高市早苗氏「名誉毀損になりますよ」警告も大石晃子氏反撃「そちらこそ名誉毀損!」スタジオ騒然

高市早苗首相(自民党総裁)が26日夜、衆院選(27日公示、2月8日投開票)を前に与野党7党首が出演したTBS系「news23」で行われた党首討論において、れいわ新選組の大石晃子共同代表の発言に対し「名誉毀損ですよ」と警告する一幕があった。大石氏も「そちらこそ名誉毀損ですよ!」と反撃し、激しい舌戦に緊張感が高まった。
消費減税などについて各党が論議している中、大石氏も減税などについての持論を展開。その流れで大石氏は「結局は庶民のための減税したくないんだな、っていうウソを暴いていかねばならないと思います。でね、自民党も維新も今、スキャンダルじゃないですか。維新は国保逃れ、自民党も統一協会との文書が出てきた…っていう渦中であります。その時に解散するっていうのは…」と一部報道などに触れつつ、一気にぶつけた。
すると高市氏は厳しい表情になり、かぶせるように「それ、名誉毀損になりますよ。出所不明の文書について…」と言うと、大石氏は語調を強め「いえいえもう、報道もされてるし、名誉毀損なんかになりえないじゃないですか。名誉毀損の構成要件分かってます?」と言い返した。
それに対し、高市氏は「いやいや、その文書なるものを見ましたけど、明らかに誤りです」と発言。大石氏は「それ、説明されてませんよ。だから“名誉毀損”って言われる方が名誉毀損ですよ」と反撃した。
すると高市氏は「例えば(その文書に)私の名前が30何回出てきてるとかいうところ、ですけども、明らかに事実じゃない。“私が神奈川県出身で神奈川県の支部から支援を受けた”(とあったが)…私は奈良県です。出所不明の文書で決めつけないでください。名誉毀損だと思いますよ」と説明した。
大石氏はそれに対しても「“名誉毀損”って言われるほうが名誉毀損ですよ。出所不明の文書ではありませんしね」と言い返し、スタジオは騒然とした雰囲気に。アナウンサーが「元の議論にちょっと戻します」と言って、約1分間に及んだ“名誉毀損バトル”は終わった。

だから日本は「科学技術立国→iPhoneの部品をつくる国」になった…フランス人記者が見抜いた「老人支配」という闇

※本稿は、西村カリン『日本 「完璧」な国の裏側』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
日本企業における研究環境は実際、15年ほど前に変化したようだ。期限が決められ、結果が要求される――これは想像力を抑えるコルセット、思考を拘束する首かせだ――縛られた計画に基づいて研究を進めることがより重視されるようになった。
研究者は自由と偶然と時間がお金と同じくらい必要であるのを知っているのだが、研究所は今では結果を出さなければならないというプレッシャーに晒されていると多くの古参研究者は強調する。
お金のほうは、とても幸いなことにまだある。政府が科学政策立案の基礎資料としている「科学技術指標」の2022年版によると、研究開発費と研究者数において日本は主要国*1の中で米国・中国に次いで3位である。
それゆえ、一見したところ日本は何も恥じることはない。さらに日本は科学論文と発表の数でも5位である〔最新の2024年版でもそれぞれ順位に変化なし〕。その一方、博士号取得者数は米国、中国、韓国では大幅に増えているものの、日本では減少している。
私はどちらかというと、日本の技術的・産業的衰退には文化的・社会的原因が大きく関わっていると考えている。
*1―日本、米国、ドイツ、フランス、英国、中国、韓国。
日本企業にはモノづくりの文化、すなわち手作業(職人)や自動機械装置でモノを製作する文化がある。どちらの場合も構成部品を工作し、組み立て、実際に機能させるという工程だ。日本企業はモノ、機械工学、手技との身体的、触覚的、美的な関係に長けている。この領域では日本人は過去において他の追随を許さず、今日もまだ秀でており、明日もきっと相変わらず優れているだろう。
このノウハウは今でも評価されており、それはとてもよいことだ。カメラ、スマートフォンのカメラ、ジャイロセンサー、そして私たちの日常生活に溢れているモノに使用されているほかの多くの部品が、驚異的な小型化と精度を誇る日本の構成部品で埋め尽くされているのは偶然ではない。が、仮想の世界、抽象化の世界、非物質的なモノの世界はあまり日本人が得意とする分野ではない。しかし、近年の技術革新において主導権を握っているのはまさにこの世界だ。それゆえ日本は降格した。
こうした総括は、より幸運な時代を経験した多くの研究者たちのそれと同じであり、彼らは今日、創造性を妨げるこの国の内向きな姿勢と開放性の欠如を嘆いている。
「科学技術は、国家が生存し続けるために最も重要な条件の一つです。文化が国の精神だとしたら、科学技術は基礎体力です。経済産業活動や安全保障、健康、医療、防災などあらゆる分野に決定的に影響します」とノーベル化学賞受賞者の野依良治は2022年末に東京新聞で主張した。
そして彼は次のように続ける。
国際的に見て、日本の科学技術力は衰退しています。二〇〇〇年頃までは、世界に冠たる科学技術を持ち、それに立脚したモノづくり産業がありました。今は違います。科学論文は減少し、企業にも最新の科学知識に基づく革新的技術がありません。政治の指導者たちは、ただ傍観するだけです

