環境相の協力姿勢一転に水俣病患者らが抗議文 謝罪と撤回求める

水俣病患者から上がった福祉サービス利用の要望に、石原宏高環境相が協力的な姿勢を示しながらその後一転させた対応を巡り、患者・支援者団体は7日、環境省に抗議文を提出したことを明らかにした。「患者を傷つける対応」だとして、石原氏の謝罪と発言撤回を求めている。
石原氏は水俣病の公式確認70年に合わせ、4月30日~5月1日に熊本県水俣市を訪問。胎児性患者の金子雄二さん(70)と面会し、金子さんが所属する患者・支援者団体と懇談した。金子さんは障害者福祉制度の訪問入浴サービスの利用を希望しているが、介護保険が原則優先となる65歳以上であることを理由に水俣市に拒まれている。
支援者らからサービス利用へ協力を求められた石原氏は「市長と話をさせていただきたい」などと応じた。しかし1日夕の記者会見では「(本人が)目の前でいらっしゃったので(そう発言した)」と述べ、他の65歳以上の障害者に波及するとして「現実はなかなか難しい」と否定的な考えを示した。
7日に記者会見した患者・支援者団体によると、抗議文は6日に水俣市を訪れた環境省幹部らに提出した。幹部からは、金子さんを侮辱する意図はなかったとの釈明や、石原氏から水俣市長への要望の伝達は1日に済ませているとの説明があったという。
患者・支援者団体の松永幸一郎代表(62)は「裏切られたという思いが強い。ちゃんと謝罪と発言撤回をしてほしい」と訴えた。【中村敦茂】

日韓、初の次官級安保対話 北朝鮮核問題など協議

【ソウル共同】日韓両政府は7日、外務・防衛当局の次官級による安全保障対話をソウルの韓国外務省で開いた。両国による外務・防衛次官級の「2プラス2」実施は初めてで、従来の局長級から格上げした。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応や中東情勢、安保協力の拡大などについて意見交換した。
日本からは船越健裕外務事務次官と加野幸司防衛審議官が、韓国側は朴潤柱外務第1次官と李斗熙国防次官が参加。中国情勢や、ホルムズ海峡での航行の安全確保でも意見交換したとみられる。
韓国外務省は「韓日、韓米日の協力が重要さを増しているとの共通認識の下、(協力を)進展させていくことで一致した」と明らかにした。
安保協力の拡大を巡っては、食料や燃料などを融通し合う物品役務相互提供協定の締結に向けた取り組みが焦点の一つ。
安保対話は1998年に始まり、今回が14回目。高市早苗首相と李在明大統領が1月、奈良での首脳会談で日韓、日米韓の安保協力を含む連携の重要性を確認したことを踏まえ、対話の参加者のレベルを上げた。

茨城・久慈川河口沖に男性遺体 潮干狩り中に行方不明になっていた男性か 身元確認進める

茨城県久慈川の河口沖で男性の遺体が見つかり、海上保安庁は、潮干狩り中に行方不明になった男性の可能性があるとみて身元の確認を進めています。
海上保安庁によりますと、7日午後1時過ぎ、茨城県久慈川の河口沖で「遺体が浮いている」と通報がありました。
遺体は、30代から40代くらいの男性で黒色の長袖シャツを着ていたということです。
付近の豊岡海岸では今月2日、潮干狩りに来ていた男性3人が海に流され、1人は自力で陸に上がりましたが、1人が死亡し、残る1人が行方不明になっていました。
海上保安庁は7日に発見された遺体が行方不明になっていた男性の可能性があるとみて、身元確認を進めています。

中道、旧宮家養子案容認へ=皇族確保、来週集約目指す―今国会典範改正へ前進

中道改革連合は7日、「安定的な皇位継承に関する検討本部」の会合を国会内で開き、皇族数の確保策を巡り、旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える案を容認する方向で大筋一致した。女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案に賛成の立場も改めて確認した。森英介衆院議長が目指す今国会中の皇室典範改正に向けて前進した形だ。
中道には女性皇族の夫と子に皇族の身分を与えるかどうかで意見の違いが残る。ただ、森議長は5月中旬までの意見集約を求めており、中道は11日に再協議し、見解取りまとめを目指す方針だ。
与野党の「全体会議」では、女性皇族身分保持案に各党がおおむね賛同する一方、旧宮家養子案を巡り推進派の自民党、日本維新の会などと、慎重派の立憲民主党などが対立。中道の見解に注目が集まっている。
7日の会合には中道所属衆院議員約15人が出席。笠浩史本部長は党内でのアンケートの結果などを踏まえ、(1)女性皇族身分保持案を認め、夫と子の扱いは「しかるべきとき」まで先送りする(2)旧宮家養子案を1947年に皇籍を離脱した旧11宮家を対象に認め、慎重な制度設計を行う―とした本部長案を提示した。 [時事通信社]

