医療費で生活苦になる法案が成立…上限額の大幅引き上げはWHOが定める「破滅的医療支出」に抵触か? 高額療養費制度〈見直し〉案の矛盾

〈年収600万円でも月5千円が上限となるドイツの医療制度、厚労省が「世界に冠たる」と自画自賛する日本の国民皆保険制度は本当に優秀か?〉から続く
2024年12月、「高額療養費制度」という言葉が突如メディアを賑わせた。政府が、なじみの薄かったこの制度での自己負担上限額の大幅引き上げを2025年の予算案に盛り込んでいたことが明らかになったからだ。しかし当初、マスメディアはこの問題を「他人事」として淡々と報じるだけだった
【図】凍結された2024年案と2025年末案との比較

書籍『高額療養費制度 ひろがる日本の〈健康格差〉』より一部を抜粋・再構成し、わざと分かりづらく設計しているとしか思えないほど難解なシステムを改めて説明する。
当初、マスメディアは他人事感丸出しだった
高額療養費という言葉が新聞やテレビ、オンラインニュースなどで大きく報じられ始めたのは、2024年12月ごろのことだ。
医療関係者やこの制度を利用する疾患当事者以外にはおそらく馴染みがなかったであろう、いかにも小難しい専門用語、といった言葉がにわかに注目を集めた理由は、この高額療養費制度の自己負担上限額を大幅に引き上げる〈見直し〉案を政府が2025年度予算案に盛り込んでいることが明らかになったからだ。
明らかになった、とはいっても、当初は新聞もテレビもこの政府案を問題視していたわけではない。205年度政府予算案との関連で報じられた当時のニュース*1では、高額療養費制度の引き上げはあくまでも既定路線の事実として扱われていたにすぎなかった*2。
引き上げの根拠は、後に衆議院予算委員会の論戦などで石破茂首相や福岡資麿厚生労働相が「国民医療費の倍のスピードで高額療養費の総額が伸びているため」「非常に高額な薬剤が近年急激なスピードで増加しているため」「世界に冠たるこの制度の持続可能性を維持するため」など、もっともらしい理由を列挙してさまざまに主張された。
それらの引き上げ理由を云々する前に、まずは、この騒ぎが発生するまで世の大半の人々にはおそらく初耳に近かったこの制度について、簡単に説明しておく必要があるだろう。
高額療養費制度とは、入院や手術などで一カ月の治療費や薬代が高額になった場合、一定金額以上を支払わなくてもすむように定められた医療制度だ。国民皆保険の最後のセーフティネットとも言われ、日本の公的医療保険に加入している全員に対して適用される。この制度があるおかげで、どんなに高額な薬剤を使用した治療や最先端技術を用いた手術でも、ある程度の範囲内の自己負担額ですむようになっている。
ただし、この「ある程度の範囲内の自己負担額」というのがくせ者で、この制度は年収による所得区分や年齢などの条件によって支払い上限額が細かく設定され、非常に複雑な仕組みになっている。現場の医師や疾患の治療で制度を利用する当事者であっても、この制度の全体像を詳細に理解しているとは限らない。
実際のところ、本書の著者である自分自身、この制度を利用する治療を続けて16年以上経つが、自分が該当する所得区分や年齢枠のこと以外は、今回の問題が起こるまでほとんど理解していなかった。
とはいえ、これはなにも自分だけが制度について無知で怠惰であったわけはなく、おそらく世の多くの人々に共通することであるようにも思う。
健康保険や年金などの社会保障の仕組みに関する事柄は、その制度設計の複雑さゆえに、自分や家族のこと以外はあまり理解していないしさほど興味もない、といった態度が一般的なのではないだろうか。
2024年12月末のマスメディアの報道姿勢は、そんな「他人事感」を如実に表す典型例のように見えた。
とはいえ、そんな他人事感丸出しの報道でも、政府〈見直し〉案の要点はそれなりに簡潔にまとまっていた。だが、そこで淡々と伝えられている自己負担上限額の引き上げ幅は、納得して受けいれるにはあまりに大きな金額だった。
