「消費減税は私自身の悲願でもありました」
1月19日に行われた記者会見の席上、高市首相がこう発言して波紋を呼んだ。1月23日に衆院を解散すると表明し、対抗する中道改革連合が消費減税を打ち出したことに触れ、高市首相も消費減税を主張したのが冒頭の発言だ。
その後の総選挙は「自民大勝・中道壊滅」という結果に終わったが、冒頭の「悲願」発言もその要因の一つだろう。自民党も中道改革連合も消費減税を掲げたことで、消費減税が選挙の争点から消えてしまったからだ。
ただ、第2次高市政権が消費減税を実行するかは不透明だ。
そもそも、現時点では高市首相の口約束でしかない。事実、自民党の選挙公約に消費減税は入っていない。それどころか、「減税のげの字」さえ見当たらない。
しかも、肝心の高市首相の発言もブレまくっている。
日経新聞が報じている通り、2025年5月には「国の品格として食料品の消費税率は0%にするべき」、9月(総裁選中)には「党内の意見集約ができなかった」、10月4日には「すぐに対応できることをまずは優先したい」、11月には「レジシステムの改修などに一定の期間がかかる」など、曖昧な態度に終始している。
「悲願」という言葉の意味を調べたところ、以下のように説明されていた。
要するに、「悲願」とは、相当な長期間にわたって強く願い続けていることを指す。相当な長期間とは、場合によるが、1年や2年ではなく、10年、20年のスパンだと解釈できる。
ちなみに高市首相の初当選は1993年7月。消費税の導入は1989年だから、初当選以来ずっと消費税の廃止や引き下げを願ってきた、くらいの印象も受けるわけだ。
高市首相は本当に長年にわたって消費減税を主張してきたのだろうか。
高市首相の公式サイトには「公式ブログ」が設置されている。マスコミによって切り取られたり、編集された情報ではなく、首相本人が発信したい言葉がそのまま掲載されているはずだ。
2000年8月から続くこの公式ブログから、消費税に関する投稿をピックアップし、本当に悲願だったのか確かめてみよう。
まず、2020年11月16日付の「『自助』という言葉を批判することの不思議」という投稿には、こんな文言が躍る。
他国に比べると、各種支援サービスに対する国民の負担は低い方だと思います。
日本の消費税は、昨秋から10%に引上げられましたが、他国の付加価値税を見ますと、スェーデンとデンマークは25%、イギリスとフランスは20%、ドイツは19%。国民負担率(租税負担率+社会保障負担率)は、日本は44.6%、スェーデンは58.9%、イギリスは47.7%、フランスは68.2%です。
少子高齢化が進行している中で、将来を見据えて、「給付と負担のバランス」についても、責任をもって率直な議論を行うべき時が来ています。
「租税などの負担が増えても良いから、もっと手厚い福祉を求めるのか否か」ということです。
消費減税の主張どころか、消費税を下げる必要はないくらいに読めるのだが、気のせいだろうか。
2020年11月は菅政権が発足した2カ月後というタイミングだ。少なくともこの時点において高市首相は「消費減税論者」ではなかったと思われる。
もう少し前だったらどうだろうか。安倍政権時の2014年4月15日付「納得できる消費税の使い道」にはこうある。
消費税率を引き上げ、全消費者の皆様にご負担をお願いした以上は、「税負担増に納得できる受益(安心)」を実感していただけるように、努力を続ける決意です。
今回の消費税率アップは、民主党政権時代に、当時は野党だった自民党と公明党も協力をして、自公民で成立させた「税制抜本改革法」に基づくものです。
同法の規定により、消費税率引き上げによる増収分は全額「社会保障の安定化と充実」に充てることとされていますから、結果的には全て国民に還元されるものです。
第2次安倍政権下で、2014年4月に消費税率を8%に引き上げたことを受けた投稿だが、税率引き上げを擁護・正当化する主張が並んでいる。
この当時高市氏は自民党政調会長を務めており、消費税の引き上げについても、党内の意見調整に尽力していたはずだ。
腹の中では消費税引き上げに反対だったとしても、立場上そう主張するわけにはいかなかったのかもしれないが、いずれにせよ、この時点では消費税引き上げに賛成しており、減税論者ではなかった。
2012年6月17日付の「税と社会保障の『3党合意』を急いだ党執行部」を読んでも、消費税引き上げに反対した様子はない。
「3党合意」とは、民主党野田政権および野党だった自民党・公明党の3党間で締結された、「税と社会保障の一体改革」に関する政策合意のことだ。
