7月10日、大手牛丼チェーン店『吉野家』の厨房で、従業員が喫煙する動画がネット上で拡散された。
「営業取り消しレベル」
「拡散された動画は約1か月前のものだそうです。投稿者によると、店員は厨房奥で紙巻きタバコを吸っていたといいます。この動画がどこの店舗で撮影されたのかはわかっていません。
つい先日、人気ラーメン店で同様の“疑惑”が問題になったばかり。厨房で喫煙など、もってのほかですが、いつどこで誰に撮影されるかわからない昨今はより用心するべきでしょうね」(全国紙社会部記者、以下同)
牛丼チェーン店の炎上といえば、『すき家』の異物混入騒動が記憶に新しい。
「今年1月、客に提供したみそ汁にねずみの死骸が混入していたことが明らかに。その後、3月末には利用客が持ち帰った商品にゴキブリの一部が混入していたと指摘されました。異物混入事案が相次いだこともあり、『すき家』はショッピングセンター内などの一部を除いて、全国の約1900店舗の営業を中止する事態にまで発展。4日間の営業停止期間中は清掃作業や衛生面の対策を行っていたそうです。
『吉野家』の動画の真偽はわかりませんが、こうした問題行動に対しては真摯な台頭を取るべきでしょう」
問題になった動画は本当に『吉野家』で撮影されたものなのか。広報担当者に問い合わせてみると、
「今回、一部SNSに投稿された映像について確認を行ったところ、厨房奥にあります従業員用スペースにおいて、従業員が喫煙をしていた事実を確認しました。当該従業員に対しては、社内規程および基準に基づき、厳正に対処いたしました」
とのこと。拡散された動画に対して、ネット上では
《流石に厨房内はダメやな 外なら別にいいけど》 《飲食店の厨房で喫煙は流石にないわ》 《厨房は100%ダメですね。 営業取消しレベルです》
と厳しい意見が寄せられる一方で、
《タバコの吸い殻牛丼にぶち込んでるとかなら大問題だけど別に端で一服は良いのでは?あかんの?》 《別に良くない?》
というコメントも見受けられた。
「吉野家では、喫煙に関しては、改正健康増進法の考え方に基づき管理・従業員指導を行っており、原則として屋内の従業員スペースは禁煙としています。
再発防止のため、全従業員に対し改めて喫煙ルールの徹底を周知することと致します。なお、当該店舗の名称については、個人情報保護の観点から、公表は差し控えさせていただきます。今後このような事態が発生しないよう、衛生管理・従業員教育のさらなる徹底に努めてまいります」(前出・『吉野家』広報担当者)
安全に「うまい、やすい、はやい」牛丼を提供してもらいたい。
アンチコメントこそが「最高の追い風」…なぜ参政党は「高齢女性は産めない」発言でも失速しなかったのか
参院選の投開票日が近づき、各政党が支持アップに向けて、論戦を交わしている。2024年の衆院選で自民・公明が少数与党に転落し、「ねじれ」の行方に注目が集まるなか、話題になっているのが、新興政党の動きだ。各種世論調査を見ると、総選挙で躍進した国民民主党に続き、今回の参院選では参政党が伸びるのではとされている。
両政党に共通するのが、「ネット世論との親和性の高さ」だ。筆者はネットメディア編集者として、十数年にわたりSNSユーザーの動向を眺めてきた。その経験から考えると、ここに来ての“参政党ブーム”には、ある程度の納得感がある。
まず改めて、簡単に参政党を説明しよう。元大阪府吹田市議の神谷宗幣氏(現:党代表)らが2020年に結党し、2022年の参院選で神谷氏が初当選。公式サイトによると、国会議員5人、都道府県議7人、市区町村議143人の計155人が所属している。
党の主張としては、強い保守思想が特徴だ。2025年の参院選では「日本人ファースト」のキャッチフレーズをうたい、減税や子どもへの給付などに加え、「行きすぎた外国人受け入れに反対」「食糧自給率100%」「オーガニック給食を推進」といった政策を提言している。
また、憲法については「改憲」ではなく「創憲」のスタンスを打ち出し、5月には「国は、主権を有し、独立して自ら決定する権限を有する」(第4条)などの条文を盛り込んだ「新日本憲法(構想案)」を発表した。