その内容を知ったときは、「いくらなんでも、こんなに滅茶苦茶な引き上げがそのまま予算案で通過することはないだろう」という楽観的な考えと、「それとも、政府や厚労省の人々は、『この額を払えないのならあなたは死んでもしようがないよね』とでも思っているのだろうか」という疑念の、相反する思いが自分の中で相半ばしていた。
微々たる保険料の軽減効果は、上限額引き上げに釣り合うのか?
すでに述べたとおり、高額療養費制度とは、一カ月の医療費が高額になった場合、一定金額を超えた分は自己負担にならずにすむ、という制度だ。わかりやすくいえば、一カ月あたりの医療支払い額に上限キャップを設ける制度、ということになる。
この制度が始まったのは1973年。日本に国民皆保険が整備された1961年の12年後だ。最初は被保険者の扶養家族を対象としたものだったが、1981年以降には被保険者自身にも対象を拡大し、その後、多数回該当(後述)などの仕組みも開始された。
1973年の制度創設当初の自己負担上限額は一律3万円で、以後、低所得者層への配慮を取り入れながらも負担上限額は一律の金額で推移した。
数回の上限額引き上げを経て、2001年には所得区分を3つに分類。2015年にはさらに五区分に細分化された(2025年末に政府が提示した案ではさらに細分化して、2027年8月から一三区分になる見込み)。
日々を健康に過ごしている限りこの制度は縁遠い存在で、多くの人々にとってさほど親近感をおぼえるようなものではないだろう。だが、不慮の病や怪我というものは、誰の身にも突然襲いかかってくる。
たとえば、あなたがある日突然、がんだと宣告され、その入院治療と手術で1カ月に300万円の治療費がかかったとしよう。日本の健康保険制度では、70歳未満の人が病院の窓口で払う自己負担は三割なので、通常の計算なら90万円が請求されることになる。
しかし、そのような高額な料金をいきなり払えと言われても、簡単に出せる人はそうそういないだろう。そこで、年収に応じて支払い額に上限を設け、どんなに高額な治療を施しても一定額以上の料金を負担せずにすむようにしている、というのがこの高額療養費制度の枠組みだ。
現行制度(2026年3月時点、以下同)では、年収700万円(手取り月40数万円)のサラリーマンなら、どんなに高額な治療でも一カ月に約8万円を支払えばすむような制度設計になっている。
8万円ですむ、といっても、けっして安い金額ではない。上述した2024年1月末の報道によると、自己負担上限額は2025年から2027年まで毎年8月に段階的に引き上げ、最終的には「年収700万円の場合、現在の上限額は約8万円だが、25年8月に約8万8000円、26年8月に約11万3000円、27年8月に約13万9000円へ段階的に上がる」(*1時事)、とされていた。
そして、この上限額の引き上げの理由については、「こうした見直しで、1人当たり年1100~5000円の保険料軽減効果があり、給付費も年5300億円削減される見通し」だと説明された。
現行の8万円から最終的に13万9000円への引き上げということは、約1,7倍だ。年収1600万円の場合だと現行の約25万円から約44万円への引き上げとされていたので、こちらの場合は約1,8倍である。13万9000円にしても44万円にしても、一カ月あたりの突発的な出費としてはかなりの高額であることは間違いない。
参考までに、WHO(世界保健機関)は家計所得から住居費用や光熱費、食費などを引いた自由に使える収入のうち医療関連の支払いが40パーセントを超える場合は、貧困に陥る可能性が非常に高い「破滅的医療支出」だと定義している。
この〈見直し〉案で大幅に引き上げられる自己負担上限額が仮に三カ月続くと考えた場合、どのような所得層であっても破滅的医療支出に陥る可能性が高そうなことは容易に想像できる。
しかも、上記報道では上限額を引き上げることによる保険料の軽減効果が年に1100円から5000円ということなので、一カ月あたりの金額に換算すれば92円から417円、ということになる。せいぜい一カ月あたり400円の負担軽減が、現行制度から1,7倍に引き上げられて13万9000円や44万円になる高額療養費の負担の重さとはたして釣り合うものなのかどうか。けっして難しい計算や微妙な天秤ではないだろう。
