阿蘇のヘリ事故、救助長期化へ 火口断崖に機体、近づけず

熊本県の阿蘇中岳火口内で遊覧ヘリコプターが大破して見つかった事故で、県警や消防は23日、搭乗していた3人の救助活動を続けた。機体は火口のふちから50メートルほど下の、断崖に近い急斜面で発見され、救助隊は近づくことができていない。地元消防幹部は「救助活動は長期化する」との認識を示した。
消防によると、低気温のため火口から大量の湯気が立ち上り、現場は視界が悪い。風も強く、有害な火山ガスに対する警戒も必要となっている。
国土交通省は23日、ヘリを運航していた匠航空(岡山市)に、操縦士の勤務状況や機体の整備状況などを確認し、再発防止策を検討するよう指示したと明らかにした。

家宅捜索中の警察官が集団暴行 大阪府警が35人を処分、異例規模に

家宅捜索中だった大阪府警の警察官が捜査対象の男性らを集団暴行した事件で、府警は23日、関与した警察官12人を免職や停職などの懲戒処分にしたと発表した。上層部などの内部処分や指導を含めると対象は計35人にのぼり、異例の大量処分になった。
暴行の様子を捉えた映像の存在を隠したり、不適切な書類作成を指示したりするなどしていたことも府警の調査で判明。幹部らと現場の警察官の間で捜査方針が十分に共有されないなど組織の問題も明らかになった。
事件を巡ってはいずれも捜査4課の警部補、時長力(51)と巡査部長の阪口裕介(33)の両被告が特別公務員暴行陵虐罪などで逮捕・起訴されており、2人は懲戒免職とした。府警は氏名を公表していないが、同じ罪で在宅起訴されている捜査4課の人見寛大巡査部長ら4人は停職6カ月とした。
ほかに、捜査4課や組織犯罪対策本部に所属する巡査部長ら少なくとも4人も暴力を振るうなどしていたと判断され、減給処分などを受けた。
暴行の様子は捜索現場の防犯カメラに記録されていた。映像の存在を知りながら大阪地検にないと虚偽の報告をしたとして、府警は男性警部(45)を犯人隠避容疑で書類送検し、停職6カ月にした。
この警部は捜査を指揮しており、部下に「暴行はなかった」とする関係者の供述調書を作成するよう指示。書類も実際に作られていた。一部の警察官は暴行の途中から防犯カメラの電源を切るなど隠蔽(いんぺい)も図っていたという。
暴行事件は2025年7月、大阪市西区にあるオフィスビルを捜索した際に起きた。国内最大規模の違法スカウトグループ「ナチュラル」の関与が疑われた職業安定法違反事件の解明が目的だった。警察官らは押収したスマートフォンのロックを解除するために暗証番号を聞き出そうとし、暴行に及んだとされる。
府警は捜査対象者への制圧行為がどの程度許されるのかについて、警察官らが誤った認識を持っていたと判断。捜査幹部による捜査指揮にも問題があったとして監督責任を問い、捜査4課長を内規に基づく本部長訓戒とし、当時の刑事部長も口頭で厳重注意した。
捜索には28人の警察官が参加。暴行を制止しなかった警察官らも内部処分を受け、異例の規模になった。
警察官らの暴行は、捜索後に逮捕された男性らが接見した弁護士に被害を訴えて発覚した。
暴行事件を受けて警察庁は23日、組織犯罪の適正な捜査を再徹底するよう求める通達を都道府県警などに出した。
府警の國井栄次監察室長は「警察捜査に対する信頼を著しく失墜させる行為で厳正に対処した。指導、教養を徹底していく」とコメントした。【木島諒子、斉藤朋恵、川地隆史】

子ども1人に月10万円=消費税廃止、移民反対も―参政公約【26衆院選】

参政党は23日、衆院選の公約を発表した。0~15歳の子ども1人当たり月10万円の「教育給付金」支給を明記。同時に、0歳児保育など「行きすぎた母子分離政策」の見直しを訴えた。消費税の廃止と社会保険料の削減で「国民負担率」を35%以下に抑える方針も盛り込んだ。
「ノー移民国家」を掲げ、「外国人総合政策庁」の新設による外国人の受け入れ制限などを主張。昨年秋の臨時国会に提出した「スパイ防止法」の実現なども訴えた。
キャッチフレーズは「ひとりひとりが日本」。神谷宗幣代表は記者会見で「自民党が単独過半数になれば時代が元に戻る。正面からガチンコで戦う」と強調した。 [時事通信社]