そんな参政党が、参院選の選挙戦が伝えられるにつれて、存在感を増している。神谷代表らの発言を受けて、SNS上では支持者からの熱心な応援と、アンチからの激しいバッシングが飛び交っている。
なかでも注目されているのが、神谷氏が7月3日の街頭演説で行った「高齢の女性は子どもが産めない」発言だ。これには支持者から「当たり前のことだ」といった賛同のコメントが出る一方で、批判的なネットユーザーからは「女性蔑視だ」との声も絶えない。
なお、神谷氏はXで、これらの批判に対して「女性には適齢期があるから歳を重ねていけば出産ができなくなるのは生物として当然のこと。だから適齢期に出産できる社会環境を政治の力でつくろうと言ったことを叩く意味がわかりません」と反論している。
初めに言っておくが、筆者は参政党の支持者ではない。むしろ政策やスタンスは、ほとんど正反対と言っていいだろう。ただ、長年のSNSウオッチャーとしては、いまの時代に合った「うまい見せ方」をしているなと、主にマーケティング面で感心している。
昨今のSNSを見ていると、「キッパリした態度」と「対立構造」がウケる傾向がある。政治で言えば、元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が、市議への苦言を呈する「切り抜き動画」で人気を集めたのが代表例だ。
兵庫県の斎藤元彦知事が、その素質を問われながら“出直し選挙”を制したのも、「県政改革を止めるか、止めないか」を最大の争点にしたからだろう。ひとたびブレない姿勢が支持されると、寄せられるアンチコメントは、反対に「主張が正当である裏付け」として評価される。その結果、さらに存在感が増し、風が吹くのだ。
多くのSNSでは「その人に合った投稿」が、おすすめとして表示される。論点を明確かつ短くしつつ、リーダーシップを感じさせる表現手法は、その性質にピッタリだ。こうした背景を考えると、参政党はSNS時代の戦い方に合っている。
筆者はかねてから、SNS社会では「物語性」が重んじられていると感じている。その点、当初から「DIY(Do It Yourself)」を掲げ、政党の船出から躍進までをストーリーとして描いてきた参政党は、他党と比べて一日の長がある。
加えて、追い風となっているのは、「ボートマッチ」だ。いくつかの質問から、あなたの主張の近い候補者や政党を絞り込むボートマッチは、いまや大型選挙ごとの風物詩になった。
この試みは、政治に関心を持たせ、候補者の全容を伝える意味において、重要な存在である。ただ、あくまでこれは、きっかけに過ぎない。ほとんどの場合、多岐にわたる論点は「はい」「いいえ」「中立」といった選択肢に絞られて、質問そのものも20問程度となっている。
そのため「メディア側が争点と考えた項目」以外は、候補者・政党の公式サイトや選挙公報、政見放送などで、しっかり確認する必要がある。とはいえ現代人には時間がない。ボートマッチのみで投票先を決めることも珍しくなく、とくにスマートフォンに親しんだ若年層では、より顕著にその傾向が出てくるだろう。
その際にカギを握るのは、メディアが何を“争点”と位置づけるかだ。しかしこれは、各社報道を見ていれば、ある程度の傾向を読み取れる。今回であれば、「憲法(9条)改正」「選択的夫婦別姓/旧姓の通称使用」「同性婚」「防衛費」「女性天皇・女系天皇」「外国人労働者」といった項目が盛り込まれたボートマッチが多いが、どれも昨今のニュースを見ていれば、さもありなんという感じだろう。
ここで参政党の優位性が増す。「日本人ファースト」に代表されるように、強い保守色を打ち出しているため、各質問への賛否もまた、きっぱりとした態度になる。その結果、中道政党の回答は、相対的に「あいまいな態度」に見えてしまい、より主張の強い政党が「政権運営を担うべき存在だ」と支持されるのではないだろうか。