低所得者層は負担増
参考までに、このときに示された政府〈見直し〉案の引き上げ額概要が[表1]だ。
2027年以降に予定されていた自己負担上限額の引き上げ幅が尋常ではない大きさであったことは、表の上部分に示した現行制度と比較すれば一目瞭然だ。
また、この〈見直し〉案では2027年の年収区分が現行制度よりも細かく分かれていることもわかる。この案は2025年3月にひとまず凍結された。
ちなみに、この当初〈見直し〉案が凍結された後に、約9カ月の議論を経て厚労省は2025年12月25日に新たな〈見直し〉案を示した。その自己負担上限額と引き上げ率を、凍結された当初案と比較したものが[表2]だ。
凍結後に行われた議論をある程度反映した結果、新たな案では引き上げ率が総じて半分程度になっていることがわかる。ただし、低所得者層に関しては、凍結案よりも新たな〈見直し〉案の方が費用負担はむしろ高くなっている。
また、この新たな案による社会保険料の負担軽減を、厚労省は一人あたり年間1400円(約116円/月)と見積もっている。つまり、凍結案よりも新たな案の方が負担軽減効果は低いことになる。
文/西村章
註 *1 以下の報道など。 ・「高額療養費制度 来年8月から上限額引き上げの方針 厚労省」NHKニュース、二〇二四年一二月二三日。 ・「高額療養費制度、自己負担限度額を引き上げへ 25年8月から」、「毎日新聞」二〇二四年一二月二五日。 ・「年収700万円で月5・9万円増 高額療養費制度の上限額」時事通信、二〇二四年一二月二五日。 *2 武蔵大学社会学部・市川衛准教授の調査では、全国紙四紙(朝日、読売、毎日、産経)と通信社二社(共同、時事)、及びNHKの報道で二〇二四年六月~二〇二五年五月に「高額療養費」という言葉がタイトルに使用された回数は二〇二四年一〇月までは六月と九月にそれぞれ一件であったところから、一一月に一二件、一二月に二八件と増加、一月は二件に激減して二月に一一二件、三月に一四九件と一気に急増し、四月には七件に激減している。また、報道内容は、一二月の「上限額引き上げが決まった」という決定事項を伝えるかのような報告から、二月の急増期には制度利用当事者の切実な訴えや国会議論の紛糾などを伝える方向へとトーンが変化していることが顕著に読み取れるという(二〇二五年一〇月二八日、日本公衆衛生学会ワークショップ発表より)。
高額療養費制度 ひろがる日本の〈健康格差〉
医療費が高額になった場合、自己負担額を一定に抑える「高額療養費制度」。 自己免疫疾患の治療で長年この制度を利用してきたジャーナリストは、2024年冬に政府が発表した「改悪」案に不安と憤りをおぼえ、取材を開始する。 疾患当事者や研究者、政治家などの証言が浮き彫りにしたのは、健康に「格差」がある日本社会の現状や、セーフティネットとして十分に機能せず、〈世界に冠たる〉とは到底いえない医療保険制度の姿だった。複雑で入り組んだ高額療養費制度の問題を、一般書として初めて平明かつ多面的に解明する! ◆目次◆ 第1章 高額療養費制度とは何か 第2章 part1 政治的・財政的背景から読み解く〈見直し〉案 第2章 part2 患者団体は〈見直し〉案凍結と変更をどう実現させたのか?――天野慎介氏に訊く 第3章 2024・2025年の〈見直し〉案をひもとく――安藤道人氏に訊く 第4章 高額療養費制度に潜む「落とし穴」を検証する――五十嵐 中氏に訊く 第5章 「魔改造」を施された日本の医療保険制度と高額療養費――高久玲音氏に訊く 第6章 part1 司法の視点から高額療養費制度を検証する――齋藤 裕氏に訊く 第6章 part2 立法の視点から高額療養費制度を検証する――中島克仁氏に訊く 第7章 「健康格差」解消のために、どのような医療保険制度を構想すればよいのか?――伊藤ゆり氏に訊く 第8章 大局的な視野から日本の医療保険制度と高額療養費制度を考える――二木 立氏との一問一答