この合意により消費税を「2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる」ことが決まった。
この3党合意について、高市氏は事前の相談もなく唐突に決まったと批判しているが、税率の引き上げ自体への批判はない。
方法について、「わずか1年半の間に2段階に分けて引き上げるという手法です。流通販売現場の混乱や対応コスト増の懸念もあり、自民党としては反対だったはずです」という批判も見られるが、あくまで引き上げの手法に向けられた批判で、消費増税自体を批判したものではない。まして、減税方向の主張はかけらもない。
それどころか、こんな文言もある。
消費税のメリットを挙げるとすると、それは「公平性」です。
所得に関係なく1度は消費に伴う税負担をしていただいた上で、真に福祉が必要な方々には、別途、生活扶助や住宅扶助等で手当をする方が順当なのではないでしょうか。
このように消費税のメリットすら挙げ、消費税を社会保障の拡充に充てる考えを示しており、減税論者とは到底思えない。
2011年にはこんな投稿もある。12月13日付の「野田内閣への疑問7:消費税に関する考え方」から引用する。
自民党は、昨年の参院選の折に、消費税率を10%に引き上げることを公約しています。年金、医療、子育て、障害者施策等々、その使途の内訳(金額)も、昨年中に発表済みです。
消費税は低所得者にも負担がかかりますので、税率アップにはご批判もありましょうが、社会保障制度の継続性と負担の公平性を考えると、間接税を財源として重視する方が良いと判断しています。
政府与党内では当面は「消費税率引き上げの是非」の議論が続きそうな様子ですが、早急に「給付と負担の関係」についての国民的議論と政治の場での十分な検討が必要だと思います。
このように「消費税の10%への引き上げ」に賛成しており、反対ではない。それどころか、「間接税(=消費税)を財源として重視する方が良い」とまで言っている。
これらの投稿を読む限り、高市首相はむしろ「10%への増税」を主導してきた側だったと見られても仕方がないのではないだろうか。
そもそも高市首相の公式ブログにおいて、消費税に言及する記事は少ない。手元の集計ではあるが、1000本以上の記事が投稿されている中で、明確に消費税に言及したものはたった7本。うち、はっきり消費減税を主張したものは1本もなかった。
一方で「自衛隊」に言及した記事は35本あった。
記事本数=関心の高さと考えるなら、もともと消費税には関心が薄かったのかもしれない。
その上、民主党政権時には消費税引き上げを批判しながら、自民党の消費税引き上げについては擁護する、といった矛盾した姿勢も見られる。
こうした矛盾やブレは、他の分野についての発言には見られないものだ。
外国人労働者問題について書かれた2004年10月29日付の投稿「外国人労働者受け入れの課題」にはこうある。
「日本人の雇用機会を奪う」「医療等、人命に係わる職業分野での技術水準や言葉の壁をクリアできるのか」といった反対意見が寄せられる一方で、「少子高齢化が進む日本は、外国人労働者の受け入れを積極的に進めるべき」とのご意見も多く伺います。
世界的にブロック経済化が進む中で、日本企業がその枠外に取り残されるデメリットを避ける為に、いずれ日本は「人の自由化」も受け入れざるを得なくなるのでしょう。その場合に想定される諸課題への取り組みが急がれるべきだと思います。
まさにいまの日本社会の問題を予言したかのような内容であり、20年以上前の意見としては慧眼としか言いようがない。
外国人問題については非常に一貫した主張を行っているのに比べて、消費税や財政についての投稿は数も少なく、主張のブレも目立つわけだ。
以上、高市首相の公式ブログを読む限り、長年にわたり消費減税を主張してきたという事実は確認できなかった。
それどころか、むしろ「10%への引き上げを主導してきた」としか思えず、「消費減税」ではなく「消費増税」こそ首相の悲願だったのでは、とも思えてくる。
こういった経緯にもかかわらず、衆院選を前にして「消費減税は私の悲願」とまで言い切ったわけだ。
これを真っ赤なウソと言わずして何といおう。ここまで事実と異なることを言うのは普通の神経を持った人には耐えられないのではないか。高市首相はその清新なイメージに反し、実際は相当な「タヌキ」なのではないだろうか。
政権側による事実と異なるあやふやな発信は、何も消費税に限った話ではないという。
