東北大などの研究チームは2日、米航空宇宙局(NASA)の探査機が小惑星から持ち帰った砂から、代謝の主要なエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)やRNA(リボ核酸)を構成するリボースなど、6種類の糖を発見したと発表した。隕石(いんせき)を含めた宇宙由来の物質からブドウ糖が発見されたのは初めて。チームは地球の生命の材料や生命活動を支える物質が宇宙から飛来したことを裏付ける成果としている。
NASAは2023年9月、「米国版はやぶさ」とも称される探査機「オシリス・レックス」で、小惑星ベンヌから試料を持ち帰った。チームはこのうち約0・6グラムの試料提供を受けて有機物を抽出、糖類を精製した。
その結果、ほぼ全ての生物が利用する生命の基本的なエネルギー源となるブドウ糖が見つかった。乳糖に含まれるガラクトースも初めて検出された。
さらに、生命の遺伝情報を保存したり、生体内の反応を促進したりするRNAを構成する糖のリボースも確認された。これまでベンヌの試料からはRNAを作る核酸塩基とリン酸、たんぱく質を作るアミノ酸が見つかっていた。今回の発見で、RNAを作る「部品」が全て宇宙に存在することが明らかになった。
リボースなどの糖は、これまで地球に落下してきた隕石からは検出されていたが、地球に存在する糖が混入した可能性が否定できていなかった。
研究チームの古川善博准教授(地球化学)は「宇宙にRNAの材料があって、それが地球に飛来してきたことが決定的になった」と意義を語る。成果は英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに掲載された。【信田真由美】
「宴会場に入って抗議文を配ったら止められたので、中華包丁を取り出しただけ」 東京ディズニーシーホテル“刃物男”を逮捕
1日夜、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタで、刃物を持った男が企業のパーティー会場に侵入した事件で、警察は、企業の元従業員で34歳の中国籍の男を逮捕しました。
この事件は1日午後8時すぎ、千葉・浦安市の東京ディズニーシー・ホテルミラコスタで男が刃物を持って企業のパーティー会場に侵入したもので、警察は2日、以前この企業に勤務していた神奈川・川崎市に住む中国籍の姜春雨容疑者(34)を暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕しました。
姜容疑者は、パーティーに参加していた元同僚の男性に刃物のようなものを向け「それ以上近づいたらぶっ殺すぞ」などと脅迫した疑いがもたれています。
調べに対し、「宴会場に入って抗議文を配っていたら無理やり止められたので、バッグ内から持参した中華包丁を取り出しただけ」「人に向けたり脅迫はしていない」と容疑を一部否認しているということです。
アパレル会社が中国通販「シーイン」を提訴、ブランド模倣品の販売巡り損害賠償求め
人気ブランド「X―girl(エックスガール)」などの衣料品を販売するアパレル会社「ビーズインターナショナル」(東京)は2日、模倣品の販売で商標権を侵害されたとして、中国発の通販サイト「SHEIN(シーイン)」の日本法人(東京)などを相手取り、販売差し止めと計約1億1000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。提訴は11月28日付。
ビーズ社によると、シーインでは遅くとも今年5月以降、ビーズ社が商標権を持つ4ブランドのロゴが付いた模倣品のTシャツが販売されていたという。シーイン側に模倣品の販売停止を繰り返し求めたが、十分な対応がなされなかったため、提訴に踏み切ったという。
函館の繁華街で火災、300人が避難…百貨店が閉店時間繰り上げなど一時騒然
2日午後2時50分頃、北海道函館市本町6の2階建てビルで、「事務所から出火した」と119番があった。函館中央署によると、けが人の情報はないという。
同署によると、ビルには不動産店などが入居している。1階裏側のトイレ付近の燃え方が激しいといい、出火原因を調べている。
現場は同市中心部の繁華街。火の粉が舞う中、近隣店舗にいた客ら約300人が警察や従業員の誘導で避難したり、煙の流入により近くの「丸井今井函館店」が閉店時間を繰り上げたりするなど一時騒然となった。
保護者対応めぐり市教委から「パワハラ」受けたと主張 中学校の校長が損害賠償求め提訴 堺市