桜島で不審火相次ぐ 落ち葉への放火で高校生ら3人送検 原付全焼など他の火災との関係捜査

桜島で落ち葉に火をつけゴミステーションのネットを焼いたとして器物損壊の疑いで逮捕された男子高校生ら3人の身柄が鹿児島地方検察庁に送られました。周辺では不審火が相次いでいて3人の中には他の不審火について関与をほのめかす供述が出ているということです
送検されたのは、鹿児島市桜島横山町の無職幸玲良容疑者(20)、本籍が鹿児島市で無職の少女(17)、鹿児島市の男子高校生(16)の3人です。
警察によりますと3人は1月17日、鹿児島市桜島横山町のゴミステーション近くの落ち葉にライターのようなもので火をつけゴミステーションのネットを焼いた疑いが持たれています。ゴミステーションやゴミの一部も焼けましたがケガ人はいませんでした。焼け跡には油のようなものを使った形跡があったということです。
現場の周辺では、1月15日から18日までの間に枯れ草が焼かれたり、原付バイク1台が全焼するなど、今回を含め7件の不審火が確認されていました。
3人は警察の調べに対し「一緒にゴミステーションを燃やしたことは間違いありません」などと容疑を認めているということです。3人の中には、他の不審火について関与をほのめかす供述もでていて、警察が関連を含め捜査を進めています。

「外国人政策」各党の主張まとめ なぜ注力?狙いを解説

衆議院選挙の争点の一つ、外国人政策。各党どんな政策を打ち出しているのか。そもそもなぜ今、外国人政策を打ち出すのでしょうか。
【画像】各党の外国人政策
「新たな基本方針」を取りまとめ
来月8日の投開票に向け事実上スタートした選挙戦。今回の大きな争点の一つが、高市早苗総理大臣の肝煎り(きもいり)政策でもある「外国人政策」です。
木原稔官房長官

「一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対して、国民の皆様が感じている不安や不公平感に対処する。外国人の方々にも社会の一員として責任ある行動を取っていただく」
政府が23日朝に取りまとめたのは、外国人政策の「新たな基本方針」。永住許可の審査や、日本国籍の取得要件を厳格化することなどが盛り込まれ、外国人による土地取得については、夏までに規制のあり方を決める方針です。
衆院選でも各党が外国人政策を打ち出していますが、去年の参院選、ANNが選挙期間中に行ったSNSの分析調査では政策について「外国人問題」に関する投稿が最も多かったという結果が出ています。
23日午後に選挙公約を発表したのは、参政党。
参政党 神谷代表

「日本はまだ間に合う“NO!移民国家”というキャッチコピーでいきたいと思います」
外国人政策については、不法滞在の取り締まり強化や土地取得の厳格化などを進めるとしています。
「外国人政策」に注力なぜ?
なぜ外国人政策を訴える党が増えているのでしょうか。山本志門政治部長が解説します。
まず、外国人政策に関する各党の主張を見ていきます。
自民党は、「外国人の住宅、土地取得や所有者の把握についての法律・ルールの見直しをする」と公約に掲げています。
中道改革連合は、「日本人と外国人が互いを尊重し、ルールを守りながら多文化共生社会を目指す」としています。
その他にも各党が公約などに掲げていますが、なぜ各党は外国人政策に力を入れているのでしょうか。
山本政治部長