法政大学の小黒一正教授によれば「そもそも『責任ある積極財政』という説明自体にやや矛盾を感じる」という。
「これから国会審議が始まる2026年度予算案は、国の一般会計のみの話ですが、『プライマリーバランス黒字化(1.3兆円)』予算になっています。『プライマリーバランスが均衡』とは、国債費を除いた社会保障関係費や公共事業などの政策的経費が、税収等(国債発行以外の税外収入を含む)と同額ということ。『プライマリーバランスが赤字』だと政府の支出を税収等で賄えないため、国債残高(対GDP)も膨らむ圧力がかかります。
ただ2026年度予算案はプライマリーバランスが黒字なので、新規の国債発行も30兆円未満でおさまっており、補正予算を組めば話が別ですが、2026年度末の国債残高(対GDP)は25年度末の170%から166%に縮小する可能性があり、どちらかといえば『緊縮的』な予算案だと言えます。それを『積極財政』と呼んでいるのには違和感を覚えます」
「そもそも、財政運営は時々の経済状況に依存することは明らかですが、積極財政を主張する人たちは、『景気が悪いのに政府の支出を増やさず緊縮財政をしていたから、デフレ脱却が遅れた』としてきました。ですが、デフレがひどかった期間は、『プライマリーバランスが赤字』で、国債残高(対GDP)も累増してきた。つまり、景気が悪く税収が伸びないので、財政赤字で国債を大量発行して補っていたわけですが、これは『積極財政』にほかならないのではないでしょうか。
つまり、積極財政だった時の予算を緊縮財政と呼び、26年度予算案のような緊縮財政を積極財政と呼んでいるのです。政治的なポーズの可能性もありますが、やや矛盾があると思います」
財政方針の説明にはやや矛盾があるが、結果的に高市首相が消費減税を見送るなら、それは妥当な判断、と小黒一正教授は語る。
「もし食料品だけの税率をゼロにし、外食を10%に据え置けば、そこには圧倒的な価格差が生まれます。経済学でいう『代替効果』が働き、消費者は外食を控え、スーパー等での購入(中食・内食)へ極端にシフトする可能性もあります。一部の税を引き下げたからといって、経済に必ず良い影響があるとは限らないのです。これから防衛費の拡充の議論も始まる可能性もあるなか、その財源が問題になる可能性もあります。消費税は社会保障の財源として活用されており、そのような状況で、税率の引き下げを無理に行えば、医療や年金の財政が不安定化することも懸念されます」
消費税を上げると言えば選挙で不利になる。一方、積極財政で支出を増やすと言えば、選挙で有利になる。
そうした思惑から、歴代の政権は、消費税を上げるのか下げるのか、財政支出を増やすのか減らすのか、曖昧な言い回しでごまかしてきたわけだ。
「消費減税が悲願」と言いながら、「実は消費税10%支持」だったり、「積極財政」と言いながら実際には「プライマリーバランス黒字の緊縮財政」だったりという、混乱した説明がなされているのは、そうした政治手法を脈々と受け継いできたことのあらわれではないだろうか。
しかし、残念ながら、そうしたあやふやな説明は通用しないようだ。
衆院選での自民大勝の結果を受けて、一時は急激な円安が心配されていたが、逆に円高傾向で推移している。
つまり、金融市場は「消費減税はない」と見抜いているわけだ。
「消費減税は私の悲願」「円安でホクホク」……。一つひとつの発言に振り回されず、政権の真意を見抜いて行動する必要がありそうだ。
———-
———-
(ライター、作家 中野 タツヤ)
東京都立川市が「いじめ監察課」を新設、4月に職員数人規模で始動…小学校侵入事件を受け対策強化
東京都立川市は、4月に「いじめ監察課」を新設し、市立小中学校でのいじめ対策を強化すると発表した。児童・生徒からの相談や通報を受け、学校と連携して速やかにいじめを止めるための態勢をつくる。
立川市では昨年5月、市立第三小で児童間のトラブルをきっかけに男2人が学校に侵入し、教職員に暴行を加える事件が発生。市ではトラブルを学校や教育委員会任せにせず、積極的に行政が対応する枠組みの検討を進めてきた。
「監察課」を設置していじめ対策を行う大阪府内の自治体を先行事例として参考にしたという。12日の記者会見で立川市の酒井大史市長は「行政もしっかりと関与し、問題解決に向けた選択肢を広げたい」と強調。「まずはいじめの加害者と被害者を把握し、いじめ行為を速やかに止めることに特化する」と話した。
