184日間にわたり大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で開かれた大阪・関西万博の閉幕から一夜が明けた14日、朝からパビリオンや場内のショップなどで撤収作業が始まった。喧噪(けんそう)に満ちた前夜の様子からは一変し、静けさに包まれた会場内では、働いていたスタッフらが、万博での半年間の思い出をそれぞれかみしめていた。
会場内ではトラックが行き交う中、手際よく撤収作業が進められ、関係車両の走行音やキャスターを引く音だけが響いた。連日来場者が行列を作ったパビリオンも、中の展示品などが次々と外へ運び出され、豪華な外観の建物だけが静かに残る。会期中は人混みで建物全体をじっくり見渡すことはできなかったが、どれも芸術性の高い建物で、取り壊されることへの実感がまだ湧いてこない。
前夜まで大勢の人で埋め尽くされていた万博のシンボル、大屋根リング下もこの日は関係者がまばらに歩くのみ。リングを支える木の柱だけがずっと先まで並んでいるのを見通すことができ、「世界最大の木造建築」の大きさをやっと感じる。リング下を歩く関係者の中にはリングをねぎらうように優しく柱をなでる人や、名残惜しそうにリングの隅々まで見渡す人の姿もあり、それぞれに会場への思いをはせているように見えた。
閉幕後の会場に訪れた関係者の中には、パビリオンやショップなどで働いていたスタッフも多くいた。閉幕日の夜まで会場で働いていたスタッフもいたが、その表情からは疲労感ではなく誇らしさや達成感がにじんでいるように思えた。
会場内の飲食店で働いていたという女性(47)は「半年間は短いようで、いろんな思い出がある。スタッフたちとももう会えないし、名残惜しくて」と会場内を散策。仲間と記念撮影をしたり、店内で打ち上げをしたりする人たちも見られ、万博をきっかけにできた人と人のつながりが目に見えた。(堀口明里)
京大霊長類研の不正支出 解雇の元所長、3300万円支払いで和解
京都大の霊長類研究所のチンパンジー飼育施設工事を巡る研究費不正問題で懲戒解雇された松沢哲郎元所長が「不当」として地位の確認を求め、京大側が逆に約2億円の損害賠償を松沢氏に求めていた訴訟が、京都地裁で和解していたことが判明した。7日付。毎日新聞が入手した和解調書によると、松沢氏が解決金として約3300万円を支払い、京大は請求を取り下げる内容。
松沢氏はチンパンジー研究の第一人者として知られる。京大は2020年6月、チンパンジー用ケージの整備に関連して松沢氏らによる不正支出が11~14年度に34件計5億669万円あったと発表。松沢氏の監督責任を問い、20年11月に懲戒解雇処分にした。
松沢氏は不正を否定し、21年4月に地位確認と未払い給与の支払いを求める訴訟を京都地裁に起こした。
一方、飼育施設工事に絡んで受けていた補助金を日本学術振興会に返還することになった京大側は22年10月、松沢氏を相手取り、約2億円の損害賠償を求め提訴。その後、退職金返還を求める訴訟も起こしていた。松沢氏の代理人弁護士は取材に対し、「裁判の長期化を避けるため和解した」などと説明した。
霊長類研は22年4月、「ヒト行動進化研究センター」に組織改編されている。【太田裕之、水谷怜央那】
《中国人観光客による“違法買春”の実態》民泊で派遣型サービスを受ける事例多数 中国人専用店在籍女性は「チップの気前が良い。これからも続けたい」
インバウンド需要が膨らむなか、国別で1位となる1兆7000億円(2024年度)もの金額を日本に落とす中国人観光客。日本経済を潤す存在ではあるが、昨今、一部の訪日中国人のなかで「違法買春」に興じる動きがあるという。摘発事例も相次ぐ中国人観光客の実態をレポートする。【前後編の前編】
日本の地域経済にはほとんどお金が落ちない構造
9月17日、中国人観光客を相手に日本人女性に売春させたとして、大阪市の派遣型風俗店の店長らが大阪府警に逮捕された。
「店長は中国籍で、主に訪日中国人向けに日本人女性を斡旋していました。口コミで”本番行為OK”と謳っており、女性の派遣先はホテルや客の自宅だけでなく民泊も含まれてた」(社会部記者)
民泊は住宅の一部または全部を宿泊施設として提供するサービス。ホテルより安価な場合が多く需要が急増している一方、インバウンドによる騒音やポイ捨てなどのトラブルが問題視されている。そんな民泊が昨今、一部の訪日中国人の違法行為の現場になっているという。事情に詳しいジャーナリストの倉田達也氏が語る。