〔東京新聞のウェブページより引用〕。
近年において日本の欠点を心配しているのは、そして耳を傾けてくれる人に「体制の抜本改革が求められます」と叫んでいるのは、この科学界の大御所だけではない。しかし、日本の「体制」はほかのどの国のものとも異なり、極めて強い硬直性がある。日本のそれは、国際競争において他国と張り合うことのできない「異形のシステム」とさえ言われている。
なぜか? それはまさに本書で見てきたすべての要因が重なり合っているからだ――昔ながらのキャリア、産業部門間の流動性の欠如、企業家のモノカルチャー、自分のほうがより知識があるという年長者たちの確信、現実とズレた政策、そして女性の不在。
研究人材もまた、博士課程まで進む理工系学生の減少によって量と質の両面で課題を抱えている。これに加えて、すべてが閉鎖的に動いているという事実がある。
「日本人の教授が日本人の学生を教える大学院では、画一的な人材育成になります。(……)多様な人の掛け算が創造につながります」と野依は強調する。
ここで彼は、日本が因習から抜け出すのを妨げている最大の欠点の一つを批判している。
それは第一に、画一化がもたらすリスクに気付かず、多様性という概念をとても狭く捉えている企業である。
毎年、海外〔米国の理工系大学院〕で博士号を取得する中国人は6000人以上、韓国人は1000人以上いるのに対し、日本人はわずか100人から150人に過ぎない。この状況を変えるには日本の若者にもっと海外に出る気を起こさせなければならないし、何よりも彼らが帰国したときに日本企業がよりよく受け入れる必要がある。
だが、今のところ状況はその逆だ。日本の大卒の若者が日本の外に出て学業を続けたり、仕事のキャリアを踏み出したりした場合、母国に戻ってきたときにはハンディキャップを背負うことになる。帰国した彼らの文化には他国のものが少し混ざっており、もはや完全には日本の型にはまらず、おそらく以前よりも自己主張の強い気質が備わり、自分の個性を表現したい欲求がより大きくなっているかもしれない。
これらは社内の文化を阻害するもので、トラブルメーカーになりかねない。彼らはほかとは異なっており、それが雇用主を不安にさせる。
その上、度重なる危機によって多くの日本の若者の頭には「外国=危険」という公式が刻み込まれたために、彼ら自身が海外に出ることにあまり意欲的でなくなっている。
「国際連携も必要です。すべてを自前で賄うことは不可能だし、そもそも科学や技術の進歩に国境はありません」と野依教授は語る。
日本はグローバル化によって揺さぶられているが、それに適応できないでいる。自国のやり方を変えるのがあまりに困難なのと、外の世界を恐れてもいるからだ。
1970年代から80年代にかけての日本はそうではなく、それどころか世界を制覇しようと海外に出ていた。たしかに2022年から2023年にかけては日本の通貨安と低賃金によって一部の若者がより多く稼ぐために海外に移住したが、これは本質的な現象ではない。
さらに、こうした状況の原因であり、決定を下しているのは「老人」たちだ。というのも、彼らはリーダーの座を後進に譲ろうとせず、自分が時代遅れであるとなかなか認めないからだ。
しかし、年長の野依は「思い切って、志のある若い世代に主導権を渡してみたらどうでしょうか。今の若者は聡明です。彼らに未来を託す以外に道はないように思います」と主張する。
ただ日本では、年齢による著しく階層的な、時代遅れの組織編成が依然として続いている。「地位を奪われない者たちによるジェロントクラシー(老人支配)」と言ってもおそらく大げさではないだろう。
年長者に払うべき敬意(少なくとも理屈の上では)により、このタブーに触れることはほとんど禁じられている。後進に託すべきだと言うと高齢者を「差別する」ことになり、それは礼儀に欠ける行為だ。彼らが長く働けるように、健康を維持してもらうためにそう言ったとしてもだ。しかし、階層の頂点にしがみつく一部の「お年寄り」もまた厄介で障害となる存在だ。
「老人による支配と社会の保守主義、若者の意欲の不足、政治への関心の欠如、すべてが関連しています。これらは出生率の低下と人口の高齢化によるものです。高齢者の割合が増えるほど社会は保守的になります。これは当然の結果です」と東京大学名誉教授の石見徹は説明する。
ところが、大学を卒業してすぐに就職先を見つけられる若者たちは、こうした状況に抗わない。彼らは安定と高い給料を求めており、それ以外はどうでもよいのだ。
大企業も同様の問題を抱えているが、政治学者の渡部恒雄は「さらに悪い状況ですらある」と言う。ここでもまた、トップを狙う幹部たちが年々、階層を昇っていくためだ。最高の地位に就くのは必ずしも最も能力のある者ではなく、上司の期待に最もよく応えた者である。
そのため、ある企業の経営陣や取締役会でポストを得る者は皆、ほとんど同じようなプロフィール、同じような経歴、同じような年齢、同じような文化を有している。
これは、民間企業と大学の間を行き来してきた夏野剛〔既出の元NTTドコモ幹部で現在はKADOKAWAの代表執行役社長CEO、ドワンゴの代表取締役社長など〕が絶えず批判している事象だ。
「彼らは皆、何十年も前から同じ釜の飯を食べてきた人たちです」
能力主義の階級社会において、無能ぶりを露呈することになる限界の地位まで誰しもが昇進させられるという「ピーターの法則」は、世界のほかの国ではおそらくその有効性が失われているのに、日本では依然として有効である。
なぜなら、この国の職業界は別の論理に適応しなければならないからだ。
「職業的な成功を昇進という観点だけで考えますと、社員はもはや自分に最も適した仕事、最も満足する仕事で力を発揮せず、自分に合わないと感じるポストに就くことを余儀なくされ、階層のより上位を目指すためだけに仕事を続けるようになります」と労働の未来に関する著者・講師のレティシア・ヴィトーは的確に説明する(註1)。
彼女によると、管理者としての責任を大きくするだけではない、充実感と刺激のあるキャリアの展望を労働者に提供するには、人材の評価および昇進の主流モデルを見直すのが不可欠である。
岸田総理大臣は2022年と2023年の演説にこれらの考え方を加えたが、どのような結果が現場で生まれるかを注視する必要がある。
1 Laetitia Vitaud, Sommes-nous tous arrivs notre “seuil d’incomptence” au travail?, Welcome to the Jungle, 21 fvrier 2023, en ligne :(2023年6月閲覧)
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(ジャーナリスト 西村 カリン)