4月に職員数人規模で始動し、弁護士や元教員らを非常勤の会計年度任用職員として採用する予定。夏以降、児童・生徒のタブレット端末やはがきを活用して相談や通報を受け付ける。
チラシの印刷代などを含む経費約26万円を盛り込んだ新年度一般会計当初予算案は総額935億1000万円で、5年連続で過去最大を更新した。
《橘玲氏が分析する総選挙とリベラルの現在地》空理空論を唱え続けて来た日本のリベラルは「底が抜けている」 “世界がリベラル化したことでリベラルが行き場を失う”皮肉な事態
先の総選挙ではいわゆるリベラル勢力が壊滅的な打撃を受けた。中道改革連合、れいわ、共産、社民が大敗し、自民、参政、チームみらいが躍進した。日本のリベラルに未来はあるのか、作家の橘玲氏が分析する。
* * * 今回の総選挙は旧立憲民主党系候補者の”生存率15%”という残酷な結果に終わり、「リベラルの旗を守る」ために結党された立憲は、結果として「リベラルの旗を降ろす」ことになった。
ただ、野田佳彦代表らがすべて間違っていたとは思わない。公明党と中道改革連合を結成するにあたって、「安保法制は違憲」「原発再稼働反対」といった従来の主張を取り下げたのは、現実に向き合う姿勢として正しい。
党名からも、自民党との対決を「保守vsリベラル」の構図から「右翼vs中道」に変えなければならないとの判断が窺える。「リベラル」のままでは、もはや選挙に勝てなくなってしまったのだ。
ただ、これは戦略としては間違っていないかもしれないが、選挙戦術としては最悪のものだった。
“極右”やポピュリズムが急伸する欧米では”リベラルの限界”がさかんに議論されているが、日本のリベラルにはそれ以前の問題がある。
これまで戦後リベラルは、「憲法9条さえあれば平和が守られる」「憲法を1文字でも変えると戦争が起きる」など荒唐無稽な主張をしてきた。
国民の大多数が悲惨な戦争の記憶を持っていた1960年代までは、この主張にも一定程度のリアリティがあったが、1970年代にはすでに「うさんくさい」ものに変わっていた。それなのにその後も半世紀以上、日本のリベラルは理念に縛られ空理空論を唱え続けてきた。
中国の経済成長と軍拡によって台湾情勢が緊迫化するなか、米トランプ政権の要請もあって、日本の防衛力強化の重要性が増している。だが現在の自衛隊には軍法がなく、法に基づく民主的な統制ができないという”根本的な欠陥”がある。
それにもかかわらず「護憲」のままでは、憲法改正や法整備の議論に入れず、政府案に反対するだけだ。これでは有権者に見捨てられるのも当然だろう。日本のリベラルは底が抜けているのだ。
中道がリベラルの旗を降ろしたことで、旧立憲を支持していたリベラル層の投票行動がどう変わったかは今後の分析が待たれるが、少なくとも共産党や社民党、れいわ新選組といった左派政党に票は流れなかった。一部の若い世代はチームみらいに投票したとみられるが、反自民の受け皿は定かでない。
中道・泉健太氏が午前5時の投稿「なぜ俺に回ってくるのか。上はどう考えているのか」
衆院選京都3区で当選した中道改革連合の泉健太氏が17日早朝、自身のX(旧ツイッター)を更新。「なぜ俺に回ってくるのか」などとつづった。
泉氏をめぐっては16日夜以降、複数のメディアが、中道改革連合が次期衆院副議長に泉氏を推薦する方向で最終調整に入ったなどと報じている。
自民党に関しては16日、衆院各派協議会で森英介元法相を次期議長に推す方針を伝達しており、副議長は中道から出すことで合意していた。
こうした中、泉氏は17日午前5時ごろの更新で「なぜ俺に回ってくるのか。上はどう考えているのか」と投稿した。
泉氏は立憲民主党で代表や政調会長などを歴任。今月13日の中道改革連合の代表選には出馬も取りざたされたが、「機が熟していない」などとして立候補しなかった。
サウナで居合わせた61歳男性客の顔面を殴打 71歳自営業の男を逮捕 北海道北見市
16日午後、北海道北見市にある入浴施設のサウナで、61歳の男性の顔面を殴打したとして、71歳の男が逮捕されました。
暴行の疑いで逮捕されたのは、北見市に住む71歳の自営業の男です。
男は、16日午後2時40分ごろ、北見市ひかり野3丁目の入浴施設内の男性用サウナで、居合わせた男性客(61)の顔面を殴打した疑いが持たれています。
被害男性にけがはありません。
当時、サウナ内には、ほかに複数人の客がいて、男と男性に面識はありませんでした。
入浴施設の従業員が「サウナの中で手を出している」と警察に通報。駆けつけた警察官が、男をサウナから出た施設内で逮捕しました。