「民泊は都内でも一泊1万~1万5000円程度が相場で、そこに宿泊した中国人観光客が出張型性風俗サービスを利用する事例が多いのです」
背景にあるのは、中国人向けの民泊の急増だ。行政書士DNR事務所代表の佐々木淳一氏が語る。
「昨今、中国人オーナーによる民泊運営が活況です。特に大阪では万博の開催をきっかけに急増し、新築マンションを一棟丸ごと運用しているケースなどもあります。中国人観光客は中国系の旅行業者を通じて宿泊予約し、支払いもWeChat PayやAlipayなど中国の決済サービスを利用するのが一般的。中国人観光客が中国人運営の民泊に泊まり、日本の地域経済にはほとんどお金が落ちない構造になっている」
「派遣先が民泊というケースは増えました」
そんな中国人オーナーが運用する民泊と、今回のような「中国人専用サービス」が裏で手を組んでいるケースもあるという。前出の倉田氏が語る。
「一部の中国人富裕層は、購入した部屋を同胞に向けて日割りで貸すなど事業届のない違法民泊を行なっており、そこに目を付けた業者が中国人専用デリヘルの提供場所として民泊を利用しているケースがある」
もちろん日本人オーナーが提供する民泊が中国人専用サービスの現場となる場合もあり、オーナー側はそのような利用を認識していない場合がほとんどだという。中国人専用派遣型の店に在籍する女子大生Aさんに話を聞いた。
「お店には多くの日本人女性が在籍していて、サービスは基本的に本番あり。中国人は観光や仕事で日本に来ている人など様々で、1日10人以上相手することもあります。確かに最近は派遣先が民泊、というケースは増えましたね。部屋のオーナーさんに迷惑じゃないのかな……とは思うのですが、ゴムを床に放置してたり、ベッドが乱雑になってたり、そういう光景は珍しくない」
中国人相手のメリットは「金払い」だとAさんが続ける。
「チップの気前がよくて、1万円程度は当たり前。最高で6万円くれた人もいます。それに日本人相手のお店では相手を満足させるテクニックやトーク、愛嬌などが求められますが、中国人のお客さんは淡泊な人が多く、行為がパパッと終わるんです。2回のコースでも1回終えたらあっさりと『もう帰っていいよ』となることが多い。これからも続けたいですね」
(後編に続く)
※週刊ポスト2025年10月17・24日号
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
10月8日、秋篠宮家の次女・佳子さまが、滋賀県彦根市で行われていた「第79回国民スポーツ大会」の総合閉会式に出席された。佳子さまは、2022年の第77回大会 (旧・国民体育大会)より公務を担っている。
今大会で男女ともに総合成績1位となったのは、開催地の滋賀県。佳子さまから天皇杯と皇后杯の賜杯がそれぞれの代表に授与された。この日、彦根市の天気は快晴 。佳子さまは、透き通る青空さながらの華やかな全身ブルーの装いだった。
佳子さまはロイヤルブルーのロングドレスに、耳元にはブルーのイヤリングを着用。ヘアスタイルはハーフアップで、花びらと葉っぱの形をした髪飾りでまとめられていた。ウエスト部分、斜めに折り重なるようにデザインされたプリーツが華やかさを醸しつつ気品あふれるお召し物だ。
しかし、SNS上などを中心に、当日撮影された写真について「ボディラインを拾いすぎているように見える」との指摘が相次ぎ、〈生地が薄すぎるのでは〉〈なんでこの服にしたの?〉といった心配する声が集まっている。これまでも、その”際立つファッション”は多く注目を集めてきたが──。モード誌で活躍する現役スタイリストが解説する。
「いまの時代にマッチした、フレッシュでエネルギーを感じさせる装いが常に注目を集める佳子さま。伝統あるスポーツの祭典という場においても、品格を保ちつつ個性を発揮された、とても印象的なコーディネートでした。
ドレスは、由緒あるドメスティックブランド『TADASHI SHOJI』 ではないでしょうか。特徴的なプリーツのデザインが、過去に発表された同ブランドのものと似ていますね。パーティーや式典など、フォーマルな場にも出られるような上質な1着をファッショナブルに着こなしていました」
コバルトブルーのイヤリングに合わせて