ボートマッチの注意点としては、主要争点に絞った質問のため、各政党の「独自色」が見えにくくなることも挙げられる。例えば参政党は、重点政策のひとつに「化学的な物質に依存しない食と医療の実現」を掲げ、「薬やワクチンに依存しない治療・予防体制強化で国民の自己免疫力を高める」などと訴えているが、ボートマッチ結果からは伝わらない。
こうした背景から、SNS上での人気は醸成されていったのだと考える。もちろん参政党は「地上戦」と言われる活動も力を入れている。参院選に初挑戦した3年前から、一気に150人の地方議員を輩出。今回の参院選でも全45選挙区に擁立している「足腰の強さ」は、ネット人気をリアルに波及させる原動力になっている。
ここまで「参政党がバズった背景」を考察してきたが、これは裏を返すと、ひとたび“時代の波”から外れてしまえば、その影響力を一気に失う可能性を秘めている。ネットユーザーは、熱しやすく冷めやすい。ストーリーの消費サイクルが激しく、数日単位でブームが入れ替わる。失望させないように、常に支持者に刺激を与え続ける必要がある。
すぐに“旬”が変わる例として、典型的なのが国民民主党だ。2024年10月の衆院選で、議席を4倍に増やす躍進を見せたが、翌月に報じられた玉木雄一郎代表の女性スキャンダルで潮目が変化。2025年5月には、参院選比例候補(予定)者による過去の言動が問題視され、公認基準の一貫性が問われた。
参政党に目を向けると、この“熱狂”を維持できるかが、今後のカギを握るだろう。それは参院選の17日間も例外ではない。参政党は公約として、「終末期の延命措置医療費の全額自己負担化」(公式サイトより)を盛り込んでいる。これについて、神谷氏が7月8日に「蓄えもしないと大変だと啓発する思いで入れた」などと発言したところ、「終末期医療が必要なのは高齢者だけではない」といった批判が相次いでいる。
発言に対する反発といえば、自民・鶴保庸介参院議員(今回は非改選)の「運のいいことに能登で地震があった」発言も話題だ。鶴保氏は謝罪するも、離党や議員辞職は否定。あくまで1議員の失言ではあるが、党執行部がキッパリとした態度を取らないとなれば、自民党全体のイメージダウンは避けられない。こうした票もまた、「モノ言う参政党」へと流れていくのだろう。
今回の参院選では、物価高などの要因から、「社会保険料をめぐる現役世代の負担増」も主要な争点だ。もし医療費負担を削減できれば、当然ながら“票”につながりやすい。しかし、どう削減するかの手法までは、ボートマッチで可視化されない。
参政党の成功により、今後は“短絡ルート”を攻略しようとする政党や政治団体も増えていきそうだ。そうなった時に重要なのは、有権者みずからの判断能力だ。ボートマッチ頼みにするのではなく、有権者一人ひとりが真剣に各政党の主張を比較検討しない限り、民主主義の成熟には、まだまだほど遠い状況と言えるだろう。
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(ネットメディア研究家 城戸 譲)
政党「くら替え」次々 知名度や即戦力期待
20日投開票の参院選では、国会議員経験者らが所属政党を変えて立候補する「くら替え」が目立っている。政党側は比例代表に擁立し、知名度や即戦力をアピールして票の積み上げに期待する。候補者側には、これまでの言動とくら替え先の党方針が矛盾するケースもあり、移籍の理由を説明できるかどうかがポイントになりそうだ。
国民民主党は、足立康史元衆院議員、須藤元気元参院議員、薬師寺道代元参院議員を比例に立てた。それぞれ、日本維新の会、旧立憲民主党、みんなの党で活動実績がある。薬師寺氏は昨年の衆院選では自民党から比例九州に出馬し落選した。
自民党の鈴木宗男氏は、2002年以来23年ぶりに復党し、比例代表で立候補した。19年参院選では維新から比例で当選したが、23年に事前に届け出ずロシアを訪問したことが問題視され離党した。
自民は、立民に所属していた元東京都議の斉藤里恵氏も比例に擁立。斉藤氏は聴覚障害があり「筆談ホステス」の著書で知られる。
4月に維新を離党した梅村みずほ氏は、参政党から比例で再選を目指す。