【一報】磐越道でマイクロバスが絡む事故 複数人けが人か 車外に投げ出された人もいるとの情報 福島

福島県郡山市熱海町高玉の磐越道でバスなど車複数台が絡む事故があり、一部区間で通行止めとなっています。
事故があったのは、福島県の磐越道上り(磐梯熱海ー猪苗代IC間)で、午前7時45分ごろ、「バスがガードレールに衝突し、後続のハイエースが追突した」とハイエースを乗っていた人から通報がありました。
警察によりますと、車外に投げ出された人がいて、このうち高校生が意識不明との情報もあり、警察が事故の対応を進めています。

【速報】男子生徒1人死亡 新潟・北越高校の生徒20人が乗ったマイクロバスが福島県の磐越道で事故 ソフトテニス部の部活動で移動中に 後続車と合わせ26人ケガ《新潟》

福島県の磐越道で6日、新潟県胎内市の男性が運転するマイクロバスがクッションドラムに衝突しました。バスには、男子ソフトテニス部の部活動のため、新潟市中央区の北越高校の生徒20人が乗っていましたが、男子生徒1人が死亡しています。また10代男性2人が重症など、後続車を含め、合わせて26人がケガをしているということです。
事故があったのは、福島県の磐越道上り線です。
6日午前7時45分頃、「バスがガードレールに衝突し、後続の車が追突した」と後続の車に乗っていた人から消防に通報がありました。
新潟県胎内市に住む68歳の男性が運転するマイクロバスは、クッションドラムに衝突し、乗車していた人が車外に投げ出されたということです。
マイクロバスには北越高校の生徒らが乗っていましたが、男子生徒1人の死亡が確認されました。
また10代男性2人が重症など、後続車を含め、合わせて26人がケガをしているということです。
北越高校によると、乗っていた生徒は男子ソフトテニス部の部活動のために福島県へ移動していました。
朝5時半ごろに新潟市の学校を出発し、福島県富岡町での練習試合に向かっていました。
灰野正宏校長は「本校の生徒が亡くなったということについては痛恨の極み」とコメントし、7日は休校するなどの対応はとらず、「(生徒たちの)ケアがしっかりできるような形で、我々がいま知っている段階での事実関係を説明したい」と話しています。
情報更新:午後7時58分

高市自民が選挙で圧勝した原因は…やっぱり安倍さんのおかげでした ユーチューブ動画をAIで分析して見えたもの【データ・インサイト】

2月の衆院選は、自民党が戦後初めて定数の3分の2を単独で超える歴史的圧勝となった。後押ししたのが動画投稿サイトのユーチューブ。選挙戦の期間中には各党が動画に注力したが、高市早苗首相が出演する自民の広告動画は1億5千万回超も再生された。 ただ、よく見られた動画は政党や立候補者よりも、一般人ら「第三者」の投稿の方が圧倒的に多い。再生数上位1000件のうち、第三者の動画が9割弱を占めた。「第三者がトレンドを作った」と言っても過言ではないだろう。 試しに、第三者の動画の内容などをチャットGPTで調べてみた。すると、昨年7月の参院選と約半年後の衆院選で傾向は大きく変化していた。どういうことか。(共同通信=中田良太、堀内幸太郎)