全身ブルーでコーディネートされていたことについて、Xでは〈”琵琶湖ブルー”を表現されたのでは〉との指摘もある。
「滋賀県のシンボルカラーである”琵琶湖ブルー”は、琵琶湖の水を表現した薄い青色。このたび佳子さまが取り入れられたカラーは、どちらかといえばコバルトブルーに近い色合い。日本の伝統的な”ジャパンブルー=藍”もイメージされたのではないでしょうか。
また、この日は滋賀県の工房『Atelier Toano(アトリエ・トアーノ)』が制作した近江瑠璃細工『青の花しずく』と見られるイヤリングを着けていました。日本工芸会総裁を務める佳子さまは、工芸品を用いたアクセサリーを軸にコーディネートされることが多いため、今回も、イヤリングのコバルトブルーに合わせてカラーを統一されたのかもしれません」(同前)
公式ホームページによると、近江瑠璃細工『青の花しずく』あおばなのイヤリングは、草津市の市花「あおばな」の花びらを使ったフラワーアクセサリーだ。
「ブルーのお花と葉っぱの髪飾りも、イヤリングとのリンクを意識されたのでしょうか。
由緒あるブランドのドレスを、佳子さまなりのアレンジをくわえて着こなしていた。佳子さまのファッションは、皇室や伝統品など”日本の魅力”を発信し、若い方にもさらに興味を持ってもらうための役割を担っていると思います」(同前)
今後も、佳子さま流”アレンジ術”に注目が集まる。
台風23号八丈島に最接近、雨・風ピークか22号で甚大被害
八丈島から最新の状況を伝えてもらいます。現地から高木記者の報告です。
八丈島のホテルから安全に注意してお伝えします。
八丈町役場によりますと、午前6時40分の時点で、6つの避難所に361人が避難していて、前回の台風で土砂崩れの被害があった末吉地区の避難者が最も多いということです。
私はおとといから八丈島で取材をしていますが、停電や断水が続くなかでふたたび台風が来るということで、島民からはまだトイレや風呂が使えないのに「また来るのか…」という落胆の声も多く聞かれました。
今も広い範囲で土砂災害の爪痕が残るなか、被害の拡大や復旧の遅れが心配されていて、島民は不安な朝を迎えています。
「靖国参拝=外交問題」公明党・斉藤代表が断言 中・露・北朝鮮に言及し「安全保障」も強調
公明との斉藤鉄夫代表が11日、YouTube番組「ReHacQ-リハック-」に出演し、首相の靖国参拝は「大きな外交問題」と明言した。
10月4日に高市早苗氏が自民党の新総裁となった。総裁選を終えた高市氏が公明党にあいさつに来た際、斉藤氏は「3つ懸念があります。解決されない限りは連立ということにはなりませんよ」と伝えたと明かした。公明党側からは「政治とカネ」「靖国神社参拝」「外国人との共生」についての懸念が示された。
斉藤氏は「ReHacQ-リハック-」で「靖国に参拝されることは個人の信仰の自由ですが、総理大臣として参拝されるということは大きな外交問題になります」とコメント。「靖国参拝=外交問題」という見解を明示した。
さらに「中国、ロシア、北朝鮮がああいうブロックを形成する中で、日本の安全保障上、いわゆる外交関係、アメリカとの関係、韓国との関係、中国との関係を考えると、この靖国問題というのはまさに安全保障の問題で外交問題であると」と重ねて強調した。
高市氏は4日の総裁選直後に靖国参拝については「外交問題にされるべきことではない」と明言していた。また、日本維新の会の藤田文武共同代表は8日の定例会見で、安倍晋三元首相が靖国参拝した時に連立与党だった公明党が抗議しなかったことを指摘。「日本の政党がそういうことをごちゃごちゃと騒ぎ立てるっていうのは、それ自体良くない」と苦言を呈していた。
(よろず~ニュース編集部)
〈自公決裂〉「公明と自民一部勢力による高市おろしだ」…公明党元国会議員、創価学会関係者が明かした重大決断のウラ
公明党による“連立離脱”の衝撃が続いている。党の存亡をもかけた決断のウラには何があったのか? 公明党元国会議員、創価学会関係者に話を聞いた。
【画像】自民党と公明党が初めて連立政権を組んだ歴史的瞬間
故・池田大作名誉会長が「上品で素晴らしい人材」と評価
公明党が連立離脱を決めた10 月10 日、「集英社オンライン」の記者は、支持母体である創価学会の総本部がある信濃町で話をきいた。