集合住宅に女性の遺体 遺棄容疑で42歳逮捕 「遺体は母親」と供述
女性の遺体を自宅に放置したとして、大阪府警淀川署は12日、大阪市淀川区西三国1の無職、浦田光司容疑者(42)を死体遺棄の疑いで逮捕した。
淀川署によると、浦田容疑者は容疑を認めたうえで、「遺体は同居する75歳の母親で6月頭に亡くなった」と話している。
逮捕容疑は大阪市淀川区の集合住宅の一室に女性の遺体を放置したとしている。
11日夜、立ち退き交渉で自宅を訪れた不動産会社の社員から「住人が『1カ月前に母が亡くなり、そのままになっている』と言っている」と110番があった。
駆けつけた警察官がベッドの上にあおむけの状態の遺体を発見した。目立った外傷はなかった。署が身元や死因などを調べている。【木島諒子】
妻の連れ子の娘を金属バットで…傷害容疑で父親(43)を逮捕 札幌市南区
2025年7月11日、札幌・南警察署は、札幌市南区川沿2条4丁目に住む契約社員の男(43)を傷害の疑いで逮捕しました。
男は7月7日午後7時半ごろから午後8時40分ごろまでの間に、自宅で妻の連れ子である娘(10代後半)の左腕付近を金属バットで突いたり、髪の毛を引っ張って背中を蹴ったりするなどして、ケガをさせた疑いです。
7月9日に児童相談所から「養父から暴行を受けたようだ」と警察に通報があり、事件が発覚しました。娘は左ひじを打撲するなどの軽傷です。
男は「暴力をふるったことは間違いない」と容疑を認めていて、警察が犯行に至った経緯を調べています。
「スパイ係、戦闘係、情報係、分析係がありトップは四天王と…」江東区の小学5年生が結成したイジメグループ「リョウジをぶっ飛ばす党」の“異様すぎる実態”
〈 江東区の小5男子を不登校に追い込んだイジメグループ「リョウジをぶっ飛ばす党」の“陰湿すぎる手口”とは デマで孤立させ、コメント欄を埋め尽くす荒らし投稿も… 〉から続く
江東区内の小学校に通っていたが、苛烈なイジメで不登校に追い込まれたリョウジくん。イジメの背景に、「リョウジをぶっ飛ばす党」(RB党)と呼ばれる組織があることをリョウジくんと母親が知ったのも4年生の頃だった。
「ママ友から『娘から、リョウジくんへのイジメがひどいことになっていると聞いた』と言われ、娘さんと電話で話して『ぶっ飛ばす党』のことを聞いたときは驚きました。3年生の頃から仲間外れなどの被害が悪化して、学校も『見守っている』とは言っていましたが状況が改善するどころか悪化し、恐ろしいグループまでできていたんです」(母親)
グループが作られたきっかけは、ある女子が「担任の先生をぶっ潰す党」を作ろうと言ったことが発端だという。このグループ自体はリョウジくんへのイジメとは関係なかったが、イジメのターゲットがリョウジくんに向いた時に「リョウジをぶっ飛ばす党」ができたという。
「打倒!リョウジ党には『スパイ係』『戦闘係』『情報係』『分析係』の4つの部門が…」
イジメグループは「打倒!リョウジ党」と呼ばれることもあったというが、その異様な組織について母親はこう語る。
「イジメの中心人物のAのほかに、グループには『スパイ係』『戦闘係』『情報係』『分析係』の4つの部門があり、そのリーダーは『四天王』と呼ばれていました。悪評を流す、直接叩くなどの担当があったようです。ママ友の娘さんもメンバーから『リョウジのことが好き?』と聞かれ、『好きでも嫌いでもない』と答えると、『好きじゃないなら入りなよ』と勧誘を受けていました。担任とリョウジ以外はほとんどがそのグループを知っていた、とも言っていました」
リョウジくんは休み時間などに、イジメの中心人物であるAの周りに多くの同級生が集まるのを何度も見たことがあった。
「何かグループがあるのは知っていましたが、自分をいじめる目的だとは思っていませんでした。『四天王』というのがいるとは聞いたんですが、まさかイジメそのものが目的だったなんて……」(リョウジくん)