【衆院選】「国賊発言」村上誠一郎氏の「比例順位」にX衝撃「忖度ゼロ」「これはさすがに…」

自民党は26日夜、衆院選(27日公示、2月8日投開票)の比例代表候補予定者の名簿順位を発表した。四国ブロック(定数6)では、小選挙区との重複立候補予定者9人を横並びで1位に登載。比例単独候補予定者である村上誠一郎前総務相(73)を10位とした。
村上氏は24年の衆院選では愛媛県の選挙区調整に伴い、比例四国ブロックで自民党の名簿順位単独1位で出馬し、当選していた。
村上氏の比例順位降格について、X(旧ツイッター)では驚きの声が上がり、「村上誠一郎氏」がトレンド入り。「自民の比例四国名簿、村上誠一郎氏は四国10位 すげえ 今まで10位での当選者はいない。四国ブロックの定数は一貫して6議席。つまり、村上さようなら、ということ。やはり高市さんはすげえ」「高市自民党、忖度ゼロ。村上氏の1位申請要望を蹴り飛ばす」「これはさすがに… 小選挙区11期連続当選で、選挙区調整で比例に回った村上誠一郎氏に対し、嫌がらせのような仕打ち いくら石破前総理と近いとは言え、前大臣にここまで失礼な扱いをするのか 絶対にまだまだやれる 中道で出て頂いても良いのでは?」などと書き込まれていた。
村上氏は愛媛2区選出で当選12回。小泉純一郎内閣で、行政改革・地域再生・構造改革特区担当相を務めた。22年9月の安倍元総理の国葬を欠席する理由を説明する際、村上氏は「国賊」と発言し、1年間の役職停止処分を受けている。石破内閣では総務相を務めた。