創価学会職員だという50代の男性は「公明党は企業献金に反対してきました。でも自民党さんは寄り添わなかったじゃないですか。一言で言えば自業自得です。参院選のように、選挙もボロ負け続きですし、一緒にやる意味がなくなった」と語った。
他にも「自民党と一緒にいる公明党ってグルなの?とも思われてしまうし、よかったんじゃないですか」(都内在住40代・女性会社員)など連立離脱に賛同する声が多くあがった。
なぜ公明党は連立からの離脱を選んだのか。
公明党の斉藤鉄夫代表(72)は、自民党の高市早苗総裁(64)が総裁に選出された10月4日に、①「政治とカネ」の問題、②靖国神社参拝、③外国人政策についての懸念を伝達していた。連立継続のためにはこれらの懸念が解消される必要があるとしていた。
筆者の取材に対し、公明党の元国会議員はこう語る。
「私の経験から言っても、公明党の重要な判断には、支持母体である創価学会の意向が関わっていた。当時は創価学会のトップに公明党の創立者でもある故・池田大作名誉会長が君臨し、その下に創価学会会長が“総裁”的な立場でいて、公明党の党首は“渉外部長”といった感覚でした。
今回も学会側の意向もあり、高市さんとの第一回目の交渉の時から、連立離脱の流れは既定路線になっていたとみています。創価学会の原田稔会長を含めて、『このまま自民とは組めない』という思いだったのでしょう。ただ、結論は決まっていたとしても、理由付けを整理する必要があります。それがあの3項目だったとみています」
公明党が2021年、当時の岸田文雄政権に、18歳以下の子ども1人につき10万円を支給する臨時特別給付金を要求した時もそうだが、「創価学会本部の意向が働いていると公明党は強い」(同前)という。元公明党の議員が続ける。
「公明党の斉藤代表は清水建設の研究職でしたが、1993年に旧広島1区から公明党公認で出馬し、初当選しました。非常に謙虚な性格で、立候補要請があった時に、最初は固辞したと言われています。
池田大作名誉会長が『上品で素晴らしい人材』だと評価し、特別待遇をするきっかけになった。池田氏が斉藤氏に会い、『お前は、創価学会を守るために議員になるんだ』と伝えたと聞いています。
公明党では、“総合企画室”という部署が、学会本部とのやりとりを担当しますが、太田昭宏元代表や北側一雄元副代表と同様に、斉藤氏もこのポストを経験した。現在の創価学会の原田会長、そして長谷川重夫理事長も庶務室長として池田氏の側にいた人物です。斉藤氏とは信頼関係もあり、連携は取りやすい」
最終的に公明党は、企業・団体献金の受け皿を政治家が代表を務める政党支部ではなく、政党本部と都道府県組織に限定する案を“丸呑み”することを要求。そして、その案に対する高市氏の対応が不十分だとして、10月10日の会談後に連立離脱を表明した。
小泉進次郎農相が自民党総裁になっていれば…
公明党は2024年衆院選、2025年都議選、参院選と“3連敗”しており、参院選後には「党存亡の危機」と総括。現役世代や若年層の支持が伸びず、党の広報戦略の刷新に取り組んできた。最近では、YouTube『公明党のサブチャンネル』などで、SNS上で話題になるような、やわらかい発信にも力を入れている。
別の公明党関係者はこう語る。
「1994年に公明党の一部が新進党に合流し、その後、紆余曲折はありましたが、1999年に自公連立となったあとも、選挙における公明党の票は順調に伸び続けていた。2005年衆院選の比例得票数は890万票くらいとっていた。それが、今年の参院選では521万票くらいですから、非常に下がっている。
827万世帯の党員の高齢化なども指摘されますが、統一教会問題を受けて、“宗教2世”の問題などがクローズアップされ、宗教全般へのネガティブなイメージが出てしまった影響もあるように感じています。党存亡の危機を迎える中、学会員以外の無党派層の支持も集めることのできる政党にしなければならないという方針になっていた。
その中で起きたのが、今回の連立離脱だった。自民党から距離を置き、平和の党として独自色を出して党を再生しようという戦略です。とはいえ、連立解消により、公明党としても小選挙区での候補者擁立が非常に困難になり、茨の道ですが……」(公明党関係者)
ただし、高市氏の歴史認識や政治姿勢を問題視したという声も根強い。歴史的に、創価学会や公明党は日中友好に力を入れてきた。実際、斉藤氏は総裁戦後の10月6日に国会内で、中国の呉江浩駐日大使と面会している。
