定している小西優花受刑者が証人として出廷する予定です。