「リョウジをぶっ飛ばす党」は、多くのクラスメイトに声をかけて勧誘していたようで、リョウジくんと仲の良い子を狙うような動きが見られたのは、党ができる前の3年生の頃だという。学校がイジメと認定した直後、Aはリョウジくんを孤立させるように、リョウジくんの仲の良い子に対して、積極的に遊びに誘うようになりました。Aとの遊びを避けていたリョウジくんはクラスメイトとは遊べなくなった。そしてグループが作られると、事実と反する噂が流されていた。
「『リョウジが道端でうんこしていた』とか『階段から誰かを突き飛ばして怪我させた』といった悪い噂を流して、それを信じた他の子どもがリョウジを非難したり、無視したりしたんです。極めて陰湿なイジメだと感じました。リョウジがうつ状態や最悪は自殺に追い込まれていてもおかしくなかったと思います」(母親)
そして嘘の噂を気にしない子には圧力をかけるなど、「リョウジをぶっ飛ばす党」の手法は硬軟とりまぜた精緻なものだった。
「リョウジと仲良くするなら抜けてくれ」と他の子にも圧力を
「グループに入った後に違和感を持った子は『リョウジと仲良くするならグループから抜けてくれ』とプレッシャーをかけられ、息子へのイジメを見て見ぬふりをした児童もいたようです。Aが塾へ行っていない日には他の子と一緒に遊べるのですが、Aが公園にいるとリョウジは『帰れ』と、遊んでいる子に言われたこともあったんです。後に、『四天王』の1人の証言では『グループを抜けたら自分もいじめられる』と恐れていたようです」(母親)
グループの活動が学校内での教師たちの監視の目をかいくぐったのにも理由がある。
「Aは教室内など、先生もいる前で『RB党に入りたい人~!』とクラス全体に『リョウジをぶっ飛ばす党』への勧誘をしていたそうです。ただしAは非常に狡猾で、先生に聞かれてはまずい話題は校門を出てから話していたようだ、と証言してくれた女子もいました」(母親)
母親は「リョウジをぶっ飛ばす党」の存在にショックを受け、すぐに学校に伝えた。学校も担任もそこでようやくグループの存在を把握し、クラス全員への聞き取り調査が開始された。子どもによっては1時間以上かかり、泣いてしまったり、授業中や給食時間に1人ずつ呼ばれるなどの異様な状況が続いたという。
「リョウジはまだ学校に通っていましたが、休み時間や授業中に1人ずつ呼ばれて、聞き取りが行われました。泣きじゃくる女子児童もいたそうで、息子に対して『リョウジのせいでこうなった』と言う子もいました。リョウジも『先生が知ったところで、何も良くならないじゃないか』と諦めのような発言が増え、『もう学校に行きたくない』と学校を休むようになりました」(同前)
調査後に学校側が出してきた提案は「クラスで話し合って謝罪させる。それしか学校ができることはない」というものだった。いわゆる「謝罪の会」だが保護者の立会はできず、「謝ったということになれば、息子はそれを受け入れるしかなくなる」と思い拒否をしたという。
「小学校の先生は信用できないのでちゃんとした私立に行きたいと思いました」
イジメについて担任から関係した児童の保護者に連絡があったが、「リョウジをぶっ飛ばす党」の存在については伝えられなかったという。
リョウジくんはその後も母親に送り迎えをしてもらうなどしてなんとか登校を続けたが、5年生の6月以降は下痢や腹痛を頻繁に訴えて登校できなくなった。
「勉強は塾ですればいいし、嫌な目にあってまで学校に行く意味がないと思っていました。わからないところはお父さんやお母さんに聞けばいいし、小学校の先生は信用できないのでちゃんとした別の私立の学校に行きたいと思いました」(リョウジくん)
しかし5年生の12月頃、イジメの調査なども影響したのか、主犯格だったAが転校していった。
「お前のせいで、俺がイジメをしてるって言われている」と逆ギレ
「逃げられたと思いました。先生は『Aがイジメの主犯だとAの親にも伝えた』と言っていましたが、AもAの親も一度も謝ってはくれませんでした。それどころか、塾の帰りにAから『お前のせいで、俺がイジメをしてるって言われている』と文句を言われたこともあります。Aの親が謝らないことには驚きましたが、Aについては『まあ、Aらしいな』とも思いました」(リョウジくん)