「池田先生は『女性の声を大事にしなさい』とおっしゃっていたことから、創価学会婦人部の発言力は強く、政治とカネの問題への忌避感があったのは確かでしょう。それに加えて、日中友好に力を入れてきた公明党としては、高市氏の歴史認識や政治姿勢が許容できないことも、離脱の引き金となったはず。高市氏に比べて、リベラル色が強いとされる小泉進次郎農相(44)が自民党総裁になっていれば、ここまで急な動きにはならなかった可能性もある」(同前)
高市氏に近い自民党関係者は「公明党は、総裁選で小泉氏を支援した自民党のグループとやりとりが多い。一連の離脱劇については、両者の“連携”を疑う声もある」と指摘する。斉藤氏も10月11日配信のYouTube番組で、将来的な再連立の可能性に言及している。
「“高市おろし”を仕掛けているようにも感じます」
一方の自民党は、連立パートナーの公明党を失い、“超少数与党”となりつつある。朝日新聞は10月11日に、自民党が次期衆院選において、公明党の候補者がいる選挙区に、独自候補を擁立する方針だと報じた。“超少数与党”の現状から脱却するために、日本維新の会との連携を目指す可能性もある。
政治解説者の篠原文也氏はこう語る。
「公明党としては組織力が弱体化する中、党の再生に取り組まないといけない。ましてや高市氏とは、歴史認識や政治姿勢が大きく異なり、“一番なってほしくない人”が総裁になってしまった。ただ、このタイミングでの連立離脱は、公明側と、小泉氏と近い自民党の勢力が連動し、“高市おろし”を仕掛けているようにもみえます。
今後の先行きは極めて不透明です。まずは、高市氏が首班指名選挙を乗り切れるかどうか。このまま野党がまとまらなければ、“高市総理”が誕生するとみられています。国民民主党の玉木雄一郎代表(56)も総理への意欲を持っており、“玉木首班”で野党がまとまる可能性はゼロではないが、玉木氏はかねてより“旧民主党”の枠組みによる政権交代に否定的ですから、あまり現実的とは思えない。
ただし、高市氏が首班指名選挙を乗り越え、総理になったとしても、政権運営は非常に厳しい。維新や国民民主と連立を組んだとしても、衆院の過半数には届かず、さらなる連立交渉が必要です。それもうまくいかなければ、当面は公明党を含めた野党と、政策協議を重ねるしかないが、野党は是々非々で望むでしょう。高市政権ができたとしても、石破政権時代よりも、国会運営は厳しさを増すとみられます」
26年続いた自公関係の解消により、政局が一気に流動化している。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班
「犬笛型ヘイトスピーチ」考える集会 市議の投稿巡る訴訟の判決控え
SNS(交流サイト)上に不当に顔写真や親族の情報などをさらす行為は「差別扇動」に当たるのではないか――。大阪府内在住の在日コリアンの女性が添田詩織・泉南市議からヘイトスピーチを受けたとして損害賠償を求めた訴訟が、大阪地裁で審理されている。24日の判決を前に原告側の支援集会があり、参加者が「犬笛型ヘイトスピーチ」の問題点について考えた。
原告は在日コリアン3世の会社役員、李香代(イ・ヒャンデ)さん(59)で、泉南市の事業を請け負うイベント会社の役員を務めている。
訴状によると、李さんが朝鮮学校の保護者会の元役員であることや、李さんのいとこが捏造(ねつぞう)されたスパイ事件によって韓国で死刑判決(後に再審無罪が確定)を受けたことについて、添田市議がSNS上に書き込み、顔写真も掲載した。李さん側は、親族に犯罪者がいるかのような投稿によって名誉を毀損(きそん)されたと主張。背景には「在日コリアンに対する根強い差別意識がある」としている。
裁判で問われているのは、影響力を持つ公人の書き込みが差別を煽っているのではないかという点だ。直接相手を差別する言葉は使わずに、暗示的な言葉によって自身の支持者らによる差別をあおる手法で、犬笛にもたとえられる。実際に、添田市議の投稿に反応する形で、SNS上には李さんに対する差別的書き込みが多数流れている。
添田市議は今年7月の本人尋問で、一連の投稿について「公金が流れている企業の財務責任者がこの方だと市民に提示するためだった」「ネット上の情報を貼り付けただけで、個人的な見解は述べていない」などとし、差別的な意図がないことを強調した。