八潮陥没1年、「あの日から全てが変わった」…今も下水からの悪臭・騒音に苦しむ周辺住民

埼玉県八潮市で下水道管が破損し、県道交差点が大規模に陥没した事故は28日で発生から1年となるが、現場周辺の住民は今も、下水からの悪臭や復旧工事の騒音に苦しんでいる。下水道管の複線化など工事完了まで最短でも5年以上かかるとされ、日常を取り戻すにはまだ時間がかかる。(さいたま支局 大須賀軒一、宮川徹也)
工事完了まで5年以上
「事故があったあの日から全てが変わった」。工事現場を囲む防音壁の隣で喫茶店を営む女性(81)はため息をつく。自宅も兼ねており、事故後は約3週間の避難生活を送り、店は閉めたままだ。
今は工事に伴う騒音と振動、悪臭に悩まされている。硫化水素の影響からか、店に置いていたポットなどの銅製品は変色し、エアコンは接続部の金属が腐食して壊れた。女性は「お客さんが戻ってきてくれるのか不安でたまらない」と話す。
地元有志が昨秋、住民らに実施したアンケートでは、回答した112世帯のうち86%が事故による「ストレス・精神的負担」があると回答。「頻繁にせきが出る」「下水臭による頭痛」を訴える声も寄せられた。
県は対策を進めている。昨夏から現場の半径200メートルの世帯・事業所を中心に金銭的な補償(1世帯5万円以上など)を行い、金属の腐食も、年末に補償対象に追加。健康不安の声を聞く相談会も開いてきた。
ただ、被害の長期化が懸念され、アンケートを行った主婦木下史江さん(56)は昨年12月、住民による被害者の会を組織。被害実態の自主調査や国・県への要望活動を模索しており、「住民の声を行政につなぐ架け橋となりたい」と話す。
陥没事故は昨年1月28日午前9時50分頃に発生。交差点に突然開いた穴にトラックが転落した。男性運転手が下水道管内に取り残され、県は上流域の12市町に下水道の利用自粛を半月にわたって要請。下水を迂回(うかい)させるバイパス管を取り付けるなどし、運転手の遺体は事故から約3か月後に搬出された。
県の第三者委員会は昨年9月、硫化水素がコンクリートを腐食させたとする中間報告をまとめた。硫化水素は下水に含まれる有機物が分解される過程で発生したとみられ、下水道管の劣化でつなぎ目などに隙間ができて、土砂が流れ込んだとしている。
県は工事や補償に278億円超を投入し、現場では、新たな下水道管の設置が完了。4月には現場の通行が暫定2車線で再開される予定だ。下水道管の複線化も進める方針で、完成は着工の5~7年後だという。
下水管調査 無人化必要
陥没事故は、下水道が抱えるリスクの大きさを顕在化させた。現場の下水道管は直径4.75メートルと大型で、毎秒4トンの下水が流れ込み、安否不明になったトラック運転手の救出や復旧工事は難航した。
事態を重く見た国土交通省は昨年3月、設置後30年以上の大型下水道管約5000キロを対象にした「全国特別重点調査」を実施するよう自治体に要請。昨年9月の途中経過では、約300キロが5年以内の緊急対策が必要と判定された。北田健夫・埼玉県下水道事業管理者は今月、報道各社の取材に「上水道と違い、下水道は汚水を止められないため調査や更新が難しい。ドローンの活用など調査や更新技術の高度化、無人化が必要だ」と訴えた。

【衆院選】中道・野田代表が高市首相の発言を即否定「野田内閣も真冬の解散」に「11月中旬です」

新党「中道改革連合」の野田佳彦共同代表は26日夜、衆院選(27日公示、2月8日投開票)を前に与野党7党首が生出演したテレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)で、高市早苗首相(自民党総裁)が指摘した、自身が首相時代の解散判断をめぐる指摘をその場で否定し、自ら訂正した。
番組にはこのほか、日本維新の会の吉村洋文代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、共産党の田村智子委員長、参政党の神谷宗幣代表、れいわ新選組の大石晃子共同代表がスタジオ出演。高市首相の解散の大義について意見を述べ合い、野党党首からは真冬の選挙であることなどに、「大義」に欠けると批判的な指摘が相次いだ。また、高市首相の解散判断に「納得する」が31%、「納得しない」が51%と、解散判断に半数以上が「納得しない」と答えたとする、番組の世論調査結果を紹介された。
大越健介キャスターから反論があるか問われた高市首相は、「冬の選挙については本当に、たくさんの方々にご苦労をおかけそいます。選管のみなさまにも感謝を申し上げます」とした上で、「ただ、野田内閣の時も真冬の12月の、寒い時期の解散だった」と指摘。「地方選でも、今年も北海道や東北、北陸でも(冬に選挙が)行われている」と主張した。
ただ、野田氏が首相時代に衆院を解散したのは、2012年11月16日で、衆院選の投開票日は12月16日。高市首相が言う「真冬」とは言えない時期だった。
野田氏は、高市首相の主張に目をぱちくりさせるような場面があり、首相の発言が終わった後で挙手をして、「11月中旬の解散です」とすぐに否定し、自ら訂正した。
この時の衆院選で、当時民主党代表として選挙を戦った野田氏は政権を失い、その後に、第2次安倍晋三政権が発足した。

《改憲勢力で3分の2超の予測も》総選挙後・政界大再編のカギとなる「憲法改正」 “安倍政権でさえ改憲原案提出なし”というハードルの高さ 高市首相に問われる決意と覚悟