放課後子ども教室で児童に土下座を強要 東京・台東区

東京都台東区は7日、区立小学校の放課後子ども教室で、委託業者の職員が児童1人に土下座を強要する行為があったと発表した。4月24日に起きたが、区に報告していなかった。
区によると、同日夕、校庭で児童が職員にぶつかり、職員は謝罪として土下座を強要した。校庭には別の職員1人と児童約30人がいた。職員は委託業者の聞き取りに、「感情的になってしまった」という趣旨の説明をしているという。
区は同30日に匿名の通報を受けて事態を把握。心理的、身体的虐待に該当すると判断し、児童の保護者へ謝罪した。委託業者には、虐待防止に関する研修や区への報告体制の徹底など再発防止策を求めた。【加藤佑輔】

アニメ監督・演出家の佐藤竜雄さん死去 61歳 肝不全のため「かねてより療養中」後日お別れの会

アニメ監督・演出家の佐藤竜雄さんが肝不全のため4月24日に死去したことが7日、アニメ企画・制作の会社「NAGOMI」の公式Xで発表された。61歳。

「訃報」とし、「弊社制作のアニメーション作品において、監督としてご参画いただき多大なるご尽力を賜っておりました佐藤竜雄氏が、かねてより療養中のところ、2026年4月24日、肝不全のため永眠いたしました。享年61歳でした」と発表。「佐藤監督には、現在制作中のアニメーション作品においても精力的に取り組んでいただいておりました。その情熱と多大なる貢献に深く感謝するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます」とした。

詳細を記した文書も公開。「葬儀はご遺族の移行により近親者のみで執り行われました。また、ご供花、ご香典、ご弔問などについては、固く辞退申し上げる旨をご遺族より承っておりますため、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます」としした。

「なお、佐藤監督のこれまでの功績を偲び、弊社の主催にて後日「お別れの会」を催す予定でございます。日時、場所など詳細が決まり次第、改めて弊社公式ホームページ、SNS等でご案内申し上げます。以上」とも伝えた。

佐藤さんの参加作品は「ちびまる子ちゃん」「赤ずきんチャチャ」など。「飛べ!イサミ」で初監督を務めた。「機動戦艦ナデシコ」「モーレツ宇宙海賊」などを手掛けた。

滝つぼに転落して女性が死亡、落ちた飼い犬を助けようとして事故に…犬は見つからず

7日午前11時20分頃、山梨県山梨市三富上釜口の西沢渓谷の「貞泉の滝」で、東京都渋谷区の女性(59)が滝つぼに転落した。女性は消防隊員らによって約4時間後に救助されたが、その場で死亡が確認された。
県警日下部署の発表によると、女性は飼い犬と登山仲間2人でハイキングをしていたが、犬が滝付近にあったチェーンを超えて滝に落ち、助けようとして誤って転落した。犬はまだ見つかっていないといい、同署が詳しい状況などを調べている。

検察官抗告への強い反発、背景に再審請求審の長期化 海外では判断分かれる

再審制度を見直す刑事訴訟法の改正案を巡り、法務省が7日、自民党に示した再修正案は、再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を「原則禁止」としたが、規定を刑訴法の本体である「本則」ではなく、「付則」に盛り込んだことに一部議員が反発するなどして了承に至らなかった。
検察官抗告の全面禁止を求める声が根強い背景には、過去の再審請求審における審理の長期化がある。袴田巌さん(90)の再審無罪が確定した昭和41年の静岡県一家4人殺害事件では、平成26年3月、静岡地裁が最初の再審開始の決定を出したが、検察が抗告するなどし、再審開始が確定するまでに約9年かかった。事件発生から再審無罪が確定するまでには60年近くを要している。
滋賀県日野町で昭和59年、酒店経営の女性=当時(69)=が殺害され、金庫が奪われた「日野町事件」でも、大津地裁が平成30年7月に再審開始を認めたものの、検察が2度にわたり抗告。再審開始の確定までに7年7カ月かかった。
再審開始決定が、検察官抗告で覆る例も珍しくない。昭和54年に鹿児島県で男性の遺体が見つかった「大崎事件」では、平成14年3月と29年6月に鹿児島地裁で再審開始決定が出たが、いずれも検察官抗告により上級審で取り消された。弁護団は現在、第5次再審請求を行っている。
袴田さんを長年支えてきた姉のひで子さん(93)は3月の自民党の会議で長期化の影響を訴え、検察官抗告の禁止を求めた。会議では、再審開始までの期間が長引くことで関係者の記憶が薄れたり、証拠の劣化を招いたりすることを懸念する声が相次いだ。
海外では、再審手続きにおける検察の抗告を禁止している国もある。日本の再審法制のルーツとされるドイツは、1960年代の法改正で検察の不服申し立てを禁じた。一方、フランスは検察の抗告と同時に、請求棄却に対する請求人側の不服申し立ても禁じている。韓国は禁止規定がなく、日本と同様に抗告が可能となっている。