▽再生数は9億回超 調査対象にしたのは、再生数が上位1000件の動画。衆院選と参院選で合計2千件になる。対象期間は、衆院解散の1月23日~投開票前日の2月7日、参院選は昨年の通常国会閉会翌日の6月23日~投開票前日の7月19日。 2千件の動画のうち、第三者以外の投稿元を取り除くと、衆院選が882件、参院選814件だった。総再生数は衆院選9億40万回、参院選は9億813万回に上る。内容の多くは、演説などの映像を数十秒~1分ほどに編集した「切り抜き動画」だった。 両選挙の第三者動画計1696件を解析したら、こんな結果になった。 ①参院選では、参政党に肯定的な動画が最多の184件。否定的な動画が最も多かったのは自民で、395件に上った。このうち、当時の石破首相が244件で批判、嘲笑されていた。 ②衆院選では自民の評価が「真逆」になった。324件が肯定的で、うち294件が高市首相を称賛したり、擁護したりしていた。最も否定的に扱われたのは中道改革連合で、284件だった。 ③同一チャンネルなのに、自民を巡る評価を変えたことも確認された。両選挙で動画が上位千位に入ったチャンネルは63あり、動画は参院選378件、衆院選279件だった。自民の評価は、参院選で肯定的1件、否定的188件。衆院選は肯定的81件、否定的29件だった。衆院選で最も批判の矛先になったのは中道で、97件だった。
ユーチューブにおける政党の評価
▽ユーチューブは「親安倍政権」? なぜ、自民の評価は激変したのか。 インターネット選挙に詳しいJX通信社の米重克洋代表は「首相の交代が大きい」と述べた上で、こう読み解いた。 「現状、ユーチューブは安倍政権に肯定的か否定的かが評価軸になっている。首相が故安倍晋三元首相と近かった高市氏か『アンチ安倍』の代表格とされる石破氏かで、評価が分かれた」 その上で「高市政権になって自民の評価が好転したのに伴い、批判の矛先は中道に移った」。 中道は衆院側の立憲民主党と公明党が合流し、結党した。立民は自民と対立してきたし、公明は高市氏が自民総裁になったとたんに連立を解消した。親安倍層がよく思わないのも納得だ。 参院選は、親安倍層から好意的に見られた参政が主役になった。JX通信社の調査では、2024年衆院選で躍進した国民民主党も好感度が高かったという。
JX通信社の米重克洋代表(同社提供)
▽なぜ「親安倍」? AIの解析結果を見ても、親安倍層の受け取り方がユーチューブの傾向に影響していそうだ。では、なぜ親安倍層の評価が影響力を持っているのだろう。 衆院選のデータを見ると、興味深い点がある。小選挙区について、単純に議席数だけを見ると、自民は小選挙区289議席の86%に当たる248議席を占めたが、合計の得票率ベースでみると、自民に入れた人は49%。半分に満たない。 一方で、ユーチューブに目を向けると、AI解析で「肯定的」と判定された動画は自民324件に対し、他党は計246件。動画の中で自民は1・3倍も「支持」されていることになる。 この点に関し、米重氏は次の2点を挙げる。 1点目は、ユーチューブを情報源とする若者ら現役世代の不満。一定数は物価高を受けた岸田・石破両政権の政策を評価できず「安倍政権は良かったが岸田、石破両政権はだめ」と考えていると分析する。 2点目は「保守系インフルエンサー」の長期的な発信だ。アベノミクスなどを支持した保守系言論人は、ネット動画の政治への影響力が高まる前から積極的に発信してきた。確かに、政治的発信をするインフルエンサーには、安倍政権や高市政権に好意的で、石破政権に批判的な人が少なくない。 米重氏によると、こうしたインフルエンサーの発信が、ネットを情報源とする現役世代に「刺さった」。その結果、ユーチューブは「親安倍」の地盤になったと見ている。 ユーチューブを選挙に影響するほどの存在に育てたのは、保守系言論人や利用者の活用だったのかもしれない。
ユーチューブチャンネル「ちんあなご」に投稿した動画をスマートフォンで映す男性=3月6日午後、東京都港区
▽「バズる政治家」選択 一方で、衆院選の期間中に動画を投稿した第三者たちは、必ずしも「自民支持」だから投稿したのではない。 「動画がバズる(多く再生される)政治家や政党を選ぶ」 こう語るのは「ちんあなご」というチャンネルを運営する東京都内の男性(60)だ。 衆院選で自民の動画を多数投稿。投開票日までに計約700万回再生された。名古屋駅で高市氏が手を振る動画は30万回を超えた。 一方、その半年前の参院選では、参政党を扱った。 理由は「最も勢いがあったから」 どの政党に関する動画を投稿するかは、交流サイト(SNS)などを見て決めるという。「共産党などの動画を投稿しても、再生数は上がらない」 ユーチューバーの多くが見ているのは収益だ。再生数に応じて広告収入が入る。ただ、再生1回の単価は高くない。 「ショート動画は1回1銭(100分の1円)程度。衆院選の収入は約7万円だった。撮影の交通費を考えれば、割に合わない」 このため、収益を増やすには再生数を稼げる動画の数を増やすしかない。男性は、投稿者の心理をこう説明する。 「バズった動画をまねて、同じ政治家や政党を扱う動画が増えていく」 ただ、「コンテンツ力が別格だった」という高市氏はともかく、よく見られている政党や政治家を扱えば何でもかんでもバズるわけではないらしい。男性は「演説より選挙カーを映した動画が再生されたこともある。何がバズるかは正確には分からないから、数で勝負する」とも語った。