「大きなポイントは、去年の参院選で日本人ファーストを掲げた参政党の躍進と、この流れをくむ形で高市総理が誕生しました。共通するのは、国民の中に広がる生活への不満がベースにあると思います」
生活への不満とは具体的にどういった不満なのでしょうか。
「賃金は少しばかり上がったかもしれませんが、物価や社会保険などの負担は上がっています。そうした中で、日本は外国人労働者を積極的に受け入れてきました。その中で、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱も目につく中で、“外国人のほうが得をしているんじゃないか”と不満や不公平感が国民の間で蔓延(まんえん)しています。こうしたことを踏まえれば、各党にとっても外国人政策は避けて通れない問題になってきているわけです」
その高まっている国民の不満をどう受け止めるかという中で、さまざまな外国人政策が並んでいますが、何がポイントになりますか。
「例えば、外国人による不動産の登記などの影響もあり、住宅の価格は右肩上がりで上がっています。大都市圏を中心に、日本人の多くが高くて買えないという状況になりつつある中で、これをどう規制していくのか、こういった公約も目立ちます。その一方で、経済を回していくためには外国人とどう共生していくのかも各党を主張しています」
大きく分けると、共生を目指すのか、それとも規制をしていくのか、この2つに分かれていくということでしょうか。
「そうですね。こうした外国人の問題は何も日本だけではなく、労働力を移民に頼らざるを得ない世界的な問題にもなってきています。トランプ大統領はアメリカファーストを掲げていますが、一部のナショナリズムと結びついて、外国人排斥につながる行き過ぎた動きも出てきています。今回の選挙では、やはりきちんとルールを作る部分と、外国人とどう共生していくのか、この両面を見ていく必要があると思います」
選挙は、27日に公示となります。
(2026年1月23日放送分より)

水戸ネイリスト殺害 逮捕の28歳男、電話やSNSで連絡試みるも着信拒否され…恋愛感情もつれ犯行か

大みそかにネイリストの女性(31)が殺害された事件で、28歳の元交際相手の男が逮捕されました。男は去年の秋ごろから、女性の居場所を知人などに聞き回っていたということです。
◇
中学校の卒業アルバムの写真に笑顔で写っているのは、21日に殺人の疑いで逮捕された大内拓実容疑者、28歳です。剣道部に所属していたのでしょうか。防具を身につけた写真に、笑いながら給食を食べている写真も…。
警察によりますと、大内容疑者は先月31日。妊娠中のネイリスト、小松本遥さんを殺害した疑いがもたれています。
◇
発生から3週間。急展開を迎えた事件。
茨城県警 坂井刑事部長
「本日、被疑者を殺人罪で逮捕しました。会社員の大内拓実(容疑者)28歳、男です。関係者の聴取や被害者のスマートフォン精査等を進めてきたところ、被害者の過去の交際相手として逮捕した大内拓実容疑者が浮上しました」
去年の大みそか。茨城県水戸市にある自宅で殺害された小松本さん。
玄関で血を流して倒れていて、首には刃物による刺し傷、頭部には鈍器で何度も殴られたような傷などが十数か所あったといい、腕には、身を守る際にできる防御創が残っていたということです。
逮捕された元交際相手の大内容疑者と小松本さんの間に、いったい何があったのでしょうか。
◇
大内容疑者の自宅があるのは、小松本さんが住む水戸市に隣接する城里町。近所の住民に、大内容疑者について聞くと…。
近所の住民
「(大内容疑者について挨拶とか話とかは?)ないね、それはないよ。(仕事は真面目?)真面目にやってたんじゃないかな。まさか拓実くんがそういうことをやるとは思わない」
大内容疑者の両親と交流があるという男性は…。
大内容疑者の両親と交流がある男性
「びっくりしました。前からお世話になってたから。まさかそうとは思わない」
捜査関係者によりますと、2人が知り合ったのは小松本さんの過去の勤務先。2024年に交際を開始したものの、その年の内に、交際関係を解消していたといいますが、小松本さんは“元交際相手に関する悩み”を抱えていたことがわかっています。
事件の4日前。小松本さんは水戸警察署に匿名で「元彼のストーカー行為を相談するとしたらどの課に行けばいいですか?」などと電話をかけていて、元交際相手からのストーカー行為に関する問い合わせをしていたといいます。
電話を受けた担当者が、来署するよう促したが──。
茨城県警の担当者
「氏名および連絡先の教示を依頼したところ、被害者はこれらを語らず、電話を切断した」
このとき、小松本さんが相談しようとしていた元交際相手について、警察は、大内容疑者の可能性があるとみているということです。
去年の夏ごろ、大内容疑者は小松本さんに電話やSNSで連絡を試みていて、小松本さんは着信を拒否するなどしていたといいます。
さらに、去年の秋ごろからは、大内容疑者が小松本さんの居場所を知人などに聞きまわっていたということです。
そして、小松本さんが警察署に、元交際相手からのストーカー行為に関して問い合わせた4日後に、事件は起きました。
小松本さんの交友関係や防犯カメラ捜査などから浮上した大内容疑者。21日夜、中学校の同級生が取材に応じ、大内容疑者について語りました。
中学校の同級生
「明るい性格もあったと思うので、仲いい子はちらほらいた。(Q:逮捕のニュースをみてどう感じた?)えっていう感じ。まさかそんなことをするような子には見えなかったのでびっくり。(Q:事件を起こすような人物ではなかった?)中学の時の様子だとそういう感じの子では全くなかった」
別の同級生からも、大内容疑者が逮捕されたことに、驚きの声が聞かれました。
中学校の同級生
「面倒見がいいタイプ。いろんな人と分け隔てなく仲良くしてた」
中学校の同級生
「友達とわいわいしているイメージ。ニュースを見てびっくりした。そういう人だと思わなかった」
また、近隣住民からは、こんな声も。
近隣住民
「子供のときはいい子で真面目で優等生タイプ。地元の高校行って、車とかバイクとか乗り回していた時期もあった。グレたというか」
中学校の卒業文集には、将来像が記されていて、迷惑をかけてきたことを踏まえ失敗しないよう生きていくと、書かれていました。
大内容疑者の中学校の卒業文集より
「中学生最後の年、3年生になり態度も大きくなり、いろいろと問題も起こしましたが、それも思い出の一つです。自分の行動を考えると、たくさんの迷惑なことをしてきたと思います。これを踏まえて将来は失敗をしないようにしていき、これからも楽しく過ごしていきたいです」
事件当日の動きについても、徐々に明らかになってきています。
夫と2人で暮らしていた小松本さん。夕方に外出し、後から夫も仕事のために家を出ていて、午後5時前には「いまから帰る」と、夫に電話をしていました。
その後、午後7時15分ごろ、夫が帰宅すると、玄関で小松本さんが血を流して倒れているのを発見。警察は21日、新たに、午後5時20分に、小松本さんの生存が確認されたと発表しました。
つまり、夫が帰宅するまでの、“空白の2時間”に、殺害されたとみられます。
大内容疑者は、警察の調べに対し「事実無根で何も知りません」と容疑を否認しているということです。警察は恋愛感情のもつれによる犯行とみて、詳しい経緯を調べています。
(1月21日放送『news zero』より)