支援集会で李さんは「添田市議の弁論での言葉は、在日コリアンへの差別を正当化し、人権を軽んじる侮辱的発言だ」と話した。さらに「『日本人ファースト』という言葉を通じ、排外主義をあおる風潮がある。今回の裁判はそうした風潮への問いかけでもある」と語った。
また、ヘイトスピーチに詳しい金尚均(キム・サンギュン)・龍谷大教授が裁判の意義などを解説した。添田市議の投稿について「犯罪者、朝鮮学校という要素をSNS上で提示し、『この人は敵であり、社会から排除していい存在だ』というイメージを作り、差別をあおるものだ」と指摘。「ヘイトスピーチは民主主義を瓦解(がかい)させるもので、表現の自由として許されるものではない」と話した。
さらに金教授は「SNS上の投稿を消すことは困難であり、李さんの『平穏に生活する権利』は今も侵害され続けている」とした。「李さんは、攻撃しやすい在日コリアンかつ女性だから攻撃された。交差差別(複合差別)に当たるという視点も必要だ」と語った。【鵜塚健】
187億円の税金で「ムダな船着場」をつくっただけ…国も、大阪府も、大阪市も沈黙する「船で行ける万博」の大誤算
構想当初から「船で行ける万博」と喧伝されていた大阪・関西万博は、まわりを海に囲まれた「夢洲(ゆめしま)」という立地を活かし、神戸・京都や大阪市内の各地から、渋滞しらずの船でスイスイとアクセスできる……はずだった。
半年経ったいま、どうだろうか? 開幕の2年前に検討されていた12航路のうち、就航できた5航路は「出る船が次々と満員御礼」にまで成長した。しかし、大半の航路は船の就航自体なし。中には、船着場と同時に計画した「年間30万人を集客する旅客船ターミナル」もろとも手付かず、といったケースもある。どうやら万博の船運は、場所によってくっきりと成功・失敗の事例が分かれているようだ。
なぜ、ここまで「“明”と“暗”」が分かれたのか。半年間にわたる万博が閉幕を迎えるいま、「万博の船運」を振り返っていく。
万博が閉幕しようとしている中、堺旧港・中之島・ユニバーサルシティ~夢洲(万博会場)航路を運営している「ユニバーサルクルーズ」の予約ページを見る限り、8月5日時点で最終日までほぼ全便が満席、予約できない状態となっている。
しかし、ユニバーサルクルーズによると、万博開幕当初は「利用率は軒並み1~2割。1人か2人しか乗っていない便も多い」状態であった。なぜ、打って変わって乗船客は激増したのか?
当初伸び悩んだ最大の理由は、電車だと数百円で済む区間で2800~3800円を要するという「高額な運賃」にあった。同社は7月に「他の交通機関に対抗するには値下げしかない」と決意の上で、最大7割の値下げに踏み切ったことで、利用者が一定数増加したという。
また運賃値下げに加え、万博協会より全旅客船利用者に特典が付与された。内容は「10~12時台のチケット保持者は、予約の1時間前から西ゲートの優先レーンを利用可能」というもの。
この頃にはすでに、午前9時台の万博チケットが入手困難になっており、船を利用して「優先入場利用証明書」をもらえば、まだ入手が容易であった10時台を購入して、9時台に会場入りできる。いわば、船の利用がファストパスのような扱いになったようなもので、各航路は「家から遠くても乗りに行く」(例:家が大阪市北部でもわざわざ堺市まで回り込んで船に乗る)人々が激増。「値下げ」「優先入場」効果が相まって、8月上旬ごろにはチケット売り切れ・満席が続くようになったという。
ただ、値下げを実施してもまだ運賃は高く、優先入場特典も、急いで入場しない方には関係ない。それでもなぜ、船の利用は激増したのか……実際に「堺旧港」発の船に乗り込んだところ、意外な秘密が隠されていた。
まず人気の秘密は、この航路に就航しているのが「ミャクミャク号」であること。万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が大きく描かれた船を撮影するために、入港前から多くの人々が写真撮影のために早くから待ち構えており、待つ人々からも「何度もこの船に乗りに来ている」という話が聞かれた。
さらに、船内にはミャクミャクグッズや、コラボを行ったナウル共和国パビリオンの公式キャラ「ナウルくん」のグッズが、空きスペースに溢れんばかりに飾り付けられている。ユニバーサルクルーズによると「最初はミャクミャク数体しかなかったものの、従業員や関係者が次々と買い足していくうちにこうなった」という。終盤に向けて盛り上がった万博らしい華やかさ……というより、いい意味での「ゴチャつき具合」。乗船客も記念撮影の手が止まらない。