警察の取り調べに対し、男は「相手の顔面を1回殴りました」と容疑を認めているということです。
警察が暴行事件に至ったいきさつなどを調べています。
「乱暴極まりない」共産・小池晃氏、自民に怒り「国会の審議をなんだと思っているのか」
共産党の小池晃書記局長が16日夜、自身のX(旧ツイッター)を更新。自民党のやり方を「乱暴極まりない」と強く批判した。
小池氏は「今日の記者会見で、自民・維新の両党幹事長が2026年度予算の25年度内成立も排除しない方針を確認したことについて、『言語道断だ』と述べました」と書き出した。
そして「通常国会の冒頭に衆院を解散し、予算審議を遅らせたのは自民党です」と指摘した上で「1カ月も予算案審議に入るのを遅らせておいて、今度は早く審議を終わらせろとは、国会の審議をなんだと思っているのか。乱暴極まりないやり方は許されません」と強い語調で述べた。
自民党内に宗教法人への課税案浮上 年5兆円消費減税の財源 お布施やさい銭念頭か
18日に特別国会が召集され、高市早苗総理大臣は早期の予算成立を目指します。消費減税の実現へ向けた議論も始まる見通しですが、財源を捻出するため宗教法人への課税のあり方を見直すべきだという声も浮上しています。
【画像】消費減税の財源は宗教法人への課税?
お布施やさい銭が念頭?
16日に官邸を訪れた自民党の小野寺五典税調会長(65)と小林鷹之政調会長(51)。高市総理から消費税減税などを議論する「国民会議」の設置に向けて、野党への働きかけを始めるよう指示を受けました。
小林政調会長
「(Q.総理と財源についての話は?)特段、きょうはそういう話はございません」
食料品の税率をゼロとした場合、年間でおよそ5兆円の税収減が見込まれていて、財源の確保が必要です。
そうしたなか、財源案として浮上しているというのが、宗教法人への課税案です。
日本仏教協会 中根善弘代表理事(62)
「公明党さんが連立離脱したころから、話はありました。お寺さんが受け取るお布施とか、おさい銭とか(収入)に課税すべきではないかという話は聞いてました」
「(Q.自民党の国会議員から?)そうですね」
国内で800カ所の寺のサポートをしている日本仏教協会の中根代表。自民党の国会議員から、宗教法人の収入に課税する案が党内で持ち上がっていると伝えられたというのです。
これまでも国会で議論
全国に17万あるとされている寺院や神社などの宗教法人。お布施や寄付金は課税対象とならず、固定資産税の優遇もあるため、一部では「不公平だ」という声もあり、これまでに国会では何度も議題に上がってきました。
無所属(当時)
下地幹郎衆院議員
「宗教団体の優遇税制について、見直す必要があるのでは?」(衆院予算委員会 2007年)
安倍晋三総理(当時)
「宗教団体への課税の問題は税制全般の抜本的な改革について、大いに議論を行っていきたい」(衆院予算委員会 2007年)
しかし、憲法上の信教の自由を保障する観点から、宗教法人への課税の強化は実現には至っていません。
過去に東京国税局に勤めていた専門家は、市民から何度も問い合わせを受けてきたと話します。
元国税調査官 深沢敬二税理士
「何で同じ寄付をもらっていて、うちは課税されるのにあそこ(宗教法人)は課税されないんだ。だから、調査しろみたいな話はよくあった」
深沢税理士は、税の公平性の観点から宗教法人以外にも広げて、幅広い議論が必要だと指摘します。
「宗教法人だけじゃなくても、例えば学校法人とか、NPO法人というところに対しての寄付も同じ。結果的に受け取った側は課税がされないんですよ。果たして宗教法人だけで良いのかという問題も出てくるというのが個人的見解」
16日、官邸では「神社本庁」を母体とする政治団体・神道政治連盟の打田会長も、総理と面会しました。
「恒例のごあいさつですので」
「(Q.宗教法人課税について総理とお話は?)全然なし」
「(Q.そういったようなお話は出なかった?)はい、はい」
日本仏教協会の中根代表は、仮に現実のものとなれば、消滅する寺が増えると嘆きます。
「お寺がもうかっているというのは、全くの誤解だと思います。利益が出ているお寺というのはほんのわずかであって、年収500万円程度、300万円もいかないという寺が大多数を占めていますので。当然、お寺は生活にも困る。宗教法人は何百億円寄付されても非課税なんですよね。それをついてきた。仏教にしてもそうです。神道にしても同じですけど、日本文化ですからね。そういうものをきちんと守ってほしい」
自民内で実際に議論は?