大阪・堺市の中学校の校長が、保護者への対応をめぐり教育委員会からパワーハラスメントを受けたなどとして、市に損害賠償を求める訴えを大阪地裁堺支部に起こしました。
訴状などによりますと、去年7月、原告の校長が堺市の中学校に勤務していた際、生徒3人が無断で近所のスーパーへ昼食を買いに行ったことを担任教師が注意しました。その後、スーパーに行った生徒3人のうち1人の保護者が「教師の指導は不適切だった」として、学校に懲戒処分や担任から外すことなどを求めてきたといいます。
校長は法律的な助言をするスクールロイヤーの弁護士に相談するなどし「処分や担任を外すということだけが解決策ではない。生徒に対して、継続して指導や見守りなどを行う」などと保護者に説明しました。
保護者は納得せず、市教委は保護者の要望通りの対応と謝罪を指示してきたといい、校長は去年12月に適応障害、今年5月にうつ病の診断を受けました。
校長は、保護者への対応で通常の業務範囲を超えた過大な要求を強いられ「パワハラ」を受けたと主張し、堺市に慰謝料などあわせて330万円の損害賠償を求めて提訴しました。
校長は提訴後、報道陣の取材に対し「(市教委に)こちらの対応について理解していただけずに結局本意では無い方向に進められた」と話しています。
堺市は「校長先生に対して適切に対応したと認識している。提訴内容を確認しながら今後の対応は判断していく」としています。
外相「日本の立場、各国に説明」 首相答弁による日中関係悪化受け
茂木敏充外相は2日の記者会見で、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁による日中関係悪化を受け、各国に日本の立場を説明していると強調した。中国の王毅外相が他国の政府高官との電話会談で首相答弁を批判しているのを踏まえ「各国の理解は極めて重要だ。日本政府全体でさまざまな機会にわが国の立場を説明しており、これからもそうする」と述べた。
日中友好議員連盟や経団連が中国の呉江浩駐日大使に対して、議員や経済代表団の訪中を受け入れるよう要請したことは歓迎。「対話や交流を積み重ね、課題や懸案を減らして協力を広げることが極めて重要だ。ぜひ促進したい」と語った。
離婚届、親権者欄四つに 民法改正後のイメージ公表
来年4月からの離婚後共同親権に関し、政府の意見公募サイトでは、制度導入を踏まえた戸籍法施行規則の改正案とともに、新たな離婚届のイメージが公表されている。未成年の子がいる場合、親権を持つのは父母いずれかで選択肢は二つだったが、新たに「父母双方」と「家事審判や家事調停の申し立て中」を加えた四つに。父母それぞれに、真意による合意だったことの確認も求める。
共同親権は、子どもの利益を重視する観点から、2024年5月成立の改正民法に盛り込まれた。来年4月の施行後は離婚時に父母の協議で共同親権か単独親権かを決め、意見が対立すれば家裁が判断する。
新たな離婚届のイメージでは、親権者を「父母」「父」「母」のいずれかとした場合と、「裁判所の判断待ち」の計4欄を設け、該当する子の氏名を記入する。親権者を定めた場合は、真意による合意だと父母それぞれが確認するチェック欄も設けた。ドメスティックバイオレンス被害者らが不本意な合意を強いられる可能性を考慮した。
養育費や子育ての分担、面会交流に関する取り決め状況も正式に記載を求める。
相次ぐクマ被害、飼い犬も 東北で10匹超、「屋内飼育を」
クマによる人的被害が深刻な東北地方で、飼い犬が襲われたとみられる被害も相次いでいる。今季、少なくとも10匹以上が犠牲になったことが6県警への取材で確認された。専門家は、人里近くにすむ個体が増え、一部が屋外で飼われてリードにつながれている犬を食料と認識している恐れがあるとして屋内飼育を推奨する。
各県警への取材では、7月以降、クマによるものとみられる襲撃で少なくとも岩手で6匹、秋田で3匹、宮城と福島で各1匹が死んだり、行方不明になったりした。いずれも住居外で襲われていた。
10月25日、宮城県大崎市の住宅の庭で飼われていた柴犬1匹を、クマがくわえて森に連れ去った。同月30日には、秋田県大館市の住宅敷地内で、柴犬1匹が死んでいるのが発見。クマとみられる爪痕が体に残っていた。
森林総合研究所の大西尚樹さんは「これまでも飼い犬が襲われることはあったが、人里近くで生息するクマが増え、被害が拡大したとみられる」とする。
クマの主食は植物だが、わなにかかったシカを食べる事例も報告。犬を食料として認識する可能性がある。