磐越道バス事故、運転の68歳を容疑で逮捕「速度の見極め甘かった」…「白バス行為」か調査も

福島県郡山市の磐越自動車道上り線で6日、高校生20人を乗せたマイクロバスがガードレールなどに突っ込み、男子生徒1人が死亡した事故で、福島県警は7日、バスを運転していた新潟県胎内市、無職の男(68)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで逮捕した。容疑を認めているという。現場付近に目立ったブレーキ痕はなく、県警は減速することなく衝突した可能性があるとみて調べている。
死亡の生徒は最後尾に座る
発表などによると、男は6日午前7時40分頃、郡山市内の磐越道上り線でマイクロバスを運転し、道路左側のクッションドラムとガードレールなどに衝突させ、生徒1人を死亡、17人に重軽傷を負わせた疑い。「速度の見極めが甘かったのが原因。(制限速度が時速80キロの区間で)90~100キロ出ていた」と話しているという。
バスには新潟市中央区の私立北越高校の1~3年生の男子ソフトテニス部員が乗っており、新潟市西区の高校3年稲垣尋斗さん(17)が反対車線まで投げ出されて死亡した。ほかの生徒5人が重傷、12人が軽傷となり、後続のワゴン車の2人が軽傷を負った。
稲垣さんはバス最後尾の4人掛けシートの右から2人目の位置に座っており、県警は、稲垣さんが前方部からバス車体に突き刺さったガードレールの直撃を受けて車体後部から車外に投げ出されたとみている。ガードレールが貫いた方向の座席に座っていた生徒たちが重傷を負ったという。
書面かわさずにバス会社に手配
バスはバス会社「蒲原鉄道」(新潟県五泉市)が手配したレンタカーだった。同社によると、営業担当者が高校側から「貸し切りバスを使わずにレンタカーを使って送迎をしたい」「安いものを探して」と依頼を受け、自身の免許証を示してレンタカーを借りたという。高校側からレンタカー代を預かったが、運行料金や紹介手数料は受け取っていないとしている。「知り合いの知り合い」の男を運転手として学校側に紹介した。運転歴などは確認しなかったという。
茂野一弘社長は6日夜、取材に「会社の業務としてやっているわけでなく、お付き合いの中でお手伝いをした」と話した。
これに対し、同校の灰野正宏校長は顧問が同社に行き先や人数を伝えてバスの運行を依頼したとし、レンタカーの手配は依頼していないと主張。一方で、顧問が同社と書面を取り交わさずにバスの手配を依頼したことを明らかにし、「一般の商慣習ではありえない行為。見直していきたい」と話した。
国土交通省北陸信越運輸局は7日、同社に立ち入り調査を行った。有償の送迎を無許可で行う「白バス行為」にあたるかどうかを含め道路運送法に違反するか調べる。福島県警も同法違反の疑いも視野に調べる。
「運動神経が抜群だった」
事故で亡くなった稲垣さんの遺族は7日、新潟県警を通じて「大切な存在である息子を思いがけない出来事で失い、深い悲しみの中にいる。この状況をまだ受け止めきれずにいる」とのコメントを出した。
娘が中学校の同級生だったという女性によると、稲垣さんは部活動の部長などを務めていたといい、「運動神経が抜群で元気で明るい子。娘も信じられないとショックを受けている」と話した。
稲垣さんの通っていた北越高校では同日午前に全校生徒への説明が行われ、夜には保護者説明会が実施された。灰野校長は終了後に記者会見し、「痛恨の思いでいっぱいだ。今後は亡くなられた方、ご遺族の方、けがをされた方、そのご家族に誠意をもって対応していく」と陳謝した。

法務省、証拠開示「消極的」と反省 再審無罪の福井中3殺害で

1986年に福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)が殺害された事件で、法務省は7日、再審無罪が確定した前川彰司さん(60)を巡る検察当局の対応の反省点をまとめた文書を明らかにした。名古屋高裁金沢支部の再審無罪判決(2025年7月)は前川さんに有利な証拠を把握しながら開示しなかった検察側の対応を「罪深い不正」と断じており、法務省は「消極的ともとれる対応だった。厳粛に受け止める」と記した。
文書はA4判で15ページ。再審制度の見直しを議論している自民党の部会で示された。名古屋高検は1日、これとは別に公判に関与した検察官への聞き取りなど追加調査を始めたと発表している。
事件では前川さんの関与を直接示す証拠はなく、検察側は「事件当日夜に血の付いた前川さんを迎えに行った」という知人男性の供述を有罪立証の支えとした。男性は事件当日の出来事として、テレビで見た音楽番組の具体的な場面を証言したが、実際に放送された日は別日だった。検察側はこの事実を記した捜査報告書の存在を把握しながら、2回目の再審請求審まで開示しなかった。
法務省は文書で、捜査報告書を保管しながら事実と異なる主張を続けた点について「従前の主張を維持しようとして修正などをしなかったと判断せざるを得ない」と指摘。捜査報告書を1回目の再審請求審で開示しなかったことも「現在の視点から見れば消極的ともとれる対応と言わざるを得ない」とした。
前川さんは87年に逮捕され、1審・福井地裁判決は無罪だったが、2審・名古屋高裁金沢支部は懲役7年の逆転有罪とした。22年に申し立てた2度目の再審請求審で再審開始が確定し、25年8月に再審無罪が確定した。【五十嵐隆浩】