実際に、こうした議論が自民党内で行われているのでしょうか?
小野寺税調会長
「(Q.宗教法人課税も俎上(そじょう)に上がる?)今回、私ども国民会議の中で議論していくということでありますし、まだ現時点で何か財源ということが上がっていることはありません」
財務省の幹部はこう話しています。
「宗教法人課税は検討していない。課税しても何兆円もの財源にはならない。ただ、財源の検討はまだこれからだから、そういう意味であらゆる可能性はある」
(2026年2月17日放送分より)
容疑者が送検に抵抗 署の留置場から出ず 大阪・ミナミ3人死傷
大阪・ミナミの道頓堀で少年3人が刃物で刺されて死傷した事件で、殺人容疑で逮捕された大阪市住吉区の無職、岩崎龍我(りょうが)容疑者(21)が、17日午前に予定されていた送検を拒否した。大阪府警によると、今後、大阪地検の検察官が警察署に出向くなどして手続きを進めるとみられる。
府警によると、送検のため、午前9時前に留置先の府警南署から大阪地検に岩崎容疑者の身柄を移す予定だったが、本人が留置場からの出場を拒否したという。
岩崎容疑者は14日午後11時55分ごろ、大阪市中央区心斎橋筋2の雑居ビル1階のエントランスで、奈良県田原本町の会社員、鎌田隆之亮さん(17)の胸などを刃物で刺して殺害した疑いが持たれている。
事件では他に17歳の2人も上半身を刺され、大阪府八尾市の少年が意識不明の重体、大阪府柏原市の少年は全治3週間の重傷を負った。容疑者は「ナイフで威嚇するつもりだったが、向かってきた男性の胸付近を刺した。殺意はなかった」と容疑の一部を否認している。【斉藤朋恵、大坪菜々美】
女性を押し倒し首を絞めるなど暴行か…「被害者が言っている状況とは違う」41歳会社員は一部否認 福島
女性を押し倒して首を絞めるなどしたとして、41歳の男が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは白河市に住む41歳の会社員の男です。男は2月12日午後11時30分頃から13日午前3時頃までの間、50代の女性宅において、女性を押し倒して首を絞めるなどの暴行を加え、頚部挫傷などのケガをさせた疑いが持たれています。男は「暴行を加えた時の状況が、被害者が言っている状況とは違う」と話していて、容疑を一部否認しているということです。警察によりますと、2人の関係性は明らかにできないとしていますが、男女間のトラブルがあったとみているということです。
中国人グループ「TOEIC」替え玉受験事件 実行役の男を逮捕
英語能力テスト「TOEIC」の試験を巡る中国人グループによる替え玉受験事件で、新たに実行役の男が逮捕されました。
警視庁によりますと、錫渝容疑者ら3人は去年、東京・新宿区で行われた「TOEIC」の試験会場で解答用紙の氏名欄に別人の氏名などを書き、解答用紙を偽造した疑いがもたれています。
替え玉を依頼していたのは中国人の男性2人で、容疑者らが試験を受け、解答用紙に男性の名前を書いていたということです。
この事件では、会場で小型マイクを使うなどして解答を教えていたとみられる王立坤容疑者らも再逮捕されていて、警視庁は組織的な犯行とみて調べています。