高市早苗・首相の電撃解散や立憲民主党と公明党の新党結成で大揺れの政界だが、これらはさらなる激変の序章に過ぎない。総選挙後の日本政界を待ち受ける大再編劇は、何が軸となり、各党の政治家はどう動くのか。そしてそこで問われる高市首相の「覚悟」とは――。
政界再編のカギは「憲法改正」
政界再編のカギとなるテーマは何か。ノンフィクション作家でジャーナリストの門田隆将氏は「憲法改正」だと指摘する。
「現在の国際情勢から見て憲法改正は待ったなしのテーマになっている。高市首相の台湾有事をめぐる答弁で中国は日本への輸出規制など圧力を強め、政界では親中国派の立憲民主党と公明党が結束して中道改革連合をつくった。口では憲法改正の議論を深めると言っていますが、目的のひとつは改憲阻止と見ていい。
だからこそ、改憲勢力は高市首相を中心にまとまろうとしている。これまで自民党は改憲に慎重な公明党と連立を組んでいたから、改憲手続きに踏み込めなかったが、その公明党が連立離脱して障害はなくなった。今回の選挙で重要なのは自民、維新、国民、参政、保守の改憲政党が合わせて46議席伸ばせば衆院の3分の2を確保できること。参院は改憲5政党で既に3分の2の勢力がある。憲法改正に動くまたとないチャンスであり、改正議論のなかで政界再編も進んでいくはずです」
本誌・週刊ポスト前号(2026年1月30日号)の政治ジャーナリスト・野上忠興氏による選挙予測では自民、維新、国民、参政、保守の5党で55議席増で3分の2を超える情勢となっている(関連記事参照)。
別掲の表は憲法改正についての各党のスタンスをまとめたものだ。改正に前向きな政党の間でも、重視する改正項目に違いがあることがわかる。
そのため自民、維新、国民民主は憲法改正の条文案を議論する全会派参加の「起草委員会」の設置を主張しているが、立憲民主などが反対して「入り口」にも入れないまま議論は止まっていた。
憲法改正にどこから手をつけるか。憲法学者の百地章・日大名誉教授はこう語る。
「理想は全面改正ですが、現実的には困難。改憲派の政党でさえまとまった改憲案がない。よって個別的な条文改正を進めるしかない。どこから手をつけるかを考える際には、第1に国家の根幹にかかわる事柄であること、第2に、国家的緊急性が高いこと、第3に広く国民に支持が得られそうなテーマという3点を踏まえるのが良いと考える。

高市早苗首相「報ステ」でも国民・玉木代表に連立参加への秋波「さんざん政策受け入れましたよねえ」

自民党総裁の高市早苗首相は26日夜、衆院選(27日公示、2月8日投開票)を前に与野党7党首が生出演したテレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)で、国民民主党の玉木雄一郎代表に対し、あらためて今後の連携に向けた秋波を送った。
高市首相はこの日、日本記者クラブで行われた党首討論で、玉木氏に以前から連立政権入りを働きかけていたと明かし、「玉木さんは固まっているかもしれないが(前から)プロポーズを送っている」と自ら明かし、連立参加に向けた異例の「公開プロポーズ」を行い、選挙後の政権基盤強化に向けて、なりふり構わない様子をにじませた。
番組では、高市首相の解散判断の大義が話題になった際、26年度予算案の年度内成立が困難となったことを念頭に、「残念だ」と述べた玉木氏に、高市首相は「玉木さんは、政局より政策と訴えている。予算にも賛成してくださると思います」とプレッシャーをかけた。首をひねる玉木氏の様子が、ワイプ画面で映る中、高市首相は「ぜひ予算関連法案を早期に成立させるために、ご協力をお願いします」とたたみかけた。
放送終盤には、衆院選で与党で過半数を割れば「即刻退陣」の意向を示した高市首相に、大越健介キャスターが「国民民主党とは政策的な協力があった、国民民主党を足せば衆参ともに、連立与党で過半数ということも、数字の上ではありますが」と指摘し、玉木氏に見解を求めると、高市首相は「ほら、玉木~さん~」と、迫るように呼びかけた。
玉木氏は、高市首相の呼びかけに応じることなく、「とにかく、選挙で勝たないと、ああだこうだ言えない。我々からすれば与党の安定ではなく、国民生活の安定のために何を訴え、何ができるかをこの選挙で問いたいし、対決より解決で政策本位でやってきた。国民にとっていい政策は協力します、だれとやるかというよりも、何をやるかということに集中したい」と、訴えた。
すると、高市首相は「さんざん(国民民主が訴える)政策を受け入れましたよねえ。財源はこっちで探したけれども」と、苦笑いの表情でツッコミを入れ、玉木氏は固まった表情で聴いていた。
大越キャスターが、自民と連立を組む日本維新の会の吉村洋文代表に「連立を組んでいるパートナーの高市さんが、玉木さんにプロポーズをされている。ちょっと、人間関係的に言うと、ちょっと不思議かなと思うんですけど」と、問いかける場面も。吉村氏は「玉木さんは明確におっしゃりませんでしたが、もともと昨年10月に、高市さんが『総理になれない女だ』と言ったとき、高市さんと話して、いっしょに日本の政治を前に進めようと、判断をした。臨時国会(の首相指名選挙)で高市早苗と書いたのは、自民党以外では、わが党だ。腹をくくって、今、この席に座っている」と訴えた。
その上で「総理が、自民と維新で過半数にいかなければ退陣するとおっしゃっているから、もちろん僕も同じ。自民と維新で過半数に足りなかったら、僕も日本維新の会の代表は辞任します」と述べ、「それくらいの覚悟で連立政権で前に進めていきたいという思いで挑んでいます」と口にした。