リョウジくんは徐々に、学校への不信感も強く持つようになっていた。
「最初にイジメの相談をした時に担任から『リョウジくんにも問題があるんじゃない?』と言われたので、僕からは何も言えなくなりました。口では『イジメは絶対に許さない』と言っていても、ちゃんと調べようとせず、大ごとにしたくないんだろうなと思いました。担任が僕に直接、状況や気持ちを聞いてくれたことはありませんでしたし。こんな無責任な人たちが先生として子どもの前に立っているのは、おかしいと感じています」(リョウジくん)
母親はAに対して当初は強い怒りを抱いていたが、徐々に感情が変化していったという。
「息子がAと仲が良かったころ、Aは私にもよく話しかけてきて、自分が仲間外れにしている子の悪口をよく言っていました。理由を聞くといつも、『自分は何もしていないのに、相手が○○してきたから…』と言っていたのを覚えています。
グループの存在を知らされた直後は、Aに対して『許せない』という強い怒りが込み上げてきました。けれど、夫に『それでもAもまだ子どもだから、子どもを責めるのは違う』と諭され、私自身も次第にそう考えるようになりました。問題は、Aを取り巻く大人たちの関わり方にあるのではないかと感じています」
リョウジくんが登校しなくなってからも学校や教育委員会とのやりとりは続き、それも家族に大きな負担となっていた。
「いじめ重大事態」に認定されたのはリョウジくんが4年生だった3月末。ただし、設置された調査委員会のメンバーの中立公平性に問題を感じた母親が抗議し、約半年後にようやく第三者を含む調査委員会が設置された。
その時点でも調査対象となる利害関係者2名(区の教育委員会の担当者と、助言を行ったスクールロイヤー)がメンバーに選任されており母親は再び抗議したが、調査は続行された。大半の調査が終了した後にようやく一部の担当者は解任されたという。
「そのほかにも、いじめ防止対策推進法で義務づけられた対応がなされず、何度も指摘しても改善されなかったんです」(母親)
調査開始から1年10カ月後に送られてきた中間報告も、納得のいくものではなかった。
「入学年度やクラス構成が異なって記載されているなど、客観的な資料を確認していないことは明白でした。また、加害者の取り違えといった重大な誤認も含まれていたんです。おそらく、教員や加害児童の記憶に頼った証言だけを事実として認定したんだと思います」(母親)
メンバーが首謀者以外明示されない、不十分な報告書
母親は、中間報告書の内容にリョウジくんの証言や提出した資料を反映すべきだと意見を提出し、卒業して1年後に最終報告書が完成した。しかし「リョウジをぶっ飛ばす党」のメンバーはA以外は明示されていないなど、不満はまだ大きいという。
「調査委は中立公平と言われるが、結局、区教委が設置するため独立性がない。いじめ防対法には罰則規定がなく、たとえ違反しても、マスコミなどの外部からの圧力がなければ、誰からも問責されないのが現状です。最終報告で学校の対応の問題点が指摘されたのはよかったと思いますが、あくまで学校側の対応のみで、区教委の対応は特に指摘されていません。調査報告書に対して指摘するときにママ友との日々のLINEでの情報共有が大きな助けになりました。あれがなかったらと思うと、本当にゾッとします」
リョウジくんはその後、「リョウジをぶっ飛ばす党」に入っていた子と同じ中学校への進学を避けるために都外の私立中学校に進学し、家族も引っ越しをした。イジメの被害にあった側に大きな負担がかかる状況はまだ改善されていない。
(渋井 哲也)
モノレールへの嫌がらせで放火か=逮捕の男「痴漢と警戒され」―警視庁
東京都大田区の高架下で放火し、東京モノレールの業務を妨害したとして職業不詳の岡建志容疑者(41)が逮捕された事件で、同容疑者が「痴漢を繰り返す客として警戒されていた。職員に対する嫌がらせだった」と供述していることが12日、警視庁捜査1課への取材で分かった。