▽選挙はビジネスチャンス ところで、ユーチューバーはなぜ選挙というテーマを選ぶのか。 「ちんあなご」チャンネルの男性の回答は明解だった。 「国政選挙は、国民の約半分が投票という形で参加するため、関心が非常に高い。こんなにバズりやすいイベントはない」 選挙はビジネスチャンス。この言葉を裏付けるようなデータがある。衆院選動画の再生数上位1000件の投稿元を調べると、第三者のチャンネルは計330。このうち、93件が開設されたのは、参院選の後だった。衆院選で積極的に発信していたチャンネルの3分の1は、その半年前には存在していなかったことになる。

▽予測できず「怖さ」も もちろん、収益目的ではないユーチューバーもいる。 自民を支持する九州地方の50代男性は「純粋な応援」として広告料が出ない方式で投稿している。この男性が投稿し、100万回近く再生された動画は、街頭演説で高市首相が救急車に配慮して「マイクは使いません」と声を張り上げた場面に「神対応」とテロップを付けたものだった。 これまで、他の選挙でも動画を投稿してきたが「高市さんは桁違いにバズった」。 自民大勝の一因は、首相に対するネット上の好感と見ている。 ただ、男性は、参院選と衆院選で自民の評価が真逆となったことには怖さを感じたという。 「批判的な動画の中にはデマや誹謗中傷もある。いつ、どの政党や政治家が矛先になるか分からない」
【取材後記】「ユーチューブ政治」の時代? 2005年、当時の小泉純一郎首相が郵政民営化を争点に臨んだ衆院選は、小泉氏が反対派への「刺客」を擁立するなどマスメディアの話題を独占し、自民を圧勝に導いた。小泉氏の政治スタイルは「劇場型」などと呼ばれ、印象論や善悪で民意に訴えかける手法は物議を醸した。 それから20年あまり。ネットを情報源とする層が増えた今、ユーチューブやSNSが与える印象が、民意に一定の影響を与えているように見える。 私たちは2024年の東京都知事選から、ユーチューブやSNSを解析してきた。回を重ねるごとに「ユーチューブ政治の時代が来た」との考えが大きくなっている。それを単純に問題だと断じるつもりはない。「小泉劇場」などの例では、新聞やテレビ報道の在り方も批判を受けてきたからだ。 データを通じてネット世論と向き合う作業は、マスコミの在り方を見つめ直す機会にもなっている。ユーチューブやSNSから学ぶことは多い。