警察署に左折進入しようとした兵庫県警のパトカーが原付バイクと接触事故 60代女性が右足骨折などの重傷 兵庫・尼崎市

26日午後、兵庫県尼崎市の国道2号で、警察署に入ろうとしたパトカーと直進する原付バイクが接触する事故があり、原付バイクを運転していた60代女性が重傷です。
26日午後4時前、兵庫県尼崎市昭和通の国道で「車とバイクの事故があった」とパトカーに乗っていた警察官から110番通報がありました。
警察によりますと、尼崎南署に入るため左折しようとしたパトカーと後方から直進してきた原付バイクが衝突したということです。
この事故で、バイクを運転していた63歳の女性が左ひじと右足の骨を折る重傷です。警察が事故の詳しい状況を調べています。
兵庫県警本部刑事部薬物銃器対策課の次席兼調査官は「負傷された方には申し訳ありません。今後、交通事故防止について指導を徹底してまいりたい」とコメントしています。

中国による「奇襲リスク」が高まっている…レーダー照射を分析した大学教授が、いま最も恐れる事態

「1回1回のスクランブルの質的条件が悪化している。中国軍機が『何をしてくるか分からなくなったから』だ」
こう分析するのは、航空自衛隊OBで現千葉科学大学教授の松家秀平氏だ。
12月6日に中国のJ-15戦闘機から約30分にわたってレーダー照射を受けたのは、スクランブル(緊急発進)していた日本の戦闘機のF-15。防衛省の発表によると、同日18時37分頃から19時8分頃にかけて、沖縄本島南東の公海上空で演習中の中国空母「遼寧」から発艦した中国軍機がレーダー照射を断続的に行った。
「(レーダー照射を受けたパイロットは)気が気ではなかっただろう。火器管制レーダーの照射を30分も受けるというのは『引き金に指が入ったまま、銃口を突きつけられた』状態だったからだ」(松家氏)
日本の空の守りに異変が生じている。中国は軍拡に邁進し、高市首相の「存立危機事態発言」以降、日本にさまざまな経済的・軍事的圧力をかけている。
そもそも、スクランブルとは何か。外国の航空機による領空侵犯のおそれがある場合、主権国家として領空を守るべく、空自が「警察権」を行使し、戦闘機を発進させ、当該航空機に対して監視や退去警告をする活動だ。
スクランブルの回数は、2023年度は669回、2024年度は704回と、700~1000回で推移している。中でも、近年は中国の航空機の割合が高い。2022年度は約74%、2023年度は約72%、2024年度は約66%である。
スクランブルにおいて、中国の割合が高い中で、今回の事案のように「何をしてくるか分からなくなった」のが現実だ。緊張感が増す「空の守り」の現場で、一体何が起きているのか。
まず中国側の狙いについて分析しよう。松家氏は、中国の軍事活動の目的は、中国共産党の政治思想を背景に、軍事的な野心のみならず、国内世論の統制、疲弊する国内経済からの目眩しなど複合的な動機から成り立つと読み解く。
「中国軍は2025年11月に空母3隻体制を確立させた。これにより、空母から発艦する戦闘機の運用・訓練・整備のローテーション能力が飛躍的に向上したことに加え、第二列島線(伊豆諸島・小笠原諸島・サイパン・グアム・パプアニューギニアに至る中国の対米防衛ライン)への進出もすでに視野に入り、現実化している。日米両国への圧力を強化している形だ。現に、12月6日のレーダー照射も、沖縄本島南東公海で空母打撃群が演習していたときのものだ。この距離感であれば、日本側は九州地域まで緊張感が走る。軍事的には『平時の運用は作戦準備も兼ねている』というのが常識で、奇襲も十分考慮しておく必要がある」
「中国が示威活動を強める理由のうち、軍事的な動機はもちろん、国内の経済問題も考えられる。特に地方では経済的に疲弊しており、共産党指導部は国内世論を統制すべく『強い中国』を全面に打ち出したいという格好だ。先の『存立危機事態になり得る』という高市発言に関しても、中国側は日頃から日本の『失言』を待ち構えており、少しでも示威活動に使えそうな材料を探していたと考えられる。中国指導部は歴史的に自国に有利な『口実』を見つけるという政治スタイルを踏襲している」(松家氏)
このような明確な軍拡路線の中、航空自衛隊にとってどんな危機が想定されるのか。松家氏が指摘するのは、中国の「奇襲」リスクが高まっている点だ。もちろん、現実的に奇襲を行うメリットがなければ奇襲は行われない。ただ、奇襲の可能性を100%否定できない場合、軍事的には身構えを崩せないという。
「中国軍機におけるスクランブル措置は南西部に集中しているが、このエリアにおいて1回1回のスクランブルの緊張感が増している。2016年以前は中国軍機の飛行ルートがパターン化されており、日本側も把握しやすかった。しかし近年は、『どこから、どんなルートで中国軍機が飛んでくるか、期間や頻度など』が非常に分かりにくく複雑化している。また2025年11月の空母3隻体制確立以降、日本に対して領空侵犯しやすい体制をつくったことは言うまでもない。日本側としては空母打撃群と空母で発着を繰り返す中国軍機を常時モニターせざるを得ない」