5月には東京モノレール整備場駅(同区)の真下に停車中の車に、燃えた紙くずが落下してくる事案もあり、同課が関連を調べている。
同課によると、同容疑者は「東京モノレールの職員から痴漢を繰り返す客との認識を持たれていた」「施設を焦がすような火を起こせば、職員への嫌がらせになると思った」と供述。痴漢について認めた上で、「そういう目で見られるのは当然だ」とも話している。 [時事通信社]
広島市中心部で路面電車と車が衝突 一時、運行見合わせ
12日午前、広島市中区八丁堀で、路面電車と乗用車が衝突する事故があり、乗用車の男性運転手がケガをしました。
消防によると午前10時43分、広島電鉄の職員から、「路面電車と乗用車の交通事故があった」と通報がありました。
この事故で、乗用車を運転していた男性がケガをしましたが、意識はあるということです。路面電車の乗客にケガはないということです。
この事故の影響で広島電鉄の広島駅~八丁堀間が上下線で一時運行を見合わせましたが、午前11時過ぎ、再開しました。
(2025年7月12日午前11時20分の情報)
「保守王国」群馬 1議席を7人で争う【 #選挙区フカボリ①】
今月20日に投開票が行われる参議院選挙。日本テレビでは、投票前に考える「関東の選挙区フカボリ」と題して、投票の参考になるよう各選挙区の候補者について、詳しくお伝えします。
12日は、「保守王国」として知られる群馬選挙区。1議席をめぐり、7人の候補者がしのぎを削っています。
◇◇◇
序盤の情勢分析で、一歩リードする自民党の現職・清水真人候補。
自民党・清水真人候補(50)
「国民皆保険も介護保険も守っていかなければいけませんから。もし消費税を軽減させていくんだったら何%までならできるんだ。これを考えていくのが私は与党の責任だと思います」
自民党の与党としての長年の実績を強調しました。
追いかける参政党の青木ひとみ候補。
参政党・青木ひとみ候補(44)
「私たち参政党はまずは国民の暮らし、日本国民の幸せを第一に考えるために、大胆な減税政策を訴えてまいります」
「大企業や外国人を優遇する政策は終わりにする」としています。
追い上げを図る立憲民主党の河村正剛候補。
立憲民主党・河村正剛候補(52)
「困っている人たちに目を向け、困っている人たちを支える。これが政治の本来のあり方だと思ってるんです」
「ただただ皆さまの暮らしを守るために戦っていきます」
物価高対策や生活困窮者への支援などを訴えました。
共産党の高橋保候補は、賃上げや消費税減税などを掲げています。
共産党・高橋保候補(67)
「日本共産党は消費税の廃止を求めておりますが、当面緊急に消費税を5%に下げるとともに、インボイスを廃止することを求めています」
NHK党の上楽宗之候補。
NHK党・上楽宗之候補(46)
「やはりNHKをぶっ壊すというところで、スクランブル放送、NHK受信料制度に対して訴えていきたい」
群馬選挙区ではこのほかに、諸派の井田雅彦候補(49)と、無所属の辛嶋美紀候補(49)が立候補しています。
靴に仕込んだカメラで盗撮容疑=40代警部書類送検―警視庁
靴に仕込んだカメラで女性4人のスカート内を盗撮したとして、警視庁は12日までに、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)容疑で、方面本部に所属する40代の男性警部を書類送検し、減給100分の10(6カ月)の懲戒処分とした。捜査関係者への取材で分かった。
処分は11日付で、警部は同日依願退職した。「気持ちが抑えきれなかった」と話しているという。
送検容疑は5月9日朝、東京都目黒区の東急自由が丘駅近くの路上で、靴に仕込んだペン型カメラで通行人の女性4人のスカート内を盗撮した疑い。
警部は同日夕方に渋谷区内の商業施設で、女子高校生のスカート内を同様の手口で撮影していたところ、近くにいた男性に取り押さえられ、事件が発覚した。事件当日は休みだったという。
菅潤一郎警務部参事官の話 警察官として言語道断であり、厳正に処分した。 [時事通信社]