寒波始まり北陸などで大雪に 太平洋沿岸でも積雪 週末にかけて影響続く

昨日21日(水)頃から寒波のピークに入り、日本海側を中心に大雪となっています。山地だけでなく、石川県金沢市や滋賀県彦根市など平地でも顕著な大雪となりました。

三重県四日市市など太平洋沿岸でも積雪となっていて、生活への影響が拡大中です。週末にかけて長引く寒波に警戒してください。
強い寒気が南下し雪雲が発達
日本付近は冬型の気圧配置が強まり、日本海側の広い範囲で断続的に強い雪が降っています。

昨夜からは上空高い所の約5,500mで-42℃以下の非常に強い寒気が北日本付近を通過していて、一連の寒波の一度目のピークといえる状況になっています。
5時までの6時間降雪量は、新潟県のアメダス津南で33cm、長野県のアメダス野沢温泉で31cmを観測するなど山沿いで積雪の急増が見られるほか、滋賀県の彦根地方気象台でも29cmと市街地でも大雪となっている所があります。

また、北海道でも小樽で21cm、札幌で10cmなど雪の強まっているところがあります。
6時現在、北海道、長野県、新潟県、富山県、福井県、滋賀県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県に大雪警報が発表されています。
太平洋側への流れ込みに警戒
今日22日(木)も北陸や北近畿を中心に強い雪が断続的に降り、雪雲は東海西部に流れ込むとみられます。東海道新幹線や名神高速が通る交通の要所、岐阜県関ヶ原付近でも積雪が増加する見通しです。遅延や規制などの影響が出る可能性があるため、移動を予定している方は雪の情報に加え、運行情報や道路情報もご確認ください。