12月6日のレーダー照射時も、日中間の緊張が高まっていた。
「中国側は捜索レーダーを使ったという主張をしているが、状況証拠としても、技術的にも、『ミサイルを打つぞ』という目的の火器管制レーダーを使ったことはほぼ間違いないだろう。中国も日本のスクランブル機を監視しているはずで、12月6日は『(レーダーを照射している中で)どこまで日本側が耐えられるのか、どのように反応するのかを見極めよう』と判断した可能性も捨てきれない」(松家氏)
松家氏はまた、中国共産党指導部と人民解放軍、組織の末端の軍人のパワーバランスにも注目する。
「危険なのは、中国軍機による今回のような行動が中国軍の組織的判断ではなく、組織の末端の個人のパイロットによる判断で為される場合だ。組織的な動きであればある程度行動にもブレーキが効く。ところが個人が共産党・軍指導部への評価を意識し、アピールとして日本を過剰に刺激する可能性もある。パイロット個人による暴走が、直接戦争の火種につながることも考えられ、非常に危険である」(松家氏)
スクランブルの1回1回の危険度が高まっている状況の中、自衛隊はどのように対応しているのだろうか。
そもそも、小泉防衛大臣も「スクランブルは隊員の負担が大きい」と話したように、スクランブルを行うパイロットは重責を担っている。24時間体制で命令を待機し、発進命令があれば一目散に戦闘機に乗り込む。
「スクランブル隊員は精神的・肉体的に負担が大きい。24時間体制でシフトを組み、待機室ではリラックスしているものの、頭・身体のどこかで緊張感を常に維持させなければならない。体調不良になることは許されないし、慣れによる緩みも厳禁。パイロット個人としても、組織としても難しい仕事だ」(松家氏)
松家氏はまた、スクランブルにおいてはパイロットの負担はもちろんのこと、地上の管制司令部(防空指揮所)も領空侵犯の可能性のある外国の航空機を常に見張っている状態であり、機体の整備士を含め、総力体制で行っているという。
「司令部(防空指揮所)が防空識別圏(ADIZ)に入ってきた航空機に対して、スクランブルを含めた措置の決定を握っている。パイロットが空を飛んでいる時も、司令部の管制官とは常にコミュニケーションをとっている形だ。一般的には司令部がパイロットに対して離脱などの指示を与える。当然、現場の管制官の判断ミスは許されるはずがなく、彼らの負担も大きい。警告射撃の段階になると、さらに上位の司令部に確認をとる場合もあり、組織的な手続きを踏む。パイロット1人に責任を負わせない組織的な措置ということだ」(松家氏)
異例づくめだった12月6日のレーダー照射時も、パイロットと管制官は異常事態に的確な判断を下していたと松家氏は評価する。
「長時間にわたるレーダー照射を受けていた以上、その状況が組織的に把握され、撃墜という最悪の事態を常に想像しながら、地上と空で冷静な連携を取っていたことがうかがえる。常日頃から訓練などによる信頼関係が構築できていたからこそ組織的で的確な対応ができたのではないか」(松家氏)
中国軍機による領空侵犯のおそれは南西部に集中していて、スクランブルの質的な負担が増大している――。南西部には小さな島が点在しており、それぞれの島にそれぞれの領空が存在する。
国家の主権を維持するため、「警察権の行使」として領空を守る責任を航空自衛隊が担っている以上、今後もスクランブルを継続していく必要がある。
「費用対効果の面から見れば、遠方への対領空侵犯措置にコストがかかるのは周知の事実だ。中国側もそれを分かっていて、無人機を頻繁に飛ばし、空自を疲弊させようとしている。だからと言って、主権国家として領空を守らないわけにはいかない。日本の安全保障は『専守防衛』が基本で、パイロットも『撃たれるまで撃てない』のが現実だ。外国軍機から見ても、よほどのアクションをしない限り、向こうは何もしてこない、と分かれば怖くないのは当たり前だろう。
対領空侵犯措置におけるスクランブル機の危険度が上がっている中で、警察権行使のあり方を再検討するべきではないか。相手方が戦闘機の場合、情報収集機の場合、諸外国との比較、などさまざまな観点を総ざらいし、法的な議論を含めスクランブル機の対応のあり方について議論すべきだろう。議論を活性化させることそのものが、外国への『抑止力』につながるのではないか」(松家氏)
急変する日本の空の守り。1回1回のスクランブルの不確実性が極めて高くなっていることを、国民は知っておくべきだろう。
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(フリーランスジャーナリスト 湯浅 大輝)

石破政権の「対中外交」は戦略なき外交の実例だ…前中国大使・垂秀夫氏が警告する“戦略的思考の欠如”