外国人の不動産所有状況を一元管理、登記・国籍を登録…27年度にも運用へ政府調整
政府は、外国人による不動産所有状況を一元的に把握、管理するデータベースを構築する方向で調整に入った。国籍を届け出る仕組みがないマンションの不動産登記などでは、国籍登録制度の導入を進める。不動産取得の実態を透明化した上で、外国人による土地取得の規制のあり方について検討を進める構えだ。
複数の政府関係者が明らかにした。高市首相が11月4日に、外国人による土地取得のあり方や実態把握を含めた検討を関係閣僚に指示していた。
データベースには、デジタル庁が整備している「不動産ベース・レジストリ」を活用する。内閣官房や法務省など関係省庁で検討を進め、2027年度にも運用を開始したい考えだ。
データベースの登録対象は、マンションなどの不動産登記のほか、森林、農地、国土利用計画法に基づく大規模土地取引、国境離島や防衛関係施設の周辺など重要土地等調査・規制法に定める重要土地などを想定している。
現在、農地では取得者の国籍を登録する必要がある一方、マンションなどの不動産登記では必要なく、不動産の種類によって仕組みが異なる。政府は今回のデータベース化を機に、届け出条件の統一化を図る方針だ。
外国資金を使い、国内に拠点を置く法人を通じて不動産を取得した場合でも、購入の実態を把握できるようにする。森林や大規模・重要土地の取引では、法人の主な株主や役員の国籍の届け出を求める方向だ。
国外に居住する外国人の不動産取得についても、現在は外為法上、投資目的などの場合に届け出義務が限定されているが、対象を拡大する見通しだ。
保有実態の透明化を図る背景には、国民の間で「外国人が日本の土地を買い占めている」「水源地を買収され地下水が採取されている」といった不安の声が出ていることがある。外国人の投機目的での購入が、マンション価格の高騰につながっているとの指摘もある。
国籍などを登録、把握する仕組みが整えば、日本人と外国人で不動産関連の税率に差をつけることや、取得自体を規制するための条件整備につながる。政府は来年1月をメドに策定する外国人政策の基本方針で、規制の方向性を取りまとめる予定だ。
<独自>屋外の津波緊急避難場所、備蓄15%、空調8%… 政府調査、保管設備助成へ
津波から一時避難する際に使う全国の「指定緊急避難場所」のうち備蓄のある割合が、屋外の避難場所で約15%にとどまるという調査結果を政府がまとめたことが30日、分かった。空調設備は8%、日よけは2%だった。政府は屋外での保管設備となる防災コンテナなどを助成対象に加え、市区町村による整備を進める方針。複数の政府関係者が明らかにした。
指定緊急避難場所は平成25年に制度化され、津波対策では高台の広場などが指定される。国の手引はあるが、長期の避難生活は想定されず備蓄の定めはなかった。
ところが、7月に発生したロシア・カムチャツカ半島沖を震源とする地震は、離れた場所で起きる「遠地(えんち)地震」で、津波が広範囲に繰り返し襲来した。津波警報は9時間以上続き、関東地方では最高気温が35度前後まで上昇するなど、夏季での長時間にわたる避難が課題になった。政府高官は「一時避難先なので暑さや寒さのリスクへの意識は低かった」と打ち明ける。
政府は津波被害を想定した40都道府県678市区町村の指定緊急避難場所約4万カ所を実態調査。うち28府県424市町村の計2万1005カ所の暫定値をまとめた。
政府関係者によると「備蓄あり」と回答した屋内の緊急避難場所は4155カ所で屋内全体の29%、屋外では1032カ所で屋外全体の15%だった。備蓄内容は主に飲料水で、他にテントや冷却剤などがあった。
空調設備で冷房のみ、暖房のみ、両方がある場所を合わせた数は、屋内で計5431カ所(屋内全体の38%)、屋外は計523カ所(屋外全体の8%)。サンシェードなどの日よけがあるのは、屋外の171カ所(同2%)だった。
政府は手引への追加項目として保管設備とともに、余裕のある場合、個々人に非常持ち出し袋の携帯も呼びかける。(市岡豊大)
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指定緊急避難場所 災害の危険から一時的に命を守るために緊急に避難する場所。土砂災害、洪水、津波、地震などの災害種別ごとに市区町村が指定する。対象災害に応じ、安全な建築物やグラウンド、駐車場などが多く指定される。避難した被災者が一定期間生活するために学校や公民館などを指定する「指定避難所」と異なる。両方を兼ねることもある。