また京都府南部や、三重県北中部でも積雪のおそれがあるため、注意が必要です。
24日(土)~25日(日)に寒波後半のピーク
明日23日(金)も日本海側の地域を中心に雪の強まりやすい状況が続きますが、24日(土)~25日(日)に再び寒気の流れ込みが強まる予想です。

大雪の目安となる、上空高い所の約5,500m付近で-36℃以下の寒気が今日よりも西側に広がり、北陸から山陰付近まで南下する予想となっています。1回目のピークに比べると、寒気の中心部分の強さは劣る一方で、西日本方面への寒気の南下が強まる予想です。

九州や四国でも雪が降りやすくなり、内陸部や山沿いでは積雪の可能性があります。
さらに1m以上の積雪が増加するおそれも
25日(日)朝までに新たに増加する積雪は、東北南部から北陸の山沿いで100cm以上、局地的には150cm前後に達する予想となっています。

北海道や東北北部、近畿北部でも50cm以上の所がある見込みです。近畿中南部や四国、九州の内陸部でも雪が積もる所が多く、週末は車の移動が困難になる可能性が考えられますので、予定がある方は最新の情報を踏まえ変更なども検討してください。

積雪が多い地域では交通障害に加え、雪崩や落雪、除雪中の事故などの危険性が高まるため、厳重な警戒が必要です。
発達した雪雲の動向によっては数時間で一気に積雪が増えることが考えられ、車での走行が困難になるおそれがあります。スタックや事故などを起因として、大規模な車両滞留につながる危険性がありますので、雪のピーク時の走行は避けるようにしてください。

やむを得ず走行する場合は冬用タイヤに加えチェーンを装備し、スタックした場合の脱出用具などを備えるなど、最大限の対策が必要です。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