立命館大学教授で、前日本国駐中国特命全権大使の垂秀夫氏が、現在の日本における外交の問題点や、石破政権の「対中外交」への評価について語った。
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垂氏が考える「日本外交に足りないもの」
いま日本外交に欠けているものは何か――。
この問いは、外務省に40年近く身を置き、中国問題に携わり続け、最終的には北京で日本大使として任に就いた私が、外交官人生の終盤に至って最も強く意識するテーマとなった。
答えを端的に言えば「戦略的思考」である。
戦略とは、善悪の価値判断でも、目先の政策の巧拙でもない。まして、各部局の意見を寄せ集め、「折衝」の末に落としどころを探す作業でもない。戦略とは本来、「国家として何を目指し、どの順序で、どの手段を使い、どう実現するか」という未来の設計図である。
また、戦略とは、個々の外交官の勘や場当たりの「職人芸」を超え、国家として繰り返し運用できる“習慣”でなければならない。危機が起きた瞬間だけ声高に唱えるのではなく、平時から目標と手段を結び、政策の順序を整え、資源配分を決めておく――その地味な作業の積み重ねが、危機の瞬間に国を救う。
この基本が、日本外交から徐々に薄れてきたのではないか。
私がそう案じる理由は、理念的な抽象論ではない。外交の現場で、私はこの「戦略の欠如」の光景を何度も、そして痛切なかたちで見てきたからである。
戦略なき外交の実例――石破政権の対中外交
象徴的な例として、石破茂政権の対中外交を、あえて「起承転結」で整理してみたい。
【起】2024年10月の政権発足時、石破政権は対中関係の「改善意欲」を繰り返し示し、首相自身も訪中に前向きな姿勢をにじませた。12月の外相・岩屋毅氏の訪中は、そのシグナルを補強した。中国側もこれを前向きに受け止め、李強首相を含む要人との会談を設定するなど、「両国関係を動かせるのではないか」という期待が生まれた。ここまでは、対話の糸口をつかむ上で決して悪くない。石破首相は対中関係改善のシグナルを送ったと日中双方が受け止めた。
【承】翌2025年1月、米トランプ政権が再び始動すると、北京の空気は一段と硬くなった。米中の角突き合いが先鋭化する局面で、米国側の同盟網が固まることを中国は恐れる。そこで対外的には、日本を含む周辺国や欧州、豪州、韓国などに対して「微笑外交」を強め、「対話」「協力」を前面に出す。日本側から見れば、石破政権発足時の対中アピールと中国側の融和姿勢が噛み合い、一見すると“相思相愛”の気配すら漂っていた。
【転】2月、石破首相は訪米し、トランプ大統領との会談後に日米首脳共同声明が発出された。声明は、中国による東シナ海・南シナ海・台湾海峡での力または威圧による一方的な現状変更への反対、台湾海峡の平和と安定の重要性を確認した。内容自体は近年の共同声明の延長線上にある。しかし中国側の受け止めは別である。北京は「日本が主導して作った共同声明だ」「結局、石破政権もこれまでの政権と変わりはない」と位置づけ、対日観の軸足を再び“警戒”へ戻す。
【結】そして3月、日中韓外相会談出席のため王毅外相が訪日し、日中外相会談が行われた。中国側はこの機会に、台湾問題を含む「四つの政治文書」の履行を改めて求め、とりわけ歴史問題を繰り返し取り上げた。以後、「抗日戦争勝利80周年」に託(かこつ)けて、中国国内で世論を抗日的に誘導する動きが強まり夏から秋にかけ厳しい抗日映画の封切りなどを含む一連の抗日キャンペーンが展開されることになった。その際、中国側には当初対中アピールを投げかけた石破政権への配慮は微塵も感じられなかった。
こうして見ると、政権発足時の「改善」アピールとは逆方向に、対中関係が揺り戻されている。重要なのは、石破政権の個々の対応が正しかったか、間違いだったか、といった近視眼的な基準で判断しないことである。中国との対話を志向し、日米同盟を堅持し、必要な局面では言うべきことを言う――それ自体は当然であり、間違っているわけではない。
問題は、政権中枢に一貫した対中戦略が存在していないために、行き当たりばったりの“その場しのぎ外交”になってしまい、「起」と「結」のベクトルが噛み合わなくなっている点にある。結果として、「一体何を求めようとしていたのか」と問われても仕方のない対中政策であったと言わざるを得ない。
そしてこれは石破政権に限らない。現在の高市早苗政権も発足とともに、「戦略不在」という同様の問題を抱えている。
※本記事の全文(約8000字)は、文藝春秋2月号および、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(垂秀夫「 米中露『三国志』時代の日本外交 」)。全文では、以下の内容をお読みいただけます。

・現場で突きつけられた「日本には戦略がない」現実

・中国に学ぶべき「時間を操る思考法」

・官邸に「戦略の中枢」を
(垂 秀夫/文藝春秋 2026年2月号)