6歳息子を殺害容疑 46歳女を送検…動機を捜査 供述が二転三転…首を圧迫するなどしたか 札幌

「子育てに一生懸命だった」近隣住民からは驚きの声 6歳息子の首を圧迫…殺人容疑で母親逮捕 札幌
札幌市手稲区の住宅で6歳の息子を殺害した疑いで、46歳の女が送検されました。
供述が二転三転していることから、警察は慎重に捜査するとともに、事件当日の状況や動機などについても調べています。
殺人の疑いで送検されたのは、上井雪峰容疑者46歳です。
上井容疑者は5月4日午前6時半ごろから午後8時ごろまでの間に、札幌市手稲区新発寒7条11丁目の住宅で、息子の雄翔さん6歳の首を圧迫するなどして殺害した疑いが持たれています。
警察によりますと、上井容疑者は自ら「子どもが死んだ。殺した」と通報していますが、その後の調べでは「私は息子を殺していません」と容疑を否認しています。
供述が二転三転していることから、警察は慎重に捜査するとともに、事件当日の状況や動機などについても調べています。

「殺すぞ」と70代の女性を脅迫か…82歳男を脅迫容疑で逮捕「言ったことはありません」と否認 福島

「殺すぞ」などと70代の女性を脅迫したとして、82歳の男が逮捕されました。
脅迫の疑いで逮捕されたのは、会津若松市に住む82歳の男です。男は5日午後8時26分頃、会津若松市内の住宅内において、70代の女性に対し「殺すぞ」などと脅迫した疑いが持たれています。
男は「『殺すぞ』と言ったことはありません。」と容疑を否認しているということです。
警察が2人にトラブルがあったかなどを調べています。

「助けてというメールが届いた」警察への通報で事件発覚《児童虐待事件》40歳看護師の女が10歳未満の娘の首をつかむ暴行か 娘はけが 札幌市

4日夜、10歳未満の娘の首を掴んでけがをさせたとして、40歳の母親が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、札幌市中央区に住む40歳の自称看護師の女です。
女は4日午後9時半ごろ、自宅で10歳未満の娘の首をつかむ暴行を加えて、ひっかき傷を負わせた疑いが持たれています。
翌朝、被害者の関係者から「助けてというメールが届いた。家に助けに行ってほしい」と警察に通報がありました。
女は「首をつかみ、けがをさせたことは間違いない」と容疑認める
女は、警察の調べに対し「首をつかみ、けがをさせたことは間違いない」と容疑を認めているということです。
警察は、犯行の動機や日常的な暴行がなかったかなど詳しい捜査を進めています。

冬眠明けなのに…300kg「メタボヒグマ」北海道で出没 秋田では今年初の人身被害も

クマの出没が相次いでいます。北海道では体重300キロある巨大なヒグマの個体も姿を現しました。
【画像】「太く」て「でかい」メタボヒグマ 住宅近くの山林で捉えたカメラが
300キロ「メタボヒグマ」出没
長野県内のスキー場で、3日に現れたのは1頭のクマです。
雪の上を猛スピードで駆け抜けた先には、スキーを楽しむ人の姿がありました。人間を見たクマはUターンし、山の方向に戻ったそうです。
北海道興部町にある住宅近くの山林でセンサー式カメラが捉えたのは、巨大なヒグマでした。
20年ヒグマを観察 黒澤徹也さん

「すごく太いという印象。太くてでかい。250~300キロくらいあるんじゃないか。『メタボヒグマ』と言っている」
オスの成獣で、冬眠明けとは思えないほど、脂肪をたっぷり付けた体で「メタボヒグマ」と名付けられました。
秋田で今年初めて人的被害
5日も秋田県で男性が襲われ負傷するなど、ゴールデンウィークはクマの出没が相次ぎました。
東京から車で北海道に夫婦で旅行中、暗闇から突如現れたのはヒグマ。センターラインを越えて衝突寸前になりました。
気温も上がり連休各地に姿を現しているクマ。5日は人への被害も出ました。
秋田県由利本荘市では、田んぼの見回りをしていた48歳男性が体長1メートルのクマに襲われ病院に搬送されました。
警察によると、秋田県では今年初の人身被害となりました。
(2026年5月6日放送分より)

寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」シャワー券を高額転売 「憧れている人の気持ちを」

東京と山陰を結ぶ、豪華寝台列車「サンライズ瀬戸・出雲」。鉄道ファン以外からの人気も高いこの列車内で使用できる“チケット”を巡って、騒動が起きています。
【画像】鉄道ファンが憧れる「サンライズ瀬戸・出雲」の特別な体験
「サンライズ瀬戸・出雲」の魅力とは?
日本で唯一、定期運行する寝台特急列車「サンライズ瀬戸・出雲」。東京を午後9時すぎに出発し、翌朝、岡山県で分割。それぞれの目的地である香川県高松駅と、島根県出雲市駅に向かいます。
その魅力について、鉄道好きタレントの伊藤桃さんは次のように話します。
「夜を駆ける列車って、やっぱりすごく特別で、東京駅から出た場合は東京の高層のビルの中から次第にのどかな景色になって。真夜中の駅を抜けていき、今度は山の中を通って、起きたら出雲とかに着いているというところで、すごく魅力的だなと思う。ネットだと(乗車券は)発売しても本当にすぐ、秒で完売」
個室になっている一番高価なシングルデラックスの寝台料金は1万3980円。カーペットの上に雑魚寝する形の「ノビノビ座席」は寝台料金がかからず、運賃と特急料金だけで利用できます。
鉄道ファンが憧れる「サンライズ瀬戸・出雲」のさらに特別な体験があるといいます。
「そういったこと(列車内でのシャワー)ができるということが、今ここだけという。よりレアな経験ができてるという喜びはある」
鉄道に乗りながら利用できる「シャワー室」です。
車内の自動券売機で1枚330円で販売されているシャワーカードを購入することで利用できます。
サンライズ号のシャワータンクの湯量にも限度があるため、販売枚数はひとつの編成で20枚ほど。シャワーの使用時間は1回につき6分間で、右上のカウンターの秒数を見ながらこまめにお湯を止め、節水しながら使用します。
「女性としては結構大変だなと。髪の毛急いで洗ったりとかしなくちゃいけないので」
この人気のシャワーを巡り、今問題が起きています。
JR西日本が注意喚起
インターネット上では「サンライズ瀬戸・出雲」のシャワーカードが、定価のおよそ5倍の値段で売られています。
一体、なぜこんなことが起きているのでしょうか?
SNSの投稿

「JRの夜行列車『サンライズ出雲』に乗車直後、転売ヤーらしき人物がシャワー券を買いだめしたため、発車前に完売という異常事態に」
伊藤さんもシャワーカードが売り切れている様子は、頻繁に目にするといいます。
伊藤さん

「憧れている人の気持ちを踏みにじるじゃないけど、自分が利益を得るような行動は、ちょっと世知辛い世の中だなと思う」
JR西日本はシャワーカードの販売機横に注意喚起を掲示し、買い占めないよう呼び掛けています。
JR西日本

「サンライズ号をご利用いただく際は、当日車両内の自動販売機で必要な分のみご購入いただき、ご乗車いただいた方全員が快適にご利用できるよう、ご協力をお願いいたします」
(2026年5月6日放送分より)

一時漂流した「フェリー屋久島2」あす7日も欠航 あさって8日運航再開めざし復旧作業つづく 鹿児島

先月、鹿児島湾で一時漂流した「フェリー屋久島2」はあす7日も欠航が決まり、あさって8日の運航再開を目指して復旧作業が進められています。
鹿児島と屋久島を結ぶ「フェリー屋久島2」は先月28日、航行中にエンジンと電気が止まり、鹿児島湾で一時漂流しました。
トラブルの原因について運航する折田汽船は、海水が燃料タンクに流れ込み発電機が故障した可能性があるということですが、詳しい原因はわかっていません。
「発電機などの修理が続いている」として7日も欠航
早ければ7日にも運航再開する予定でしたが「発電機などの修理が続いている」として7日も欠航することが決まりました。

8日の運航再開を目指して6日も復旧作業を行っています。
折田汽船はいわさきグループの鹿商海運が運航する貨物フェリー「ぶーげんびりあ」をチャーターし、5日までに3回臨時運航しています。