「選挙の私物化」「ガッカリや」国保逃れだけじゃない…大阪市民の声を無視してまで吉村知事が“大阪府市ダブル選”を強行する真の理由

衆院選の解散総選挙に合わせて大阪府知事だった日本維新の会代表・吉村洋文氏がぶち上げた大阪府知事と大阪市長の出直しダブル選。1月22日に知事選告示という急な展開に関係者は悲鳴を上げる。
〈国保逃れの証拠画像〉「感謝の絵文字で5人が反応」維新のグループに送った国保逃れ指南のLINEと、「厳秘」と書かれた文書
2015年、2020年と過去2回住民投票で否決された「大阪都構想」の是非を問うために出直し選をすると吉村氏は言うが、その裏に都構想への疑念を拡大させる「別のアイデア」をつぶす狙いもあるとの見方がある。
「市長や市役所職員は大阪府知事の奴隷ではありません」と怒りの声も…
吉村氏がダブル選方針を周辺に伝えたのは高市早苗首相が国会冒頭での解散を検討していると報じられてから4日後の1月13日。
「都構想に挑戦することが阪の未来のために必要だ」と主張しながら、16日には大阪市長の横山英幸氏とそろって知事、市長を辞職し選挙を決めた。
都構想は阪市を東京23区のように特別区に再編するもので、「身を切る改革」を掲げる維新の結党以来の悲願だ。
「是非を問うた2015年と2020年の住投票ではいずれも否決されました。吉村氏は2回目の否決後、もう挑戦しないと明言しましたが2023年の知事選で再選されるとまた実現に意欲をみせ始めたのです」(政界関係者)
その都構想に挑戦する“資格”を得るため選挙で信任を受ける必要がある、との主張は一部のメディアや市民から「都構想ありき」「選挙の私物化と言わざるを得ない」と強く批判されているが、その理由は選挙の日程にもある。
「吉村氏は総選挙の投票日は2月8日になると早々に高市首相から聞いていたようで、同じ日にダブル選もぶつけることで、大阪はトリプル選になりました。
公職選挙法では、衆院選は公示から投票までの期間が12日以上となっているのに対し、政令指定都市の大阪市長選は告示から14日以上、知事選は同17日以上です。全国の自治体は急な総選挙の準備で四苦八苦ですが、大阪府下では知事選告示がさらに早く1月22日になったため大変です。
大阪市では候補者のポスター掲示板の資材が確保できず、衆院選だけなら約2000か所を予定していた掲示板が約3分の1に減らされました」(地元記者)
今回のダブル選挙に対して、交野市の山本景市長はSNSで「市長や市役所職員は大阪府知事の奴隷ではありません」と怒りを爆発。大阪府下の自治体職員Aさんも「不要不急の選挙をぶち上げて、掲示板を3分の1しか用意できないとは、何のための選挙なのか」と嘆く。
「大阪のダブル選は維新のゴリ押しを感じるわ」
有権者となる大阪府の住民はどうか。60代の主婦Bさんは「ダブル選の費用が28億円かかるって言われてますけど、ホンマですか? せっかく大阪・関西万博が黒字で吉村さんもやるやんって思ってたのに、また余計なことに予算を使ってガッカリです。
高市さんの解散も大義がないって言われてるけど、大阪のダブル選は維新のゴリ押しを感じるわ」と辛口だ。
いっぽうコンサルティング業の40代男性Cさんは「維新は身を切る改革をやろうとしていると感じる。反対派は既得権益者や税金の恩恵を受けている層だと言われると納得してしまう。今の二重行政がベストとは思わない。万博が盛況に終わったので、やったらええやんって思いますけど」と賛意を示す。
広告代理店勤務の30代女性Dさんも「あれだけ成功した万博の後の大阪の経済成長戦略として都構想はぜひ実現してほしい。インバウンド戦略は欠かせないと思う。万博跡地のIR(統合型リゾート)の建設も大阪が国際都市として発展するための一歩」と話す。
維新以外の地元政界からは「職責を放棄し、税金を使い選挙をすることに何の大義があるのか」(公明党幹部)との怒りの声があがり、自民や立憲民主、共産も立候補を見送った。
しかし別に一人が立候補すると表明したため、無投票にはならないとみられる。主要政党が選挙に付き合わなくとも吉村氏は当選すれば3回目の住民投票実施のお墨付きを得たとみなす姿勢だ。
吉村氏が選挙を急ぐ「二つの事情」
ではなぜ選挙を先に行なう必要があるのか。
吉村氏は2023年の再選後に言い始めた構想なので「何らかの民主的なプロセス」が必要と主張するが、地元記者は「維新議員による国保(国民健康保険)逃れ問題から目をそらす狙いでしょう」と話す。
「吉村氏が辞職を発表した15日に、維新は脱法的な国保逃れをしていたとする6議員を除名しました。でもこれで終わるわけがない。特に仲介料を取って“国保逃れコンサル”をした議員がいたとの情報があり『事実なら相当ヤバい話』とみるメディア各社が追いかけています」(同記者)
さらにもう一つ、都構想の逆風になる動きがあると維新の手法に精通した関係者が話す。
「都構想は大阪市を4つとか5つの特別区に分割する制度変更です。当然ですが4つに割れば、4倍とはならなくとも首長も管理職もその分増え、住民一人当たりのコストも上がります。
コストを下げるには自治体は分割でなく逆に合併したほうがよく、実際に“平成の大合併”と呼ばれる全国自治体の再編成はこうした考えから実施されました。
そこで、大阪市を軸に周辺自治体がいくつか合併する巨大な“特別市”に再編すれば、コスト削減と住民サービス向上ができるという考えが最近一部国会議員らから提唱され、注目されているんです」(関係者)
この特別市構想には法整備が必要だが、大阪は政治的環境が整った、実現に最も近い地域だという。
「大阪は大阪市だけでなく周辺市も、首長だけでなく議会多数派を維新が押さえており、維新がその気になれば複数市の行政と議会の賛同ですぐ実現できるでしょう。しかし、これまであまり知られていなかったこの構想に維新は反対してきました。都構想と真逆の発想だからです。
今、この特別市構想に目が向き始めたことに吉村さんは焦っている気配で、選挙で都構想を連呼することで特別市構想への関心が高まるのを防ぎたい思惑もありそうです」(前同)
吉村氏は21日、再選されれば任期切れで改選を迎える来年4月の統一地方選を念頭に「1年3か月の間に住民投票を実施させてくださいということに当然なる」と述べたが、住民投票は統一選との同時実施を目論んでいるとの見方が強い。
「これまで否決された2回の住民投票はいずれも単独で実施されました。しかし次の統一選で住民投票を知事選と市長選、府議選、市議選に合わせた“5重選挙”で行なえば賛成多数に持ち込めると考えているようです」(地元記者)
国保逃れの批判拡大か都構想実現か。政治生命がかかる吉村氏が必死になるのも無理はない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