そして、日によっては地元・堺市から「勝手に盛り上げ隊」が出動、沖縄の三線(さんしん)・クラリネット演奏などで船を見送ってくれる。こうして見ると、「ミャクミャク号」が多くの万博利用者・リピーターで賑わうようになった理由は「船会社・地元が一体となって、楽しめる船旅を作り上げた」ことだろうか。
なお万博閉幕後も、「ミャクミャク号」で大屋根リングを海上から観察する鑑賞クルーズが開催されており、全便満員が続いているという。その後も2026年3月までは、現在の「ミャクミャク」ラッピングを維持する見込みのようだ。
ほか、ユニバーサルシティ港~夢洲間の旅客船「まほろば」は値下げこそしなかったものの、船を所有する「岩谷産業」によると、万博閉幕に向けて乗客数は順調に増加しているという。万博会場行きの船は、どの航路も会期終了に向けて、急激に利用者が増加している。
ここまでは、万博の入場者数増加や経営努力などで、旅客船が満員となった「明」の事例だ。しかし「お役所仕事」で、船の運航そのものが消滅したという「暗」の話もしなければいけない。
大阪市淀川区の淀川河川敷には「十三(じゅうそう)船着場」が2025年3月に開業。2024年時点の想定では、万博へのアクセス手段として十三~夢洲間の定期航路が開設され、「1日8便・3社で月約250便」が発着する予定であった。
この船着場は、京都・枚方から淀川を下った川船と、夢洲行きの海船の乗換拠点でもあり、ほど近い場所にある阪急電鉄・十三駅から乗り換える客の滞留も見込める「船の一大ターミナル」となるはずであった。賑わいを見込んで、約30店舗・600席の屋台村「淀川つつみ市 ミナモ十三」が、2025年4月に一部先行開業すると発表されていた。
このエリアの改修は、大阪市・国土交通省などが関わる「淀川河川敷十三エリア魅力向上事業」として「年間30万人の賑わい創出」という目標値が各種資料に書き込まれ、令和7年度には2198万円の予算が計上されている。かつ、十三船着場の整備に9500万円、上流の「淀川大堰」を船が通過可能な構造に変更するための事業(淀川ゲートウェイ)に186億円が投じられており、事業としてはなかなか大がかりなものだ。
さて、一帯は「年間30万人」の賑わいを生むエリアに変貌したのか? 現地はただの河川敷のままで、構想にあったような景色は見られない。長閑で美しい光景ではあるが、再開発の成否を「明か暗」かでいえば、明らかに“暗”だ。
まず、「1日8便・3社で月約250便」が就航すると見込まれていた十三船着場~夢洲間の定期航路が、夢洲側の着岸料の問題(一部報道では2~3万と言われる)もあってか、1社も実現しなかった。さらに、当初の構想にあった淀川上流からの航路も、京都~十三~夢洲間が乗り換え込みで8時間ほどかかるという“万博ついで”として使えないものであったこともあり、社会実験扱いで数回のツアーが組まれたのみ。もちろん、ただの1社も定期就航に手を挙げなかった。
河川を管轄する近畿地方整備局に4月時点で伺ったところ、基本的には「運行を希望する船会社待ち」状態とのことだったが……結局「待ち」のまま、万博は閉幕を迎える。
屋台村「ミナモ十三」開業も4月開業が10月に延期となったが、淀川区に確認したところ、「敷地占用に関する河川事務局などとの調整が完了していない」という、定期航路以前の別問題が発生していた。現在も同様の状態が続いており、船の就航に関わらず、どのみち開業できなかった可能性が高い。
なお「ミナモ十三」を運営する予定の「株式会社RETOWN」に聞いたところ、今から許可が出たところで「屋台村のオープンが真冬」となりかねず、オープンは来年春になる見通しだという。行政側の不手際による開業遅れによって契約業者の離脱も生じており、「RETOWN」もある意味、お役所同士の不手際の連鎖に振り回された被害者と言えるかもしれない。
そもそも、賑わいの源である定期船が1隻も来ないとあっては、集客施設を作る意味すら疑わしい。地元での説明会資料でも「年間30万人集客」という文言はしれっと削除されており、期待されていた万博の波及効果・経済効果とは、何だったのだろうか?