緊急避妊薬「ノルレボ」販売開始へ 福岡では販売する薬局・薬店がまだ公表されず 県医師会「2月2日に間に合わせるよう」

2月2日から、国内では初めて薬局などで緊急避妊薬「ノルレボ」が販売されます。福岡県では販売する薬局などが公開されていません。県の医師会は、服用後のトラブルに対応できる体制づくりのためと説明しました。
■福岡県医師会・瀬戸裕司専務理事
「緊急避妊薬に関して、きちんと責務を果たせる医療機関が手を挙げてくれということで、その具体的内容が厚労省から全然出てきてなかった。今も実際には非常に不十分だと私は思っています。」
厚生労働省が公表する緊急避妊薬の販売について、福岡県を含む全国の4つの県は調整中として、販売する薬局や薬店を公表していません。
福岡県医師会は21日の定例会見で、緊急避妊薬の販売について、厚生労働省の方針では処方後の対応や医療機関の連携が詳細に定められておらず不十分であると指摘しました。
その上で、販売する薬局などの選定に加え、服用後に具合が悪くなった場合に速やかに対応できる医療機関を推薦し、連携する体制作りを進めていると説明しました。
これは薬の服用による事故を防ぐための、福岡県医師会や産婦人科医会などの独自の判断としています。
緊急避妊薬はアフターピルとも呼ばれ、女性が性行為後72時間以内に服用すれば、高い確率で妊娠を防げるとされています。
福岡県医師会は販売開始時期について「2月2日に間に合わせるよう、慎重にスピーディーに協議を進めているが調整中」としています。

自民衆院選公約、消費税減税は曖昧表現「検討加速」…首相は明記迫ったが財政規律の緩み懸念受け「まさに折衷案」

自民党は21日に発表した衆院選公約に、消費税減税の検討加速を盛り込んだ。高市首相(党総裁)が自身の「悲願」として強く求めたものだ。財政規律の緩みを懸念する党幹部らとのせめぎ合いの末、実施するとは明言しない曖昧な表現で決着した。(鶴田瑛子)
「低・中所得者が物価高に苦しんでいる。食料品価格が高止まりする可能性もある。今後の備えとして入れた」。小林政調会長は21日、公約発表の記者会見で、消費税減税を入れた理由を、こう説明した。
首相は19日の衆院解散表明の記者会見で、食料品の消費税減税について「私自身の悲願だ」と述べ、公約で掲げる考えを示した。首相は積極的な財政出動や、減税による経済拡大が持論で、首相就任前から「国の品格として食料品の消費税はゼロ%にすべきだ」などと発言していた。
消費税は年金など社会保障の財源で、自民内には減税反対派も多い。食料品に限った減税でも年間5兆円の財源が必要で、財政悪化の懸念から金利高騰を招く恐れもある。首相は昨年10月の総裁選でも減税の主張を封印し、日本維新の会との連立合意書でも、2年間の食料品の消費税減税を「視野に検討」との表記にとどめていた。
だが、衆院選を前に中道改革連合など野党各党が消費税減税を掲げる方針を示し、「消費税が争点になると苦戦する」(首相周辺)との見方が広がった。首相は小林氏に公約への消費税減税の明記を迫ったが、小林氏は党内の懸念を受け、「そこまで書けない」と反論。複数の政府・自民関係者によると、「2人で相当やり合った」という。
最終的に、維新との連立合意から一歩進め、公約は「検討を加速」との文言で折り合った。
自民幹部は「まさに折衷案だ。検討次第で、実現しないこともあり得る」と解説した。公約を決定した21日の党総務会に出席した財政規律派の一人は「苦労した文言だと感じたので、発言はしなかった」と明かした。