万博に間に合わせたいなら、スケジュールを切って目標を共有してでも、お役所同士で「定期航路の誘致」「ミナモ十三開業」を同時進行で調整できなかったのか。万博そのものが成功したとしても、荒涼とした淀川河川敷から「失敗の連鎖反応」の理由をはっきりさせる必要がありそうだ。
もう1カ所、安治川沿いの「中之島GATEサウスピア」(以下:サウスピア)からも、万博会期終了まで定期船の就航が叶わなかった。なおユニバーサルクルーズの中之島~夢洲航路は「中之島GATEノースピア」(中央卸売市場前港)から発着しており、「サウスピア」の対岸とはいえ極端な遠回りを必要とするため、実質的には別の場所だ。
こちらは十三船着場と違って、2025年4月5日のグランドオープンでは、水素船「まほろば」がお披露目扱いで発着している。しかしその後、「技術的な問題」を理由に定期就航を延期(ユニバーサルシティ~夢洲間のみ運航)し、万博閉幕前になって、正式に「サウスピア就航断念」を発表した。
中之島GATEを管轄する「大阪府・府民文化部都市魅力創造局魅力づくり推進課水と光のまち・にぎわいの森推進グループ」に聞いても明言はされなかったが、この桟橋を設計した時点では、「まほろば」サイズの船(総トン数177トン・全長33m)の就航を想定していなかったのは確かだという。要するに、「定期旅客船は誘致できず、『まほろば』は就航できそうだったのに、何らかの問題に就航を阻まれた」ということだろう。
こういった事情で、ここから夢洲行きの定期船就航はなく、テナント入居している飲食店はそれなりに繁盛している。いまの中之島GATEサウスピアをたとえて言うなら「事業費5億円をかけた桟橋オブジェ付きシーフードレストラン」といったところか。
こうして振り返ってみると、万博終盤にかけて一気に賑わうようになった堺・中之島など旅客船航路と、本来の「万博行き船運のターミナル」という役割をまったく果たせなかった十三船着場・中之島GATEで、「明暗」ははっきりしている。
ただし、後者は「暗」とはいえ、災害時の「物資供給」「孤立化した人々の避難」「京都方面からの瓦礫搬出」など防災の役目を期待されている。もしこれを「万博があるから」という名目で国から補助を引き出し、なかなか予算がつかない防災設備の整備には成功した、ということであれば……凄まじく好意的な見方ではあるが、考えた方は史上稀にみる策士ではあろう。
もし今後、万博のようなイベント開催で航路を開設する際は、中小企業も多い船会社の身の丈に合った支援体制・接岸料の提示から考えた方が良いのではないか。失敗の連鎖のほうが大きかった「万博の船運」事例から学ばないと、また行政の不手際で民間が振り回されることになる。
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(フリーライター 宮武 和多哉)
偽造教員免許行使疑い、男逮捕 失効のまま各地で勤務か、福岡
福岡県須恵町立中学校の補助教員採用試験で、偽の教員免許状の写しを提出したとして、県警は13日、偽造有印公文書行使の疑いで同県宇美町、補助教員近藤正仁容疑者(66)を逮捕した。捜査関係者によると、教員免許を失効した状態で埼玉、群馬、山口の各県で勤務していたとみられる。
県警によると「偽造された物と知りながら提出したのは間違いないが、公文書の印鑑は作っていない」と供述している。
逮捕容疑は今年1月下旬ごろ、須恵町役場学校教育課で、偽造された中学校教諭1種免許状の写し1通を提出した疑い。県警は偽造の経緯を調べる。
町によると、近藤容疑者は会計年度任用職員として4月に採用された。その際、教員免許状の写しや、県内外の学校での勤務歴が記載された書類を提出していた。
9月、勤務先の生徒の保護者から、同姓同名の人物が免許を偽造していたとの情報があるとの指摘があった。町教委が近藤容疑者に確認したところ「原本が手元にない」などと曖昧な説明をしたため、県警に相談。自宅待機とした。